Webマーケティングの基本戦略9種類と自社に適した施策の選び方を解説
Webマーケティングは低予算で推進できるうえ、多くの見込み客にリーチできるため、中小企業におすすめの施策です。
しかし、Webマーケティングと一口に言っても、SEOやリスティング広告、SNSマーケティング、メールマーケティングなどさまざまな種類があります。
まずは各Webマーケティング種類の特徴を理解したうえで、自社の目標や競合状況を考慮し、最適な施策を選ばなければいけません。
本記事では、Webマーケティング9選の特徴と自社に適した施策の選び方をご紹介します。
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目次
1.Webマーケティングとは
Webマーケティングとは:
その名の通りWeb上で行うマーケティング活動のこと。
消費者がWeb上で情報収集することになったため、Webマーケティングの重要性が高まっています。
例えば、今はGoogleやYahoo!などの検索エンジンだけではなく、TwitterやInstagram、YouTubeで情報収集するのは一般的です。
またECサイトで製品購入するのも当然の時代になっており、認知から購買までWebで完結するのは珍しくありません。
このような消費者の変化に対応するために、Webマーケティングの展開が必要となります。
1-1.デジタルマーケティングとの違い
Webマーケティングとデジタルマーケティングは、対象範囲が異なります。
Webマーケティングは、検索エンジンやWeb広告、SNSなどインターネット上のチャネルが対象範囲です。
一方、デジタルマーケティングはインターネットに加えて、ARやVR、SMSなども該当します。
Webマーケティングはデジタルマーケティングの一部と認識しておけば十分。
2.Webマーケティングの重要性
Webマーケティングが重要な理由は、顧客が能動的に情報収集するようになったためです。
インターネットが普及していなかった時代、顧客はテレビCMや新聞広告、訪問営業、電話、チラシなどで情報収集していました。
これらの手法は、企業が一方的に伝えたいことを発信する「アウトバウンドマーケティング」と呼ばれます。
しかし、インターネットの普及で状況は一変するのです。
顧客は能動的に情報収集し、多くの企業がWeb上でプロモーションを展開します。すると顧客は毎日膨大な量の情報に触れるため、企業発の情報を嫌悪するのです。
結果、顧客は自ら情報を選定するようになりました。
このような状況の中、HubSpotの創業者ブライアン・ハリガンとダーメッシュ・シャアは、「インバウンドマーケティング」を提唱します。
インバウンドマーケティングとは:
顧客にとって価値あるコンテンツと体験を提供し、顧客に選ばれるブランド構築を目指す手法。
あらゆる企業がWebマーケティングに取り組む時代だからこそ、このインバウンドの思想を常に意識する必要があります。
Webマーケティングの概要と重要性が分かったところで、集客・リードジェネレーション・再来訪に適した施策の種類を見ていきましょう。
3.集客に適したWebマーケティングの種類
集客向けのWebマーケティングの種類は以下の通りです。
- SEO対策
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- 動画広告
- SNSマーケティング
ここからは、各施策の特徴をご紹介します。
3-1.SEO対策
SEO対策とは:
検索エンジンの検索結果画面に自社サイトの上位表示を狙う施策のこと。
検索エンジンの種類は多々ありますが、SEOといえばGoogleを指します。SEO対策は、悩みやニーズが明確になっている顕在層向けの施策です。
例えば、キーワード「webマーケティング 種類」で検索したユーザーには、次のようなニーズがあると考えられます。
- Webマーケティングの種類を知りたい
- 自社に最適なWebマーケティングの施策を知りたい
- Webマーケティングの手順を知りたい
このようなニーズに応える記事コンテンツを作成すれば、ユーザーに選ばれます。
SEO対策のメリットは、低コストで安定的な集客を見込めることです。
BACKLINKOが400万以上の検索結果を調査した結果によれば、1位のサイトの平均クリック率は27.6%。
例えば、月間検索ボリューム10万のキーワードで1位表示できれば、月に27,600の流入が見込めます。
その一方、成果が出るまでに少なくとも半年はかかる、SEOの専門知識が必要などのデメリットもあります。見方を変えれば、継続して質の高いブログ記事の発信を続ければ、成功確率が高まるということ。
