コラム

コンバージョン率(CVR)の平均は何%?業界別のCVRと改善方法を紹介

基礎知識 広告運用
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Web広告を展開する目的は、ユーザーを集客し、遷移先のWebサイトで購入や申し込みなどのコンバージョンを獲得することでしょう。

サイトにおける目標達成の割合を表す指標「コンバージョン率」。Web広告を始めて間もない担当者にとって、自社のコンバージョン率が競合と比較して高いか低いか、気になるところではないでしょうか。

今回は、広告の効果の度合いを測るコンバージョン率の概要にも触れつつ、各業界の平均コンバージョン率をご紹介。コンバージョン率が改善しない原因と対処法も併せて解説します。ぜひ、運用の参考にしてください。

※掲載内容は記事執筆時点の情報をもとにしています。

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1.コンバージョン率とは

コンバージョン率(CVR)とは:
Web広告を介してサイトに集客したユーザーのうち、どのくらいの割合がコンバージョンに到達したかを表す指標。

コンバージョンは、Web広告において「成約」や「成果」といった意味合いで使われます。

コンバージョンの定義は、業界や広告を出稿する目的などによって異なります。

以下は、代表的なコンバージョンの例です。

種類 コンバージョン
ECサイト 商品購入
イベントページ 申し込み
BtoB向けサイト ホワイトペーパーのダウンロード
金融サービスサイト 資料請求
不動産サイト 問い合わせ

コンバージョンの内容は一般的に、広告出稿で達成したい目的のために、ユーザーにどのようなアクションをしてほしいかによって決められることが多い状況です。

デジマ担当者必見!Webサイトの最終成果を左右する重要な指標「コンバージョン」とは?

2.コンバージョン率の計算方法

コンバージョン率の計算方法は、媒体によって異なります。

例えば、リスティング広告においては「コンバージョン率(CVR)= CV数(コンバージョン) ÷ クリック数 × 100」で算出されます。

一方で、SEOにおいては「CV数 ÷ アクセス数 × 100」で算出されるのが特徴です。

このようにコンバージョン率の計算方法は、媒体や施策によって変動するため、計算方法には注意が必要です。

リスティング広告におけるコンバージョン率の計算例をご紹介しましょう。

  1. コンバージョン数をカウント
    商品ページからの商品購入をコンバージョンとする場合、まずは購入完了ページにアクセスしたユーザー数をカウントします。
  2. 次に、クリック数をカウント
    出稿したリスティング広告のクリック数をカウントします。
  3. 最後に、①でカウントしたコンバージョン数を②でカウントしたクリック数で割って100をかける

例えば、広告をクリックしたユーザーが100人で、そのうち5人が商品を購入した場合、コンバージョン率は「5 ÷ 100 × 100 = 5%」となります。

3.業界別平均コンバージョン率


一般的に、コンバージョン率の平均は2〜3%と言われています。

以下は、Web広告運用ツールを提供しているWordStream社が調査した、リスティング広告とディスプレイ広告の業界別平均コンバージョン率です。

なお、広告種類別の全体平均はリスティング広告で3.75%、ディスプレイ広告で0.77%となっています。

業界 リスティング広告 ディスプレイ広告
自動車 6.03% 1.19%
BtoB 3.04% 0.80%
消費者サービス 6.64% 0.98%
Eコマース 2.81% 0.59%
教育 3.39% 0.50%
人材 5.13% 1.57%
金融・保険 5.10% 1.19%
健康・医療 3.36% 0.82%
家庭用品 2.70% 0.43%
産業サービス 3.37% 0.94%
法律 6.98% 1.84%
不動産 2.47% 0.80%
テクノロジー 2.92% 0.86%
旅行・観光 3.55% 0.51%

出典:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]|WordStream

 

この調査結果からも分かるように、広告の種類や業界によって平均値は大きく異なります。

目安として、自社が属している業界の平均値を参考にするとよいでしょう。

3-1.何をコンバージョンに設定するかでコンバージョン率は変わる

コンバージョン率は「何をコンバージョンに設定するかで数値が変動する」ということも、忘れてはなりません。

例えば、ECサイトで「商品購入」をコンバージョンに設定していたとして、100円の商品は売れ行きがよかったとしても、15万円の商品も同じペースで売れるわけではありません。

