コラム

レスポンシブディスプレイ広告とは?重要性やメリット、運用ポイントを解説

ディスプレイ広告 基礎知識 広告運用
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Googleでディスプレイ広告を作成する際、デフォルトになっているのがレスポンシブディスプレイ広告です。

そもそも、レスポンシブディスプレイ広告とはどのようなものでしょうか。

レスポンシブディスプレイ広告とは、機械学習がユーザー端末や広告枠などに適した広告を自動的に作成する広告のことです。レスポンシブディスプレイ広告を使えば、リーチの拡大やクリック単価の改善などを見込めます。

しかし、「本当にレスポンシブディスプレイ広告は必要なのか?」や「特徴を知ってから運用を開始したい」と考えるマーケティング担当者もいるでしょう。

そこで本記事では、レスポンシブディスプレイ広告の重要性やメリット・デメリット、運用ポイントを解説します。

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1.レスポンシブディスプレイ広告とは

レスポンシブディスプレイ広告とは:
機械学習がユーザーひとり一人に合った広告見出しや画像、ロゴなどを組み合わせて作成と配信をするディスプレイ広告のこと。

広告主がすることは、広告アセットと呼ばれる見出しや画像などの登録のみで済むため配信負担の軽減が期待できます。

また機械学習が広告効果の最大化を見込める広告を作成するため、業務効率化も見込めます。なお広告の配信枠は、通常のディスプレイ広告と同じです。

2.レスポンシブディスプレイ広告が必要な理由

出典:令和3年版 情報通信白書│総務省

総務省による「令和3年版 情報通信白書」によれば、消費者のインターネット利用端末種類はスマートフォンが68.3%、PCが50.4%、タブレットが24.1%であり、消費者はあらゆるデバイスを活用して情報収集していると分かります。

そのため、ディスプレイ広告も消費者の端末に合わせて最適化する必要があります。

【例】
表示画面の大きいPCなら横長の画像で訴求できますが、横幅が狭いスマートフォンでは横長のディスプレイ広告は適切に表示されない。

端末や端末モデルに合わせるため、さまざまな大きさや種類のディスプレイ広告を作成する必要がありますが、それには大きな時間とコストがかかります。

レスポンシブディスプレイ広告を使えば、複数の広告アセットを入稿するだけで、機械学習がユーザーの使用端末や広告の配信枠などに適したディスプレイ広告を作成可能です。

つまり広告作成の手間を削減しながら、パフォーマンスの最適化が見込めるわけです。

3.レスポンシブディスプレイ広告のメリット

レスポンシブディスプレイ広告を使うメリットは以下の通りです。

  • 広告効果の最適化
  • リーチの拡大
  • 動画を利用できる
  • 大幅な業務効率化
  • 費用対効果の改善

ここからは、各メリットの詳細について解説します。

3-1.広告効果の最適化

レスポンシブディスプレイ広告を使えば、機械学習がユーザーの端末や掲載履歴などの複数要素を分析し、最適なアセットの組み合わせを配信します。

これにより広告効果の最適化が見込めるわけです。

かばんのECサイトを運営するThe Sakは、レスポンシブディスプレイ広告の利用により、大きなコストをかけることなく数百万のサイトで、最適なフォーマットの広告を配信できるようになりました。

結果、インプレッション数は205%増加、クリック率は976%の増加、コンバージョン700%増加という大きな成功を収めたのです。

Googleによれば、レスポンシブディスプレイ広告を活用した企業は、平均してコンバージョン率が2倍伸びているそうです。

3-2.リーチの拡大

レスポンシブディスプレイ広告を利用する一番のメリットは、リーチの拡大ができることでしょう。

複数の広告アセットを入稿することにより、バナー広告動的テキスト広告などさまざまなディスプレイ広告を配信できるようになるため、必然的に多くのユーザーにリーチできるようになります。

3-3.動画を利用できる

レスポンシブディスプレイ広告では、動画を広告アセットとして入稿することも可能です。

動画を入稿すれば、通常のWebサイトやアプリケーションに加えて、YouTubeなどの動画配信プラットフォームにも広告を配信できるようになります。

また、複数の調査結果でディスプレイ広告キャンペーンにおいては、動画を使用することによりパフォーマンスが高くなることが判明しています。

【例】
Meta社の依頼によりニールセン社が実施した調査では、動画広告の視聴時間が3秒未満でも認知度(32%アップ)や購買意向(44%アップ)に影響を与えると分かった。

