Google 広告ってどんな仕組み?特徴や掲載方法を分かりやすく解説
Web広告を始めるにあたり、圧倒的な影響力を持つGoogleへの広告出稿を検討されている企業は多い傾向にあります。
しかし、Web広告の担当になったばかりで掲載の仕方や費用などがなかなか理解できない、という方もいるのではないでしょうか。
「Google 広告を出稿したいけれど、どのような仕組みなのかが知りたい」
「Google 広告にはどのような特徴があるの」
そんな疑問にお答えするべく、今回はGoogle 広告の仕組みについて紐解きます。
Google広告の種類や費用、出稿の流れ、メリットについて解説。また、記事の後半では目的別におすすめの広告をご紹介します。
最後まで読んでいただくことで、Google広告の全体像が理解できるようになるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
Google 広告の改善案でお悩みの方へ
Google 広告で広告効果を最適化するためには、入札調整やアカウント設計など細かなPDCAを回す必要があります。
しかし、最適化の手順が分からないといつになっても広告効果が改善されません。
広告運用歴10年以上のアドフレックスは、AI(自動化)とヒト(コンサルティング)を活用し、広告運用による事業拡大を支援しています。
広告運用歴10年以上の弊社のもとへは、以下のような悩みが寄せられています。
- Google 広告の仕組みや運用だけでなく、広告効果の改善施策まで把握したい
- インハウス運用を検討中だが、ノウハウがなく自信もない
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目次
1.Google 広告の仕組み
Google 広告とは、Googleが提供するWeb広告サービス全般のことです。
Google 広告は5種類あり、それぞれ掲載場所や形態が異なるため、出稿の目標や目的に合った広告種類を選択しなければいけません。
ここではGoogle 広告の種類と費用、掲載までの流れについて解説します。
1-1.Google 広告は大きく5種類
Google 広告は、大きく以下の5種類に分別されます。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- 動画広告
- アプリ広告
- ショッピング広告
各広告の特徴と掲載場所について解説します。
- リスティング広告
「Google 広告」と聞いて真っ先に思い浮かぶのはリスティング広告、という方も多いのではないでしょうか。リスティング広告は「検索広告」とも呼ばれるように、ユーザーが入力した検索キーワードと連動して表示される、テキスト形式の広告のことです。上の画像のように左上に「広告」と表示されているのがリスティング広告です。
リスティング広告は、ユーザーの検索キーワードに応じて広告が表示されることから、明確な興味や関心を持った顕在層に有効。
- ディスプレイ広告
ディスプレイ広告もまた、リスティング広告と並んでポピュラーなWeb広告。画像や動画とテキストを組み合わせて配信される広告で、視覚的な訴求が可能です。バナー形式で配信されることが多いことから、「バナー広告」とも呼ばれます。Googleのディスプレイ広告は、GDN(Googleディスプレイネットワーク)という広告配信ネットワークを通じて配信されます。
主な配信対象はGoogleが提供するGmailやYouTubeなどのサービスのほか、提携する200万以上のサイトと非常に広範囲です。
ディスプレイ広告は、画像の赤枠部分のように、サイトに設置された広告枠に掲載されます。
サイトを訪れたユーザー全員に表示されることから、認知拡大やブランディングを目的とする場合に有効。
- 動画広告(YouTube)
GDNを通じて、YouTubeに動画広告を出稿できます。動画広告は、本編の再生前後のほか、関連動画や検索結果などに表示されます。日本における18歳以上のYouTube月間利用者数は7,000万人(2022年時点)に上り、年々増加の一途を辿っているのが特徴です。YouTube広告の強みは、なんといっても年代を問わず幅広い層にリーチできることでしょう。
視覚と聴覚に訴えかけることができるYouTube広告は、認知拡大やブランディングに有効。
- アプリ広告
アプリ広告とは検索キーワードと連動した、アプリのインストール促進を目的とする広告のことです。掲載場所は、Googleの検索結果上部やGoogle Playなどが該当します。広告をクリックすると、アプリのインストール画面に遷移する仕組みです。 - ショッピング広告
ショッピング広告は、商品情報を画像やスペック情報で訴求できる、小売店向けの広告手法です。掲載場所は、検索結果画面の上位やショッピングタブ、画像検索画面になります。ショッピング広告は上の画像のように、ユーザーの検索キーワードに応じて表示されます。 画像と商品情報がセットで表示されるため、視認性が高いのが最大の特徴です。商品情報を検索する顕在層に最短距離でリーチできることから、コンバージョン増加が期待できる。
