新人Web担当者必見!今さら聞けないCookieの仕組みについて分かりやすく解説
Web担当者ならよく耳にする「Cookie(クッキー)」という用語。
しかし、「なんとなくCookieという用語を聞いたことはあるけれど、そのメカニズムについては把握していない」という方も多いのではないでしょうか。
新人Web担当者にとっては馴染みの薄い専門用語ですが、社内では当たり前のように使われているため、今さら聞けないという方も多いようです。
そこで本記事では、Cookieの仕組みや種類などを新人Web担当者にも分かりやすくご紹介します。
Cookieは、ECサイトにおいてログイン状態の買い物カゴの中身を保持する、Webサイトの閲覧情報を履歴に残すなど、インターネットの利便性向上には欠かすことができません。
しかし近年、個人情報保護の観点から、Googleは同社のブラウザ「Google Chrome」においてサードパーティーCookieを2023年中に廃止する方針を示しています。
このように、Cookieについては規制の導入が進み、取り扱いにも注意をしなければなりません。
本記事では、規制も含めて詳しく解説します。
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目次
1.Cookieとは?
Cookie(クッキー)とは:
Webサーバーとクライアント間で、ユーザーの情報を一時的に管理・保存する仕組みのこと。「HTTP Cookie」とも呼ばれている。
やや分かりにくいかと思いますので、さらに説明すると、WebサイトやWebサーバーにアクセスしたユーザーのログイン情報や履歴などを保存する仕組みです。
例えば、
- ECサイトで買い物カゴに入れた商品を一定期間保持する
- WebサイトのログインIDを記憶し、次回ログインIDが自動で入力される
- 以前閲覧したWebサイトの広告が何度も表示される
このように、Cookieの利用は、普段私たちが何気なく使うインターネットの利便性向上に貢献しています。
2.Cookieの仕組みについて
ここでは、Cookieの仕組みについて分かりやすく理解していただくため、パソコンのブラウザに保存する過程をご紹介します。
まず、お使いのパソコンやスマートフォンでWebサイトにアクセスすると、Webサーバーからブラウザに向けてCookieが送られ、ブラウザに保存されます。
次回、同じWebサイトにアクセスすると、1度目の訪問で保存されたCookieがWebサーバーに送信され、サーバー側に保存されているユーザー情報と紐づきます。
Cookieを会員カードに例えると、非常に分かりやすいです。
ディスカウントストアなどで、初回訪問時に会員カードを発行すると、次回来店時にユーザーデータベースと紐づき、食料品5%OFFなどの割引を受けることができる。
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これは、会員カードに付与された番号やIDをもとに、ディスカウントストアのデータベースに照合され、ユーザー情報と紐づけているからこそ成立する仕組み。
Cookieにも発行された会員カードのように、固有のIDが付与されており、そのIDをWebサーバーが識別することで、同一ユーザーかどうかを判断できます。
形態こそ違いがありますが、CookieにはWeb上の会員カードのような仕組みが導入されていると理解すると良いでしょう。
3.Cookieとキャッシュの違い
Cookieと混同しやすい仕組みに「キャッシュ」があります。
キャッシュとは:
何度も閲覧するWebページの画像やテキスト情報を一時的にパソコン内に保存する仕組みのこと。英語で「cache」と表記し、「隠し場所」という意味を持つ。
キャッシュを活用することで、2回目以降Webページを訪問した際に、画像やテキスト情報を1から読み込む必要がなく、表示速度がアップします。
Cookieとキャッシュは、どちらもWebブラウザに保存される履歴の1つですが、その違いは取り扱う情報にあります。
【Cookieとキャッシュの違い】
- Cookie:IDやパスワードなどユーザー情報を保存
- キャッシュ:画像やテキストなどWebページの情報を保存
このように、CookieにはIDやパスワードといった個人情報が保存されるため、個人所有のパソコン以外ではCookieを削除するなど、状況に応じた対応が必要です。
なお、キャッシュについては個人情報ではなく、Webページに含まれる情報が中心ですので、そこまで神経質になる必要はありません。
ただし、Web制作などではWebページの画像を差し替えたのに、画像が切り替わらないといったクライアントからのクレームが発生する可能性があります。
このような場合は、都度キャッシュをクリアするか、PHPなどでキャッシュのクリアを自動化してしまうのも1つです。
余談ですが、キャッシュをクリアする最も気軽な方法は、以下の通り、キーボードのショートカットキーを活用すると良いでしょう。
【キャッシュのクリア】
- Windows OSの場合:[Shift]+[Ctrl]+[Delete]キー
- mac OSの場合:[shift ⇧]+[command ⌘]+[delete ⌫」キー
このように、Cookieとキャッシュは、Webブラウザに保存される履歴の1つですが、取り扱う情報に違いがあります。
4.Cookieの種類について
Cookieには、「ファーストパーティーCookie」と「サードパーティーCookie」の2種類が存在します。ここでは、それぞれの特徴についてご紹介します。
4-1.ファーストパーティーCookie(1st Party Cookie)
ファーストパーティーCookieとは:
ユーザーがアクセスしているWebサイトのドメインが発行するCookieを指す。
ドメインごとにCookieが付与されるため、ユーザーがブロックしにくく、トラッキングや効果測定の精度が高いという特徴があります。