レスポンシブディスプレイ広告で、動画を入稿すれば、画像ではなく動画で広告が配信される可能性もあるため、広告効果の向上を見込めるのです。

3-4.大幅な業務効率化

レスポンシブディスプレイ広告を利用することで、広告主は広告枠や端末に合わせて何通りもの広告を作成する必要はありません。

その代わりに、見出しや画像/動画などの成果に直結する作業に注力できるようになります。

そのため、代理店に依頼する費用を捻出できない企業や十分なリソースを確保できない企業は、レスポンシブディスプレイ広告が重宝することでしょう。

3-5.費用対効果の改善

レスポンシブディスプレイ広告では、ユーザーひとり一人に適した広告が配信されるため、費用対効果の改善に期待ができます。

世界最大のニュースメディアBloombergは、レスポンシブディスプレイ広告でさまざまな購買オプションを各ユーザーに合った方法で配信しています。

その結果、コンバージョンあたりのコストを8%、サイト訪問あたりのコストを81%削減することに成功しました。

4.レスポンシブディスプレイ広告のデメリット

レスポンシブディスプレイ広告には下記のデメリットがあります。

  • 詳細な分析ができない
  • 独自性を出せない
  • コントロール性が低い

それぞれのデメリットについて見ていきましょう。

4-1.詳細な分析ができない

レスポンシブディスプレイ広告では、広告パフォーマンスの詳細な分析ができません。

Googleのレスポンシブディスプレイ広告の場合、広告の有効性が「要改善」「平均」「良好」「優良」の4段階で評価されるのみです。

実際に配信された広告の組み合わせやフォーマットなどの詳細なデータは提供されないため、自社でPDCAを回したり、知見を蓄えたりするのが困難でしょう。

4-2.独自性を出せない

レスポンシブディスプレイ広告の最大のデメリットが、競合他社と似たような広告になるため、独自性を出せないことです。

すでにブランドを確立しており、ブランディング目的でディスプレイ広告を運用する場合、レスポンシブディスプレイ広告の運用によりコンバージョン率の低下や長期的なブランド力の低下を招く恐れがあります。

4-3.コントロール性が低い

レスポンシブディスプレイ広告では、広告主が配信する広告の組み合わせを指定することはできません。

機械学習の精度が高まっていない段階では、コンバージョンにつながらない組み合わせの広告が配信されるリスクもあります。

5.レスポンシブディスプレイ広告の入稿規定と設定手順

GoogleとYahoo!のレスポンシブディスプレイ広告の入稿規定についてご紹介します。

5-1.Googleレスポンシブディスプレイ広告

Googleレスポンシブディスプレイ広告の入稿規定は以下の通りです。

項目 文字数/サイズ 入稿数
見出し 全角15文字(半角30文字)以内 最大5つ
長い見出し 全角45文字(半角90文字)以内 最大1つ
説明文 全角45文字(半角90文字)以内 最大5つ
会社名 全角12文字(半角25文字)以内 -
横長画像 アスペクト比 1.91:1
600px × 314px以上
※推奨サイズ:1,200px × 628px
最大容量:5,120KB
最大15個
スクエア画像 アスペクト比 1:1
300px × 300px以上
※推奨サイズ:300px × 300px
最大容量:5,120KB
最大15個
ロゴ アスペクト比 1:1
128px × 128px以上
※推奨サイズ:180px × 180px
最大容量5,120KB

アスペクト比4:1
512px × 128px以上
※推奨サイズ:1,200px × 1,200px
最大5つ
画像とロゴのファイル形式
  • JPG
  • GIF(アニメーション不可)
-

Googleレスポンシブディスプレイ広告は下記手順で設定します。

  1. Google広告にログイン
  2. [広告と広告表示オプション] を選択し、 [+] > [+レスポンシブディスプレイ広告] をクリック
  3. 画像や見出しなどを入力
  4. 保存して完了

5-2.Yahoo!のレスポンシブディスプレイ広告

Yahoo!のレスポンシブディスプレイ広告の入稿規定は以下の通りです。

項目 文字数/サイズ 入稿数
見出し 20文字以内 1つ
説明文 90文字以内 1つ
表示URL 「http://」「https://」を除いた29文字以内 (半角英数記号) 1つ
リンク先URL 1,024文字以内(半角英数記号) 1つ
ボタン プルダウン選択式全12種 1つ
会社名 20文字以内 1つ
ロゴ
  • 180px × 180px
  • 1ファイルあたりの最大容量:3MB
  • 150KBを超えると自動圧縮
1つ
画像
  • ①300px × 300px
  • ②アスペクト比 1.91:1
    最小ピクセルサイズ(横長)1,200px × 628px
    1ファイルあたりの最大容量:3MB
    150KBを超えると自動圧縮
(①②どちらかで作成)
1つ
画像とロゴのファイル形式
  • GIF 89a
  • JPEG
  • PNG(アニメーション不可)
-

Yahoo!のレスポンシブディスプレイ広告は、下記手順で入稿します。

  1. 広告管理画面より [広告] > [+広告作成] の順に選択
  2. キャンペーンと広告グループを選択
  3. [広告作成画面に進む] をクリック
  4. 必要項目を入力して完了

レスポンシブディスプレイ広告の入稿規定や設定方法については、下記記事で分かりやすく解説していますので、ぜひこちらも参考にしてください。

レスポンシブ広告の基礎から入稿方法まで詳しく解説!

