１．アフィリエイト広告とは

アフィリエイト広告とは：

「成功報酬型広告」と呼ばれるWeb広告。

インターネット上のブログ記事やWebサイトに広告を設置し、そのリンクをクリックしたり、ユーザーが商品・サービスを購入（利用）したりすることで報酬を得られます。そのため、運用するサイトや記事を閲覧するユーザーが多ければ多いほど稼ぎやすいことが特徴です。

初心者でも特殊な知識が不要で始められることや、手持ちのWebサイトやブログに広告を貼るだけで利用できる手軽さが話題となり、今や多くの人がアフィリエイト広告を目的としたブログ運用に挑戦するようになりました。子育て中の主婦や仕事終わりのサラリーマンなど、スキマ時間を使って行っている人が多いことも特徴と言えるでしょう。

また、近年ではブログだけでなく、YouTube動画やSNS、メルマガなどを活用したアフィリエイト広告の利用も増えています。

２．アフィリエイト広告の仕組み

ここからは、アフィリエイト広告の仕組みを4者の観点から、より詳しく解説します。以下は、アフィリエイト広告に関わる4者とその役割をまとめた表です。

上記の表が、商品やサービスが販売されてから収益を得られるまでの流れです。簡単に説明すると、ASPという仲介役を通して商品やサービスの広告を出稿することで、手軽にインターネットを通じて商品やサービスを販売できる仕組みがアフィリエイト広告なのです。

ここからは、アフィリエイト広告で一般的に使用される用語ごとに解説しますので、それぞれを詳しく理解したい方は目を通してみてください。

２-１．ASP

ASPとは：

アフィリエイト・サービス・プロバイダー（Affiliate Service Provider）の略称。広告主である企業・団体が自社商品・サービスの広告を登録する場でもあり、メディア運営者（アフィリエイター）が紹介できそうな広告案件を探す場でもある。

広告主とメディア運営者（アフィリエイター）をつなぐプラットフォームだと理解すると、イメージしやすくなるでしょう。実際にASPを見てみると、ショッピング・金融サービス・旅行・飲食・家電・エステ・クレジットカード・通信など、さまざまな企業が出稿していることが分かります。

運営するメディアの特性に合った商品・サービスをピックアップしていけば、より高い収益を確保しやすくなるでしょう。

２-２．広告主

広告主とは：

商品やサービスを販売するために、Web広告を出稿したい企業のこと。

インターネットを通じて広告を出稿する手段にはさまざまな方法がありますが、その中でも手軽に始められる広告がアフィリエイト広告だと言われています。なぜなら、広告主はASPに登録して広告素材を用意するだけで、その後の運用を任せられるからです。

また、成功報酬型の広告が一般的になるため、初期費用を抑えて広告を出稿できます。

２-３．メディア運営者（アフィリエイター）

メディア運営者（アフィリエイター）とは：

運営するサイトやブログに広告を貼り付けて、商品やサービスを紹介する人のこと。

アフィリエイターは、自身のブログやWebサイト上にASPからピックアップした広告を貼り、訪れたユーザーに商品を紹介していきます。

例えば、美容やコスメに強いブログを運営している人であれば、Instagramで話題になっている商品や海外で注目されている商品を紹介し、そのリンクから読者が商品を購入すると紹介料を受け取ることが可能です。同じく、資産運用などについて情報発信するブログの場合は、証券口座の開設を促し、証券会社のオフィシャルサイトへのリンクを貼り、ユーザーが登録すると紹介料を受け取れます。

掲載した広告から購買してくれたユーザーの数に応じて、メディア運営者（アフィリエイター）は、パソコン1台で広告掲載から報酬受け取りまで完結できることが特徴です。

２-４．サイトの閲覧ユーザー

閲覧ユーザーとは：

メディア運営者（アフィリエイター）のブログやWebサイトを訪れる人のこと。

「Google」や「Yahoo! JAPAN」などの検索エンジンから流入するのが一般的ですが、近年はSNSからのアクセスや、「LINE」などメッセンジャーアプリでの拡散をきっかけに情報検索する人も増えています。

たまたま訪れたサイトで興味を持ち、貼ってあるアフィリエイトリンクから商品を購入することもあるでしょう。購入後は、ASPが提供する仕組みによって、リンクからの購入を追跡してアフィリエイターに報酬が支払われます。

