リスティング広告のCPAを改善する方法10選と注意点を解説
「リスティング広告のCPAの意味は?」
「CPAを改善するにはどうすればいい?」
「すぐにできる改善方法はある?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。確かに、広告運用に慣れていないと、CPAとは何なのか、なぜ考慮する必要があるのかが分かりにくいですよね。
実は、CPAはリスティング広告の成功に直結する重要な数字です。
そこで本記事では、CPAをどう扱うべきか不安を抱えている方に向けて、CPAの計算方法や改善方法10選、改善する際の注意点を解説します。
CPAの意味を理解したうえで、改善するために何をすべきかを考えていきましょう。
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目次
1.リスティング広告におけるCPAの基礎
リスティング広告において、CPAとは何かを解説します。改善方法を考えるためにも必要な知識なので、確実に理解しておきましょう。
1-1.CPAの計算方法
CPAは「Cost Per Action」の略です。ユーザーに特定の行動をしてもらうためにかかる費用のことで、日本語では「顧客獲得単価」と訳されます。リスティング広告において、ユーザーに求める行動例は以下の通りです。
- 商品を購入する
- 会員登録をする
- 説明会に申し込む
こうしたユーザーの行動を「コンバージョン(CV)」と呼びます。多くの場合、広告運用の目的はCVを獲得することです。CPAは、広告運用にかかった費用と獲得したCV数を使って、以下の式で計算されます。
CPA = 広告費用 ÷ CV数
「CPAを改善する」とは「CPAをできる限り抑える」ということであり、「最低限の広告費用でCVを獲得できるようにする」ことです。
CPAが高いということは、1件のコンバージョン獲得に費用がかかりすぎていると判断できるため、広告費や出稿するキーワードの見直しが必要になります。
1-2.CPAを最適化するための考え方
CPAを改善するには、構成する要素を分解すると考えやすくなります。
具体的には、CPAを構成する「広告費用」と「CV数」を、以下の計算式で要素分解すると改善策が見つかります。
- 広告費用 = CPC × クリック数
- CV数 = CVR × クリック数
- クリック数 = IMP × CTR
【用語解説】
CPC(Cost Per Click):
日本語では「クリック単価」と訳され、広告を1回クリックした際に発生する費用のこと。
CVR(Conversion Rate):
広告へのアクセス数のうち、商品購入などに至った割合のこと。
IMP(impression):
広告の表示回数のこと。
CTR(Click Through Rate):
広告表示回数のうち、ユーザーがクリックした割合のこと。
このようにCPAを構成する要素を分解することで、どの数値を改善すればCPAの最適化につながるのかヒントを得られます。
2.リスティング広告のCPAの改善方法7選【CVR編】
リスティング広告のCPAを改善する手段として、「CVRを高める方法」をご紹介します。
【計算式】
CVR(%)=コンバージョン数 ÷ アクセス数 × 100
CVRを高めることで、CV数を最大化することにつながり、同じ広告費用であってもCPAを抑えることが可能です。
効果的な方法を7つ挙げるので、ぜひ試してみてください。
2-1.キーワードを見直す
CVRを高めるには、広告を出稿するキーワードを見直すことが有効です。理由としては、出稿するキーワードが商品やサービス、広告文との関連性が低い状況だと、CV数は低くなります。つまり、CV数が低いままだと高いCVRが期待できないということです。
すでにリスティング広告を運用しているのであれば、データを確認して、コンバージョンにつながっていないキーワードへの広告配信を停止する。
意図していないキーワードへの広告出稿を止めるためには、「除外キーワード」を設定することも重要です。
【例】
美容院のお客様を増やしたくて広告を出しているのに、「美容院 求人」というキーワードに広告が掲載されても、顧客獲得は難しい。
↓
