

インターネット回線の発達やスマートフォンの普及により、SNSは我々の生活に欠かせないものとなってきています。
1日1回は何かしらの発信を行い、発信内容を他人から「いいね」や「シェア」されることを求め、バズるという言葉も流行語となりました。
認知だけでなく、SNS情報をもとにした購入や問い合わせなどの消費行動にもつながる傾向も増えており、SNS媒体ごとの広告も登場しています。
アクティブなユーザーが集まるSNSへの広告出稿は、商材やサービスのブランディング以外に、売上向上につなげる目的でも運用されています。
とはいえ、「SNS広告を検討しているが、種類が多くて分からない」「出稿にはいくらくらいかかるの?」「どこから始めたらいいの?」と悩まれる担当者も少なくありません。
そこで今回は、注目度が高まるSNS広告について、媒体別の概要や特徴、費用目安などについて紹介していきます。
コンバージョン数を伸ばすために、媒体を拡大しようとしている方へ まだまだリスティング広告を伸ばす余地がある状況で、無理をして媒体を広げようとしているWebマーケティング担当者は多いです。まずは、リスティング広告でさらにコンバージョン数を増やす打ち手を検討してみませんか。
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1.SNS広告の主要6媒体を表で総まとめ


媒体名 | 国内のアクティブユーザー数(推定) | 年齢層(推定) | 特徴 |
2,600万人 | 10~40代 |
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3,300万人 | 20~40代 |
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YouTube | 6,500万人 | 10~50代 |
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LINE | 8,400万人 | 全年齢層 | 圧倒的に利用者が多く、全世代にアプローチ可能 |
TikTok | 950万人 | 10~20代 |
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4,500万人 | 10~20代 | 拡散により認知度が一気に上がる |
2.SNS広告の費用の計算方法


SNS広告の費用に関して、あらかじめ決まった金額が設定されているわけではありません。
SNS広告は、基本的には運用型広告と呼ばれる手法を取っており、出稿された後の状況に応じて費用が決まります。
例えば、インプレッション課金型やクリック課金型、動画視聴型、エンゲージメント課金型など、プランや得られる効果によって課金方法は異なります。
テレビや雑誌広告であれば、1ヵ月掲載で〇〇円といった期間指定がほとんどだが、SNS広告においてこのような縛りはない。 |
自社の求める効果に応じて広告手法を選択でき、その効果が得られる場で掲載されるため、費用感を計算しやすいメリットがあります。
一般的なSNS広告の出稿費用の相場でいうと、月30万円から50万円程度が多い傾向にはあります。
相場金額はあくまで目安で、少ない予算でSNS広告を出稿することも、大きく数百万円から数千万円をかけてプロモーションを行うことも可能。 |
一口にSNSといっても、プラットフォームによってユーザーの年齢層や趣味嗜好などは異なります。そのため、どのSNS媒体、どの手法で広告出稿するかで、得られる成果は変わります。
それぞれの特徴を理解した上で、自社の商材やサービスの特徴と照らし合わせながら選定していくことが重要。 |
3.Facebook広告の特徴


Facebookは、SNS媒体の中で唯一実名での登録を基本としています。ユーザーが登録したプロフィール情報に基づいて広告配信できるため、より詳細なターゲティングが可能です。
広告の配信先は、Facebookのフィード以外にMessengerや提携するモバイルアプリ、Webサイトなどがあります。
Facebook広告の管理画面からInstagramに出稿することも可能。 |
3-1.Facebook広告の課金体系と入札戦略
Facebook広告の課金体系は、大きく分けて「インプレッション課金」と「クリック課金」の2つの方法があります。
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一般的には、多くのユーザーにアプローチする際に有効なインプレッション課金が採られることが多い傾向にあります。
ターゲティングを絞ることで、より自社の商材やサービスと親和性の高いユーザーにアプローチできるため、インプレッション課金でも費用対効果を高めることが可能です。
また、自社のFacebookページや広告に対する「いいね!」や「コメント」、「シェア」、アプリのインストール回数といったエンゲージメント数に応じた課金体系も選択できます。
Facebookは他のSNS媒体に比べて比較的年齢層の高いユーザーや、ビジネスユーザーが多い傾向にあります。
そのため、BtoB商材において高い費用対効果を期待できる。 |
3-2.Facebook広告の出稿方法
Facebook広告を出稿するには、「Facebookビジネスマネージャー」を使います。利用にあたっては、自社のFacebookアカウントとFacebookページが必要となります。
出稿は、以下の手順で進めます。
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詳しくは以下の記事もご参考ください。
4.Instagram広告の特徴