中長期的にみると、大きな成果をもたらす施策のため、前向きに展開を検討してみましょう。
参考記事
3-2.リスティング広告
リスティング広告は、GoogleやYahoo!が提供する検索結果画面の上部・下部に配信する広告です。上記画像を見ると分かる通り、リスティング広告はSEO(自然検索)よりも上部に表示されます。
スマートフォンの場合、リスティング広告のみがファーストビューを占めるのです。
リスティング広告のメリットは、企業の規模にかかわらず、早い段階での成果に期待できること。
広告品質と入札単価さえ最適化できていれば、運用開始直後から大きな成果を見込めます。また、詳細なターゲティング設定をすれば、自社と関連度の高い顧客にのみアプローチすることも可能です。
その一方、リスティング広告の配信を続ける限り、広告費が発生するデメリットがあります。
また、少額出稿できるものの、ビジネスの拡大につながる成果を出すためには30万円以上の予算は確保したいところです。
ただし、先にも述べたように多くの見込み客にリーチできるため、高い費用対効果に期待できます。
リスティング広告が向いているのは以下の企業です。
- 購入や問い合わせ数などが目的
- 市場にはない新製品を販売する
- 短期間で成果を出したい
- 予算が限られている
- 金融商品やBtoB商材などの顧客単価の高い商材を取り扱っている
現在は自動運用化ツールをはじめとした運用効率化ツールが多数提供されており、それらのツールを使えば、専門知識を持った人材がいなかったり、人的リソースが少なかったりする場合でも、効果的に運用できます。
参考記事
3-3.ディスプレイ広告
出典:朝日新聞DIGITAL
ディスプレイ広告とは:
Webサイトやアプリの広告枠に配信する広告。
Google ディスプレイ広告の場合、GmailやYoutubeなどのGoogleが保有するサービスに加えて、提携しているWebサービスにも広告配信できるため、世界中のインターネットユーザーの90%以上にリーチできると言われています。
多くの潜在顧客にリーチできるため、新規顧客の拡大やブランディング、プロモーションなどに向いています。
特に、多くの競合他社が顕在層向けの施策に取り組んでいる場合、ディスプレイ広告で潜在顧客との接点を構築し、顕在層へと育てる施策展開が有効です。
しかし、多くの潜在顧客にリーチできるからこそ、適切なターゲティングが欠かせません。
自社と関連性の低いユーザーにリーチすれば、無駄な広告費用だけ発生します。
参考記事
3-4.動画広告
出典:YouTube
近年、多くのマーケターの注目を集めているのが動画広告です。電通株式会社による「2021年 日本の広告費」によれば、インターネット広告費はマスコミ四媒体広告費を上回っており、最も成長率が高かったのは動画広告の132.8%でした。
出典:「2021年インターネット広告媒体費」解説。ビデオ(動画)広告、ソーシャル広告、現在のトレンドは?|電通報
それでは、なぜ動画広告の注目が高まっているのでしょうか。それは動画は情報の伝達力に優れており、ユーザーの理解関心や購買意欲を効果的に高められるためです。
Wyzowlの調査によれば、回答者の89%が「動画を視聴した後に商品サービスを購入した経験がある」と回答しています。
動画は消費者の日常生活になじんでおり、ビジュアルで興味関心を惹けるため、潜在顧客との接点構築から顧客化までさまざまな目的で使用できます。
特に、ビジュアルで訴求できる商材、テキストでは理解が難しい商材、雰囲気や空気感などテキストやイラストでは表現できない訴求点を持つ商材と動画広告の相性は良いです。
3-5.SNSマーケティング
FacebookやTwitter、Instagram、TikTok、LINEなど人々は多くのSNSを活用しています。
総務省の「令和4年版 情報通信白書」によれば、回答者の約7割がSNSを利用していると判明しています。
SNS上でマーケティング活動を行えば、潜在顧客との接点構築やブランディング、プロモーションなどを見込めるのです。
また、SNSのアカウント作成自体は無料でできるため、気軽に取り組めるでしょう。
ただし、「SNSマーケティング=フォロワー獲得やバズ」を思い浮かべる方は多いですが、必ずしもそうである必要はありません。
実際に、定期的にバズるコンテンツを作成したり、数万人以上のフォロワーを獲得したりするのは困難です。
これからSNSマーケティングを取り組む方には、SNS広告の出稿をおすすめします。
出典:Twitter
SNS広告を出稿すれば、各プラットフォームにいるユーザーに効率よくリーチできます。