6.レスポンシブディスプレイ広告の運用時のポイント


レスポンシブディスプレイ広告を運用する際は、以下のポイントを押さえてください。

  • さまざまな種類のアセットを入稿する
  • 動画を入稿する
  • アセット品質の向上に注力する
  • 広告ローテーションの活用を検討する

ここからは、それぞれのポイントについて解説します。

6-1.さまざまな種類のアセットを入稿する

レスポンシブディスプレイ広告で成果を上げるためには、バリエーション豊富なアセットの入稿が必要不可欠です。

見出しや説明文、画像、動画などさまざまなアセットを入稿することで、機械学習は豊富なデータを分析できるようになります。

その結果、広告効果の最大化を見込める配信パターンを特定できるようになるわけです。

画像や動画などのフォーマットはもちろん、見出し・説明文にもベネフィットを追加し、CTAの設置などでバリエーションをつけましょう。

6-2.動画を入稿する

レスポンシブディスプレイ広告を運用する際は、可能な限り動画を入稿しましょう。

動画は、テキストや静止画よりも情報伝達力に優れており、ユーザーに大きな印象を残せる。

TikTokがニューロインサイト社に依頼した調査では、情報量が多いほど印象的な広告になると判明しました。

1分間の動画は180万語に相当するという研究も踏まえると、情報量がテキストや静止画よりも圧倒的に多い動画を使えば、ユーザーの印象に残るディスプレイ広告を配信でき、ブランド想起率の向上を見込めると言えるでしょう。

Googleレスポンシブディスプレイ広告の場合、画像やロゴなどのアセットを組み合わせて自動で動画を作成する機能があります。

自動動画生成機能を活用するためには、画質がクリアな1つのロゴ、3つ以上の横向き画像もしくは4つ以上の正方形画像の入稿が必要です。

自動作成機能を使えば、リソースの少ない企業でも動画広告を配信できます。

しかし、自動作成された動画で独自性を出すのは難しいため、自社制作も同時に検討してみてください。

6-3.アセット品質の向上に注力する

レスポンシブディスプレイ広告の運用では、多くのアセットを入稿する必要がありますが、質の低いアセットばかりを入稿していては成果が出ません。

レスポンシブディスプレイ広告の運用を始めたら、各アセットの評価を確認しましょう。

Googleレスポンシブディスプレイ広告の場合、各アセットは「学習中」「低」「良」「最良」の4段階で評価されます。

低評価のアセットを見つけたら、ほかのアセットと入れ替えることが推奨されています。

例えば、値段を訴求したアセットの評価が良い場合、「送料無料」や「30%オフ」などのアセットを増やす施策が考えられるでしょう。

6-4.広告ローテーションの活用を検討する

レスポンシブディスプレイ広告は、広告効果の最大化が見込める広告を配信する性質上、下記のデメリットが生じます。

  • 同じ広告ばかりの配信で、ユーザーが広告に飽きる
  • トップパフォーマーの広告ばかり表示されるため、新しい広告のデータが蓄積されない

これらのデメリットを解決するのが、広告グループ内の複数広告の配信頻度を決められるローテーション機能です。

広告のローテーションを「最適化しない」を選択すると、グループ内の広告が均等に配信されるようになるため、新たな広告のデータを素早く取得できます。

しかし、Googleは「最適化しない」の設定を推奨していないため、新たな広告のデータを取得したい場合のみに設定しましょう。

基本的には、優れた効果を期待できる広告を優先配信する「最適化する」設定がおすすめです。

ユーザーに広告を表示する回数を制限する「フリークエンシーキャップ」と併用すれば、ユーザーの広告嫌悪を防止できます。

7.まとめ

レスポンシブディスプレイ広告を使えば、ユーザーひとり一人に適した見出しや画像/動画などを組み合わせた広告を自動配信できるようになります。

さまざまなフォーマットや広告枠にあった広告を配信できるため、業務効率化やリーチの拡大、クリック単価の改善などを見込めるでしょう。

広告アセットを入稿するだけで、運用開始できるため、リソースの少ない企業や成果が頭打ちになっている企業はぜひ導入してみてください。

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アドフレックス編集部

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