多くのマーケ担当者が知らない正しいペルソナとは?作成手順や重要性を解説
突然ですが、あなたの顧客について教えていただけますでしょうか?
ターゲットユーザーの性別・年齢・収入・課題・悩み・購買動機などを答えられますか。
もし答えられないのなら、推測に基づいたマーケティング施策を展開しているリスクがあるため、ペルソナを作成しましょう。
ペルソナとは:
一人の明確な人物が浮かび上がるまで、具体性を高めたユーザー像のこと。
ペルソナを作成すれば、顧客のペインポイントや購買動機を理解した上で最適な施策展開ができるため、予算や時間を無駄にすることはなくなります。
しかし、誤った方法でペルソナを作成すれば、効果は出ないどころか施策の混乱を招くリスクがあります。
そこで本記事では、ペルソナの設定メリットや正しい作成手順、顧客情報を集めるのに役立つソースなどを解説します。
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目次
1.ペルソナとは
ペルソナは、年齢や性別、年収、家族構成などのデモグラフィックと価値観や行動などのサイコグラフィクスを組み合わせて作成します。
上記画像は、英語版HubSpotが無料で提供する「Make My Persona Tool」で作成したペルソナのイメージです。
一人の人物を思い浮かべられるまで具体性の高いペルソナを作成するため、深い顧客理解ができるようになり、顧客視点でマーケティング施策を展開できます。
特にWeb広告の運用においては、顧客の悩みに訴求するクリエイティブの作成や適切なターゲティング設定などが不可欠。
ペルソナを作成すれば、各種設定が最適化でき、広告効果の最大化を見込めます。
1-1.ペルソナとターゲットとの違い
ペルソナと混同されるのがターゲットですが、ペルソナとターゲットには「具体性」という明確な違いがあります。
【例】
「東京都に住む10歳の小学生」のように顧客層を示したものがターゲット。
一方、ペルソナとは以下の通りです。
- 氏名:山田太郎
- 居住地:東京都八王子市
- 家族構成:母、父、兄と戸建住宅に同居
- 年齢:10歳
- ステータス:小学生
- 苦手科目:理科、算数、体育
- 悩み:周囲の視線を気にしてしまい意志が弱い
- 趣味:昆虫採集、父と一緒に魚釣りをすること
このように、一人の人物像が思い浮かぶまで具体性を高めたものを意味します。
さらに具体的に違いを述べるならば、ターゲットではサイコグラフィックを詳細に設定しないのに対し、ペルソナでは悩みや感情などを詳細に設定します。
サイコグラフィックを設定することで、無機質なターゲットがリアルな人物像へと変化するわけです。
2.ペルソナが重要な理由
現代のマーケティング活動においては、ペルソナの作成が欠かせません。
その理由は、消費者の購買行動が変化したためです。
かつての顧客は情報収集手段が限られていたため、テレビCMや営業電話、ダイレクトメールなど企業が発信した情報を受動的に集めていました。
しかし、スマートフォンやSNSなどの発展により、顧客は能動的に情報収集ができるようになったわけです。
顧客が情報を選別できるようになったからこそ、企業は顧客の課題や悩みを解決できる価値ある情報を発信し、顧客に選ばれる必要性が生じました。
そして、顧客のニーズや悩みを特定するために役立つのがペルソナです。
詳しい作成方法は後述しますが、ペルソナは、ユーザーヒアリングやアンケート調査などの信頼性の高い顧客情報を徹底的に分析した結果です。
ペルソナを作成することは、顧客理解を深めることであり、その結果ペルソナの抱える課題や求めるコンテンツなどを正確に把握できるようになる。
まとめると、顧客が情報を選べるようになった現代、企業は顧客にとって価値あるコンテンツを発信しなければならない立ち位置へと変化しました。
顧客の課題やニーズを把握するための有効な手段として、ペルソナが活用されています。
3.ペルソナを設定するメリット
ペルソナを設定するメリットは下記の通りです。
- 顧客理解を深められる
- One to Oneマーケティングを展開できる
- メンバー間の認識をそろえられる
- 推測に基づいた施策をやめられる
ここからは、それぞれのメリットについて解説します。
3-1.顧客理解を深められる
ペルソナを作成する最大のメリットは、顧客理解を深められることです。
