レコメンドエンジンとは?システムの仕組みや導入メリット、注意点などを解説
WebサイトやECサイトを閲覧していると、自分好みの商品やサービスが表示されることがあります。「表示されたおすすめ商品をクリックして、購入したことがある」という人も多いのではないでしょうか?
このように、商品やサービスの購入・申し込みを促していくシステムは、レコメンドエンジンと呼ばれています。今回は、サイトの売上向上のために欠かすことのできないレコメンドエンジンについて、解説していきます。
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目次
1.レコメンドエンジンとは
レコメンドエンジンは、WebサイトやECサイト内でのユーザー行動や購入履歴から、決められたルールにもとづいてユーザーが気に入りそうなものや商品を表示するシステムです。レコメンドには「おすすめ」や「推薦」という意味があります。レコメンドエンジンは、サイト内のおすすめ商品などを表示して、購買や利用を促進させる仕組みとなっています。
AmazonなどのECモールを閲覧していると、「よく一緒に購入されている商品」や「気に入るかもしれないおすすめのアイテム」など、関連するおすすめ商品が表示されます。これは、レコメンドエンジンによるものです。
2.レコメンド以外も使える機能がいっぱい
レコメンドエンジンの基本的な機能はおすすめ商品のレコメンドですが、それ以外にも、さまざまな機能が搭載されています。
2-1.ランキング機能
ECサイトの「人気商品ランキング」やニュースサイトなどの「アクセスランキング」。これらのランキング機能も、レコメンドエンジンによるものです。
2-2.リマインド機能
リマインド機能は、買い物かごに入れたままの商品や、閲覧したことのある商品を通知します。ショッピングカートに入っている商品をユーザーに知らせることでカゴ落ちを防止し、購買につなげます。
2-3.レポート機能
レコメンドエンジンの中には、レポート機能付きのものもあります。「レコメンドによりコンバージョン率や購入単価が向上したか」「レコメンドした商品の中でどれが高い成果を上げたのか」など、レコメンデーションした結果を分析し、成果の改善に役立ちます。
2-4.ABテスト機能
セグメントやクリエイティブ、レコメンドの表示方法など、さまざまな観点からABテストを行うことで、レコメンデーション精度を向上させます。
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3.レコメンドエンジンのメリット
レコメンドエンジンの導入することで、たくさんのメリットがあります。
3-1.商品・サービスの購買率が向上する
ユーザーの嗜好に合った商品・サービスをレコメンドすることで、購買率が向上します。
サイトを訪れるのは、欲しい商品が決まっているユーザーだけではありません。「暇つぶしに覗いてみよう」と、ウィンドーショッピング感覚で訪問するユーザーもいます。閲覧中に好みの商品が表示されれば購買意欲が高められ、サイトの購買率が向上します。
3-2.顧客単価を引き上げられる
ユーザーの閲覧商品に関連するものを表示することで、アップセル・クロスセル効果が生まれ、顧客単価を引き上げることができます。
3-3.顧客ロイヤルティが向上する
ユーザーの嗜好に近い商品をおすすめすることで「このサイトに来れば自分好みのものが見つかる」と印象付けられ、サイトに対する信頼感も増します。このように顧客ロイヤルティを向上することで、リピーターとなってくれることも期待できます。
3-4.対面接客に近づけられる
リアル店舗では、お目当ての商品以外に「これもお似合いですよ」「これもおすすめです」というふうに、複数の商品を紹介しながら接客してくれます。近年、レコメンドエンジンの精度が向上したことで、オンラインでも対面に近い接客レベルを可能にするツールが登場しています。
4.レコメンドエンジンの活用シーン
レコメンドエンジンはECサイトをはじめ、さまざまなWebサイトで取り入れられています。主要なものをご紹介します。
4-1.ECサイト
レコメンドエンジンを一番活用しているのは、ECサイトと言って間違いないでしょう。膨大な商品点数を扱うECモールや大手サイトを見ると、随所にレコメンドエンジンが活用されています。閲覧・購買データをもとに、一人ひとりの嗜好に適したおすすめ商品を表示し、売上向上に役立てられています。
4-2.動画サイト
ユーザーの視聴履歴をもとに、嗜好にマッチする動画を「おすすめ動画」として表示します。動画の視聴数アップにつなげることができます。
4-3.ニュースサイト
ニュースサイトにレコメンドエンジンを導入することで、ユーザーの閲覧データを分析して、関連記事やおすすめ記事を表示します。ユーザー嗜好に沿った記事を表示することで、サイト内にある他の記事も読まれやすくなります。その結果、サイト滞在時間や閲覧数を伸ばすことができます。
