YouTube動画広告の基本から設定方法まで詳しく解説【種類別の費用や活用方法も紹介】
動画広告市場は急速な成長を続け、2021年には3,889億円、2024年には6,856億円に達するとも言われています。SNSの中で群を抜いて利用者数が多いYouTubeでの広告配信を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、YouTube広告といっても複数のタイプがあるため、最適な配信方法の選択が難しく、公式サイトの手順説明も分かりにくい、という問題があります。他の広告に比べると、課金形態も複雑です。
そこで今回は、YouTube広告の基本から設定方法までを詳しく解説していきます。広告の種類別活用方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
1.YouTube広告のメリット
YouTube広告の主なメリットは次の5つです。
1.圧倒的なユーザー数の多さ
国内における、YouTubeの月間アクティブユーザーは2021年時点で6,500万人にのぼります。SNSの中ではユーザーの利用時間が最も長く、全世代において利用率が高いため、幅広い層にリーチできます。
2.詳細なターゲティングができる
ターゲティングにGoogleのデータを用いているため、年齢や性別、地理情報、キーワードなどを細かく指定した広告の配信が可能です。
3.費用対効果が高い
再生中にスキップされると料金が発生しないYouTube広告は、費用を抑えながら、興味や関心があるユーザーだけに多くの情報を届けることができます。
4.自社サイトに直接誘導できる
動画広告内にCTAボタンを設置すれば、視聴直後の購買意欲が高いユーザーを自社サイトや商品ページに誘導できます。
5.詳細な分析が可能
広告の管理画面では、広告の表示回数や再生数、再生時間といったユーザー行動を定量的に計測できます。分析結果から、配信目的に応じた改善点を把握できれば、クリエイティブやプロモーションの最適化にも役立つでしょう。
2.YouTube広告の種類
YouTube広告は、次の5種類に分けられます。
- インストリーム広告
- インフィード動画広告(旧TrueViewディスカバリー広告)
- バンパー広告
- アウトストリーム広告
- マストヘッド広告
各広告の特徴を詳しく見ていきましょう。
2-1.インストリーム広告
インストリーム広告とは:
動画の開始前、終了後、動画の途中に配信される広告。
広告が配信される場所によって、下記のように呼ばれることもあります。
- 動画開始前:プレロール広告
- 動画の途中:ミッドロール広告
- 動画終了後:ポストロール広告
広告が本編と同じ場所に配信されるので、アピール力が高く、動画広告のメリットを最大限に活用できるのが特徴です。
なお、インストリーム広告は、次の2種類から配信方法を選択することができます。
参考記事
- スキッパブル広告
スキッパブル広告とは:
動画開始5秒後からスキップできる広告。
最初の5秒間でユーザーを惹きつけられるかどうかが重要になります。
スキッパブル広告の費用は、ユーザーが広告を 30 秒間視聴したとき(30秒未満の広告は最後まで)、または、30秒経過する前に広告がクリックされた場合に発生します。
- ノンスキッパブル広告
ノンスキッパブル広告:
途中でスキップできない15秒以下の広告。
動画を最後まで視聴してもらえますが、強制的に視聴させるため、ユーザーにネガティブな印象を与える可能性もあります。
出典:YouTube|YouTubeヘルプ
ノンスキッパブル広告はインプレッション課金で、1,000回表示されるごとに費用が発生します。
2-2.インフィード動画広告(旧TrueViewディスカバリー広告)
インフィード動画広告とは:
YouTubeホームページ右側の関連動画や検索結果に表示される広告。
ユーザーが広告をクリックすると、動画がスタートします。「TrueViewディスカバリー広告」から名称は変わりましたが、機能に変更はありません。
ユーザーの能動的なアクションが再生のきっかけとなるので、ネガティブな印象を与えにくく、コンバージョンにもつながりやすいのが特徴です。費用は、広告がクリックされるごとに発生します。
2-3.バンパー広告
バンパー広告とは:
動画の開始前、終了後、動画の途中に配信される6秒間の広告。
スキップはできませんが、尺が6秒間と短いため、ユーザーにストレスを与えず情報を伝えることができます。
出典:YouTube|YouTubeヘルプ
バンパー広告を活用する場合は、訴求内容を簡潔にまとめることが重要です。なお、料金形態は、1,000回表示されるごとに費用が発生するインプレッション課金となります。
2-4.アウトストリーム広告
アウトストリーム広告とは:
YouTube外のアプリやパートナーサイトに表示されるモバイル専用広告。
動画は音声なしで再生され、ユーザーがタップするとミュートが解除されます。縦向きモードと全画面の両方に対応しているため、多彩なモバイルプレースメントへの配信が可能です。
出典:YouTube|YouTubeヘルプ
アウトストリーム広告は、広告の50%以上が画面に1秒以上表示されると「1回」とカウントされ、1,000回表示されるごとに費用が発生します。
2-5.マストヘッド広告
マストヘッド広告とは:
YouTubeのトップページ最上部に掲載される動画広告。
音声なしで最大30秒間自動再生され、ユーザーがクリックすると、ミュートが解除されます。短期間で多くのユーザーにアプローチできるため、新製品の紹介や大規模キャンペーンなどに有効です。
出典:YouTube|YouTubeヘルプ
料金は広告枠を予約購入する日別単価制か、1,000回表示されるごとに費用が発生するインプレッション課金のどちらかになります。
3.YouTube広告の新しいフォーマット
2020年から、YouTube広告に新しいフォーマットが2種類加わりました。
