コラム

広告運用の指標ROASの改善方法は?ROIとCPAの違いまで解説

基礎知識
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企業の広告担当者は、さまざまな施策を考えて運用に取り組んでいることでしょう。費用対効果がある広告を優先に予算を配分させれば売上拡大が見込めます。そのため、広告の費用対効果を測定する「ROAS」を計算して施策を見直していきましょう。

  • 広告の費用対効果を測定する重要指標「ROAS」とは何だろうか?
  • 専門用語「ROI」や「CPA」との違いは何だろうか?
  • ROASを最大化するために何を改善したら良いのだろうか?

この記事では、ROASの計算方法から改善方法について詳しく解説します。ぜひ、広告運用をして売上アップを目指したい方は、この記事を参考にしてみてください。

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1.ROASとは

ROAS(Return On Advertising Spend)とは、広告の費用対効果を測定するための指標です。広告費用に対してどのぐらいの売上が計上できたかを測定する場合に使用します。指標が高いほど、広告運用によって売上が見込めていることを意味します。

1-1.計算方法

ROASは次の計算式で算出します。

ROAS = 売上 ÷ 広告費用 × 100(%)

下記の例では、SNS広告のROASが と最も高く、反対に雑誌掲載(オフライン広告)のROASは100%と低くなっています。そのため、雑誌の掲載費用をSNS広告費用に回すと広告の費用対効果が上げられると判断できます。

(例)

施策 施策による売上 広告費用 計算式 ROAS(%)
リスティング広告 500万円 100万円 500万円÷100万円×100% 500
SNS広告 800万円 80万円 800万円÷80万円×100% 1000
雑誌掲載
(オフライン広告)
300万円 300万円 300万円÷300万円×100% 100

1-2.メリット

ROASを計算することにより、各施策の売上貢献度が分かります。ROASが高い施策の広告費用を増やしたり、低い施策のクリエイティブを変更して効果を改善したりするなど、広告運用の見直しができることがメリットです。そのため、各施策のROASを計測して効果が見込めるものに投資をしていきましょう。広告の施策の種類には以下のものが挙げられます。

【施策の種類】

オンライン広告 純広告・タイアップ広告・動画広告・ネイティブ広告・SNS広告・リスティング広告・ディスプレイ広告・リターゲティング広告など
オフライン広告 4大マス広告(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)・チラシ配布・交通広告・タクシー広告・屋外広告など

1-3.デメリット

ROASは各施策の売上貢献度を表す指標のため、利益は計測できません。下記の例は、利益率によって利益が変動することを意味しています。利益率50%の場合は、の利益が見込めています。しかし、利益率10%の場合は50万円の損失が出てしまいます。

(例)

施策 売上 広告費用 利益率 利益
リスティング広告 500万円 100万円
  • -50万円
  • 25万円
  • 150万
  • 10%
  • 25%
  • 50%

このようにROASは広告施策の改善に役立つ指標ですが、利益が計算できるわけではありません。そのため、経営の安定化を目指したい方は「ROI」も合わせて覚えましょう。

2.ROIとは

ROI(Return On Investment)とは、投資利益率を測定する指標です。広告費用でどのぐらいの利益を計上できたかを測定する場合に使用します。ROIの指標が高いほど利益が見込めていることを意味します。

2-1.計算方法

ROIは次の計算式で算出します。

ROI = (利益:売上-原価-投資額) ÷ 投資額 × 100(%)

下記の例を見ると、ショップAでは利益が出ていますが、ショップCでは利益が出ていないことが分かります。このように、各事業の投資利益率が計測できるため、どの事業へ優先的に投資すべきか判断できるようになります。

(例)

ショップ名 売上 原価 広告費用 計算式 ROI(%)
ショップA 600万円 100万円 100万円 (600-100-100)÷100×100% 400
ショップB 500万円 150万円 100万円 (500-150-100)÷100×100% 250
ショップC 400万円 300万円 100万円 (400-300-100)÷100×100% 0

2-2.メリット

ROIの計測 投資利益率が把握できるため、どの事業に価値があり、優先的に投資を行うべきかを数値的に判断できます。しかし、業種別でROIの目安は異なるので注意してください。安定した経営を実現するためにも、業種別の目安を超えるように意識しましょう。