３．アフィリエイト広告の種類

ここでは、アフィリエイト広告の種類を解説します。アフィリエイト広告には、主に以下の3種類があります。

• 成功報酬型
• 固定報酬型
• インプレッション型

一般的には、成功報酬型広告が主流ではありますが、それぞれのサイトやブログに適した種類を理解して活用することが大切です。それぞれを詳しく解説していきましょう。

３-１．成功報酬型

成功報酬型は、掲載されたサイトやブログ経由で商品が売れたり、サービスへの登録が完了したりなどの成果が出てから報酬が発生するタイプのアフィリエイト広告です。

成功報酬型は、アフィリエイト広告の中でも代表的な種類です。掲載したアフィリエイト広告を通し、閲覧ユーザーが購買をしたときのみ、メディア運営者（アフィリエイター）に一定の収入が支払われるため、広告主とアフィリエイターともに低リスクで活用できます。

成功報酬型の単価には、広告ごとにさまざまな種類があり、「1つ商品が売れたら〇円」と単価を設けている場合もあれば、「購入された商品の〇％」とパーセンテージが指定されている場合もあります。また、無料の会員登録や資料請求を訴求する広告であれば、「1件あたり〇円」としていることもあるでしょう。

３-２．固定報酬型

固定報酬型は、広告を掲載した期間に応じて報酬が支払われる広告の種類です。こちらは、広告主である企業・団体と、メディア運営者（アフィリエイター）がASPを通さず直接契約する場合も多く、掲載期間に応じて固定の金額が支払われます。

アクセス数や契約数などの成果に関わらず報酬を得られるため、収入の見通しが立ちやすいことがメリットだと言えるでしょう。そのため、ある程度流入が期待できる大型メディアで採用されることが多くなっています。場合によっては、成功報酬型の方が得られる報酬が多くなることもあるため、運営するサイトの影響力や集客力を正確に試算して決めることがポイントとなります。

３-３．インプレッション型

インプレッション型は、広告が表示された回数に応じて報酬を得る広告の種類です。あくまでも表示された回数ごとに計算されるため、固定報酬型と同じく、クリック数・販売数などの成果に関わらず報酬を得られます。

単価は安めですが、PV数（閲覧数）の多いサイトと相性が良いと考えられています。閲覧ユーザーが多数訪れれば、その分稼げる金額も多くなりやすいため、PV数をひとつの基準として設けることをおすすめします。

４．アフィリエイト広告の表示形式

アフィリエイト広告の表示形式は、主に以下の3つに分けられます。

• テキスト広告
• バナー広告
• ボタン広告

どの広告も、多くの方が目にしたことのある表示形式でしょう。それぞれ詳しく解説していきます。

４-１．テキスト広告

テキスト広告とは：

文字だけで構成されたテキストベースの広告。

ブログやWebサイトの文章に自然に加えられるため、閲覧ユーザーのストレスを減少できます。「広告が多すぎて見づらい」と思われることも少なく、離脱率低下にも貢献するでしょう。

ただし、テキスト広告はデザインでユーザーを惹きつけられないため、文章に埋もれやすいことが特徴です。広告箇所を分かりやすくするなど、工夫が求められるでしょう。

４-２．バナー広告

バナー広告とは：

画像・イラスト・写真などを活用したバナー形式の広告。

目を惹くデザインであることが多く、ひと目で広告が掲載されていることが分かります。購買を検討している閲覧ユーザーが、次にどのボタンを押せばいいか分かりやすいことが特徴です。

ただし、誤タップを招く広告が多すぎてサイトのイメージが悪くなる、などのデメリットも考えられます。デメリットを抑えるためにも、ユーザー目線で適切な量と位置を意識して、バナー広告を設置する必要があるでしょう。

参考記事

４-３．ボタン広告

ボタン広告とは：

ボタンのような見た目をしているアフィリエイト広告で、クリック（タップ）すべき場所が分かりやすい広告。

広告目的で訪れている人や、多数の広告を同時比較したい人にとっては、非常にメリットのあるタイプだと言えるでしょう。

しかし、ASPによってはボタン広告を禁止している場合もあります。掲載する前に規約をよく確認し、確実に報酬を受け取れるよう注意しておきましょう。

５．広告主のメリット

ここからは、アフィリエイト広告に出稿する広告主のメリットを紹介します。

広告主側のメリットには、以下が考えられます。

• 初期費用を抑えられる
• 急激な予算変動が少ない
• 商品やサービスの認知拡大

それぞれを詳しく知り、なぜビジネスモデルが成り立つのか理解していきましょう。

５-１．初期費用を抑えられる

アフィリエイト広告は、テキストや画像で構成された広告の準備さえできれば、ほかに大きな初期コストはかかりません。CMや、雑誌・新聞といったマス広告と比べても掲載料がかからないため、広告費用を大幅に抑えやすくなるのです。

