コラム

AIにできること、できないこととは?AIの活用事例もご紹介

AI 基礎知識
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AIの認知度は、年々上がってきています。
しかし、AIと聞いて「何でもできる万能ロボット」というイメージが浮かぶ方も、まだまだ多いのではないでしょうか。「遠くない未来には人間の仕事をAIに奪われる」と言われることもありますので、AIに対して良くない印象を持っている方もいらっしゃるかもしれません。

そこで本記事では、「AIにできること/得意なこと」「AIができないこと/苦手なこと」を中心に、AIとは何かを解説していきます。

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1.AIとは

AIとは:
「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略語であり、日本語では「人工知能」と呼ばれている。

人工知能という言葉どおり、人間の脳で考えているかのような働きを再現したものをAIと呼んでいます。具体的には「画像・映像を認識する」「人の言葉を聞き取り理解する」「会話をしたり文章を書いたりする」「蓄積されたデータをもとに将来の予測を立てる」など、人間の知性や知覚を使って行っていたことを人工的に再現したのが、AIなのです。

2.AIの仕組み

人間は、さまざまなことを見たり聞いたり読んだりすることで、知識を深めていきます。それと同じように、AIも学習することで精度が高まっていきます。

とはいえ、機械(コンピューター)が何かを見たり聞いたり読んだりするわけではなく、学習データを与えていくことで、精度が高まります。ですので、大量の学習データを与えれば与えるほど、優れたAIになっていきます。この学習データの与え方には、「マシンラーニング/Machine Learning(機械学習)」と「ディープラーニング/Deep Learning(深層学習)」という2つの方法があります。


出典:総務省 AIに関する基本的な仕組み

3-1.マシンラーニング(機械学習)

マシンラーニング(機械学習)とは:
コンピューターが自動学習し、データの背景にあるルールやパターンを発見していくデータ分析手法のこと。

機械学習でルールやパターンを発見するための学習方法として、3つの手法があります。

  • 教師あり学習:あらかじめ正解のデータ(教師データ)を与えておき、その法則の学習結果を元に分析・予測する方法
  • 教師なし学習:データ自体の特徴や構造を分析し、背景にあるパターンや構造を発見する方法
  • 強化学習:最終的な成果を最大化するためにシステム自身が試行錯誤しながら学習していく方法

このうち、最も代表的なのは「教師あり学習」です。

2-2.ディープラーニング(深層学習)

機械学習の方法の1つとして、深層学習と呼ばれるディープラーニングがあります。

ディープラーニングとは:
人の神経細胞の仕組みを数式的なモデルで再現した「ニューラルネットワーク」を活用して、膨大なデータをもとに最適解を出す仕組み。

ディープラーニングは、ニューラルネットワークをベースにしていますが、それを多層構造にしてディープニューラルネットワーク(Deep Neural Network/DNN)として活用することで、データの特徴をより深く学習させられるようになります。

ディープラーニングは機械学習と比べて学習能力やデータ分析能力がさらに高くなっており、人間の認識精度を超えてしまうこともあります。近年のAI開発は、このディープラーニングが主流の手法となっています。

ニューラルネットワークとは:
人間の脳内にある神経回路網はニューロン(神経細胞)とその「つながり」で構成されており、それを数式的なモデルで表現した人工的なニューロンのこと。

アルファベットでは「Neural Network」と表記することから「NN」と呼ばれることもあります。

3.AIの分類

AIは大きく分けて、「特化型AI」と「汎用型AI」に分かれます。

特化型AIとは:
特定の領域に特化したAIのこと。

自動運転システムや音声認識、文字認識、画像認識、囲碁・将棋・チェスなどのゲーム型AIなど、現在、話題となっているAIのすべては特化型AIです。

汎用型AIとは:
1つのシステムだけで、さまざまな領域の問題を自律的に解決できるAIのこと。

ただし、このようなAIはまだできておらず、登場するまでには多くの技術的なハードルが存在します。

4.AIにできること/得意なこと

AIは、以下のような作業をできること・得意なこととしており、人間が行う能力をはるかに超えた作業を行うことができます。

4-1.画像認識

カメラの画像データから特徴を抽出し、AIが学習したデータの中から写ったものを認識する技術です。画像認識技術として最も一般的なのは、スマートフォンなどに搭載されているデジタルカメラの顔検出技術でしょう。

