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【保存版】CRMとは?メリット・デメリットや機能、選び方を徹底解説!

データ 基礎知識
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急速なデジタル化によって、顧客との接点は実店舗、ECサイト、通信販売、SNSなど複数の流通経路にまたがり、オムニチャネル化が進んでいます。このような背景から、顧客情報をより効率的に一元管理する必要性が出てきました。

そこで注目を浴びているのが「CRM」です。

CRMとは、顧客関係管理と呼ばれるシステムのことで、顧客の連絡先や購入履歴、商談の取引情報をすべて1つのツールで管理できます。これまで媒体ごとに管理していた顧客情報に効率良くアクセスでき、最適なタイミングで自社商品やサービスを販促可能にします。

本記事ではCRMの概要から、機能、メリット・デメリット、選び方を詳しくご紹介します。

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1.CRMとは

CRMとは「Customer Relationship Management」の略で「顧客関係管理」または「顧客管理」などと呼ばれています。

具体的には、顧客の連絡先や購入履歴、問い合わせ状況などを1つのツールで管理できるため、情報の一元化に貢献します。顧客の顕在ニーズのみならず、潜在ニーズを把握しやすく、自社商品やサービスを最適なタイミングで訴求できるなどメリットも多数。

また、集約された顧客情報を有効活用すれば、商品やサービスの改善にも役立ちます。これまで媒体ごとに分散していた顧客情報を一元管理することで、時代とともに変化する消費者ニーズへも対応しやすくなります。

さらに、CRMを導入する企業にとっては、部署をまたいだ顧客情報の共有・経営戦略の連携が加速し、業務効率化につながります。

2.CRMシステムの目的

CRMシステムの目的は、顧客との関係性を構築し続けながら、自社の売り上げや問い合わせの最大化を図ること。具体的には、CRMを導入し、購入履歴や問い合わせ内容などの情報を活用して、顧客の求める商品やサービスをリリースします。

その結果、顧客満足度を高め、LTVの向上にも貢献します。LTVとは「Life Time Value」の略であり「顧客生涯価値」という意味。特定の商品やサービスを生涯に渡り使い続けることで、企業利益の最大化に貢献する指標です。CRMシステムは、LTVの向上にも役立ちます。

3.CRMシステムが必要な理由

顧客との関係性を構築・管理するCRMシステムは、1990年代に普及しました。

バブル経済の崩壊によって、拡大してきた国内市場が一気に低迷したことで、既存顧客のニーズをいかに取り込めるかが焦点となったためです。限られた顧客のニーズに応えるため、他社サービスとの差別化を図るためには、顧客情報の活用が必要不可欠でした。

そして、30年以上が経過した今、再びCRMシステムの需要が高まっています。

CRMシステムが現代に求められる主な理由は、以下の通りです。

  • インターネットの普及により消費者ニーズが多様化した
  • モバイル端末やSNSが広まり消費者購買行動が変化した

1つずつ見ていきましょう。

3-1.インターネットの普及により消費者ニーズが多様化した

1つは、インターネットの普及により、これまで実店舗主体であった消費者ニーズが、通信販売やECサイトなどネット上へ向けられるようになりました。その結果、さまざまな商品やサービスとの接点を持つことができ、消費者ニーズが多様化していったのです。

このような背景によって、企業側も一元的なニーズの把握が難しくなり、CRMシステムの需要が増加しました。

3-2.モバイル端末やSNSが広まり消費者購買行動が変化した

次に、モバイル端末やSNSが広まったことで、AISASと呼ばれる消費者購買行動が定着。

AISASとは「Attention(注意)」→「Interest(関心)」→「Search(検索)」→「Action(購買)」→「Share(拡散)」の頭文字を組み合わせた造語です。現代における代表的な購買行動で、興味の湧いたサービスを検索し、購入後に魅力をシェアするという点が、特徴的です。