予算が限られている中でも確実なプロモーションをしたい企業や、Webマーケティングに力を入れている企業が多く活用しています。

５-２．急激な予算変動が少ない

季節や経済情勢に影響されるなどの急激な料金変動が少なく、あらかじめ予算を立てやすいこともメリットです。

例えば、テレビCMに出稿する場合、人気番組やゴールデンタイムの枠は費用が高くなります。一方、アフィリエイト広告であれば、それらの影響をほとんど受けません。安定した広告の量を変わらぬコストで出稿したい企業に向いている手法なのです。

５-３．商品やサービスの認知拡大

普段テレビや雑誌に目を通さない層にも効果的な訴求ができるため、商品やサービスの認知拡大への貢献が期待できるでしょう。

今やスマートフォンの所有が当たり前になり、場所を問わず、いつでも情報検索できる時代になりました。そのため、競争が激化する中で、いかにユーザーに自社商品を認知してもらうか、どうやって興味を持ってもらうかがカギとなっています。

アフィリエイト広告は、リンクのクリック数や登録数などのデータの蓄積や分析ができるため、マーケティングに活かすことも可能です。

６．広告主のデメリット

ここからは、アフィリエイト広告を利用する広告主のデメリットにも触れていきます。

アフィリエイト広告を出稿するデメリットは、以下の通りです。

• 紹介されない可能性もある
• 違反行為が行われる可能性がある
• ASPの利用料がかかる

６-１．紹介されない可能性もある

ASPには、大手企業による有名商品の広告も用意されているため、商品や報酬に魅力がない場合、アフィリエイターに紹介してもらえない可能性もあります。アフィリエイト広告を貼ってもらわないと宣伝効果がないため、別途プロモーションや報酬アップなどの対策が必要です。

ASPに自社情報を掲載するだけで、確実にメディア運営者（アフィリエイター）にピックアップしてもらえるわけではないと理解しておきましょう。

６-２．違反行為が行われる可能性がある

メディア運営者（アフィリエイター）の紹介の仕方次第では、違反行為が疑われる可能性もあります。例えば、「絶対に治る」「必ず儲かる」などの薬機法違反や誇大広告による紹介がされてしまうと、ユーザーへの誤解が広がって自社ブランドが傷付くため注意が必要です。

定期的に、掲載メディアをチェックして、法律に触れない文言で紹介してもらうための対策も大切でしょう。

６-３．ASPの利用料がかかる

ASPを利用するには、システム利用料がかかります。月単位で課金されることもあれば、広告の数に応じて課金されることもあるため、ASP利用前に料金システムを理解しておく必要があるでしょう。

複数のASPを兼用する場合は、年間単位での予算を正確に見積もるなど、ランニングコストへの注意が必要です。

７．メディア運営者（アフィリエイター）のメリット

続いて、メディア運営者（アフィリエイター）のメリットもチェックしてみましょう。

主なメリットは、以下の2点です。

• 初期資金がかからない
• 個人ブログでもアフィリエイト広告を掲載できる

広告の出稿を検討している方も、アフィリエイターのメリットを理解すれば、効果的な運用を実現できるでしょう。それぞれ詳しく解説していきます。

７-１．個人ブログでもアフィリエイト広告を掲載できる

企業が運営しているメディアだけでなく、個人ブログ・サイトでもアフィリエイト広告の掲載が可能です。そのため、誰でもメディア運営者（アフィリエイター）になれることがメリットです。高い収入を得るために本業として活動している人もいれば、サラリーマンとして勤めながら副業で稼ぐアフィリエイターも多数存在しています。