このように、購入や申し込みのハードルの高さがコンバージョン率にも影響を与えるわけです。

  • 「資料ダウンロード」や「無料サンプルの申し込み」など無料のものは、コンバージョン率が高い傾向にある。
  • 「サービスの申し込み」「商品購入」でも特に高額商材になるほどコンバージョン率は低くなる。

自社のコンバージョン率を比較する際は、業界の平均値に加えてこのような特性も加味して行いましょう。

3-2.平均値を理解するメリット

自社のコンバージョン率を知り、平均値を比較して評価することで「自社の広告やサイトが最適化されているか」を判断できるようになります。

一般的に、コンバージョン率の高い広告には、以下のような共通点があると言われています。

自社のビジネスに合ったユーザーが集められ、広告でユーザーにささる訴求ができていて、遷移先となるWebサイトの導線設計や訴求が最適化されている。

リスティング広告を運用している自社ECサイトの平均コンバージョン率が2.2%の場合、業界別平均(2.81%)と比較すると平均より下回っていることが分かります。

ここから、何かしらの改善が必要と判断できます。

4.コンバージョン率が低下する原因と改善施策


Web広告の改善を行っているのに、コンバージョン率がなかなか向上しない」と悩む担当者は非常に多い傾向があります。

コンバージョン率が低い原因として、大きく以下の5つが挙げられます。

  • ユーザー視点を考慮していない
  • キーワード選定が合っていない
  • 広告が魅力的ではない
  • サイトの導線が分かりづらい
  • 申し込みフォームが複雑

