

テクノロジーの進化によって、以前よりも容易にかつスピーディに、量や質の高い様々なデータを取得できるようになりました。それらのデータを有効に活用する取り組みは、今や欠かせないものとなっています。
データ活用によって客観的な検証が可能となり、顧客のニーズに即したサービスの提供や、的確な経営判断・業務効率化など、データ活用がもたらす恩恵は計り知れません。
データに価値を与える手法や活用法をご紹介します。
1.「データ分析」と「データ活用」の違い
「データ分析」と「データ活用」。
この2つは一見似ているように思えますが、活用するフェーズや得られるものが異なります。
「データ分析」とは、数字の羅列を整理・加工して可視化し、現状を把握するためのもの。「データ活用」とは、分析結果に解釈を加え、次の打ち手の根拠となる予測をすることです。
データ活用は、未来予測を目的としていることが特徴です。
2.データを価値に変える「データ活用サイクル」
データ活用は、以下のようなサイクルで概要を表すことができます。ポイントは、サイクルである(循環している)こと。
各フェーズの精度を高めることが、データ活用のサイクル全体の向上に繋がります。
中でもすべての起点となり、クオリティを決定づける「現状の課題を明確にする」ことは最も重要です。


3.科学的な背景に基づくデータ解釈ができる「データサイエンス」
上図の④「データの解釈」は、担当者によってバラつきが出やすいのが難しいところ。
担当者の知識や経験に依存し、属人化されているケースも珍しくありません。
それに対し、「データサイエンス」は統計解析やAI(人工知能)などの技術、数学や情報工学など学問的手法を使いながら、科学的な背景に基づくデータの解釈や予測を可能にします。
「データサイエンス」でできること(例)
- 予算額とCV数の相関性を数式で表し、CPA目標を上回らずにCV数を最大にできる広告予算額を導く。
- 予測モデルから、CV数を最大化させるために適切な広告予算配分を算出する。
データ活用サイクルに「データサイエンス」を加えることで、データにより多くの価値を生み出すことができるのです。
<コラム>その予算配分に根拠はあるか?データサイエンティストが加わるとデジタルマーケティングはこう変わる
4.散在するデータの統合で新たな価値が生まれる「CDP」
近年、複数のマーケティングソリューションに散在する顧客データを一つに束ねる「CDP(カスタマーデータプラットフォーム)」が注目を集めています。
CDPは匿名ではなく、「顧客データ」を連携できるのが最大の特徴。
Web広告はもちろん、マーケティングソリューションに蓄積されたデータやCRMデータを横断し、一人の顧客に対し、あらゆる場面で一貫したアプローチを可能にするとともに、重複配信などの無駄を省くことができます。
「CDP」でできること(リターゲティング広告の場合)
- Google広告経由ですでにクリックされていることが判別できるので、Facebook広告を配信しないことで無駄を省く。
- 自社のCRMデータから優良顧客である顧客を特定し、そのユーザーに対して広告投資しなくても良いと判断できる。
海外企業の間ではCDPの活用が一般化しており、特に多くの顧客リストやデータを扱うBtoC企業の50%は既に導入済み、と言われています。
<コラム>今、CDPの重要性について改めて考える理由~DX時代のデジタル統合管理とは~
データ活用の効果をより高めるために、データサイエンスのプロであるデータサイエンティストや最新のプラットフォームを活用することを、選択肢の一つとして検討されてはいかがでしょうか。