１．アクセス解析ツールとは

アクセス解析ツールとは、サイトを訪問したユーザー数や流入経路などの行動を分析できるツールです。ユーザーの利便性と満足度を向上させるには、閲覧者の傾向や特徴、来訪者数の変化などを検証してWebサイト全体の質を高めなければいけません。

そのため、データから導き出された課題と改善点を把握してPDCAサイクルを回していくのが、アクセス解析の主な目的となります。

２．アクセス解析ツールの比較・選定ポイント

アクセス解析ツールを選ぶ際のポイントは、次の3つです。

• 料金体系
• プロジェクトの内容
• 操作性

２-１．料金体系で選ぶ

有料ツールを選べば多彩な機能を使った分析ができますが、初めてアクセス解析ツールを導入するのであれば、無料ツールでも十分です。最初は無料ツールで機能や操作性を試してみて、物足りないようであれば有料ツールを検討する、というのが効率的でしょう。

２-２．プロジェクトの内容で選ぶ

アクセス解析の目的が「アクセス数の増加と認知度の向上」であれば、無料ツールでも問題ありません。しかし、「売上の向上」が目的であれば、多機能な有料ツールを選択するという方法もあります。

ただし、月10万円の収益向上をめざすために、月額利用料20万円のツールを使っては意味がありません。機能だけに注目するのではなく、プロジェクトの内容や規模に見合うものを選ぶことが大切です。

２-３．操作性で選ぶ

アクセス解析ツールは基本、中長期的に毎日使用するため、操作性やデータの見やすさも大変重要になってきます。一定のトライアル期間を経てから本格導入へと移行するのも、ひとつの方法でしょう。有料ツールを選択する場合は、無料試用期間が設定されているタイプを選びたいところです。

３．Googleが提供するアクセス解析ツール3選

ここからは、Googleが提供している主なアクセス解析ツールをご紹介していきます。

• Googleアナリティクス
• Googleサーチコンソール
• Googleデータポータル

３-１．Googleアナリティクス

出典：Googleアナリティクス

アクセス解析の定番とも言える、無料の解析ツールです。必要な機能は網羅されているので、ツール選びで迷っている方にとってはGoogleアナリティクスが最善の選択になるでしょう。有料版の「Googleアナリティクス360」もありますが、無料版でも十分な機能が備わっています。

特徴的なのが、直感的に操作できるダッシュボードやカスタマイズ性の高さ。導入事例も多いため、使い方や実際の分析に役立つ情報を探しやすい、というメリットもあります。ただし、使いこなすには、ある程度の専門知識が必要です。

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３-２．Googleサーチコンソール

出典：Googleサーチコンソール

一般的なアクセス解析ツールは、サイト流入後のデータ解析に使いますが、サーチコンソールは流入前のデータ解析に役立ちます。Google検索で、どのキーワードで検索された時にどのように表示されたのかを分析できます。

設定したキーワードのクリック数や表示回数、内外部リンクのランキングなどのチェックも簡単です。Googleアナリティクスと連携すれば、より効率的で精度の高いアクセス解析が実現します。

３-３．Googleデータポータル

Googleデータポータルは、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソール、Google広告などのデータを連携させてレポートを作成できるツールです。

連携させたデータをひとつのレポートにまとめれば、異なるツールのデータを簡単に比較できます。円グラフや散布図を使ったデータの可視化も容易です。

４．初めてでも使いやすい無料アクセス解析ツール3選

Google以外にも、多くのベンダーが無料で利用できるアクセス解析ツールを提供しています。ここでは、初心者でも使いやすい無料アクセス解析ツールをピックアップしてご紹介します。

• アクセス解析研究所
• FC２アクセス解析
• 忍者アクセス解析

４-１．アクセス解析研究所

出典：アクセス解析研究所

秒単位のユーザーの足取りや使用しているスマホの機種、タッチパネルの有無、アクセス元の位置情報など、多彩な解析機能が搭載されています。また、Googleドライブと連携させれば、保存期間無制限でデータ保存が可能です。

ユーザーがクリックしたリンクの把握だけでなく、特定のリンクをクリックしたユーザーの判別もできます。気になるユーザーに名前をつけて、サイト離脱後の動向を継続的に追跡することも可能です。

４-２．FC２アクセス解析

出典：FC２アクセス解析

Webサイトの訪問者を細かく分析できるツールです。タグを張るだけの手軽さと、シンプルで使いやすい集計表が特徴。

無料でありながらリアルタイムにデータを集計でき、携帯からのアクセス解析にも対応しています。機能よりも操作性を重視したいという方に適しているでしょう。

４-３．忍者アクセス解析

出典：忍者アクセス解析

最大4ヶ月間のアクセスログを保存できる、アクセス解析ツールです。時系列順に詳細なアクセス解析がしたいときなどに役立つでしょう。

HTMLソースコードを貼るだけでデータを集計できるため、専門的な知識は不要です。広告バナーを貼る必要はありますが、有料版を選択すればバナーを非表示にできます。有料版と無料版に機能の違いはありません。

【有料版料金】
12ヵ月3,790円＋初期設定費用1,290円（各税込）

５．多機能な有料アクセス解析ツール9選

無料ツールを使ってみて、より多機能さや使いやすさを求めるのであれば、下記のような有料のアクセス解析ツールを検討してみてはいかがでしょうか。

• AIアナリスト
• Tableau
• USERHEAT
• Juicer
• Ptengine
• アナトミー
• GAREPO
• mouseflow
• User Insight