ここでは、原因別の改善方法をご紹介します。

4-1.ユーザー視点を考慮していない

コンバージョン率が低い原因に、ユーザー目線で広告が設計されていないことが考えられます。

例えば、BtoB企業の場合、リスティング広告のターゲットは企業になります。

このようなケースにおいて、時々「高品質で安心」のような広告主が伝えたいことを訴求している見出しを見かけます。

しかし、企業にとって重要なのは「自社の課題を解決してくれる商品・サービス」なのかという視点のため、広告の設計においてもその点に注目しなければいけません。

そのほかにも、女性向けECサイトの運営企業が「可愛い洋服がたくさん」と当たり前のことを広告文で訴求しても、ターゲットである女性ユーザーには響きません。

代わりに「自分に合う洋服が見つかる」や「おしゃれで機能的な洋服が充実」などのように、ユーザー目線で設計すれば、クリック率やコンバージョン率の向上を見込めます。

コンバージョンにつなげるには、ユーザーにささる訴求をして「この商品は自分に必要なものだ」と感じてもらうことが重要。

自社がアピールしたいことを一方的に訴求しても、ユーザーには伝わりません。

自社のターゲットとなるのはどのようなペルソナなのか、改めて見直してみましょう。

それを基に、ターゲット設定や広告内容、リンク先のサイトが最適な状態になっているかを見直せば、改善すべきポイントが見つかるかもしれません。

マーケティングにおけるペルソナの作成手順 | メリットや注意点も解説

4-2.キーワード選定が合っていない

リスティング広告の場合、コンバージョン率が低い原因として、キーワード選定に問題があることが考えられます。

ある不動産会社が高級マンションの販売を目的に、リスティング広告を出稿するとしましょう。

この場合、「不動産」や「マンション」などの広範囲なキーワードのみ設定をすると、住宅ローンや賃貸物件について検索しているユーザーにも広告が表示されてしまいます。

このように、ユーザーニーズとマッチしていないキーワードを選定した場合、広告の表示回数の減少やクリック率の低下を招いてしまうでしょう。

また、広告をクリックしてもコンバージョンにつながらないため、費用対効果の悪化を招きます。

コンバージョン率を高めるには、ターゲットに対してどのようなキーワードを掛け合わせるかが重要。

ターゲットのニーズを紐解き、そこから入力すると思われる検索キーワードを洗い出していきます。

また、どの程度出稿キーワードと検索キーワードを紐付ける必要があるのか、マッチタイプの組み合わせも検討しましょう。

併せて、配信データを分析して、コンバージョンにつながらないキーワードを除外設定することも忘れずに行います。

除外設定をすることで、より広告の精度を高められます。

初心者でもわかる!リスティング広告のマッチタイプとは?選び方から設定まで詳しく解説
【リスティング広告で成果を上げる】除外キーワードとは?選定方法や注意点を解説

4-3.広告が魅力的ではない

画像やテキストなど、広告のクリエイティブがターゲットニーズとずれていないか、見直してみましょう。

競合を気にするあまり、いつのまにか訴求が自社の一方的なアピールになってしまっていることも珍しくありません。

広告の内容は、ターゲットの悩みや解決策が広告で提示されているなど、ターゲットがメリットを感じられることが大切。

ターゲットに「自分にとって有益だ」「利用してみたい」と関心を持ってもらうことが、リンク先のサイトに集客できるかどうかの分かれ目となります。

例えば、以下のように具体的な数字を広告テキストに含めるのも、効果的な訴求方法の一つです。

  • 「業界シェア●●%」
  • 「●万人が愛用」
  • 「●秒に1個売れている」

もし、広告クリエイティブが複数パターン出てきた場合は、A/Bテストで効果検証しながら絞り込んでいくのもよいでしょう。

4-4.サイトの導線が分かりづらい

広告のクリック率はいいのにランディングページで離脱が多い場合、いくつかの原因が考えられます。

「ページの読み込み速度が遅い」「広告とサイトの訴求がずれている」などもありますが、サイトの導線が複雑で分かりづらいことも。

せっかく広告を使って集客できても、遷移先のサイト構成が複雑なために離脱されてしまっては台無しです。

機会損失を防ぐために、サイト内の導線や購入・申し込みボタン(CTA)は分かりやすい場所に設置し、目立つデザイン・文言に改善する。

ランディングページの作成方法!正しい手順からポイントまで、まるごと紹介

4-5.申し込みフォームが複雑

「申し込みフォームの項目が多すぎて、面倒くさくなって離脱した」

「入力が半角・全角混在していてイライラした」

という経験をしたことはありませんか?

企業としては、顧客情報をなるべく詳細に記入してもらってマーケティング活動に活用したい、という思いが強くなってしまうものです。

しかし、「なるべく最低限の内容で、手間をかけずに終わらせたい」というのがユーザー心理というもの。

入力ミスでエラー表示が繰り返されるほどに、ユーザーはストレスを感じます。
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入力フォームは最低限の内容にする、選択式にして極力考える手間をかけさせないなど、スムーズにコンバージョンできるよう、フォーム改善も注力する。

【基礎】ABテストとは?今さら聞けない概要とメリット・デメリット、やり方まで解説

5.なぜコンバージョン率を改善しなければならないのか?


ここまでコンバージョン率の平均値、さらにはコンバージョン率が低下する原因と改善策をご紹介してきました。

しかし、そもそもコンバージョン率を改善しなければならない理由については詳しく触れてきませんでした。

コンバージョン率を改善すべき理由は、上記画像のピンクのハイライトが示しています。

具体的にコンバージョン率が重要な理由は、「コンバージョン数の底上げ」と「コンバージョン単価(CPA)の最適化」に関与しているからです。

まずはコンバージョン数の底上げについて解説します。コンバージョン率が上がれば、クリック数が同じでもコンバージョン数が向上します。

例えば、コンバージョン率が1%であるWebサイトに1,000回のクリックがあった場合、10件のコンバージョンが発生しますよね。

しかし、コンバージョン率を2%に向上させるだけで、クリック数が同じでも20人のコンバージョンを獲得できるのです。

リスティング広告やSEOなどである程度の集客ができているにもかかわらず、成果につながっていない場合は、コンバージョン率を改善する施策を推進しましょう。

そして、コンバージョン数が増えれば、コンバージョン単価の最適化にもつながります。

コンバージョン単価とは、コンバージョン1件当たりの獲得にかかる単価のこと。

コンバージョン単価は、「クリック単価 ÷ コンバージョン率」」で算出します。

つまり、クリック単価を抑えてコンバージョン率が高いほど、CV1件当たりにかかる費用も減少し、費用対効果の高い広告出稿ができるわけです。

具体的には、以下の通りです。

例1)
150円(クリック単価) ÷ 1.5%(コンバージョン率) = 10,000円(コンバージョン単価)

