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【アフターレポート】ヒトとAIが関わるデジタルマーケティングのあるべき姿 #MarkeZine Day Special ②

12月10日(火)に行われたMarkezine Day Special『最先端AIが切り開く、デジタルマーケティングの可能性』から、弊社ディレクター 大谷とデータサイエンティスト 柳下によるトークセッションの一部をレポートいたします。

プロフィール

大谷 壮司
新卒でソニー(株)に入社し、スマートフォンの設計・開発・商品ポートフォリオ策定・商品企画に従事。さらにAIを用いた新規事業立ち上げの企画・実行・市場導入・運営を主導。ハード・ソフト・サービスのエンジニアリング・ビジネス両面を横断する事業推進に10年間従事。(株)アドフレックス・コミュニケーションズに入社後、会社を次のステージへ押し上げるべく、開発・営業・経営企画で尽力している。

柳下 亮平
新卒で(株)大和総研に入社し、大和証券グループの投資銀行(大和証券SMBC)にてリスク管理に従事。リーマンショックを切っ掛けにベンチャーへ身を投じ、(株)Speeeや (株)スパイスボックスにてデジタルマーケティング領域へと転身。直近では野村総合研究所グループのNRIネットコム(株)ではデータサイエンティストとして従事し、デジタルマーケティングに付随する大規模データを統計解析を用いた定量的な解釈からマーケティング全般のコンサルティングを推進。 (株)アドフレックス・コミュニケーションズに参画し、事業推進やお客様のデータ利活用について尽力している。

海外ではAI中心に語られなくなってきた

大谷:
10月にニューヨークで行われたプログラマティックI/O(世界中のアドテクノロジーの最先端が集まるプログラマティック広告カンファレンス)に参加しました。
プライバシーの問題に対して業界全体でどう取り組んでいくかなど、基準を作っていく流れや、今のトレンドであるパーソナライズソリューションがクローズアップされるなど、興味深い流れの変化をそこで感じました。

中でも面白いと感じたのは、様々なソリューションが紹介されていた中で、「AIが入っています」と誰も言わなくなったこと。日本ではソリューションにAIが使われていることが積極的に謳われていますが、グローバルで見ると、AIは当たり前になりつつあります。ある意味日本ではまだまだキャッチアップしている段階にあるのかな、という印象です。

柳下:
そうですね。確かにマーケティング領域をはじめとする様々な業界で、AIという文脈がパワーワードとして強く打ち出されているのを感じます。

広告運用の最適化・効率化が広告領域におけるAIの活用のしどころ

柳下:
デジタルマーケティング領域はデータの数自体が非常に多く、人間が介入しづらい部分がしばしばあります。皆さんもご経験があると思いますが、データをどのように分析し、次の施策へ打っていくか、全てを人力でカバーするのは大変です。

デジタルマーケティングにおいて、今後はAIソリューションが中心になってくるであろうと見ています。例えばデジタル広告に付随するデータをExcelなどで人が集計して、運用にフィードバックしていく。今はまだ人海戦術というか、人がまだ存分に介入する局面が多いのかなと思っています。

実際にAIを導入すると、どういった効果や付加価値が生まれるのでしょうか?

大谷:
これはAIを使うことの面白さだと思うんですけど、かつて人間がやらなければいけなかったことをAIが代替してくれるという意味で、クリエイティブなことに対して時間を割けるようになる側面があります。

あとは大量のデータの羅列化から意味のあることを抽出するというような、人力では到底できなかったことができるようになります。

柳下:
AIの主な役割は、予測判別だと思っています。いかに人が介入できない部分を高精度に回していくかが主なメリットになるのではないかと。とはいえ、機械がやってくれる部分は、あくまで目的を最大化させるためのもののみです。

目的を達成する、広告予算を決めるといったことは、人がやる必要があります。

人とAIの理想的な関わり方とは

大谷:
優れたソリューションが数多くある中で、自分たちにとってどれが一番有益になるのかを選択していくことが非常に重要です。

アドフレックスとして事業主様に価値提供できる部分は、実績の出るソリューションを導入し、結果を出すことです。
単純にAIを導入すればうまくいくわけではなくて、AIの力を存分に引き出すために、人間が環境の整理をしてあげる必要があります。そして、AIを使って成果を出すためのノウハウがあることも、ポイントです。

それが、これからの広告代理店のあるべき姿になっていくんだろうなと思っています。

柳下:
私も、確実にデジタルマーケティングや広告代理店の中心になってくるのはAIだと思っています。ただ、企業が目指すべき目標やゴールはAIは決めてくれません。やはりそこは人が決めていかないといけない領域です。

人がビジネスの実情に即した形でデータ解析をして、あとはAIに任せるといった流れが今後一層進んでくるのではないかと考えています。そして、人が考えるべき部分とAIに任せる部分という役割分担は、今後さらに進んでいくのではないかと考えています。

前回

三井住友カード株式会社 久保氏と弊社執行役員 髙橋によるトークセッションの一部をレポート
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