特に、顧客自身が気づいていない潜在ニーズや課題を発見できれば、広告クリエイティブやLPの改善、製品開発などさまざまな施策につなげられます。
3-2.One to Oneマーケティングを展開できる
One to Oneマーケティングとは:
顧客ひとり一人に適したタイミングで、最適なメッセージを伝えるマーケティング手法。
One to Oneマーケティングを展開すれば、顧客との信頼関係やロイヤリティを強化し、LTV(顧客生涯価値)の向上を見込めます。
One to Oneマーケティングの推進には、ペルソナの作成が欠かせません。
ペルソナを作成し、各購買プロセスにおけるターゲットユーザーの課題やインサイトを理解すれば、各ユーザーに適した施策展開が可能になります。
3-3.メンバー間の認識をそろえられる
メンバー間でユーザー像の認識がずれていた場合、施策の混乱を招いてしまいます。
作成したペルソナを共有することで、メンバー間や部署間の認識をそろえ、一貫した価値の提供が可能になります。
3-4.推測に基づいた施策をやめられる
自社の顧客について理解していなければ、「顧客の課題はこれだろう」「顧客が使うチャネルはFacebookだろう」のように推測に基づいた施策を推進することになります。
マーケティングには、予算と時間に限りがあるため、無駄な施策展開は避けたいはずです。
初めにペルソナを作成し、ペルソナの課題や購買動機を理解することで、効果的に成果を出せるようになります。
4.ペルソナ作成で重要なたった3つの項目
ペルソナ作成においては、性別や年齢、収入などのデモグラフィックの重要性は低い傾向です。
例えば、MAツールの販売に、ペルソナの年齢や収入、趣味は重要な情報となるでしょうか。
注意点として、デモグラフィックの必要がないというわけではなく、あくまでもサイコグラフィックと比べると重要性が低いということです。
サイコグラフィックの項目において、特に以下3つの設定に注力しましょう。
- 購買動機
- ペインポイント(課題や悩み)
- 課題を解決して達成したい目標
これら3つの項目を明確にすれば、成果につながるペルソナの作成ができます。具体例を見ていきましょう。
筆者は以下の理由でプロテインを購入しました。
- 購買動機:YouTuberのプロテイン解説動画を見て、重要性や利便性を知る
- ペインポイント:ジムの後に十分な量のたんぱく質を食事から摂取するのがつらい
- 目標:効率よく筋肉をつけたい
また、ブルーライトカット眼鏡の購入理由は以下の通りです。
- 購買動機:Googleで目の疲れを解消する方法を検索し、ブルーライトカット眼鏡について知る
- ペインポイント:長時間PCで仕事をするから、目が疲れてつらい
- 目標:目の疲れをなくして、仕事の生産性を高めたい
ペルソナの購買動機・ペインポイント・目標を理解することで、注力すべきチャネルや訴求ポイント、伝えなければならないメッセージなどが明らかになります。
5.ペルソナの作り方から活用法まで7ステップで解説
ペルソナは作成して終わりではなく、活用することで価値を発揮します。ペルソナの作成から活用までは下記ステップで行います。
- ターゲット選定
- 設定項目を決める
- 顧客情報の収集
- ペルソナ作成
- カスタマージャーニーマップの作成
- 自社競合分析
- 施策展開
以下では、各ステップの詳細について解説します。
5-1.ターゲット選定
ペルソナ作成の基本は、初めに大きなユーザーセグメントを設定し、徐々に具体性を高めて一人のペルソナを作成することです。
まずは「東京都に住む30歳男性」のように、ターゲット層を選定しましょう。そうすれば、インタビュー対象や収集すべきデータなどが判明します。
5-2.顧客情報の収集
ペルソナは信頼できるデータに基づいて作成しなければいけません。
メンバー間での議論や担当者の思い込みで作成したペルソナは、実在しない顧客をモデルにしたものであり、施策混乱の原因となります。
ユーザーインタビューやアンケートなどを実施して、可能な限り顧客の一次情報を集めるようにしましょう。顧客情報の集め方は後述します。
5-3.ペルソナ作成
信頼性の高い顧客情報を集めたら、実際にペルソナの作成をします。
先にも解説した通り、ペルソナ作成で重要なのは「購買動機」「ペインポイント」「目標」をはじめとしたサイコグラフィックです。
サイコグラフィックの作成に時間をかけ、デモグラフィックは素早く設定しましょう。
