コラム

簡単に理解できるディスプレイ広告のターゲティング|失敗しないポイントも解説

Google 広告 Yahoo!広告 ディスプレイ広告 広告運用
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ディスプレイ広告は多くのユーザーにアプローチできる魅力がある一方、自社商材と関連性の薄いユーザーにまで広告が配信されると、費用対効果悪化の原因となります。

そこで活用すべきなのが、ターゲティングです。ターゲティングを活用すれば、自社に最適なユーザーを事前に絞り込んだ上で広告配信ができるため、必要以上の広告費を抑制できます。

しかし、ディスプレイ広告のターゲティング種類は豊富なため、いまいち理解ができないという方も多いのではないでしょうか。

結論から申し上げると、ディスプレイ広告のターゲティングは「人」と「枠」を軸に考えれば、誰でも理解できます。

本記事では、ディスプレイ広告のターゲティングの仕組みや種類、失敗しないターゲティング設定をするポイントなどを解説します。

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1.ディスプレイ広告の出稿形式一覧

ディスプレイ広告とは:

GoogleやYahoo!などが配信する広告種類。Webサイトやアプリの広告枠に配信される。

ディスプレイ広告と一口に言っても、4つの種類に分類可能です。以下では、4タイプのディスプレイ広告における出稿形式について解説します。

1-1.バナー広告

出典:広告の種類|Yahoo!広告ヘルプ

バナー広告とは:

画像もしくは動画のみを表示する一般的な広告タイプ。

広告内に文章が入らない形式です。広告枠に決められたサイズに基づいて掲載され、バナー広告をクリックすると、広告主のサイトに遷移します。

1-2.レスポンシブ広告

出典:広告の種類|Yahoo!広告ヘルプ

レスポンシブ広告とは:

広告枠のサイズに自動で対応する広告のこと。

テキストや画像、動画、CTAなどで構成されます。現代の消費者はスマートフォンやパソコン、タブレットなどさまざまなデバイスでインターネットを利用しています。

それに伴い、広告枠のサイズが多様化し、あらゆる広告枠に最適なクリエイティブの作成が必要になりました。

しかし、手動で各広告枠に合ったクリエイティブを作成するのは困難です。そこで活用されるのがレスポンシブ広告となります。

レスポンシブ広告は、広告文や画像などを入稿するだけで、広告枠に最適なクリエイティブを自動作成してくれるため、非常におすすめの出稿形式です。

1-3.動画広告

Googleのディスプレイ広告を利用すれば、Googleが提携する200万以上のサイトやアプリケーションに動画広告を配信できます。

動画はテキストや画像よりも、多くの情報量を伝えられるため、認知度拡大やブランディングに最適。

1-4.カルーセル広告

カルーセル広告とは:

複数枚の画像を組み合わせて横長に表示する広告タイプのこと。

ユーザーが広告をスライドすることで、他の画像が表示されます。画像ごとに異なるURLを設置できるため、複数の商品、サービスの特徴や機能を訴求したいときに最適です。

2.ディスプレイ広告のターゲティングの基礎知識

まずは基礎知識として、ディスプレイ広告のターゲティングの仕組みやターゲティングの種類について早見表を確認しましょう。

2-1.ディスプレイ広告のターゲティングの仕組み

出典:はてなブックマーク

上の画像は、SEO関連サイトを閲覧後にアクセスしたページに、SEOツールのディスプレイ広告が表示された様子です。

このように、ショッピングサイトやニュースサイトなどを見ていると、自身の興味関心と連動したディスプレイ広告が表示された経験があるはずです。

これは、Web広告の配信時に設定できるターゲティング機能のおかげですが、そもそもどのように私たちの興味関心を把握しているのでしょうか。

GoogleやYahoo!などの広告配信企業は、インターネット上におけるユーザーの行動を把握するため、次のようなデータを取得しています。

  • IPアドレス(居住地域)
  • 性別や年齢などの属性
  • Webサイト閲覧履歴に基づいたユーザーの興味関心

GoogleやYahoo!は、広告主がターゲティングを設定すると、追跡から得たユーザーデータを瞬時に照合し、マッチ度の高い広告を配信しているのです。

ターゲティング精度が上がることで、企業は感度の高いユーザーにアプローチでき、興味関心に連動した広告だけを閲覧できるようになります。

2-2.ターゲティングの種類の早見表

ディスプレイ広告のターゲティング種類は多岐にわたります。ディスプレイ広告の運用初心者の場合は、ターゲティングの種類を大まかに捉えることが大切です。細かな種類は、実際に運用することで覚えられます。

ディスプレイ広告のターゲティングは、「枠のターゲティング」と「人のターゲティング」の2種類に分類できます。

枠のターゲティングとは:

ディスプレイ広告を配信するWebサイトやアプリケーションを指定するターゲティングのこと。

人のターゲティングとは:

