コラム

アドテクノロジー(アドテク)の基本中の基本を分かりやすく解説

基礎知識
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アドテクノロジーとは、Web広告配信の最適化や管理・分析を支援する技術です。アドテクノロジーを活用すれば、広告主は費用対効果の最大化を見込め、メディアは広告掲載による収益を高められます。

アドテクノロジーを適切に活用するためにも、マーケターを含む、Web広告に関わる人間は理解を深めておく必要があります。本記事では、アドテクノロジーの概要や主な種類、アドテクノロジーの未来について解説します。

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1.アドテクノロジーとは

アドテクノロジーとは、「Advertising Technology(アドバタイジング・テクノロジー)」の略語であり、広告配信を最適化する技術・ソフトウェアという意味です。「アドテク」や「インターネット広告技術」とも呼ばれ、Web広告には欠かせません。アドテクノロジーは、広告主と広告を掲載するメディア(媒体)の双方で活用されます。

アドテクノロジーを活用することで、広告主は、複数メディアへの広告配信や広告キャンペーンの最適化などによって、費用対効果の最大化を見込めます。一方のメディアは、広告インプレッションを増やし、広告枠への入札額を最大化して、広告掲載による収益を高められます。このように、アドテクノロジーは広告主とメディア双方の目標達成を支援します。

1-1.アドテクノロジーの誕生背景

アドテクノロジーが誕生する以前は、「純広告」と呼ばれる広告掲載枠を買い取って掲載期間やメディアを指定する配信方法が一般的でした。例えば、美容サプリの広告をメディアAに10月1日から7日まで配信すると指定し、メディアAは美容サプリ広告を掲載します。

以前はシンプルな仕組みの純広告で成り立ちましたが、インターネットの発展により、以下の課題が出てきました。

  • メディア側の広告掲載ミス
  • 広告主が急な広告掲載を希望しても、メディア側が対応できない
  • ユーザーに興味のない広告表示がされる

上記の課題を解決するべく、アドテクノロジーは開発されました。具体的には、ユーザーに適した広告配信や複数メディアへの広告配信などが可能になったのです。

2.アドテクノロジーのメリット

Web広告配信に関わる人物は、大きく3者です。

Web広告配信に関わる人物 目的
広告主 費用対効果の高い広告配信を行う
メディア 広告掲載による収益を上げる
ユーザー 求める情報を得る

アドテクノロジーの根底を担う考えは、「ユーザーニーズに合った広告配信をする」こと。適切なユーザーに広告を表示できれば、広告主は費用対効果を高められ、メディアは自社サイトに合った広告掲載によって収益の増加を見込めます。アドテクノロジーにより、広告枠ではなく、ユーザーに合った広告配信をできるようになり、三者がメリットを享受できるのです。

3.アドテクノロジーの主な種類

以下では、主なアドテクノロジーとその特徴を紹介します。

1.アドネットワーク
2.アドエクスチェンジ
3.DSP
4.SSP
5.3PAS
6.DMP

3-1.アドネットワーク

アドネットワークとは、Webサイトやソーシャルメディアなどの複数媒体にまとめて広告配信をする技術です。また、細かなターゲティングによる配信ができるため、広告効果の最大化を見込めます。一方で、具体的な配信メディアの指定は行えないデメリットがあり、広告内容と関連性の低いメディアに配信される可能性もあります。

アドネットワークについては、下記記事で詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。

参考記事

3-2.アドエクスチェンジ

アドエクスチェンジとは、複数メディアやアドネットワークにまとめて広告配信する技術です。アドネットワークと混同されがちですが、違いは2つあります。

1つめが広告の入札形式です。アドネットワークがネットワーク全体、またはメディアごとの配信入札である一方、アドエクスチェンジはインプレッション課金を採用しています。広告単位で価格が決まるため、不要な入札を削減できます。

2つめの違いが、配信先の範囲です。アドネットワークは、複数メディアへ配信する技術でした。アドエクスチェンジの場合はさらに広く、複数メディアに加え、複数アドネットワークへの配信も可能です。

つまり、アドエクスチェンジを利用すれば、メディアだけでなく複数のアドネットワークを一元管理できます。

3-3.DSP

DSPとは、「Demand Side Platform」の略で、広告主の出稿費用対効果を最大化するプラットフォームです。配信ターゲットや予算などを登録すれば、DSPが予算内で売上を最大化する広告配信を、一元管理のもと実施します。広告枠の買い付けやターゲティング、配信、分析まで自動で行え、広告運用の負担を軽減できます。

DSPについては、下記記事で詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。

参考記事

3-4.SSP

SSPとは、「Supply Side Platform」の略で、広告を配信するメディア側の収益を最大化させるプラットフォームです。SSPに広告枠の料金や出稿条件などを登録すると、条件に合致する広告を自動で選定して配信します。また、フロアプライス(=広告の最低落札価格)を下回る広告掲載を防ぐ設定も可能です。フロアプライスを上回る広告が無かった場合、純広告などを掲載することで、メディアとしての収益を担保できます。