「美容院 求人」と検索している人は、美容院でサービスを受けたいわけではなく、仕事を探しているため。
↓
そこで「求人」を除外キーワードに設定することで、「求人」が含まれたキーワードへの出稿を止められる。
コンバージョンにつながっていないキーワードを確実に排除していくだけでも、CVRの改善につながります。広告運用を進めればデータはどんどん蓄積されていくので、こまめにキーワードを見直しましょう。
2-2.広告文を変更する
広告文を変更することも、CVRの改善につながります。理由としては、コンバージョンにつながらないユーザーからのクリックを、事前に防止できるからです。
リスティング広告では、広告がクリックされたタイミングで費用が発生するため、「CVにつながらないクリックを減らす」意識が大切です。
【例】「高品質な高級枕」販売のケース
広告文に「高級」「こだわりの」といった言葉を入れておくことで、どういった枕についての広告なのかを、ユーザーに伝えられる。
↓
同時に「とにかく安い枕を買いたい」というユーザーは、「自分が欲しい情報ではない」と感じるため、広告をクリックしにくくなる。
↓
「値段は高くても高品質な枕がほしい」というユーザーだけを集めやすくなり、CVR改善の可能性が高まる。
CVRを高めるためには、とにかく多くのユーザーを集めるのではなく「コンバージョンにつながりやすい見込み顧客だけを集める」意識が大切です。
2-3.ランディングページを改善する
ランディングページ(LP)の質は、CVRに直結します。広告をクリックしたユーザーは、LPを見て、商品の購入などを検討するからです。
例えば、LPの内容がリスティング広告へ流入したキーワードと広告文に親和性がなければ、早期に離脱してしまいます。
このように、LPの内容によってCVRも変動するため、意識して改善をするべきでしょう。
LPの改善ポイントはたくさんあり、例えば以下の通りです。
- キャッチコピーでユーザーの関心を惹けているか
- ファーストビューの画像は適切か
- ボタンの配置やデザインに問題はないか
- 「お客様の声」は充実しているか
- ページ表示速度は遅くないか
改善を進める際には「ABテスト」を活用しましょう。ABテストを行う手順は、以下の通りです。
- 一部分のみを変更した2つのLPを用意する
- 一定の期間、両方のLPを使って広告運用する
- CVRの高いLPはどちらかを確認する
- CVRが高い方のLPを採用する
キャッチコピーやボタンの配色など、さまざまな部分にABテストを繰り返すことで、LPを効率よく改善できるでしょう。
2-4.別のランディングページを設定する
ランディングページを改善することも大切ですが、別のランディングページに変更した方が効果的な場合もあります。
理由としては、別のランディングページに変更することによって、ユーザーに与える訴求内容が変わり、検索ニーズとの親和性が高まる場合があるためです。
【例】
「サッカーシューズ おすすめ」というキーワードで広告を出稿した際に、「自社のECサイトのトップページ」をランディングページに設定してる場合。
↓
ランディングページを「サッカーシューズの一覧ページ」に変更することで、CVRが高まることがある。
↓
具体的には、サッカーシューズのおすすめを知りたいユーザーが、商品の一覧ページにアクセスすることで、スムーズにお目当ての商品を探せる。
上記の例は、ランディングページの変更によって「検索ニーズとの親和性や利便性がより高まった」ということです。
このように、ユーザーの顕在、潜在ニーズに合ったランディングページを設定することで、CVRは高くなる傾向にあります。
ランディングページを改善するのではなく、「差し替える」ことも選択肢として考えておくとよいでしょう。
2-5.地域や時間帯を指定する
地域や時間帯を指定することも、CVRを改善するために有効です。広告のターゲットが明確であれば、積極的に試してみましょう。
【例】
「宮崎市の美容院にリスティング広告で集客したい」のであれば、宮崎市の周辺地域のみに広告を出した方が、CVRは高まりやすい。
↓
離れた地域に住む人が広告をクリックしたとしても、来店は期待しにくいため。
また、ターゲットの行動を予測して、広告を出稿する時間帯を限定してみるのもよいでしょう。