4-4.ポータルサイト
求人・旅行・不動産などのポータルサイトでも、レコメンドエンジンが導入されています。ユーザー行動を分析して、閲覧履歴や属性とマッチするものを複数提示することで、コンバージョン率の向上が期待できます。
5.レコメンドエンジンの種類
レコメンドエンジンは大きく2種類あり、ASP型とオープンソース型に分けられます。
5-1.ASP型
レコメンドエンジンの多くが、ASP型になります。ASPとは「Application Service Provider」の略で、インターネットを介してアプリケーションを提供する方法のことです。クラウド上で利用できるため、比較的導入が簡単で、初期費用も安いのがメリットです。その反面、細かなカスタマイズができないのが難点と言えます。
5-2.オープンソース型
無料で公開されているプログラムのソースコードを利用するのが、オープンソース型です。ASP型と比べて高機能で、目的に応じて自由にカスタマイズできるのが特徴です。ただし、開発・構築に多額の費用を要するほか、管理・運用にも高い技術力を必要とします。そのため、オープンソース型は、社内にエンジニアを抱える大手企業で利用されることがほとんどです。
6.レコメンドエンジンのアルゴリズム
レコメンドエンジンは、どのようにおすすめ商品を選んでいるのでしょうか?レコメンドエンジンは、いくつかのアルゴリズムをベースにしています。ここでは、代表的なものをご紹介します。
6-1.協調フィルタリング
レコメンドエンジンで多く使われているのが、協調フィルタリングです。ユーザーの閲覧・購入履歴を自動で収集し、分析結果をもとにおすすめ商品を表示します。「この商品を購入した人は、この商品も見ています」というレコメンドは、協調フィルタリングによるものです。ただし、データが少ないユーザーに対して有効なレコメンドをしにくい、という欠点もあります。
協調フィルタリングには、2つのタイプがあります。
- アイテムベース
商品と一緒に購入されることの多いものを紹介するのが、アイテムベースです。「A社の布団を購入したユーザーはB社のシーツを購入することが多い」といったデータ分析結果をもとに、A社の布団をカートに入れたユーザーには、B社のシーツをレコメンドして表示します。
- ユーザーベース
ユーザーの行動分析をもとにレコメンドするのが、ユーザーベースレコメンドです。閲覧・購入パターンが類似するユーザーが購入した商品の中から、おすすめを表示します。
6-2.コンテンツベースフィルタリング
モノを基準にしたレコメンド手法です。あらかじめセグメントされた商品情報をもとに、おすすめ商品を表示します。例えば、ジャケットがカートに入ったタイミングで、同じブランドのシャツや別ブランドのジャケットをおすすめ表示します。
6-3.パーソナライズドレコメンド
ユーザーの閲覧・購入履歴から個人の嗜好を分析し、興味を持ちそうな商品をレコメンドします。年齢や性別、所在地などの属性と行動データを掛け合わせてパーソナライズすることで、より個人のニーズに合ったものを提示できます。
6-4.ルールベースレコメンド
ルールベースは、最もシンプルなレコメンド手法です。「女性に商品Aを表示する」「期間限定キャンペーンで商品を表示する」など、運営者が決めたルールにのっとりレコメンドを表示します
6-5.ハイブリッド
レコメンドタイプを複数組み合わせることで、レコメンドの精度を向上させます。それぞれが持つデメリットを解消する意味でも有効です。
7.レコメンドエンジン導入時に気を付けたいこと
メリットの多いレコメンドエンジンですが、いくつか注意点があります。導入にあたっては、以下の点に気をつけましょう。
7-1.ある程度のデータ量をもとに成果を判断する
レコメンドエンジンは、ユーザーが商品を閲覧・購入データを分析しておすすめ商品を表示します。そのため、「コールドスタート」と呼ばれているように、導入直後は最適なレコメンドが表示されません。レコメンド精度は、データの蓄積とともに向上します。そのため、導入直後でレコメンドエンジンの成果を判断するのは早計です。
7-2.導入目的を明確にする
レコメンドエンジンの導入目的は、明確にしておきましょう。施策を始めるにあたって具体的なKPIを設定しておくのはもちろん、ツールを活用して改善したいことを明確にしておくことで、効果測定もしやすくなります。
7-3.スマートフォン対応も忘れずに
最近はスマートフォンからのアクセスも多く、スマホ対応は必須です。レコメンド表示のされ方はデバイスによって異なるので、見せ方も忘れずに検討しましょう。
まとめ
レコメンドエンジンは、売上アップには必須のツールと言えます。レコメンドエンジンにはさまざまなタイプがあるので、目的に合ったツールを導入しましょう。
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