広告を配信するユーザーの興味や年代などを指定できるターゲティングのこと。

GoogleとYahoo!のディスプレイ広告におけるターゲティングの種類を、枠と人で分類してみましたので、参考にしてください。

広告配信サービス 枠のターゲティング 人のターゲティング
Googleのディスプレイ広告 ・トピックターゲット
・プレースメントターゲット
・コンテンツキーワード
・デモグラフィック
・アフィニティ
・カスタムセグメント
・詳しいユーザー属性
・ライフイベント
・購入意向
・カスタマーマッチ
・類似セグメント
・データセグメント(旧リマーケティング)
Yahoo!のディスプレイ広告 ・コンテンツキーワード
・サイトカテゴリー
・プレースメントターゲット
・デバイス
・年齢
・性別
・サーチキーワード
・オーディエンスリスト
・オーディエンスカテゴリー
・曜日/時間帯
・地域

種類の多いターゲティング機能ですが、広告を配信する「枠」と「人」を指定する機能と考えれば、分かりやすいのではないでしょうか。

ディスプレイ広告の運用では、枠と人のターゲティングを戦略的に組み合わせる必要がある。

3.ディスプレイ広告のターゲティング種類の特徴を解説

ディスプレイ広告のターゲティングは、枠と人で考えれば簡単ということが分かったところで、もう少し深く掘り下げてみましょう。

3-1.枠のターゲティング

ディスプレイ広告の運用においては、広告を配信するサイト選びが成果に影響を与えます。

【例】

BtoB企業向けのSaaS製品に関する広告を、10代向けのサイトに配信しても、期待した成果にはつながらない。

枠のターゲティングを使えば、広告主はキーワードやトピック、カテゴリーに基づいて配信サイトを絞れます。

初めてディスプレイ広告のターゲティング設定をする場合は、コンテンツキーワードもしくはプレースメントターゲットのみを設定し、配信サイトを限定するのがいいでしょう。

配信サイトを限定すれば、思わぬ予算の消化や機会損失のリスクを下げられる。

3-2.人のターゲティング

人のターゲティングでは、ユーザーの年齢性別興味関心などに基づいたターゲティングが可能です。

ユーザーターゲティングの中でも、再来訪性施策として非常に多くの企業が取り入れているのがデータセグメント(旧リマーケティング)になります。

データセグメントとは:

過去に自社サイトを訪問したユーザーに広告を配信し、サイトへの再訪問を促す手法のこと。

既存の顧客や自社を認知しているユーザーにアプローチできるため、獲得効率が高いのが特徴です。

一方、クッキー廃止の流れが加速化しており、将来的にデータセグメントを使えない懸念もあります。実際に、SafariやFireboxなどのブラウザでデータセグメントをするのは困難です。

出典: Browser Market Share Japan|statcounter

上のグラフは、日本国内におけるブラウザのシェアを示したものであり、最も利用されているのがChromeの49.61%となります。

2024年後半には、国内ブラウザシェアの約半数を占めるChromeがサードパーティークッキーの廃止を進めるため、Chromeでもデータセグメントはできなくなるでしょう。

データセグメントは成果につながりやすい効果的なターゲティング手法ですが、依存はしないよう注意が必要。

4.ディスプレイ広告のターゲティング種類の選び方

ディスプレイ広告のターゲティングについての理解を深めたところで、自社に最適なターゲティング種類の選び方を見ていきましょう。

4-1.まずは小さくターゲティング設定をする

ディスプレイ広告のターゲティング設定の原則は「小さく始める」であり、避けるべきミスは自社と関連性のない人への配信です。

【例】

ライフスタイルや趣味などを基にターゲティングするアフィニティカテゴリのみを設定すると、多くのユーザーに広告が配信される。

また、ターゲティングを絞りすぎると、広告配信の機会損失へとつながるため、まずは枠を絞るターゲティング設定から始めるのがおすすめです。

その後、蓄積したデータの分析と改善をしながら、類似セグメントカスタムインテントセグメントカスタムセグメントなどで徐々にターゲティング範囲を拡大しましょう。

4-2.目的から選択

ディスプレイ広告でアプローチできる層は、主に以下3つとなります。

  • 認知
  • 比較検討
  • 獲得行動

アプローチしたい層から逆算して、ターゲティング設定するのも有効です。以下が、ターゲティングの種類をアプローチできる層別にまとめた表となります。

【認知のターゲティング一覧】

ターゲティング 種類 概要
デモグラフィック 年齢や性別など
アフィニティ ユーザーが熱中していること、興味関心が高いもの
カスタムセグメント 広告主が独自設定するアフィニティ
トピック 特定のトピックに関するページに広告配信