3-5.3PAS

3PASとは、「3rd Party Ad Serving」の略で、第三者配信とも呼ばれます。メディアに直接広告配信をするのではなく、アドサーバー(=第三者)を介して配信する手法です。リスティング広告やアフィリエイト広告など、多種多様な広告を一元管理できるため、高度な効果測定も簡単に実施できます。

3PASについては、下記記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

参考記事

3-6.DMP

DMPとは、「Data Management Platform」の略で、インターネット上に蓄積されたユーザーの行動履歴や属性、自社サイトのデータなどを一元管理し、効果的な分析を支援するプラットフォームです。

DMPには、「オープンDMP」と「プライベートDMP」の2種類があります。

  • オープンDMP:Yahoo! JAPANのような大手メディアが提供するビッグデータを活用
  • プライベートDMP:自社で蓄積したデータを活用

WebデータをDMPに統一すれば、効果的な分析が可能となり、Webマーケティングの最適化を行えます。

4.アドテクノロジーが活用する3つのデータ

アドテクノロジーは、主に3つのデータを用いて、ユーザーニーズに合った広告配信を実現しています。近年、データプライバシーに関する問題が高まっていることもあり、マーケターなら活用データの理解は欠かせません。

以下では、アドテクノロジーが活用する3つのデータを紹介します。

4-1.ファーストパーティーデータ

ファーストパーティーデータ(1st Party Data)とは、自社で保有するデータ全般を意味します。主な情報源は、自社サイトやSNS、CRM、アンケート、会員情報などです。コストをかけずに信頼性の高いデータを集められますが、分析するために十分な量のデータを集めるのが難しい、というデメリットがあります。

4-2.セカンドパーティーデータ

セカンドパーティーデータ(2nd Party Data)とは、パートナーシップを組んだ他社が保有するデータで、購入する方法もあります。信頼性の高い、幅広いデータを活用できますが、パートナーシップを組むのが難しい、またはデータ購入費用がかかるといったデメリットがあります。

4-3.サードパーティーデータ

アドテクノロジーが大きく頼っているのが、第三者が保有するサードパーティーデータ(3rd Party Data)です。代表的なものに、Cookie(クッキー)が挙げられます。Cookieとは、ブラウザ上に一時保存される小さなテキストデータです。簡単に言えば、ブラウザ上のユーザー行動の履歴です。

アドテクノロジーの多くは、サードパーティーCookieを用いて、広告の最適化を行っています。

5.アドテクノロジーの今後

近年、データプライバシーの保護へ向けた動きが広がっています。代表的な例が、サードパーティーCookieの廃止です。先にご紹介したように、アドテクノロジーの多くはサードパーティーCookieを活用し、ユーザー行動を追跡しています。しかし、データプライバシーへの懸念が広がり、Googleは2023年半ばからサードパーティーCookieの完全廃止を行うと発表しました。Appleは2020年3月に、Webブラウザ「Safari」でのサードパーティーCookieの受け入れを拒否しています。

サードパーティーCookieが廃止されて、最も大きな影響を受けるのは、リターゲティング広告です。リターゲティング広告は、自社サイトに訪れたユーザーを追跡し、同じ広告を表示させます。本格的なCookie規制が始まると、Web広告は大きな影響を受けるでしょう。今のうちから、対策をしておく必要があります。

6.Cookieの規制に向けて、マーケターが準備しておくべきこと

Googleの段階的なCookie廃止までに、マーケターができる対策は、ファーストパーティーデータの収集と活用法を検討することです。CRMやMAツールなどを活用すれば、自社サイトに訪れたユーザーや顧客情報などのファーストデータを効果的に蓄積できます。

蓄積したファーストパーティーデータを分析すると、パーソナライズされたマーケティング戦略を展開できるでしょう。ただし、短期間で十分な量のファーストパーティーデータを収集することは難しいです。だからこそ、今のうちからオンラインとオフラインの両方でデータ収集をし、広告最適化プラットフォームと紐づける体制を整えておくべきでしょう。

参考記事

まとめ

パーソナライズされた体験提供が重視される今、マーケターやWeb広告関係者にとって、アドテクノロジーは理解しておくべき技術です。アドテクノロジーの根底を担っている考えは、「ユーザーニーズに合った広告配信をする」こと。そうすることで、ユーザー・広告主・メディアの三者がメリットを享受できます。ただし、アドテクノロジーは配信先や分析などの最適化を行いますが、広告クリエイティブの精度が低いとコンバージョン率は高まりません。

大切なのは、ユーザー理解に努め、ニーズに合った広告を作成することです。そうすれば、アドテクノロジーが広告効果をさらに高める支援をしてくれます。

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アドフレックス編集部

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