Instagramは、特に10〜20代の女性を中心に利用されているSNSです。写真を中心に共有できる機能が充実しており、広告も画像・ビジュアルでの訴求が一般的になります。
テキストよりも情報量が多く、よりインパクトを与えられる画像を使った訴求は、ブランディングにおいて非常に有効な広告手法です。
Instagram広告は、Facebook広告のビジネスマネージャーから出稿できるので、Facebook同様に精度の高いターゲティングを行うことも可能です。
4-1.Instagram広告の課金体系と入札戦略
Instagram広告は「インプレッション課金」「クリック課金」のほか、「アプリのインストール課金」「動画の再生時間による課金」があります。
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Instagram広告はスマートフォン画面の全体にビジュアルで訴求できるため、動画との相性も良い傾向にあります。
また、若い女性を中心にアクティブユーザーが集まることから、コスメやファッション系の商材において高い費用対効果が期待できる。 |
4-2.Instagram広告の出稿方法
Instagram広告は、Facebook広告のビジネスマネージャーから出稿でき、以下が必要です。
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基本的な出稿手順はFacebook広告と変わりませんが、事前に作成したFacebookページとInstagramアカウントの連携が別途必要です。
詳しくは以下の記事もご参考ください。
5.YouTube広告の特徴


YouTubeは、動画配信のプラットフォームとして認知度が高まってきたこともあり、広告媒体としても注目されています。
一番の特徴は、広告として配信されるものがテキストや画像ではなく、動画である点です。
広告出稿における費用とは別に、動画制作費用が必要になりますが、画像よりも多くの情報量を訴求できるため、ブランディング以外に獲得目的でも非常に高い効果が期待できます。
5-1.YouTube広告の課金体系と入札戦略
YouTube広告は、基本的に動画を視聴(再生)したときに費用が発生する仕組みです。
YouTube広告は、フォーマットが6種類あります。最も利用されることの多い、「スキップ可能なインストリーム広告」は、広告のクリックなどのアクションで課金対象となり、30秒以内にスキップされた場合は費用が発生しないのが特徴です。
「スキップ不可のインストリーム広告」もありますが、同じ広告が複数回表示されると、興味のないユーザーにとっては嫌悪感や拒否感を持たれてしまう可能性もあります。
そのため、いかにターゲットを絞ってアプローチできるかが重要になる。 |
5-2.YouTube広告の出稿方法
YouTube広告を出稿するには、Googleアカウントが必要です。Google広告の管理画面から、以下の手順で出稿を進めます。
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コンバージョン数を伸ばすために、媒体を拡大しようとしている方へ まだまだリスティング広告を伸ばす余地がある状況で、無理をして媒体を広げようとしているWebマーケティング担当者は多いです。まずは、リスティング広告でさらにコンバージョン数を増やす打ち手を検討してみませんか。
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6.LINE広告の特徴


家族や友人同士のほか、社内のコミュニケーションツールとしても浸透したLINEは、クローズドで展開されることが多く、他のSNSに比べると拡散性は弱い媒体です。しかし、簡易的な機能と利便性の高さから、現在8,000万人以上が利用していると言われています。
年齢層も幅広く、10代から60代以上までのユーザーが活用しています。このような大規模なユーザーに対してアプローチできるのが、LINE広告です。
配信先は、LINEのタイムライン上への広告出稿以外に、関連する「LINE NEWS」や「LINEマンガ」「LINEポイント」「LINEショッピング」「Smart Channel」などがあります。
6-1.LINE広告の課金体系と入札戦略
LINE広告の課金体系は「インプレッション課金」と「クリック課金」の2種類となります。なお、インプレッション課金は「動画広告」、クリック課金は「静止画広告」で選択可能です。
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LINEは、他のSNSに比べてアクティブユーザーが多い傾向にあるため、広くユーザーにアプローチすることが可能です。
年齢層や地域などターゲットを絞ることもでき、自社商材やサービスに応じて設定するとよいでしょう。 |
6-2.LINE広告の出稿方法
LINE広告を出稿するには、事前にLINE Business IDの取得が必要です。
出稿は、以下の手順で進めます。
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詳しくは以下の記事もご参考ください。
7.TikTok広告の特徴