【比較検討のターゲティング一覧】

ターゲティング 種類 概要
ライフイベント 引っ越しや結婚などのライフイベントの変化を迎えているユーザーに配信
購入 最近の購入意向に基づいて広告配信
プレースメント 特定の広告枠を指定

【獲得行動のターゲティング一覧】

ターゲティング 種類 概要
コンテンツキーワード キーワードで配信サイトを指定
カスタムセグメント 購買意欲の強い層を独自設定
類似セグメント 自社サイトの訪問ユーザーや既存顧客と似た属性を持つユーザーに配信
カスタマーマッチ 自社サービスに登録したメールアドレスを持つユーザーに配信
リマーケティング 自社Webサイトに訪問歴のあるユーザーに配信

まずは「獲得行動」のターゲティングを設定し、早い段階から成果をあげるのがおすすめです。今後、データセグメントの活用が困難になる点を踏まえると、類似セグメントカスタマーマッチが重要になるでしょう。

5.ディスプレイ広告のターゲティングで失敗しないポイント

ディスプレイ広告のターゲティングは、誤った設定をすると、期待した成果につながらなくなります。ここからは、ディスプレイ広告のターゲティング設定で失敗しない方法を解説します。

5-1.まずはペルソナを作成する

ペルソナとは:

自社の商品やサービスを利用する理想の顧客像のこと。

明確なペルソナを作成することで、ターゲットに刺さるクリエイティブの作成や効果的なターゲティング設定ができるようになります。

ペルソナの主な構成要素は以下の通りです。

【デモグラフィック】

  • 性別
  • 年齢
  • 家族構成
  • 収入
  • 職業
  • 学歴
  • 居住地

【サイコグラフィック】

  • 価値観
  • 思い込みや固定観念
  • 悩み
  • 願望・欲求

可能な限り一次情報をもとにして、ペルソナ作成に取り組みましょう。ブレインストーミングや担当者が考えたペルソナは、「実在しない」顧客像であり、施策混乱の原因となるためです。

ユーザーインタビューや営業/カスタマーサクセスなどの顧客接点のある部署へのヒアリングなどを実施し、質の高い一次情報を得るようにしてください。

ユーザーインタビューが難しい場合は、SNSやレビューサイトの確認、商談への同行、自社/競合の事例チェックなどを実施しましょう。

5-2.アプリ面は除外する

アプリ面とは:

アプリケーション内に配置された広告枠のこと。

ディスプレイ広告では、アプリ面への配信ができますが、基本的にはおすすめしません。

アプリ面への配信で、コンバージョンにつながる可能性は低いため。また、アプリ面には誤タップのリスクがある。

皆さんもアプリの使用中に、誤って広告をタップした経験があるのではないでしょうか。また、お子様が使用するアプリに広告が配信されると、多くの誤タップが予想されます。

このようにアプリ面は、余計な費用が発生する可能性が高いため、除外しておくのがおすすめです。

5-3.初めはターゲティングを自動化しない

Googleのディスプレイ広告には、「ターゲットの拡張」という自動ターゲティング機能があります。

運用初心者の方は自動ターゲティング設定をオンにしてしまいがちですが、初めは自動化しない設定にすることをおすすめします。

自動ターゲティング機能を利用すると、指定キーワードとの関連性が薄いWebサイトやデータセグメントのリスト外ユーザーにまで配信される懸念があるため。

自動ターゲティング機能は、ある程度の運用データが蓄積された段階で設定しましょう。

5-4.顧客情報の取得に注力する

先に解説した通り、サードパーティークッキー廃止により、近い将来データセグメント広告が使えなくなる可能性があります。

データセグメントの代替法としてご提案したいのが、カスタマーマッチです。

カスタマーマッチとは:

自社が保有するメールアドレスなどの顧客情報をアップロードし、メールアドレスがマッチする顧客や類似顧客に広告を配信するターゲティング手法のこと。

カスタマーマッチを行うためには、顧客にメールアドレスなどの情報を提供してもらわなければいけません。

顧客情報を得るためには、顧客に役立つ情報を提供し、徐々に信頼関係を築くインバウンドマーケティングが有効。

ディスプレイ広告の運用と並行し、SEO対策やウェビナーなどの施策にも注力し、データセグメントの廃止に備えましょう。

6.まとめ

ディスプレイ広告は、数多くの潜在顧客にアプローチできるため、認知度拡大やブランディングなどに有効です。

しかし、自社商材と関連性の薄いユーザーにまで広告を配信した場合、費用対効果悪化のリスクが生じます。自社に最適なユーザーに広告を配信するためにも、ターゲティング設定をしましょう。

また、ディスプレイ広告のターゲティング種類は多々ありますが、大きく「人」と「枠」のターゲティングに分類できました。ディスプレイ広告運用を失敗させないためにも、まずは「枠」のターゲティング設定をし、徐々にターゲティング範囲を拡大しましょう。

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アドフレックス編集部

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