AIの顔認識技術は、マスクをしていたり、帽子をかぶっていたりしても、人間の顔として認証されるようになります。

4-2.音声認識

音データから人間の音声を抽出して、どのような内容の言葉を話しているのか、認識する技術です。音声を認識して言語化することで、話している内容を理解し、指示されたように動作します。

このような技術は、人の話し言葉や書き言葉が持つ意味をコンピューターで解析する「自然言語処理」によって実現しています。GoogleやAmazon、Appleなどから発売されているスマートスピーカーは、AIの音声認識技術を活用したものです。また、音から人間の音声として認識することにより、その音声をテキストデータへ変換することができるようになります。

4-3.文字認識

自然言語処理により、テキストを読み取ることで書かれた文章を理解し、翻訳や要約、記事作成などをAIで行うことができるようになります。

4-4.異常検知

通常時に計測した値を大量に学習しておくことで、異常が発生したり、異常が起こる予兆を検知したりすることもAIで可能です。工場で製品を製造する装置や自動車の制御センサーなど、既にあらゆる場面で活用されている技術です。

4-5.大量データの高速処理

人間が膨大な年数をかけて身に付けていく知識・経験を、AIであれば瞬時に学習できます。そこで、大量データの高速処理はAIが得意とする領域となっています。

たとえば、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでキーワード検索すると、知りたい情報が検索結果としてすぐに出てきます。これは、AIが世界中のユーザーの大量のデータを蓄積して処理することで、検索したユーザーが望んでいると思われる情報を選んで上位表示しているからです。

4-6.ルールに沿った単純作業

ルールに沿った単純作業をミスなく大量にこなすことができるのも、AIの特徴です。AIはルールのみを客観的に判断し、淡々と作業をこなしていきます。そのため、人間のように感情や疲労などのバイアスがかかることなく、合理的に作業を進めていくことができます。

5.AIにできないこと/苦手なこと

万能なイメージを持つAIですが、AIにはできないこと、苦手なことが存在します。

5-1.クリエイティブ・アーティステックな作業

現状のAIは、機械学習やディープラーニングで学習していないことを、自ら考えて生み出すことはできません。そのため、「0→1」にするといったクリエイティブな作業や、アーティステックな創作活動はできません。

絵を描いたり作曲したりするAIも登場していますが、大量データを学習させているからできるわけで、まったく何もない状態から新たなことを創造することはできないと言われています。

5-2.パーソナライズ化された受け答え

近年、Webサイトで問い合わせをすると、チャットボットが回答するサービスが増えています。このチャットボットにも、AIが活用されていることが多くなっています。その場合、よくある定型的な問い合わせ内容には正確に回答できますが、イレギュラーな質問にはうまく答えることができません。そこでAIチャットボットと有人テレフォンオペレーターをシームレスにつなぐことで、対応することもあります。

5-3.人の気持ちを汲み取ること

ビジネスを進めていくにあたって、相手がどのように感じているかを察するなど、気持ちを汲み取る必要がある場面もあります。これは理屈では解決できません。大量の感情データを学習していくことで、擬似的に人の気持ちを汲み取ることができるAIを作ることはできるかもしれませんが、感情の機微を読み取ることまではできません。

6.AIの具体的な活用事例

AIは現在、さまざまな場面で活用されています。以下、AIの具体的な活用事例をご紹介します。

6-1.AI囲碁プログラム「AlphaGo」

AlphaGoとは:
Google DeepMindによって開発されたAI囲碁プログラム。

このAlphaGoは、2016年3月に韓国の囲碁棋士であるイ・セドル氏との五番勝負で3勝(最終的に4勝1敗)をし、2017年5月には、中国の囲碁棋士であるカ・ケツ氏との三番勝負で3局全勝を挙げ、中国囲棋協会にプロの名誉九段を授与されています。