業界別 ROIの目安

全体 約5%
医薬 約19.3%
小売 約4.2%
サービス 約7.1%

2-3.デメリット

ROIは投資利益率で経営判断をするため、数値化が難しいものに対する評価がしにくいのがデメリットです。例えば企業のブランディングを実施した場合、どれだけの効果が見込めたかは計測できません。定量的な情報による判断はできても、定性的な情報による判断は行えないため、注意してください。

3.CPAとは

ROASと間違われやすい指標にCPAがあります。CPA(Cost Per Acquisition)とは、CV(コンバージョン)1件を獲得するために必要な広告費を意味します。CVに設定される内容には「商品購入」「会員登録」「お問い合わせ」「資料請求」などがあります。

CPAが低いほど、効率的に広告運用ができていることを意味しています。そのため、広告運用の見直しを図る場合に指標を参考にしましょう。

3-1.計算方法

CPAは次の計算式で算出します。

CPA = 広告費用 ÷ コンバージョン数

下記の例を参考にすると、同じ予算のリスティング広告でも「資料件数」に応じてCPAが変動することがわかります。CPAが低いほどCV獲得単価が安くなります。

(例)

リスティング広告費用 資料請求数 計算式 CPA
100万円 200件 100万円÷200=5,000 5,000円
100万円 100件 100万円÷100=10,000 10,000円

3-2.メリット

CPAのメリットは、広告運用の費用対効果が数値で判断できることです。運用型広告において、AとBといった複数の広告を比較する場合にもCPAが役立ちます。ROASの計測でも広告の費用対効果はできます。しかし、「資料請求」「お問い合わせ」などサイト上で売上が見込めない場合もあるでしょう。このような場合にCPAが利用されます。

3-3.デメリット

CPAは運用型広告を改善するための重要な指標ですが、外部要因によりCV数は変動します。そのため、短期的な結果だけを頼りに広告を改善するのではなく、長期的なデータも参考にして広告運用を改善していきましょう。

参考記事

4.ROASとROI、CPAの違い

ROASとROI、CPAの特徴について解説してきましたが、比較表でおさらいしておきましょう。

ROAS ROI CPA
目的 広告施策の費用対効果を測定する 投資の利益率を測定する 運用型広告の費用対効果を測定する
メリット
  • 各施策の売上貢献度が分かる
  • 効果の高い施策に予算が充てられる
  • 効果の低い施策の見直しができる
  • 各施策の利益率が分かる
  • 事業の成功・失敗を数値で判断できる
  • 運用型広告の費用対効果が分かる
  • サイト上で売上が見込めない場合でも活用できる
デメリット
  • 利益は計測できない
  • 事業失敗に陥る可能性もある
  • 定性的データは加味できない
  • 外部環境により結果が変動する
利用用途
  • 広告施策を改善する
  • 利益を計算して経営の安定を目指す
  • 運用型広告を改善する

5.ROASの改善方法-3STEP

現在の施策を見直して売上拡大を狙いたい場合は、ROASを改善していきましょう。ここでは、ROASの改善方法について詳しく解説します。

5-1.各施策のROASを確認する

これまで実施してきた広告のROASを計測します。オンライン広告とオフライン広告のROASを計測して、どの施策の効果が高いかを確認します。Web広告のROASを計測する場合は、媒体・クリエイティブ・キーワード別にROASを計測してみてください。

5-2.効果的な施策に予算を振り分ける

オンライン広告とオフライン広告には、さまざまな種類があります。効果の高い施策に予算を振り分けましょう。しかし、効果の高い施策に全額を投資すると機会損失を招いてしまい、売上が減少する恐れがあります。そのため、予算配分を見直す程度に留めておくことをおすすめします。

5-3.クリエイティブを見直す

広告クリエイティブを改善して売上が伸びるケースは非常に多いです。ディスプレイ広告はクリエイティブに応じてROASが変動しやすくなっています。そのため、複数のクリエイティブを用意してA/Bテストを実施してください。クリエイティブの成功パターンを見つけてROASを改善しましょう。

6.ROASを改善するための4つのツール

広告の費用対効果を最大化させて売上を伸ばすためにも、ROASは改善していかなければいけません。そのため、デジタルツールを活用して広告の効果検証をしていきましょう。ここでは、広告の効果検証やROAS改善に役立つツールをご紹介します。

6-1.アクセス解析ツール

アクセス解析ツールとは、Webサイトに訪問したユーザー属性や行動経路を分析するツールです。例えば、自社商品の購入者の属性を可視化して、ターゲティングの見直しをすれば広告運用の精度が上げられます。したがって、ROAS改善にアクセス解析ツールは欠かせません。ツールを導入する場合は、解析データの種類やレポートの見やすさを比較するようにしましょう。