1-2.Google 広告にかかる費用
Google 広告の費用を決める課金方式は、以下の3種類があります。どの方法を採用するかは、出稿の目的や広告の種類によって異なります。
課金方式 | 特徴 |
---|---|
クリック課金(CPC) | ユーザーが広告をクリックするごとに費用が発生。 リスティング広告、ディスプレイ広告、動画広告などで採用。商品の購入や申し込みなど、コンバージョンを目的とする場合に適している。 |
インプレッション課金(CPM) | 広告の表示回数(1,000回ごと)に応じて費用が発生。 ディスプレイ広告、動画広告で採用。ブランディングや認知拡大を目的とする場合に適している。 |
広告視聴課金(CPV) | YouTube広告で採用されている。30秒間の動画広告の視聴(30秒以下の動画は最後まで視聴)、クリックなどの操作で費用が発生。 |
費用相場は以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
1-3.広告の掲載はオークションで決まる
多くの方がイメージするオークションの場合、最も高い入札額を提示したほうが落札されます。Google 広告のオークションの場合も、入札額(上限クリック単価)は重要な要素です。
しかし、入札額のみを考慮した場合、資金力の高い企業が広告枠を独占することになり、ユーザーにとって本当に価値のある広告を配信できません。
そこでGoogle 広告は、「上限クリック単価」と「品質スコア」をかけ合わせた「広告ランク」で広告掲載の有無および順位を決めているのです。
品質スコアとは:
推定クリック率と広告の関連性、ランディングページの利便性を算出したもの。
- 推定クリック率:広告が表示された場合にクリックされる可能性
- 広告の関連性:広告とユーザーの検索意図の一致度合い
- ランディングページの利便性:ランディングページの使いやすさや検索意図との関連性
つまり、Google 広告のオークションにおいては、品質スコアが高ければ、予算の少ない企業でも広告を配信できます。
その具体例を見ていきましょう。
企業名 | 上限クリック単価 | 品質スコア | 広告ランク | 掲載順位 |
---|---|---|---|---|
企業A | 250円 | 9/10 | 2,250 | 1位 |
企業B | 300円 | 6/10 | 1,800 | 2位 |
企業C | 200円 | 8/10 | 1,600 | 3位 |
企業D | 175円 | 8/10 | 1,400 | 4位 |
企業E | 225円 | 5/10 | 1,125 | 5位 |
注目してほしいのが、企業Aと企業Bです。上限クリック単価は企業Bのほうが高いですが、品質スコアは企業Aのほうが圧倒的に高い状況です。広告ランクもAのほうが高いため、Bよりも上部に広告を掲載できます。
また、企業Bと企業Cを見ると、広告品質が同じ場合は、上限クリック単価の高いほうが広告枠を獲得できていると分かります。
Google 広告の仕組みで確実に押さえておくべきポイントは、広告品質を高めながら、最適な上限クリック単価を見つけること。
そうすれば、費用対効果の高いGoogle 広告の運用ができます。
1-4.Google 広告の費用が決まる仕組み
新人Web広告運用担当者の多くは、「リスティング広告の月額費 = 上限クリック単価 × クリック数 」と誤解しています。
しかし、上限クリック単価は広告主が1回のクリックで支払える最大額であり、必ずしも「上限クリック単価 = 実際のクリック単価」になるとは限りません。
Googleのリスティング広告における費用は、以下の計算式で算出します。
- クリック単価 = 自社広告の1つ下の広告ランク ÷ 自社広告の品質スコア + 1
- リスティング広告費用=クリック単価×クリック数
企業名 | 上限クリック単価 | 品質スコア | 広告ランク | 掲載順位 |
---|---|---|---|---|
企業A | 250円 | 9/10 | 2,250 | 1位 |
企業B | 300円 | 6/10 | 1,800 | 2位 |
上記表において、企業Aの広告が月に1,000回クリックされたときのリスティング広告の費用を算出してみましょう。まずはクリック単価を出します。
【企業Aのクリック単価】
1,800 ÷ 9 + 1 = 201円
次にクリック単価とクリック数をかけて、実際の支払い費用を算出します。
【企業Aのリスティング広告月額費用】
201円 × 1,000回 = 201,000円
もし企業Aの広告品質が8だとすると、クリック単価は226円、月額広告費は226,000円となります。
このように、広告品質次第でリスティング広告費用は大きく変動します。Google 広告の運用を開始したら、広告品質の向上に注力して、クリック単価やコンバージョン獲得単価の最適化へとつなげましょう。
