コラム

オウンドメディアの記事制作手順とポイントをやさしく解説!

基礎知識
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オウンドメディアに注力する企業は8割以上と判明したアンケート調査があるように、オウンドメディアはマーケティングにおいて重要なチャネルになっています。

オウンドメディアで記事制作をすれば、新規顧客の創出やコンバージョン数の増加、ブランディングなどの効果を見込めます。しかし、記事制作の取り組みを誤ると、期待した成果が得られなくなるため注意が必要です。

そこで本記事では、オウンドメディアの記事制作の手順ユーザーに響く記事を書くポイント外注化するべきかどうかについて解説します。

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1.オウンドメディアの記事制作手順

オウンドメディアの記事制作の流れは、大きく以下の6ステップで行います。

  1. ペルソナ設定
  2. キーワード選定
  3. ユーザーニーズ調査
  4. 構成案作成
  5. 執筆
  6. 推敲

各ステップの詳細について見ていきましょう。

1-1.STEP1:ペルソナ設定

オウンドメディア運用において、常に心がけるべきたった1つのことが、顧客への価値提供です。

記事を通して、顧客の悩みや課題を解決できる価値を提供することで、徐々に信頼関係が構築され、顧客はコンバージョンにつながるアクションが起こる。

顧客に価値を提供するこのような施策を「インバウンドマーケティング」と呼び、コンテンツマーケティングに強みを持つHubSpotが提唱しました。

実際に、HubSpotは流入の大半がオーガニック検索とソーシャルメディアであり、インバウンドマーケティングとして実績を出している。

顧客に価値を提供するためには、まずはターゲットについて理解する必要があり、それには製品サービスを利用する理想の顧客像「ペルソナ」の作成が有効です。

アンケート調査やユーザーヒアリングなどを実施し、実在する人物をイメージできるまで具体的にペルソナを設定しましょう。

ペルソナ作成で重要なポイントは、一次情報を基に作成すること。

ブレインストーミングなどで作成したペルソナは、実在しない顧客像となり、施策失敗の原因になりかねません。一次情報で肉付けすることで、リアルなペルソナが完成します。

特に、ペルソナが抱える課題や悩みの特定は重要。

課題や悩みを軸として、記事で発信する情報を決めていきましょう。

参考記事

1-2.STEP2:トピッククラスターとキーワード選定

顧客の課題や悩みをもとに、キーワード選定をします。下記は、SEO対策におけるキーワードの種類をまとめた表です。

種類 月間検索ボリューム回数 上位表示の難易度
ビッグキーワード 1万回以上 ダイエット ★★★★★
ミドルキーワード 1,000~1万回 ・ダイエット アプリ
・ダイエット おなか
★★★☆☆
スモールキーワード 1,000未満 ・ダイエット アプリ 無料
・ダイエット おなか たるみ
★★☆☆☆

ビッグキーワードで記事の上位表示に成功できれば、多くの流入やコンバージョンが期待できます。

一方で、ビッグワードを狙う競合は多く、現状はドメインパワーの強い老舗や大手のオフィシャルサイトが上位表示される傾向にあるため、そう簡単ではありません。

これからオウンドメディア運用に取り組む場合は、ミドルキーワードでの上位表示を狙うトピッククラスターがおすすめ。

なお、月間検索ボリュームを調べる際は、Googleから提供されているキーワードプランナーなどを活用すると良いでしょう。

以下では、トピッククラスターについて解説します。

  • トピッククラスターとは

トピッククラスターとは:

特定のトピックの記事を戦略的にまとめることで、SEO評価を高める手法のこと。

トピッククラスターは、以下3つの要素で構成されます。

  • ピラーページ:まとめ記事
  • クラスターコンテンツ:個別記事
  • 内部リンク

ピラー記事で特定のトピックを網羅的にまとめ、その詳細は内部リンクで設置したクラスターコンテンツで説明する仕組みです。

例えば、マーケティング支援サービスを提供する企業が、トピッククラスターに取り組む場合、ペルソナはマーケティングに関する悩みを抱えていることから、下記のトピッククラスターの構築が考えられます。

【例】

ページ種類 トピッククラスター1 トピッククラスター2
ピラーページ インスタグラム マーケティング メールマーケティング
クラスターコンテンツ ・インスタグラム マーケティング事例
・インスタグラム 集客
・インスタグラム ツール
・メールマーケティング ツール
・メールマーケティング 効果測定
・メールマーケティング 開封率

この例でいうと、「インスタグラム マーケティング」がテーマのピラー記事に、事例や集客などに関する簡単な解説とクラスターコンテンツへの内部リンクを設置します。

トピッククラスターに取り組むことで、ビッグ・ミドルキーワードに分類されるピラー記事の評価が高まり、それに伴いクラスターコンテンツの順位も上がるのです。

  • トピッククラスターにおけるキーワード選定の方法

トピッククラスターに限りませんが、オウンドメディアの記事制作におけるキーワード選定では、まずはビッグ・ミドルキーワードを選定するのがセオリーです。

ユーザーが抱える課題や悩みをもとに、1~2語のビッグ・ミドルキーワードを複数選定しましょう。

ピラーページのキーワードが決まれば、クラスターコンテンツのキーワードを選定します。

(ラッコキーワードでサジェストキーワードを抽出した画面)