それぞれ詳しく見ていきましょう。

５-１．AIアナリスト

出典：AIアナリスト

AIアナリストは、AIが自動的にアクセス解析を行い、サイトの問題点や修正ポイントを指示してくれるツールです。根拠となるデータと改善方針と提案する「伸びしろ発見」や、サイトの重要な変化を報告してくれる「変化報告」といったユニークな機能も使えます。

集計工数をゼロにできる、レポート機能も搭載されています。なお、AIアナリストを利用するにはGoogleアナリティクスとの連携が必要です。

【料金】
一部無料
有料プランは都度見積もり

５-２．Tableau（タブロー）

出典：Tableau

Tableauは、自身が保有しているデータを可視化してくれるツールです。ヒートマップ機能を使えば、ページ内における各ユーザーの動きを詳細に分析することもできます。

ドラッグ&ドロップだけでビジュアル化できる、手軽さも魅力です。AI ドリブンな統計モデルの作成も、ワンクリックで完了します。

【料金】（いずれも年額）
Tableau Viewer：22,000円
Tableau Explorer：60,000円
Tableau Creator：102,000円

５-３．User Heat

出典：User Heat

User Heatは、月間30万PVまで無料で利用できるヒートマップ解析ツールです。User Heatを使えば、3種類の解析ができるようになります。

• クリックされた箇所を解析できる「クリックヒートマップ」
• よく見られているテキストやコンテンツの内容を計測する「熟読ヒートマップ」
• 離脱した場所を計測する「終了ヒートマップ」

複雑な解析にも対応していますが、分析手順は難しくありません。スマホやタブレットのヒートマップ分析に対応しているのも特徴です。

【料金】
月間30万PVまで：無料
月間30万PV以上：要問合せ

５-４．Juicer

出典：Juicer

Juicerは、タグをWebサイトに埋め込んでデータを収集する、データ管理プラットフォームです。収集したデータを使ったペルソナの自動作成や、企業単位でのアクセスを計測するBtoB分析といった機能を搭載しています。基本的な機能の利用は無料です。

【料金】
基本プラン：無料
データ活用プラン：月額20万円～
DMP分析レポートプラン：月額5万円～

５-５．Ptengine

出典：Ptengine

Ptengineは、ヒートマップ機能が搭載されているアクセス解析ツールです。ページ内で見られている箇所やクリックされている箇所を直感的に把握できます。視認性に優れているので初心者でも扱いやすいでしょう。月間3000PVまでなら無料で使えるのもポイントです。

【料金】
Free（月間3,000PVまで）：無料
Growth（月間3,000PVから50万PV）：月額5,478円（税込）
Premium（従量課金）：要問合せ

５-６．アナトミー

出典：アナトミー

アナトミーは、Webサイトの各種分析結果を視覚化できるツールです。Googleアナリティクス・Googleサーチコンソール・HTMLソース・画面キャプチャという4つの情報源を統一して、横断的な分析を可能にします。

天気マークや色を使い分けて分析結果がわかりやすく表示されるのも特徴。高度なSEO分析にも対応しているため、Ｗｅｂ運用に関する分析は本ツールだけで完結します。

【料金】
100URL分析：月額44,000円（税込） 50URL追加でプラス10,000円
スモールビジネス版：月額11,000円（税込） URL追加不可

５-７．GAREPO

出典：GAREPO

GAREPO は、Googleアナリティクスのデータを取得して、分析結果を自動生成するツールです。Googleデータポータルよりも解析項目が多く、バブルチャートレポートの作成にも対応しています。データの詳細な分析結果から、Webサイトの改善要素を把握したい場合にも適しているでしょう。

【料金】
基本料金：月額5,500円（税込）
ID追加（オプション）：月額1,100円/ID

５-８．mouseflow

出典：mouseflow

ヒートマップ機能が搭載されたアクセス解析ツールです。クリックやマウスの動き、スクロールなどといったユーザーのアクションを動画で確認できる「セッションリプレイ機能」を搭載。ユーザーインターフェース（UI）やユーザーエクスペリエンス（UX）の改善にも役立ちます。

【料金】（月払いの場合）
スタータープラン（計測セッション5,000/月）：月額3,302円
グロースプラン（計測セッション15,000/月）：月額11,273円
ビジネスプラン（計測セッション50,000/月）：月額22,660円
プロプラン（計測セッション150,000/月）：月額45,435円

５-９．User Insight

出典：User Insight

User Insightは、スマートフォンやタブレットからのアクセス解析にも対応しているツールです。端末の機種やバージョンなどの分析にも対応しています。モバイルに特化したWebサイトの解析にも有用です。

【料金】
要問合せ

６．スマホに対応しているアクセス解析ツール2選

ここからは、スマホから気軽に利用できるアクセス解析ツールをご紹介します。

• Googleアナリティクスアプリ
• アナトミーガジェット

それぞれ詳しく見ていきましょう。

６-１．Googleアナリティクスアプリ

Googleアナリティクスのアプリ版です。Web版とは異なり、閲覧できるレポートは限られますが、基本的な項目の確認には対応しています。なお、数値の変動を検知できるインサイト機能は、アプリ版限定の機能です。

【料金】
無料

６-２．アナトミーガジェット

アナトミーガジェットは、解析結果をスマホで確認できるツールです。PV数や流入数などがビジュアル化されるため、直感的にデータを把握できます。

【料金】
100URL分析：月額44,000円（税込） 50URL追加でプラス10,000円
スモールビジネス版：月額11,000円（税込） URL追加不可

７．まとめ

Webサイトやマーケティング施策の改善には、アクセス解析が欠かせません。さまざまなアクセス解析ツールがありますが、料金プランや使いやすさなどを確認したうえで、自社の分析に最適なツールを選択しましょう。