また、各プラットフォームは膨大なユーザーデータを独自収集しているため、ターゲティング精度が極めて高いです。
個人情報保護の観点より、リターゲティング広告の精度が大きく低下するリスクを踏まえると、SNS広告の詳細なターゲティング機能は重宝されることでしょう。
4.リードジェネレーションに適したWebマーケティングの種類
リードジェネレーションとは:
集客した潜在顧客を見込み客に転換するマーケティング活動のこと
リードジェネレーションに適した主なWebマーケティンの種類は以下の通り。
- メールマーケティング
- ウェビナー
- LPO
ここからは、各種類の特徴をご紹介します。
4-1.メールマーケティング
メールマーケティングとは:
自社のメールマガジンに登録した顧客に対し、メールを配信することで、信頼関係や購買意欲を高める手法。
チャットツールやSNSが普及した現在においても、メールは重要なチャネルとなっています。
Content Marketing Instituteの調査によれば、BtoBマーケターの81%が「最も活用しているコンテンツマーケティングの施策はニュースレター」と回答しています。
メールマーケティングの中でも、特に有効性が高いのがセグメント配信です。
セグメント配信とは:
特定の条件で顧客をセグメントで分類し、各セグメントに適したメールを配信する手法。
HubSpotの調査では、回答者の78%が「最も効果的なメールマーケティング戦略はセグメント配信」と回答しています。
セグメント配信の具体例は、リスティング広告経由で資料の問い合わせをした確度の高い顧客に、ウェビナー開催のメールを配信したとします。
ウェビナー参加者には商談提案メールを送信し、そうでない顧客には有益な情報を引き続き提供するなどです。
また、メールマーケティングは見込み客への転換だけではなく、アップセルやクロスセルなどにも期待できます。
4-2.ウェビナー
コロナ禍の影響で、急激に存在感を高めたのがオンライン上で開催するセミナー「ウェビナー」です。
株式会社シャノンが企業担当者を対象に実施した調査によれば、ウェビナーへの参加者は5割以上に増加しています。
この調査結果からも、ウェビナーは一般的な情報収集チャネルになっていると言えるでしょう。
また、ウェビナーはセミナーとは異なり、気軽に参加できる性質があります。このため、顕在層だけではなく、潜在層の集客にも効果的です。
ウェビナーを開催する際は、ターゲットに合ったテーマを設定しましょう。
例えば、潜在層向けならゲストスピーカーの登壇やノウハウの提供、顕在層向けなら成功事例や製品活用法などをテーマにするとよいでしょう。
また、ウェビナーはフォローアップが重要です。ウェビナー後には、顧客の確度に応じてフォローアップメールを配信しましょう。
迅速にフォローアップすることで、顧客の熱意が高いまま、顧客を次のステージへと導けます。
4-3.LPO
LPO(Landing Page Optimaization)とは:
ランディングページ最適化のこと。
リスティング広告やディスプレイ広告などで、多くの潜在顧客を集客できても、LPの最適化ができていなければコンバージョンにはつながりません。
ある程度の集客ができていながらも、コンバージョン率が低い場合は、LPOに取り組みましょう。
具体的には、ヒートマップツールでLP上のユーザー行動を把握し、ABテストで最適なパターンを把握します。
また、Web広告の費用対効果を高めるためにも、初めからLPの制作に注力するのがおすすめ。
Web広告に取り組む前は、下記項目を意識してLPを制作してください。
- 商材ごとのLPを用意する
- ファーストビューにCTAボタンを設置する
- ファーストビューへの動画設置を検討する
- 表示速度を高める
4-4.Web接客
出典:iHerb
Web接客とは:
Webサイト上におけるユーザーとのコミュニケーション設計のこと。
例えば、ページの半分まで読み進めたユーザーにはポップアップ配信をする、複数回訪問しているユーザーには特別オファーを表示するなどです。
SEOやリスティング広告で集客できていながらも、コンバージョン率・離脱率が悪い場合、Web接客が有効な施策になるかもしれません。
しかし、Web接客の設定を誤れば、ユーザー体験の低下を招くリスクがあります。
まずはGoogle アナリティクスやヒートマップツールでユーザー行動を分析し、摩擦の解消やユーザーニーズに合った情報の提供を設計しましょう。
5.再来訪に適したWebマーケティングの種類
出典:リターゲティング広告とは? 仕組みや活用法、今後の動向について解説|Yahoo! JAPAN広告