5-4.カスタマージャーニーマップの作成
ペルソナを有効活用するためにも、ペルソナのカスタマージャーニーマップを作成しましょう。
カスタマージャーニーマップとは、顧客の認知から購買に至るまでの行動や感情、タッチポイントなどを可視化したものです。
カスタマージャーニーマップ | 認知段階 | 検討段階 | 購入段階 |
---|---|---|---|
顧客の感情 |
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顧客の行動 | 子ども向け英会話教室についてリサーチ | さらなる情報検索 | Webサイトの料金ページや店舗一覧ページで確認する |
タッチポイント |
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自社の施策 |
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上記は、カスタマージャーニーマップの見本です。
ペルソナのカスタマージャーニーマップを作成すれば、各購買プロセスにおいて最適な顧客体験を提供できるようになります。
カスタマージャーニーマップでは、以下の項目を設定しましょう。
- 顧客の感情
- ペインポイント
- 顧客行動
- タッチポイント
- 自社施策
- 競合施策
5-5.自社/競合分析
ペルソナとカスタマージャーニーマップを作成したら、自社/競合分析をして、自社の強みや注力すべき施策を特定しましょう。
【例】
競合他社がリスティング広告に注力していないなら、低いクリック単価で顧客を獲得できる可能性がある。
このように自社/競合分析の目的は、自社が勝てるフィールドや訴求ポイントを見つけることです。
自社や競合分析のやり方が分からないという場合には、「SWOT分析」「クロスSWOT分析」などのフレームワークを活用することをおすすめします。
その上で「STP分析」を展開すれば、自社の立ち位置や展開する市場を明確化できます。
5-6.施策展開
自社が持つ最大の強みや注力する施策が判明したら、実際に施策を推進しましょう。
施策推進の際は、カスタマージャーニーマップに記載したペルソナのペインポイントを解決できる価値を提供しつつ、購買意欲を醸成することを意識してみてください。
6.ペルソナ作成で役立つ顧客情報を集められるソース5選
ペルソナ作成のカギを握るのは、信頼性の高い顧客情報を集めることです。
しかし、「どこで顧客情報を得るべきなのか分からない」と悩むマーケティング担当者は少なくありません。
そこでペルソナ作成時は、下記ソースより顧客情報を集めましょう。
- ユーザーインタビュー
- アンケート調査
- Googleアナリティクス
- 営業やカスタマーサポートへのヒアリング
- レビューサイト
以下では、それぞれのソースについて解説します。
6-1.ユーザーインタビュー
最もおすすめなのがユーザーインタビューです。
ユーザーインタビューを実施するメリットは、実際の顧客から信頼性の高い情報を得られることです。
正確なデータを得るためにも、最近自社製品を購入したユーザーにインタビューをしましょう。
古くからのリピートユーザーの場合、購買動機やペインポイント、目標などを正確に覚えていない可能性があるためです。
まずは答えやすい雰囲気を作るために、職業や年齢などの簡単な質問から始めて、徐々にペインポイントや購買動機などの重要項目を深掘りします。
ポイントは、ユーザーが製品やサービスを購入しようと決意したきっかけを尋ねること。
筆者の例でいうと、ブルーライトカット眼鏡を購入しようと決意したきっかけは、目の疲労を解消する方法を調べていると、眼鏡メーカーJINSのオウンドメディアにたどり着き、そこでブルーライトの影響について学んだことでした。
眼鏡は店舗で時間をかけてオーダーしなければいけないイメージがありましたが、オンラインで購入できる点が決め手となり購入したわけです。
「どうして他社の眼鏡を選ばなかったのですか?」と尋ねられたら、「他社と比較するのが面倒だった。JINSは有名だし、製品ラインナップも豊富かつ値段もお手頃だから、購入に迷いはなかった」と答えるでしょう。
この例を見ると、ペルソナ(筆者)はブルーライトによる目の疲れに悩んでいて、重要なタッチポイントはSEOということになります。