【例】
「女性会社員に化粧品を販売したい」のであれば、平日の昼間に広告を出しても、コンバージョンを獲得しにくいと考えられる。
↓
仕事が終了する時間帯の「16時〜23時」のみに広告を出すことで、CVRを改善できる可能性が高まる。
2-6.性別や年齢、使用デバイスを限定する
リスティング広告では、性別や年齢、使用デバイスなどを限定することも可能です。
必ずしもすべての機能を使う必要はありませんが、自社の広告と相性がよいものは利用してみるとよいでしょう。
【例】
化粧品であれば「女性」「20〜30代」などと、商品のターゲットに合わせて広告を表示するユーザーを限定することで、CVRの改善が見込める。
また、広告によっては「パソコン」や「スマートフォン」などデバイスの違いで、CVRに大きな差が生じることもあります。
その場合は、CVRが高いデバイスのみにリスティング広告を配信することで、広告全体のCVRを高められるかもしれません。
2-7.リマーケティングを実施する
リマーケティングをすることも、CVRを改善するために効果的な施策です。
リマーケティングとは:
「過去に自社サイトの商品を購入した」など、自社に対する何らかの行動をしたユーザーに限定して、広告を出稿すること。
すでに自社のことを認知しているユーザーをターゲットとすることで、CVRが高まりやすい傾向が見られます。
リマーケティングを行うためには、例えば以下のようなユーザーを集めたリストを作成しましょう。
- 自社サイトを訪問した
- 自社のリスティング広告をクリックした
- 「買い物カゴ」に商品を入れたが決済に至らなかった
これらの行動をしたユーザーのリストに対して、専用の広告文を用意したうえで、広告を配信できます。
過去のデータを利用してユーザーリストを作成し、リマーケティングを試してみるとよいでしょう。
3.リスティング広告のCPAの改善方法3選【CPC編】
リスティング広告のCPAを改善する手段として、「CPC(クリック単価)を低く抑える方法」を3つご紹介します。
リスティング広告では、CPCが高くなるほど広告費が増加し、CPAも高くなります。
【計算式】
CPC = 広告費 ÷ クリック数
CVRを上げる施策だけでなく、CPCを下げる施策にもぜひ取り組みましょう。
3-1.入札単価を下げる
CPCを下げるための最も直接的な施策は、入札単価を下げることです。
入札単価はいつでも自由に設定できるので、この方法でCPCを下げること自体は容易です。ただし、入札単価を下げると広告の掲載順位は一般的に低くなってしまいます。
掲載順位が下がると、広告をクリックしてもらえる確率が減り、結果としてCV数も少なくなるため、入札単価を下げる際には、CV数とのバランスに注意する。
キーワードによっては、入札単価を下げてもCV数を維持できる場合があります。そうしたキーワードが見つかれば、CPAの改善に貢献するでしょう。
3-2.品質スコアを上げる
広告の品質スコアを上げることは、CPCを抑えることにつながります。
理由としては、品質スコアが高ければ、掲載順位を維持したまま、入札単価を下げることが可能になるからです。
品質スコアは、主に以下3つの要素によって決定されます。
- 推定クリック率
- 広告の関連性
- ランディングページの利便性
つまり、ユーザーのニーズに合った広告を出稿し、ランディングページが使いやすければ、品質スコアは高まると判断できます。
キーワードから「ユーザーがどんな情報を求めているのか」を推測して、ユーザーにとって有益な広告を出稿することを心がけましょう。
3-3.広告表示オプションを設定する
広告表示オプションを使うことも、CPCの改善につながります。広告表示オプションによって多くの情報をユーザーに伝えることで、クリック率が上がり、品質スコアが高まる効果が見込めるからです。
広告表示オプションの項目としては、以下が挙げられます。
- 価格
- 住所
- 電話番号
- サイトリンク
- コールアウト(短い説明文)
- 構造化スニペット(商品・サービスの説明)
これらの項目が検索結果に表示されることで、ユーザーの関心を集めやすくなります。
広告表示オプションを設定しても、これらの項目が必ず表示されるとは限りませんが、最適なクリック数を確保するためにも、必ず設定しておきましょう。