例2)
100円(クリック単価) ÷ 2.0%(コンバージョン率) = 5,000円(コンバージョン単価)

例2では、例1よりもクリック単価を抑えることができ、コンバージョン率も高いので、コンバージョン単価は1/2に抑えられています。

大切な考え方なので繰り返しますが、リスティング広告の出稿においてコンバージョン率が重要な理由は、コンバージョン数の底上げとコンバージョン単価の改善に貢献するからです。

ただし、コンバージョン率だけを見ていては有効な改善策を導き出すことはできません。

大切なことは、コンバージョン率と関連の深い「クリック数」や「クリック単価」についても見直しをかけていきましょう。そうすることで、効率的にコンバージョン数とコンバージョン単価の改善を達成できます。

ぜひ、上のロジックツリー画像を活用して、コンバージョン率の改善に取り組んでみてください。

リスティング広告のCPAを改善する方法10選と注意点を解説

最後に、Webマーケティング担当者が実際に使う、コンバージョン率を高めるのにおすすめのツール3選をご紹介します。

6-1.Google アナリティクス

Google アナリティクスは、Webマーケティング担当者の必須ツールといっても過言ではありません。Google アナリティクスを導入すれば、施策効果の測定やユーザー属性の特定、Webサイト・アプリ上でのユーザー行動の追跡などができます。

例えば、リスティング広告のクリック数は多いものの、コンバージョン率が低いとしましょう。この場合、ランディングページの内容やデザインに改善点がある可能性があります。
Google アナリティクスで、ランディングページのユーザー行動を分析すれば、効果的に改善点を発見できるでしょう。

また、実際にWebサイトに訪問したユーザー属性を詳細に把握することで、ターゲティングの最適化もできます。

どのWebマーケティングの施策を推進するにしても、Google アナリティクスはコンバージョン改善の強力なツールとなるため、使いこなせるようにしましょう。

6-2.ヒートマップツール

出典:ミエルカ

ヒートマップツールとは、Webサイト上のユーザー行動を色の濃淡で可視化するツールのことです。ヒートマップツールを使えば、熟読箇所・離脱箇所・クリック箇所を特定できます。

例えば、ヒートマップツールでLPの中盤以降の熟読率が低いと判明したとしましょう。この場合、中盤以降のコンテンツを改善する、もしくはファーストビュー完結型のLPを作成するなどの改善策を考えられます。

まずはGoogle アナリティクスを使いこなし、それからヒートマップツールで詳細な分析をしましょう。

6-3.Optmyzr(オプティマイザー)

出典:Optmyzr(オプティマイザー)

Optmyzr(オプティマイザー)は、元Google 広告のエバンジェリストが開発したAI搭載型リスティング広告自動運用化ツールです。前の項でお伝えした通り、リスティング広告のコンバージョン率を高めるためには、広告の表示回数やクリック率、クリック単価など総合的に最適化しなければいけません。

しかし、「改善点が分からない」「分析と改善を繰り返すリソースがない」と悩む担当者やリスティング広告のノウハウがない企業は実に多い傾向があります。

Optmyzrを導入すれば、高精度のAIが過去のデータを分析し、コンバージョンにつながる/つながらないキーワードの提案やクリック単価が高額なキーワードの入札抑制などを実施します。さらに、24時間365日のモニタリングとアラート機能やレポートの自動作成など、リスティング広告業務の多くを自動化することも可能です。

担当者の経験やノウハウに左右されない、データドリブンの高品質な運用ができるため、長期的に安定した成果を出せるでしょう。

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7.まとめ

今回は、業界別のコンバージョン率の平均値を中心に、コンバージョン率の基礎知識と改善方法について解説しました。コンバージョン率は「自社の広告やサイトが最適化されているかどうか」が分かる、便利な指標です。

広告の種類や設定しているコンバージョンによって数値が異なることも加味して、業界の平均値と比較してみることをおすすめします。

コンバージョン率の改善で大切なのは、問題点を洗い出し、それに対する改善施策を行い、検証していくことです。Web広告運用においてごく基本的なことではありますが、このサイクルをいかに積み重ねていけるかが効果の改善や費用対効果の向上につながります。

この記事を活用しながら、広告の効果を高めていってください。

【Web広告のキホン】コンバージョン率(CVR)とは?意味から活用方法まで解説

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