- ダイレクトレスポンス広告
- 動画アクションキャンペーン
各フォーマットの特徴を詳しく見ていきましょう。
3-1.ダイレクトレスポンス広告
ダイレクトレスポンス広告とは:
動画広告の下部に複数の関連商品画像を掲載できる広告。
動画終了後も商品画像が残るため、ユーザーの購買行動につなげやすいというメリットがあります。アパレル関連企業のAerieは、2020年春の新作販売促進にダイレクトレスポンス広告を活用し、従来比9倍というコンバージョン数を獲得しました。
出典:Google:Drive results with new direct response solutions on YouTube
なお、ダイレクトレスポンス広告を利用する際には、Google Merchant Centerに登録したデータフィードと動画広告を連携させる必要があります。
参考記事
3-2.動画アクションキャンペーン
動画アクションキャンペーンとは:
スキップ可能なインストリーム広告とインフィード動画広告にCTAや広告見出しを入れられる配信方法。
動画アクションキャンペーンを活用すれば、通常の動画広告よりもユーザーにアクションを促す明確なメッセージを伝えることができます。
4.YouTube動画広告の配信方法
YouTube動画広告の配信は、6つのステップで完了します。
4-1.動画のアップロード
広告用の動画をYouTubeにアップロードします。PCの場合はYouTubeの公式ページから、モバイルの場合はアプリからアップロードできます。
4-2.キャンペーンの作成
Google広告にログインし、「キャンペーン」から「+」ボタンをクリックして「新しいキャンペーンを作成」を選択します。
4-3.目標の選択
キャンペーンで達成したい目標を選択します。目標が決まっていない場合は「目標を設定せずにキャンペーンを作成する」を選びましょう。
キャンペーンタイプは「動画」を選択します。
最後にキャンペーンのサブタイプを選択して「続行」をクリックします。
4-4.キャンペーンの設定
広告予算と広告配信期間を入力します。広告が配信されるのは審査通過後になるため、配信スケジュールには余裕をもたせて設定しましょう。
4-5.広告グループの作成
ユーザー属性や目的に応じたキーワード、配信場所など指定してターゲットを絞ります。
4-6.動画広告の作成
動画検索から、広告用の動画を選択します。実際の画面が右側に表示されたら、見出しや広告名、広告をクリックしたユーザーが遷移するURLなどを入力してください。
入力が完了したら「キャンペーンの作成」をクリックして、すべての設定は完了です。
5.目的別 YouTube動画広告の選び方
ここからは、出稿目的に応じた動画広告の選び方をご紹介していきます。
- 認知拡大
- 比較検討
- 商品購入
それぞれ詳しく見ていきましょう。
5-1.目的:認知拡大
商品やサービスの認知拡大を狙うなら、下記のタイプが効果的です。
・バンパー広告、インストリーム広告
再生時間に制限はありますが、確実に動画を見てもらえるので認知度の向上が期待できます。ただし、短時間でインパクトのある動画の制作が不可欠です。効果を最大化するためにも、クリエイティブ制作は専門業者に依頼した方がいいでしょう。
・マストヘッド広告
YouTubeトップページの最上部に掲載されるマストヘッド広告は、幅広いユーザー層への認知拡大に有効です。
5-2.目的:比較検討
商品やサービスの比較検討をユーザーに促したい場合は、下記のタイプが適しています。
・スキッパブル広告
スキップされなかった場合はノンスキッパブル広告よりも再生時間が長くなるため、商品の購入を検討しているユーザーに多くの情報を伝えられます。
・インフィード広告
サムネイルをクリックしない限り再生されないインフィード広告は、すでに商品に興味を持っている比較検討段階のユーザーに向けた配信に最適です。
5-3.目的:商品購入
商品の購入につなげたいなら、下記のタイプを検討してみましょう。
・ダイレクトレスポンス広告
動画から直接商品購入につなげたい場合は、複数の商品画像を表示できるダイレクトレスポンス広告が適しています。気になった商品をクリックするだけで商品ページに遷移するため、他の広告よりもコンバージョンに至る可能性は高いでしょう。
・動画アクションキャンペーン
動画に行動を促すフレーズを入れられる動画アクションキャンペーンも、コンバージョンにつながりやすい広告です。
6.YouTube広告の活用事例
ここからは、実際にYouTube広告の活用事例をご紹介します。動画の作成やアピール方法で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
6-1.株式会社ダイレクトクラウド
オンラインストレージサービス「DirectCloud-BOX」の動画広告です。フルアニメーションでクラウドサービスを可視化して、メリットを分かりやすく伝えています。
6-2.Google Home
「Google Home」の機能を紹介している動画広告です。日常的なシーンにおけるGoogle Homeの活用方法をわずか15秒で表現し、端的に商品のメリットを伝えています。
7.まとめ
今回の内容をまとめると、以下になります。
- YouTube広告は、多くのユーザーにリーチできる訴求力の高さが特徴
- 広告のタイプによって特徴が異なるので、目的に応じた使い分けが重要になる
- 活用次第では、大きな成果をあげることも可能
広告用の動画を制作する手間はかかりますが、幅広い年代層に効果的なアプローチができるという大きなメリットがあります。テレビなどへのCM出稿に比べて、スタートまでのハードルが低いのも特徴です。この機会に、YouTube広告の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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