無料版 Google Analytics、Google Search Console
有料版 User Insight、Ptengine、Adobe Analyticsなど
Google Analyticsとは?デジタルマーケティング戦略に欠かせないツールを解説

6-2.A/Bテストツール

A/Bテストツールとは、デザインやレイアウト、キャッチコピーなどが異なる複数のクリエイティブの効果を検証するテストツールを指します。A/Bテストを繰り返すことで、クリエイティブの成功パターンが見つけられます。A/Bテストは手動でも可能ですが大きな負担となりがちです。また、広告配信の改善は速やかに行う必要があります。

無料版 Google オプティマイズ、GoogleアナリティクスWebテスト
有料版 Ptengine、VWO、Kaizen Platform、SiTest、DLPOなど

6-3.Web接客ツール

Web接客ツールは施策の見直しを図るものではなく、相乗効果を発揮させて売上拡大を狙うためのツールです。訪問者一人ひとりの状況や属性に見合う情報を提供することで、購買意欲を促進させていけるのです。その結果、売上が伸びてROASを改善していけます。

有料版 KARTE、SELF LINK、Flipdesk、Sprocket、BOTCHAN PAYMENT、Repro、Robee、CODE Marketing Cloud、ecコンシェル、Zendesk、AI Messenger Chatbotなど

6-4.レコメンドエンジンツール

レコメンドエンジンツールも広告配信と相乗効果を発揮して、売上拡大を狙うためのツールです。サイト訪問者の購入履歴や閲覧履歴の法則に沿って、関連性が高い商品や推奨したいコンテンツを表示させます。サイト訪問者の興味・関心が高い情報を届けることで購買につなげて売上拡大を狙っていきます。

有料版 アイジェント・レコメンダー、EC RECOMMENDER、NaviPlusレコメンド、Logreco、Rtoaster、さぶみっと!レコメンド、チームラボレコメンドなど

7.【速報】AIを活用してROASを改善する時代の到来

ROASの特徴や改善方法について理解して頂けたと思いますが、広告の費用対効果を検証する労力がかけられないとお悩みの方もいるでしょう。このような悩みを抱えているのであれば、施策の見直しを自動化できるデジタルツールを活用しましょう。AIの登場により、各施策の見直しが自動化できるようになりました。AIのサポート領域は以下の通りです。

参考記事

7-1.モニタリング

広告運用の状況を24時間365日モニタリングし、外部環境による売上減など急激な変化があった場合は適宜アラートで通知してくれます。モニタリングデータは蓄積されていき、AIが成功パターンと失敗パターンを学習していきます。また、担当者が運用状況を確認できるように定型レポートの出力も可能です。

7-2.広告最適化

過去データや直近データを解析して、広告を最適化していきます。オンライン広告の予算配分や配信方法だけではなく、広告テキストの編集までAIが自動化してくれます。担当者の労力が省けるだけではなく、データを蓄積していくほど高い精度が見込めることもAIの大きな特徴です。

参考記事

7-3.補足:AI×コンサルタントで売上最大化

AI搭載のデジタルツールを活用すれば、広告運用データを参考にして精度の高い施策に練り直すことができます。広告配信方法や予算、ターゲティング設定だけではなく、クリエイティブ面の編集の自動化まで行えるようになりました。便利なデジタルツールですが、100%の精度を誇るものではありません。

また、データを蓄積していく必要があります。しかし、そのような場合でもコンサルティングサービスも同時に提供している会社であれば安心です。AI×コンサルタントで売上を最大化させてくれるサービスを利用しましょう。

まとめ

ROASとは広告の費用対効果を測定する指標です。ROASの数値が高い施策に予算を回せば、 上の最大化につなげられます。しかし、各施策の売上貢献度の測定となるため、一概に利益が出るとは限りません。また、資料請求やイベント参加などに広告費用を払う場合はROASの指標は参考になりません。そのためROIとCPAも併用しながら上手く活用できるようになりましょう。

ROASの測定ができれば効果の高い施策の見極めができ、売上拡大を加速させられます。また、近年ではAIを活用した施策を最適化する動きも出てきています。最新のデジタルツールもぜひチェックしてみてくださいね。

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アドフレックス編集部

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