これまで主流であったワンウェイモデルとは違い、商品やサービスを提供する企業と消費者が、インタラクティブな関係へと変化しました。その結果、企業が媒体ごとに異なる顧客のニーズを把握するため、双方向のコミュニケーションが求められるようになったのです。

CRMの導入で、顧客情報を一元管理できれば、より密接なコミュニケーションを可能にし、最適な商品、サービスを提供できます。

4.CRMシステムの機能

次に、CRMシステムの機能についてご紹介します。単に、顧客情報を管理するだけでなく、メール配信機能との連動など、販促活動やマーケティング分析でも活用できます。

4-1.顧客情報管理/分析

顧客情報管理とは、顧客に関連する以下の情報を、1つの画面でまとめて管理する機能のこと。

  • 会社名
  • 氏名
  • 年齢
  • 性別
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 購入履歴
  • 商談履歴
  • 名刺
  • クレーム対応

従来の方法では、顧客情報を媒体ごとに照らし合わせて管理・分析する必要があり、欲しい情報を入手するために時間と労力が必要でした。

しかし、CRMシステムを導入すれば、あらゆる顧客情報がワンクリックで把握でき、欲しい情報を効率よく入手できます。顧客情報の見える化が実現し、マーケティングの企画・立案、施策実行、効果分析、改善といったPDCAサイクルの高速化にもつながるでしょう。

4-2.案件管理

CRMシステムは、顧客情報だけでなく、顧客ごとの売り上げや案件の進捗状況などもまとめて管理できます。

例えば、現在普及しているクラウドタイプのCRMシステムを活用すれば、営業マンが商談した内容を、クラウド上で営業チームに共有可能。わざわざ会社に戻らなくても、案件の進捗状況を把握でき、精度の高い情報をいつでも入手できます。

「帰社後に、伝達事項が抜けてしまった」という心配もありません。

また、出先でなんらかのトラブルが生じても、CRMシステムとチャットツールを連携させておくことで、最適な情報を入手し、素早い対応が可能。結果として、顧客からの信頼関係構築につながります。

4-3.問い合わせ管理

CRMシステムには、顧客からの問い合わせ内容を履歴として保存し、管理する機能が備わっています。メールや問い合わせフォーム、LINE、SNSなど顧客との接点が増える現代、問い合わせ数も増加し、リソースが追いつかないこともあります。

その結果「大量の問い合わせに対応できない」「複数のチャネルで返信遅れが発生している」など、課題に直面している企業も多い傾向です。

そこで、CRMシステムを導入すれば、各チャネルの問い合わせを同一画面で管理できます。これまでなら、チャネルごとにログインし、対応しなければなりませんでしたが、同一画面ですので効率良く返信可能。

また、問い合わせ内容によっては、専門の担当者へ引き継ぎが必要な場合もありますが、CRMシステムなら自動割り振り機能が完備されたタイプもあります。

その結果「誰がどのような問い合わせに対応しているのか」判断する手間が省けます。問い合わせに関する、さまざまな業務負担軽減に貢献するでしょう。

4-4.メール配信

CRMシステムには、登録した顧客に対して、メールで新商品やサービスの情報を自動送信できる機能が備わっています。また、メールの送信先は、顧客ごとのセグメントで指定できるため、商品やサービスを届けたい顧客にピンポイントにアプローチ可能。

さらに、開封率を見える化でき、メール送信の最適な時間帯や文章量を検証できるなどマーケティング戦略としてもおすすめです。

4-5.アンケートの作成/集計/分析

CRMシステムには、アンケートの作成・集計・分析機能が備わっているタイプがあります。簡易的なアンケートから本格的なリサーチまで、簡単なステップで作成し公開できます。

アンケートの回答結果は、管理画面へリアルタイムに反映・集計されるため、顧客のニーズを瞬時に拾い上げることも可能。集計結果をもとに次のキャンペーンやサービスの企画を立案すれば、顧客ニーズに合わせた効率の良いマーケティング戦略が展開できます。