クラスターコンテンツのキーワード選定の際は、SEOツールを使うと効率的です。

例えば、無料でも利用可能(有料プランもあり)なラッコキーワードは、特定のキーワードに対するサジェストワードや共起語などを瞬時に抽出可能です。

どのクラスターコンテンツがおすすめなのか絞り込みができ、非常に便利ですので、ぜひ利用してみてください。

ただし、各キーワードの検索ボリュームは表示されませんので、繰り返しになりますが、キーワードプランナーを活用すると良いでしょう。

(keysearch Betaによるキーワードマッピング)

キーワードマッピングツールとしては、keysearch BetaやOMUSUBIが無料で使えます。

キーワードマッピングツールとは:

検索窓にビッグキーワードを入力すると、関連キーワードを紐付けてくれ、クラスターコンテンツの作成に有効なヒントが得られる。

無料ツールでもキーワード選定はできますが、キーワードカニバリゼーション(キーワードの共食い)や業務の効率化を図るためにも、ミエルカやパスカル、Ahrefsのような有料SEOツールの利用がおすすめです。

参考記事

1-3.STEP3:キーワードに潜むユーザーの課題や悩みを調査

キーワード選定が終わったら、実際の記事制作に取りかかります。まず行うべきことが、キーワードに隠れるユーザーの悩みやニーズを把握することです。

ユーザーは悩みや課題の解決を願って、検索エンジンを使用します。ユーザーの悩みを解決できる記事こそが、上位表示される良い記事と言えるでしょう。ユーザーのニーズを把握する際、知っておくと便利な知識が検索クエリの種類です。

検索クエリとは、ユーザーが検索に使用した単語のことであり、以下4種類に分けられます。

クエリの種類 ユーザーの意図
DOクエリ ~をしたい メール配信 ツール
BUYクエリ ~を買いたい メール配信ツール 比較
KNOWクエリ ~を知りたい メール配信ツール メリット
GOクエリ ~のサイトを訪問したい 配配メール

実際にキーワード検索をし、検索結果をもとにクエリの種類を判定しましょう。投下するキーワードを確定後、上位10記事の内容を確認し、どのようなコンテンツを盛り込めばいいか精査します。

Googleはユーザーのニーズを満たした記事を上位表示する傾向がありますので、コンテンツの精査はYahoo!知恵袋やアンケート調査など、ユーザーに近い情報を軸に進めてください。

上位記事を見ることで、ユーザーニーズをある程度把握できますが、上位記事にユーザーが知りたい情報が網羅されているとは限りません。

より多方面からニーズの把握に努めましょう。

競合調査には、有料のSEOツールのほか、無料で使えるラッコツールズの「見出し抽出」も役に立つ。

1-4.STEP4:構成案作成

記事の9割は構成案の作成で決まるといっても過言ではありません。ユーザーニーズや競合の記事を参考に構成案を作成しましょう。

構成案の作成でよくある間違いが、上位記事と全体の構成をほぼ同じものにすることです。上位記事の内容を真似しても、独自性がなかったり、ドメインランキングが弱かったりすれば、上位表示されません。

重要な点は、上位記事を参考にユーザーニーズを網羅的にとらえつつ、独自性のある記事を制作すること。

独自性の例として、以下のものが挙げられます。

  • 最新情報
  • 経験や調査、論文などの一次情報
  • 海外情報
  • 競合にはない視点の切り口
  • 導入事例やお客様インタビューなど

その他にも、情報の厳選が独自性につながることがあります。

【例】

「おすすめの製品15選」のように網羅的に製品を紹介する記事は、製品の紹介数が多すぎて行動に移せないユーザーもいる。

そこでユーザーの代わりに選んだというニュアンスで、思い切って3選だけ紹介するのも独自性。

「筆者のおすすめはこちら」といったトピックを設ければ、専門家の目線で選んだ製品なら信頼ができると感じ、読者がストレスなく選べます。

ユーザーニーズを考えながら、網羅的かつ独創的な構成案を準備しましょう。

1-5.STEP5:執筆

構成案に沿って記事を書きましょう。効率よく記事執筆するポイントは、まずは思うままに書くことです。手が止まった部分は飛ばして、いったん最後まで書き上げます。

1回目の執筆で完成した記事の品質は40%にも満たないかもしれません。ここから、修正を繰り返して、記事の完成度を高めていきましょう。

1-6.STEP6:推敲

文豪のヘミングウェイは名作「武器よさらば」を完成させるまでに、39回も書き直したそうです。ヘミングウェイが何度も書き直しをしたならば、私たちも記事の書き直しを行うのは当然ではないでしょうか。