1-5.Google 広告の掲載までの流れ
広告アカウントの設定から掲載まで、Google 広告が掲載される仕組みについて見ていきましょう。
- 広告アカウントを作成する
Google 広告を利用するには、Gmailアカウントに加えて広告アカウントが必要となります。Google 広告のトップページから [今すぐ開始] をクリックし、必要項目を記入してアカウントを作成します。 - 広告の目標を設定する
出稿の目標を設定します。「販売促進」「見込み客の獲得」「ブランド認知度とリーチ」「アプリのプロモーション」などから合致するものを選択します。なお、目標設定をしなくてもキャンペーン作成は可能です。 - 広告の種類を選ぶ
「キャンペーンタイプ」で広告の種類を選択します。次に、目標の達成方法、キャンペーン名、使用するネットワークなどを設定します。 - ターゲティングを設定する
配信する地域や言語を設定します。その他「オーディエンスセグメント」でより詳細なターゲティング設定が可能です。 - 予算を設定する
1日あたりの広告の平均予算と入札単価を設定します。
- 広告クリエイティブの作成
広告を作成します。上の画像はリスティング広告の作成画面です。リスティング広告の場合は広告見出しと説明文、遷移先のURLを入力します。右側にあるプレビュー画面で仕上がりイメージを確認しながら作成可能です。
広告審査&掲載
入稿が完了したら、 [公開] をクリックしてみてください。すると、自動で広告の審査に移ります。審査通過後、広告が掲載されます。
Googleの広告審査については以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
2.Google 広告のメリット
Google 広告には数多くのメリットがあります。そのなかから、代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
2-1.圧倒的なリーチ力
Google 広告を出稿すれば、検索結果画面やYouTube、Gmail、提携先Webサイト/アプリケーションなどに広告を配信できます。
Statistaの調査によれば、2022年に国内で最も使用された検索エンジンはGoogleの76.14%、その次に多いのがYahoo!で16.64%です。
また、YouTubeは2022年5月の段階で、18 歳以上の国内月間ユーザー数7,000万人を突破しています。
このように、圧倒的なリーチ力を持っているのはGoogle 広告ならではの強みです。
また、広告の種類や配信先も豊富に用意されているため、自社と親和性の高いユーザーへのアプローチも可能。
2-2.高精度なターゲティング
Google 広告は配信する地域や日時・デバイスのほか、ユーザー属性や趣味趣向、検索キーワードなど、あらゆる切り口でのターゲティングが可能です。
ターゲティング機能を活用してポテンシャルの高いユーザーに絞って配信すれば、費用対効果はもちろん、成果の向上も期待できます。
2-3.少額から出稿可能
広告出稿と聞くと「多額の予算が必要になるのでは……。」と心配になりますが、Google 広告は小額から始められる気軽さが魅力です。
また、前の項でご説明したように、Google 広告は入札単価と品質スコアによるオークション方式を採用しているため、入札単価が低くても競合他社より優位に広告配信できる可能性は十分にあります。
さらに、Google 広告はターゲティング機能も豊富です。属性や興味関心、行動などに応じて広告を配信できるため、自社と関連性の高いユーザーにのみアプローチが可能です。
適切なターゲティング設定をすれば、無駄なインプレッションやクリック数を減らせるので、費用対効果の向上を見込めます。
なお、気になる予算についてですが、Google 広告では1ヵ月の予算から1日の平均予算を算出して決定します。
例えば、1ヵ月あたりの広告費用が10万円だとすると、10万円を1ヵ月の平均日数である30. 4日で割ってあげるわけです。
結果として、1日の平均予算は3,289円と算出されました。1日の上限予算を3,289円に設定すれば、1ヵ月の広告費用である10万円を効率的に消化できます。
ただし、1日の平均予算を超えて費用を消化してしまうこともありますが、1ヵ月の平均予算である10万円を超えた分は、返金されるため安心して広告を運用できます。
2-4.広告の成果を可視化できる
Web広告の最大の利点は、配信結果をデータで残せることでしょう。広告配信してデータを蓄積し、分析から改善へつなげるといったPDCAサイクルを回すことで、ロジックに基づいた広告運用が行えます。
例えば、リスティング広告を運用するなかで、コンバージョンにつながらないキーワードが出てきたら除外キーワード設定をして、コンバージョン率や費用対効果を高めましょう。
また、クリック率が高いにもかかわらず、コンバージョン率が低い場合は、ランディングページの改善が有効となります。