また、メールアドレスなどの顧客情報とアンケートの回答を連動させることで、より立体的な分析や集計が可能になります。

4-6.セミナーやイベントの管理

CRMシステムのなかには、セミナーやイベントの開催を効率化するため、受付フォームの作成や入金状況の確認まで対応するタイプもあります。受付フォームからイベントへの申し込みを済ませた顧客に対して、入金確認メールや、リマインドの一斉送信も可能。

その結果、事務手続きの簡略化につながり、セミナーやイベントのスムーズな開催を後押ししてくれます。

ここまで、CRMシステムの代表的な機能を6つご紹介しました。

CRMシステムを販売するメーカーによって、機能の特色は異なりますので、ぜひ比較検討してみてください。

5.CRMシステムの導入メリット

続いて、CRMシステムの導入メリットについて整理しましょう。

5-1.顧客情報の一元管理とリアルタイム共有

CRMシステム最大のメリットは、顧客情報の一元管理とリアルタイム共有です。

従来であれば、顧客情報を営業担当者のみが把握しており、各部署が情報を把握しにくいケースもみられました。その結果、営業担当の個別管理によって、顧客情報のフォローアップができず、属人的な管理になってしまうことも。

しかし、CRMシステムを導入することで、情報を一元管理でき、営業担当のみならず各部署が顧客情報を可視化できるようになります。また、CRMシステムを活用すれば、顧客情報のリアルタイム共有が可能となり、常に最新情報を入手できます。

「商談中に必要な顧客情報、過去の事例を瞬時に呼び出す」

「商談の進捗状況を、商談後に即座に共有する」

このように、CRMシステムを導入すれば、スムーズな情報共有ができ、業務時間の削減も実現できます。

5-2.顧客満足度の向上

CRMシステムを導入すると、営業部門やマーケティング担当など部署間での情報共有がスムーズになり、顧客に向けた迅速なアプローチができるようになります。

また、顧客データも常に最新のものへアップデートされるため、時代と共に移り変わる潜在ニーズを拾い上げ、最適なマーケティング施策を展開できます。過去に購入した商品やサービスから、顧客の傾向や担当者のサポート内容まで把握でき、より顧客に寄り添ったサービスを提供可能です。

その結果、顧客満足度向上にもつながるでしょう。

5-3.PDCAサイクルの高速化

PDCAとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字から取った業務改善手法のこと。PlanからActionまでのサイクルを回し続けることで、マーケティング施策の効果が最適化されます。

CRMシステムを導入すれば、精度の高い蓄積した顧客情報をもとに、最適なマーケティング施策を進め、効果測定にも役立ちます。つまり、PDCAサイクルの高速化が達成され、製品やサービスの改善にもつながるでしょう。

6.CRMシステムのデメリット

CRMシステムには素晴らしいメリットがありますが、把握しておくべきデメリットも存在します。導入後のミスマッチを防止するためにも、デメリットを確認しておきましょう。

6-1.導入コストがかかる

CRMシステムの導入コストは、クラウド型やオンプレミス型などの種類や管理するアカウント数、搭載する機能、データ容量などによって異なります。基本的には、データ容量が大きく、処理が高速で、メールアドレスや予定表との連携、マーケティングや営業支援など機能が豊富なほど費用がかかります。

CRMシステムを導入することで、自社が何を達成したいのか、目標を明確にした上で導入を検討してみてください。機能が充実しているからと、自社にとって不必要な機能まで完備しているCRMシステムを購入してしまうと、費用を圧迫してしまうため注意しましょう。

6-2.社内体制の見直しが必要なケースも

CRMシステムの導入で、顧客情報を一元管理できても、部署間で情報を共有する体制がなければ、CRMの特徴を最大化できません。例えば、従来のやり方に任せて顧客情報を営業担当者が属人的に管理をしているなら、一元管理するための業務プロセスへ変更する必要があります。

CRMシステムを導入前に、スムーズに活用できる社内体制なのかを、もう一度、確認してみてください。

6-3.即効性が期待できない

CRMシステムは、顧客の年齢、性別などの基本情報や購入履歴、問い合わせ状況、サポート内容など一定のデータ蓄積が必要です。データが蓄積して初めて、マーケティング施策における顧客分析や効果検証を進めることができます。