1回目で大まかに仕上げた記事を、何度も見直し、書き直して、記事の精度を高めましょう。8割ほど仕上げたら、一晩寝かせて、翌日に書き直してください。

一度時間を置くことで、異なる視点で記事に向き合うことができ、新たな修正点を発見できます。また、他のメンバーに記事を確認してもらうのも有効です。

オウンドメディア運用で成功している企業の多くは、ライターと編集者、そしてディレクターで記事確認をしている。

オウンドメディアの記事制作においては、構成案と記事の修正を徹底的に行うことが重要です。

参考記事

2.オウンドメディアの記事制作のポイント

ここからは、オウンドメディアの記事制作のポイントを解説します。

2-1.無駄を徹底的に省く

「1984年」で知られる偉大な作家ジョージ・オーウェルは、エッセイ「政治と英語」のなかで分かりやすい文章を書くための6つのルールをご紹介しています。

  1. 本や新聞でよく見る表現や比喩を使わない
  2. 短く言い換えられるなら、長い文章を使わない
  3. 削れる言葉は常に削る
  4. 能動態で書けるときに受動態で書かない
  5. 普通の言葉で書けるなら、外国語・科学用語、慣用表現を使わない
  6. あからさまに野蛮な文章を書くくらいなら、これらのルールは破っても構わない

これは日本語のオウンドメディア記事制作にも当てはまります。特に、ルール2と3は必ず守るようにしましょう。なぜなら、ユーザーはWebテキストの約20%しか読まないと調査で判明しているからです。

さらに、マイクロソフト社の研究では現代人の集中力は8秒しか持続しないと分かっています。

これらの点を踏まえると、無料で読めて簡単に離脱できるWeb記事においては、短く簡潔に書くことが重要だと分かる。

記事を書き上げたら、短くできる文章はないか、不要な単語や文章はないかチェックしましょう

2-2.根拠を含める

すべての記事には、読者に伝えたいメッセージがありますが、そのメッセージの根拠を提示しなければただの感想文になってしまいます。

以下の文章を読んでみてください。

Web記事の制作においては、短く明確に文章を書くべきです。その理由は、現代人は集中力が続かず、Webテキストをじっくり読まないためです。

この文章のメッセージは「Web記事では、短く正確に文章を書くこと」であり、理由として現代人の集中力が短いこと、Webテキストを読まないことが挙げられています。しかし、この理由を証明する根拠が添えられていないため、ただの感想文になってしまうのも特徴です。

例文に根拠を追加したのが、以下の文章です。

Web記事の制作においては、短く明確に文章を書くべきです。なぜなら、ユーザーはWebテキストの約20%しか読まないと調査で判明しているからです。さらに、マイクロソフト社の研究では現代人の集中力は8秒しか持続しないと分かっています。

これらの点を踏まえると、無料で読めて簡単に離脱できるWeb記事においては、短く簡潔に書くことが重要だと分かるでしょう。

正確な情報を引用して、主張に根拠を添えれば、読み応えのある記事制作ができます。

2-3.デザインの観点を取り入れる

オウンドメディアの記事制作というと、テキストを中心とした記事を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、記事制作の目的を「ユーザーが求める情報を適切な方法で届ける」ことだと定義すれば、テキストにこだわる必要はありません。

視覚情報の方が分かりやすいならば、積極的に図表やイラストを活用しましょう。

丁寧に作成された画像が、競合との差別化につながることもある。

文脈は当然ながら、記事の見た目にもこだわってみてください。

3.オウンドメディアの記事制作は外注化すべきか?

インハウス(内製)で記事制作することも可能ですが、担当者には定期的なSEO知識のアップデートや記事制作などの大きな負担が生じます。

そのため、記事制作は外注化(アウトソース)するのがおすすめ。

記事制作を外注化する際は、外注範囲を明確にしましょう。多くの企業は、記事のクオリティに大きな影響をおよぼす構成案作成までを自社で行い、記事執筆(場合によっては編集も)を外部に委託しています。

記事制作を外注化することで「社員は他の業務にも注力できる」「高速でPDCAを回せる」などのメリットを得られます。予算と相談しつつ、前向きに外注化を検討してみましょう。

4.まとめ

オウンドメディアの記事制作手順は大きく分けて以下の通りです。

  1. ペルソナ設定
  2. キーワード選定
  3. ユーザーニーズの調査
  4. 構成案作成
  5. 執筆
  6. 推敲

オウンドメディアの記事制作で重要なポイントは、ユーザーに価値提供をすることです。キーワードに潜むユーザーの課題やニーズを考え、記事を通して最適な形で価値を伝えられているかどうかを意識しながら記事制作を進めましょう。

ユーザーが求める価値を提供することを前提として、不要な言葉の削除や画像、図表を活用すれば、成果につながる記事制作が可能です。

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  • リスティング広告のコンバージョン数を確実に改善させたい
  • 人の手で実績を改善し続けるのが困難
  • リスティング広告のプロフェッショナルに課題解決の相談をしたい
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本記事の著者

アドフレックス編集部

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