これらの例のように、配信データを分析し、仮説と検証を繰り返せば、成果の向上へつなげられるのです。
2-5.配信状況によって広告や設定を変更できる
状況に合わせて広告を自由にコントロールできるのも、Google 広告の大きな魅力でしょう。
「思ったほどクリックされない」
「コンバージョン数が低い」
などの場合、Google 広告の管理画面で予算金額の変更や広告の修正・差し替え、配信停止などがいつでも行えます。
3.Google 広告のデメリット
Google 広告にはデメリットもあります。それは、参入障壁が低く、競合が多いこと。
先ほどお伝えしたように、Googleは圧倒的なユーザー数を誇り、少額からでも気軽に広告配信を始められるといった特徴を持ちます。
その反面、競合数が多いと入札金額の高騰や上位表示を獲得するのが困難、といったことも起こり得ます。
Google 広告を成功に導くために、まずは少額からでも広告運用をスタートさせ、データの蓄積と改善を繰り返していくことが重要です。
4.【目的別】おすすめのGoogle 広告
Google 広告の仕組みについて解説してきましたが、「一体どの種類の広告を出稿すればいいの?」と疑問に思われる方もいるでしょう。
ここでは、目的別におすすめしたいGoogle 広告をご紹介します。
4-1.購入・申し込み
商品購入やサービスなどの申し込みには「リスティング広告」がおすすめ。
リスティング広告は、コンバージョンを目的とする場合に有効とされており、ユーザーが入力した検索キーワードと連動して表示される仕組みです。
例えば、「ブルーライトカット」と検索するユーザーに、ブルーライトカット眼鏡のリスティング広告を表示すれば、「これが必要な製品だ!」と思ってもらい、クリックへと誘導できます。
リスティング広告でリーチできる層は、「悩みや目的が明確な顕在層」のため、検索結果のニーズに沿った広告を表示させることで、コンバージョンにつなげられます。
4-2.資料請求・問い合わせ
「リスティング広告はコンバージョンに有効」とお伝えしましたが、資料請求や問い合わせにも有効。
例えばBtoB商材や不動産などの高額商品は、即決で購入とはなかなかいかないもの。そこで、資料請求や問い合わせなどをはさむことで購買意欲を高め、コンバージョンへと導きます。
4-3.アプリの利用促進
アプリの利用者数を増やしたい場合は、「アプリ広告」がおすすめです。
広告からアプリストアまでスムーズに誘導できるので、アプリ運営をしているのであれば利用必須でしょう。
4-4.ECサイトへの誘導
自社が運営するECサイトへ誘導したい場合は、「ショッピング広告」または「リスティング広告」がおすすめ。
特にショッピング広告は、検索キーワードに連動して商品画像と価格、色やサイズなどの購入検討に必要な商品情報を表示します。
表示場所も、検索結果のほかにショッピングタブや画像タブもあり、訴求力が高いため売上向上に貢献してくれるでしょう。
4-5.ブランディング・認知拡大
「自社の知名度を上げたい」または「商品を広く知ってもらいたい」場合は、「ディスプレイ広告」または「動画広告」をおすすめ。
画像や動画で訴求することで広告の視認性が高まり、効果的な広告であればユーザーの印象に残すことも可能です。
特に、近年は動画広告市場が大きく成長しています。電通の「2022年 日本の広告費」によれば、2023年内には動画広告市場が6,852億円(前年比115.7%増)に達するとのこと。
映像や音を用いて、分かりやすく情報を伝えられる動画広告は、ユーザーに大きなインパクトを残せるため、ブランディングや認知拡大に効果的です。
また、ターゲティングを活用して親和性の高いユーザーに絞って配信すれば、将来的なコンバージョンにつなげることもできる。
5.まとめ
Web広告になじみの薄い初心者にとって、Google 広告の仕組みは複雑で難しく思えるものです。
しかし、全体像が理解できてしまえば、初めてでも意外と簡単に出稿できます。競合の多くも出稿していますが、Googleが持つ影響力の大きさや可能性は計りしれません。
まずはどのようなものか感覚で知るためにも、少額から出稿してみてはいかがでしょうか。
Google 広告の改善案でお悩みの方へ
Google 広告で広告効果を最適化するためには、入札調整やアカウント設計など細かなPDCAを回す必要があります。
しかし、最適化の手順が分からないといつになっても広告効果が改善されません。
広告運用歴10年以上のアドフレックスは、AI(自動化)とヒト(コンサルティング)を活用し、広告運用による事業拡大を支援しています。
広告運用歴10年以上の弊社のもとへは、以下のような悩みが寄せられています。
- Google 広告の仕組みや運用だけでなく、広告効果の改善施策まで把握したい
- インハウス運用を検討中だが、ノウハウがなく自信もない
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