Webサイトの閲覧履歴やログイン情報、買い物カゴの商品情報などが該当し、そのサイト内でのみユーザーの情報を取得可能です。
つまり、サイトを横断したCookieの付与はできません。
4-2.サードパーティーCookie(3st Party Cookie)
サードパーティーCookieとは:
ユーザーがアクセスしているWebサイトのドメイン以外から発行されるCookieを指す。
例えば、訪問したWebサイトにWeb広告が出稿されている場合、この広告には別ドメインが紐づいています。
つまり、ユーザーは訪問先のWebサイトだけでなく、広告を通じて別のWebサイトにもアクセスしていることになり、それぞれのドメインからクッキーが発行されるという仕組みです。
まとめると、最初に訪問したWebサイトAからはファーストパーティーCookieが、広告先のWebサイトBからはサードパーティーCookieが付与されています。
このように、サードパーティーCookieはWebサイトを横断した形でユーザー情報を取得可能です。
ユーザーを追跡して関連広告を表示するリターゲティング広告は、サードパーティーCookieが活用されています。
5.近年問題視されているCookie規制とは
すでにご存知の方も多いかもしれませんが、近年Cookieへの規制の動きが強まっています。
具体的には、Webサイトを離脱後のユーザー行動を追跡するサードパーティーCookieの不適切な使用は、個人情報の侵害にあたる可能性があるとの見方が広まっているためです。
日本においても、Webサイトへ訪問時Cookie使用の同意に関するポップアップが目立ってきましたが、これはCookie規制を意識した取り組みの1つでしょう。
Cookie規制に関しては、2022年4月から施行される「改正個人情報保護法」において、サードパーティーCookieは「個人関連情報」と定義されます。
また諸外国の対応として、EU圏内ではサードパーティーCookieによる情報取得には、本人の同意が必要であると「GDPR(General Data Protection Regulation)」によって定められています。
アメリカのカリフォルニア州においても、サードパーティーCookieを個人情報として扱う「CCPA(California Consumer Privacy Act)」という法令があり、世界的に規制が進んでいるのです。
その他、ブラウザ上の規制も強化されています。
Googleは同社のブラウザである「Google Chrome」において、2023年半ばから後半までの3ヵ月でサードパーティーCookieのサポートを段階的に廃止すると発表。
すでにGoogle アナリティクスでは、サードパーティーCookieではなく、ファーストパーティーCookieのみが使用されています。
「Cookieについてよく分からない」という新人Webマーケティング担当者も、実務への影響が懸念される重要な事柄ですので、これを機に理解を深めてください。
なお、Cookie規制の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事
6.Cookie規制による実務への影響について
さて、サードパーティーCookieの規制が強化すると、Webマーケティング担当者の実務にはどのような影響があるのでしょうか。
ここでは、Webマーケティング担当者に与えるCookie規制の影響についてご紹介します。
6-1.リターゲティング広告からの転換
サードパーティーを活用した代表的なWebマーケティング手法に「リターゲティング広告」があります。
リターゲティング広告とは:
一度Webサイトへ訪問したユーザーを追跡して広告配信をする手法のこと。
リターゲティング広告は、GoogleやYahoo!など媒体ごとのトラッキングコードをWebサイトに埋め込むことで、第三者のアドサーバーからCookieを付与しています。
そのため、世界で加速するサードパーティーCookieの規制対象となり、すでに2020年3月には、Appleの標準ブラウザである「Safari」において、全面的に利用できない状態です。
このように、リターゲティング広告の制限が加速していますので、広告運用でリターゲティングを活用している企業に関しては、運用方針を早急に見直す必要があります。
参考記事
6-2.コンバージョンの減少
サードパーティーCookieの使用が制限されるということは、その影響は広告主側だけにとどまりません。
例えば、広告の効果測定ツールを導入するASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)においては、アフィリエイトの効果測定が難しくなるという問題が指摘されています。
具体的には、広告を見てクリックしなかったユーザーが、別ルートでコンバージョンに至る「ビュースルーコンバージョンの計測」も難しくなるでしょう。
ASPには迅速な対応が求められ、対応が不十分であれば、効果測定ツールが機能せず、本来発生すべき報酬(コンバージョン)がカウントされません。
その結果、広告主、パブリッシャー(サイト運営者)とCookie規制による影響が大きくなります。
各ASPには、サードパーティーCookieに頼らない新しい計測方法が求められます。
参考記事
7.まとめ
本記事では、新人Web担当者向けにCookieの仕組みや種類を分かりやすく解説しました。
Cookieには、「ファーストパーティーCookie」と「サードパーティーCookie」があり、後者については個人情報保護の観点から世界的に規制が強化されています。
「新人Web担当者だから知らなくて良い」というスタンスではなく、リターゲティング広告からの脱却など、クライアントワークにも関わることですので、しっかり最新情報をキャッチアップしてください。
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