そのため、導入してすぐに売り上げが向上するような即効性を期待できるものではありません。CRMシステムによって蓄積した顧客情報をもとに、PDCAサイクルを回し続けて、売り上げや業績アップにつながります。

システム導入後は、社内にノウハウが蓄積するまで、焦らずに運用していく必要があります。

7.CRMとSFAの違い

SFAとは「Sales Force Automation」の略であり、営業活動の効率化を図るシステムやツールを指します。営業担当は、顧客リスト・提案書・企画書の作成、見込み顧客へのテレアポ、既存顧客へのサポートなどさまざまな業務を受け持ちます。

しかし、このなかには定型的な業務も少なくありません。SFAを活用すれば、こうした定型業務に対して、自動化を促進し業務の効率化やコア業務への選択と集中が可能になります。

つまり、SFAは営業支援システムであるということです。

CRMは顧客関係管理全般を、SFAは営業支援という特定業務を対象とする違いがあります。

ツール 種別 目的
CRM 顧客管理ツール
  • 顧客情報の一元管理
  • 顧客との関係性を構築
SFA 営業支援ツール
  • 営業業務の自動化、効率化

8.CRMシステムの選び方

次に自社に適したCRMシステムを選ぶにはどうすれば良いか、選び方のポイントをご紹介します。CRMシステムとのミスマッチ防止と費用対効果を高めるためにも、選び方を整理しましょう。

8-1.CRMの種類で選ぶ

CRMシステムは「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類に分かれています。それぞれ、導入コストやセキュリティ、カスタマイズ性に違いがあるため、慎重な検討が必要です。

基本的な違いは以下の通りです。

オンプレミス型 クラウド型
コスト 高め 低め
導入までの期間 数週間〜数ヶ月 アカウント登録後から利用可
カスタマイズ性 柔軟に可能 制限あり
セキュリティ 自社内ネットワークで完結 クラウドなので災害時などに強み

オンプレミス(On-Premises)は、自社運用という意味で、CRMシステムを自社ネットワークで構築します。そのため、導入コストこそ高めですが、自社の事情に合わせてカスタマイズできたり、独自のルールで運用できたりと非常に柔軟です。

一方、現在需要が伸びているクラウド型は、導入コストが低めで、中小企業におけるCRM導入にも向いています。オンプレミス型と比較し、導入コストを削減できる点や、どこにいても異なるデバイスから顧客情報にアクセスできる点が魅力的。

どちらを選択するかは、自社の顧客規模、必要な機能、目標値などと照らし合わせて、選定してみてください。

8-2.必要な機能で選ぶ

一口にCRMシステムといっても、顧客情報管理以外に、営業支援・チャットツールの連携・マーケティング分析などあらゆる機能が用意されています。基本的に顧客管理だけであれば、料金プランも最小で済みますが、機能が増えるごとに費用が増加します。

このことから、自社にとって最低限必要な機能は何か、自社のワークフローなどと比較しながら検証した上での選定が必要です。

8-3.サポート体制で選ぶ

各CRMシステムには、さまざまなサポート体制が用意されています。自社ネットワークに適した導入支援を用意しているもの、導入後のシステムアップデートも対応してもらえるものなどさまざま。

サポート体制が充実していれば、その分、導入後の運用もスムーズですから、各CRMシステムを比較検討してみてください。

まとめ

CRMは、顧客関係管理と呼ばれるITシステムのことで、顧客の連絡先や購入履歴、問い合わせ内容を一元管理できます。導入することで、顧客情報をリアルタイムで共有でき、顧客が求めるニーズを拾い上げながら最適な自社ビジネスを展開可能。

マーケティング施策におけるPDCAサイクルを高速化するためにも、重要なシステムです。

CRMシステム導入のメリット・デメリットも参考に、ぜひ検討してみてください。

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アドフレックス編集部

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