SNS媒体の中で、若年層を中心に人気を誇るのがTikTokです。
中国のByteDance(バイトダンス)社が運営するショート動画の配信・共有を中心としたSNSで、国内では1,000万人近いユーザーがいます。
利用者は10~20代の学生を中心としており、TikTokerと呼ばれるカリスマも増加傾向にあります。さらにユーザー数の増加とともに広告媒体としても注目が集まり、30代のユーザーも集まりつつあります。
媒体として比較的新しいTikTokにも、新たな出稿先として選ぶ企業も増えている。 |
7-1.TikTok広告の課金体系と入札戦略
TikTok広告も、他のSNS媒体と同様にインフィード広告や起動画面広告などに対してインプレッション課金やクリック課金をもとに展開していく運用型広告が一般的となりますが、それ以外にハッシュタグチャレンジ広告と呼ばれる期間指定型の広告も用意されています。
ハッシュタグチャレンジ広告とは: ユーザーが指定のハッシュタグを付けて企業広告を作成・投稿する広告。 |
プランにより差はありますが、相場は1,000万円程度と非常に高額です。多方面に拡散しやすく、バズる可能性もあることから、自社の商材やサービスの認知度を飛躍的に上げられるポテンシャルを秘めています。
7-2.TikTok広告の出稿方法
TikTokに出稿するには、「直接TikTokの運営会社に問い合わせる」または「TikTok広告専門の代理店に依頼する」のいずれかになります。
直接運営会社に問い合わせる場合、手数料はかかりませんが、他の広告と連動させる場合は対応が難しいことも。
複数広告を展開している場合は、広告代理店に依頼したほうが出稿管理と運用の効率化が図れる。 |
8.Twitter広告の特徴


Twitterは10代から30代の利用が多く、ユーザーの興味関心を軸に細かくターゲティングできる点が魅力です。
また、Twitterは他のSNS に比べて二次的な拡散性が高いという特徴もあります。ユーザーは「リツイート」機能で他のアカウントのツイートを共有できます。
他のアカウントが発信したツイートをフォロワーに共有できるため、二次的に拡散を促すことができます。
8-1.Twitter広告の課金体系と入札戦略
Twitter広告は、他のSNS媒体と同じく事前に設定したアクションが発生した時にのみ費用が発生しますが、二次的な拡散に対しては費用が発生しません。
そのため、「リツイート」や「いいね」を集めるほど、費用対効果を高めることができる。 |
Twitter広告では、インプレッション課金やクリック課金以外に以下の課金方式があります。
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Twitter広告は拡散力を特徴としており、自社の商材やサービスの認知向上・ブランディングを目的とする場合は非常に効果的です。
8-2.Twitter広告の出稿方法
Twitterは広告アカウントを作成後、すぐに出稿できます。1ツイートからでも広告に活用できるため、クリエイティブ作成の手間も大幅に省くことが可能です。
おおまかな出稿手順は、以下のように進めます。
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9.SNS広告で費用対効果を改善するコツ


最後に、SNS広告で費用対効果を改善していくためのコツについても紹介していきます。
9-1.KPIを整理してどこに課題があるか確認
どのSNS媒体に出稿するにせよ、事前に自社の目的(KPI)をしっかりと定めておくことが重要です。「最新のSNSだから」「みんな出稿しているから」といった漠然とした理由で広告出稿しても、効果にはつながりません。
また、SNS広告を出稿すると、「インプレッションが増えた」「クリックが増えた」だけで満足してしまいがちです。ブランディング目的ならまだしも、多くの場合、出稿の目的はコンバージョン増加にあります。
常にコンバージョンから逆算し、自社にとって最適な広告手法や出稿媒体を見極めるため、PDCAを回していくことが重要。 |
9-2.媒体の特徴を理解する
各媒体の特徴で紹介したように、扱える機能やユーザーの傾向も異なります。そのため、媒体の特徴を正しく理解し、その特性を活かした広告手法を選択することが重要です。
【例】 シニア層がターゲットの商材をTikTok広告でアプローチしても、求める成果にはつながらない。 |
媒体に応じた広告の見せ方や手法を検討し、自社のターゲットにマッチしたものを選びましょう。
9-3.SNS広告だから安いということはない
SNS広告は今や多くの企業が参入しており、競合性も高まっています。
低コストで始められ、予算の上限金額を設定して運用することもできますが、費用対効果を高めるには、ターゲット分析や広告クリエイティブの精査などで競合優位性を上手く訴求しなければなりません。
単に「SNS広告だから安く出稿できて良い」という訳ではないため、この点は注意が必要。 |
10.まとめ


SNS広告は、最も勢いのあるWeb広告の一つです。若年層を中心に広くアプローチできるだけでなく、ユーザー属性に応じたターゲティングができ、広告クリエイティブによっては拡散されることで大きな費用対効果につなげられます。
しかし、競合性も高いため、いかに効果的な訴求ができるかが重要になります。
費用対効果を高めるためにも、まずは正しくSNS広告のことを理解し、その特徴をふまえて自社の商材やサービスにマッチした訴求ができるよう上手に運用していきましょう。
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