4.リスティング広告のCPAを改善する際の注意点
CPAは改善すべきものですが、CPAだけに気を取られていると、広告戦略全体としては失敗してしまう可能性があります。ここでは、CPAを改善する際の注意点をご紹介します。
4-1.CV数とのバランスを調整する
CPAを改善する際には、CV数とのバランスを意識しましょう。CPAが改善したとしても、十分なCV数が獲得できなければ、広告の目的を達成できない場合があるからです。
【例】リスティング広告から毎月100件の予約獲得を目指している美容院の場合
ある月のCPAは良好だが予約獲得が5件しかなく、その月の美容院の売上が目標を大幅に下回ってしまう。
↓
CPAがどんなに良好だったとしても、肝心なCVや売上が足りなければ、広告戦略が成功したとはいえない。
ほとんどの場合、リスティング広告を出稿する目的は、CVを獲得することのはずです。CPAの改善にこだわるあまり、目的を見失わないようにしましょう。
4-2.潜在層のユーザーへのアプローチも重要
「潜在層」のユーザーへのアプローチが重要な場合もあることを、意識しておきましょう。
潜在層とは:
「自分が何を求めているのか」明確ではないユーザーのこと。
一般的に「自分が何を求めているのか」が明確な「顕在層」のユーザーのみに絞って広告を出すことが、CPAの改善には有効です。
【例】
高級枕をリスティング広告で販売したいのであれば、「高級枕 通販」のキーワードで広告を出稿すれば、コンバージョンを獲得しやすいと考えられる。
↓
「高級枕を通販で買いたい」と考えているユーザーに対して、まさにその商品の情報を提供するため。
ただし、顕在層のユーザーは一般に数が多くないため、顕在層だけにアプローチしていたのでは、目標のCV数を達成できない可能性があります。
また、競合他社も顕在層のユーザーへの広告に注力している場合が多いので、競争が激しくなりやすいことにも注意が必要です。
一方で、高級枕を販売する場合であれば、例えば「寝つけない」「眠りが浅い」といったキーワードで検索するユーザーが「潜在層」といえます。
潜在層のユーザーは顕在層よりもコンバージョンにつながりにくいものの、母数が圧倒的に多い傾向にあります。
潜在層のユーザーに関心を持ってもらえれば、多くのCVを獲得できる可能性がある。また、潜在層をターゲットにすれば、他社との競争になりにくい点も魅力。
「CPAは多少悪化するが、あえて潜在層に向けて広告を出稿する」という判断が必要な場合もあるため、覚えておきましょう。
4-3.CPAが悪化しても問題ない場合もある
ここまでCPAを改善する方法をお伝えしてきましたが、実はCPAが悪化しても問題ない場合もあります。
CV数が増えることによるプラスの影響の方が、CPAが悪化することによるマイナスの影響よりも大きければ、広告戦略は成功しているといえるからです。
【例】
いくらでも複製可能な動画データなどを販売する場合は、CVが増えれば増えるほど、利益も増やしやすい。
↓
動画の価格が50,000円であれば、CPAが初期の5,000円から30,000円に大幅に悪化したとしても、利益は増え続けている。
この場合、CPAの悪化を気にせず、そのまま広告の出稿を続ける戦略も間違いとはいえません。
状況に応じて最適な施策を選択するためにも「この広告では、CPAはこの程度までなら悪化しても許容される」という基準を把握しておくとよいでしょう。
5.まとめ
リスティング広告におけるCPAとは、コンバージョンを1つ獲得するためにかかる費用のことです。CPAを低く抑えられれば、同じ広告費用で多くのコンバージョンを集められます。
リスティング広告のCPAを改善するには「CVRを高める方法」と「CPCを低く抑える方法」2つのアプローチが有効です。
それぞれ複数の施策が考えられますが、どれが有効かは状況によって異なります。実際に試してみて、自社の広告に効果的な施策を探すとよいでしょう。
リスティング広告のCPAを改善する際に、本記事を参考にしていただければ幸いです。
リスティング広告を世界標準のAIで改善させる
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