AlphaGo同士で何度も対局を繰り返す強化学習を行うことで、人間の棋士を上回る学習量を達成し勝利に導いたのです。

6-2.医療分野で活躍するAI「IBM Watson」

IBM Watsonとは:
IBMが開発したAI。

当初は、チェスの対戦やアメリカのクイズ番組へのチャレンジを行っていましたが、2015年には日本市場に投入され、2016年からは医療分野でも活躍するようになりました。

東京大学医科学研究所でIBM Watsonを活用し、診断が難しい特殊なタイプの白血病を10分足らずで見抜くことに成功した、という事例があります。また、IBM Watsonに論文などの非構造化データを読み込ませて理解させ、推論させることで、医療データの解析効率化や新たな治療方針の産出といった取り組みにつなげています。

6-3.家庭内で利用されるAIスピーカー

一般的にはスマートスピーカーと呼ばれることが多い、HomePod(Apple)やAmazon Echo(Amazon)、Google Home(Google)といったスピーカーは、AIの技術を活用しています。AIスピーカーは、ユーザーの声を音声認識機能でAIが分析可能なデータに変換することで、外出先から自宅の家電製品や照明器具を操作することが可能となっています。

6-4.製造業における不良品検査

食品メーカーや機器メーカーなどの製造工場では、良品と不良品を見分けるAIの画像処理技術が活用されています。マヨネーズをはじめ、さまざまな調味料を中心に製造する「キユーピー」では、ベビーフードの原料になるダイスポテトの原料検査装置として、異物混入や不良品の検知にAIが活用されています。

6-5.顔認証の精度を上げるためにAIを活用

デジタルカメラのような趣味の分野だけでなく、ビジネスの分野でもAIの顔認証技術が活用されています。そこでは、顔認証の精度を上げるために、画像をもとに人物を特定する「OK」「NG」の判定を何度も学習させていく、といったことをしています。

AIを活用した顔認証システムでは、NECが国内外で多くの導入事例を持っています。インドでは、13億人の国民一人ひとりに固有のIDを発行するプログラムを推進しています。NECでは、指紋・顔・虹彩を組み合わせたマルチモーダル生体認証システムを、インドに提供しています。

7.AIの未来

AIは近い将来、コモディティ化(一般化)すると考えられています。各社のAIで大きな機能的な差異がなくなり、身近にある汎用品になっていくでしょう。現在、AI開発をしていくには、学習データを用意したり、チューニングが必要だったりします。こういったノウハウは今後、クラウドサービスによって簡単に開発できるようになっていくでしょう。実際、マイクロソフト社のクラウド「Microsoft Azure」では、学習モデルの構築支援サービスとして「Azure Machine Learning」が用意されています。

また、将来的には、人が行っている仕事の多くをAIが代替していくことになります。とはいっても、人間はAIでは不可能なクリエイティブな仕事へと移行することで、より仕事の効率化や生産性向上につなげていくことができるでしょう。ただし2045年には、AIの能力が人間の能力を上回る「シンギュラリティ(技術的特異点)」が到来すると予想されています。

そのときには本記事の5章でご紹介した「AIにできないこと/苦手なこと」も「AIにできること/得意なこと」に変わっているかもしれません。シンギュラリティを迎えた後の世界の変化には、注視していく必要があります。

まとめ

AIは大量のデータを学習しさえすれば、人間の能力をはるかに超えた処理速度と精度を持ちながら作業を行うことができます。しかし現状のAIは、万能ではありません。クリエイティブといった創造的な作業など、できないことがあることを認識しながら、うまく人間と共存していく道を模索していきましょう。

参考記事

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本記事の著者

アドフレックス編集部

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