日々の仕事に追われるなか、豊富なデザインのなかから自分に合った眼鏡をオンライン購入できるため、購入を決意しました。
自社の強みについては、大手メーカーだからこそ得られる安心感、ということが分かります。
この発見を施策に反映するならば、ブルーライトに関するKWでSEO対策をし、スクロール率90%以上もしくは2記事以上読んだユーザーにはポップアップ表示で、オンラインストアへ誘導するなどが考えられるでしょう。
ユーザーインタビューをすれば、思わぬインサイトやタッチポイントが判明するため、可能な限り実施しましょう。
6-2.アンケート調査
WebサイトやSNS、メールマガジンなどを活用して、ユーザーを対象にアンケート調査を実施しましょう。
アンケート調査では、サイト訪問のきっかけや製品満足度、使用を続ける理由などをヒアリングします。
ただし、アンケート設計次第で回答率は変わるため、ユーザーが回答しやすいアンケートを作成してみてください。
6-3.Googleアナリティクス
ユーザーインタビューの次におすすめのソースが、Googleアナリティクスです。
Googleアナリティクスを見れば、Webサイトやアプリ上におけるユーザー行動を詳細に把握できます。
数ある指標のなかでも、ユーザーが実際に検索した語句やサイト滞在時間、流入元を把握できるため、ペルソナ作成において非常に役立ちます。
参考記事
6-4.営業やカスタマーサポートへのヒアリング
ペルソナ作成の際は、営業やカスタマーサポートなどの顧客と直接コミュニケーションをとるメンバーに参加してもらうことが望ましい傾向です。
顧客の解像度が高いメンバーに加わってもらうことで、質の高いブレインストーミングが可能になります。また、営業や商談への同行も顧客理解に役立ちます。
6-5.レビューサイト
レビューサイトでは、実際に製品やサービスを利用したユーザーの声を確認できます。
良い点や購入した理由、改善してほしいポイント、不満などが率直に書かれているため、自社の強みと弱みの把握ができるでしょう。
なおレビューサイトでは、自社製品だけではなく、競合他社のレビューも確認してください。
7.ペルソナを広告運用に活用するポイント
Web広告の運用担当者は、ペルソナを下記ポイントで活用しましょう。
- オーディエンスリストの作成
- 訴求力の高いクリエイティブの制作
- キーワード戦略の最適化
以下では、各ポイントの詳細を解説します。
7-1.オーディエンスリストの作成
オーディエンスリストとは:
広告を配信/除外するユーザーリストのこと。
Googleアナリティクスを使えば、ユーザーの年齢や性別、興味関心、サイト上での行動などを基にきめ細かなオーディエンスリストを作成できます。
ペルソナ情報を反映したオーディエンスリストを作成し、アナリティクスとGoogle 広告を連携させて、オーディエンスリストに一致したユーザーに広告配信をしましょう。
なおGoogle 広告にアナリティクスを連携させる方法については、下記記事で詳細に解説しておりますので、ぜひこちらも参考にしてください。
7-2.訴求力の高いクリエイティブの制作
Web広告の運用で成果を出すためには、訴求力の高いクリエイティブの制作は欠かせません。
ペルソナのペインポイントや目標を、リスティング広告の見出しやディスプレイ広告のデザインに反映しましょう。
7-3.キーワード戦略の最適化
ユーザーインタビューやGoogle アナリティクスの分析により、顧客が実際に使った検索語句が判明する可能性があります。
必要に応じて、キーワードを追加しましょう。広告を配信するキーワードを最適化すれば、クリック単価や広告品質の改善を見込めます。
8.まとめ
ペルソナの作成により、顧客理解を深められ、購買プロセスの各段階で最適な施策を推進できるようになります。
ペルソナ作成で重要な点は、サイコグラフィック、特に顧客のペインポイント・購買動機・目標を正確に把握することです。
ペルソナ作成に大きな時間は割けないため、サイコグラフィックを丁寧に設定してから、素早くデモグラフィックを設定しましょう。
また、ペルソナは信頼性の高い情報を基に作成される必要があるため、最近顧客になったユーザーを対象にインタビューしましょう。
以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
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