比較検討段階におけるユーザーが、さまざまな商材の情報収集する中、自社の存在を忘れるケースは少なくありません。
リターゲティング広告を使えば、自社サイトに訪問したユーザーに対して広告を配信できます。
自社への興味関心を持ったユーザーに広告配信できるため、再来訪を促し、コンバージョン率の改善を見込めるのです。
ただし、個人情報保護の意識が高まり、リターゲティング広告の規制が厳しくなっています。
SafariやFireboxはリターゲティング広告の規制を強め、2024年後半からはChromeでもリターゲティング広告の規制が強まる予定です。
精度の高いリターゲティング広告を配信するためには、自社で顧客情報を収集する必要がある。
SEOやリスティング広告などで顧客データを蓄積し、自社で集めたデータをもとにリターゲティング広告を配信しましょう。
6.自社に適したWebマーケティングの種類を特定する手順
ここまで見てきたように、Webマーケティングの種類は多々あるため、どれから手をつければよいのか分からないマーケティング担当者もいるでしょう。
そこでここからは、自社に適したWebマーケティングの種類を特定する手順を解説します。
6-1.目的を明確にする
まずは経営課題やマーケティング戦略から逆算して、Webマーケティングを実施する目的を明確にしましょう。
例えば、リード獲得数の増加や認知度の拡大などが目的になります。
事前に目的を明確にしなければ、最適なWebマーケティングの種類は選べません。
6-2.ペルソナ作成をする
ペルソナとは:
自社商材の典型的もしくは理想のユーザー像であり、一人の人物を思い浮かべられるまで具体性を高めます
ペルソナは、ユーザーインタビューやアンケート調査などの一次情報に基づいて作成されるため、作成過程で顧客理解を深められます。
顧客の課題や悩み、自社との接点などを把握するためにも、まずはペルソナ作成をしましょう。
ペルソナ作成時は、可能な限り最近顧客になったユーザーを対象にインタビュー調査を実施してください。ロイヤル顧客ではなく新規顧客を対象にする理由は、正確なデータを収集するためです。
新規顧客は、課題や自社を認知したきっかけ、自社を選んだ理由などを正確に覚えている傾向にあります。
それに対して、ロイヤル顧客は顧客歴が長いため、記憶があいまいになっている可能性が高いです。
新規顧客と直接コミュニケーションをとり、顧客理解を深めましょう。
参考記事
6-3.競合分析
競合分析の目的は、勝ち目のある領域を発見することです。
例えば、自社と関連性のあるキーワードで検索をし、上位に多くの競合サイトが表示された場合、SEOで成果を出すのは難しいでしょう。
競合他社の公式サイトや分析ツールなどで競合分析をし、成果を出せる可能性の高い領域を見つけましょう。
6-4.カスタマージャーニーの作成
カスタマージャーニーとは:
認知から購買までの各段階における顧客心理や行動などを可視化したマップ。
カスタマージャーニーでは、各項目をまとめましょう。
- 顧客行動
- 顧客心理
- 各フレーズにおける自社との接点
- 各フレーズにおける競合の施策
- 自社が展開する施策
- 自社が伝える価値やメッセージ
カスタマージャーニーを作成すれば、ペルソナの悩みや競合施策などが可視化され、効果的に自社に最適なWebマーケティング種類を特定できます。
また、全体を俯瞰できるため、統一した施策展開やメッセージの発信が可能になります。
参考記事
7.まとめ
Webマーケティングを展開すれば、多くのユーザーにリーチできるため、リード数や売り上げ、認知度などで悩んでいる企業におすすめです。
しかし、その種類は多々あり、参入企業数も多いからこそ、各種類の特徴を理解したうえで、自社に適した施策展開をしなければいけません。
施策選びで迷っている場合、まずは早い段階で成果を出しやすく、コストの面でも取り組みやすい、リスティング広告の運用を検討してみてはいかがでしょうか。
ぜひ本記事を参考に、各Webマーケティング種類の特徴を理解し、自社にあった施策を推進していただければと思います。
世界標準のAIを活用した、リスティング広告の改善施策をご提案
Cookie規制によって、獲得効率がよかったリターゲティング配信の実績が落ちている傾向です。このようなトレンドの中、改めて「リスティング広告の改善」を真剣に検討してみませんか。
- リスティング広告のコンバージョン数を確実に改善させたい
- 人の手で実績を改善し続けるのが困難
- リスティング広告のプロフェッショナルに課題解決の相談をしたい
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