多くのメディア運営者（アフィリエイター）がいるということは、広告主にとっても大きなメリットとなるのです。

７-２．初期資金がかからない

アフィリエイト広告をブログに掲載するには、初期費用が一切かかりません。そのため、パソコンとインターネット環境さえあれば、世界中どこでも始められます。

実際に元手ゼロからスタートして、高い収入を得ているメディア運営者（アフィリエイター）も存在するため、夢のある仕事だと言えるでしょう。

８．メディア運営者（アフィリエイター）のデメリット

続いて、メディア運営者（アフィリエイター）のデメリットを解説していきます。

主なデメリットは、以下の通りです。

• 収益を得るには時間がかかる
• サイト運営の知識が必要

手軽に稼げるというメリットばかりが目立つことの多いアフィリエイト広告ですが、当然デメリットもあります。

それぞれ詳しく確認していきましょう。

８-１．収益を得るには時間がかかる

一般的にアフィリエイト広告は、収益を得るまでに時間がかかると言われています。すでに多くの閲覧ユーザーに認知されている大型メディアであれば別ですが、まずは人が集まるブログ・サイトとしてメディアを盛り上げていく必要があるでしょう。

集客ができてからはじめてアフィリエイト広告が収益化されるため、最初は時間がかかってしまいます。そのため、正しい知識を付けてからチャレンジしなければ、実際に大きく稼ぐことは困難です。

８-２．サイト運営の知識が必要

メディアを盛り上げるために、サイト運営の知識は欠かせません。検索エンジン最適化であるSEOの勉強や、分析ツールを使って閲覧者のデータを分析するなどの対策を取る必要があるでしょう。

また、「WordPress（ワードプレス）」などに代表されるブログ作成ツールの操作も必要であり、広告の設置方法を学ぶ時間も必要です。手軽にできるかと思いきや、意外と作業量が多くて断念してしまった、というメディア運営者（アフィリエイター）が多いのは、こうした背景も関係しています。

９．アフィリエイト広告の出稿方法

ここからは、広告主向けに、アフィリエイト広告の出稿方法を解説していきます。

一般的な出稿手順は、以下の通りです。

1. 広告を出稿するASPを決める
2. 広告の報酬単価を決める
3. 広告リンクやバナーを用意

それぞれを詳しく解説していきます。

９-１．広告を出稿するASPを決める

複数のASPを比較し、広告を出稿するASPを決定します。

登録するアフィリエイターが多いASPやシステム利用料が安いASP、特定のジャンルに強いASPなど、それぞれ性質が異なるため、よく比較・検討しましょう。自社に合ったASPを選定できれば、アフィリエイト広告の掲載数増加を目指せるでしょう。

９-２．広告の報酬単価を決める

続いて、広告の報酬単価を決めていきます。

単純に報酬が高く設定されると、メディア運営者（アフィリエイター）に掲載されやすくなることが特徴です。しかし、報酬単価の金額によって毎月の予算が大きく変動するため、予算に応じて設定するのがよいでしょう。

また、商品の特徴に合わせて成功報酬型・固定報酬型・インプレッション型のどれを選択するか、検討する必要があります。

９-３．広告リンクやバナーを用意

続いて、広告材料であるリンクやテキスト、バナーなどを用意します。テキスト広告であれば、短い文章で的確に自社の魅力を伝えられるような工夫をしていきましょう。バナー広告であれば、記事に埋もれないよう目を惹くデザインにすることがポイントです。

余力があれば複数パターンを用意し、メディアのイメージに合わせて選定してもらえるよう、対策していくこともおすすめです。

１０．広告主がアフィリエイト広告運用で効果を上げる方法

最後に、広告主がアフィリエイトで効果を上げる方法を紹介します。

一般的に効果的と言われている方法は、以下の通りです。

• 競合サービスや商品をリサーチする
• 掲載サイトを増やす
• リスティング広告を運用する

それぞれを詳しく解説していきます。

１０-１．競合サービスや商品をリサーチする

競合となるサービスや商品のリサーチを重ね、戦略や価格相場を探りましょう。クオリティの低い紹介文やバナーデザインは、アフィリエイターに紹介してもらえる確率も低くなってしまうでしょう。

競合よりも魅力が伝わるアフィリエイト広告を用意できれば、運用収益や費用対効果の向上が期待できます。

１０-２．掲載サイトを増やす

掲載サイトを増やし、閲覧ユーザーの目に触れる機会を多くすることも効果的な方法です。ASPを複数利用する、報酬を一時的に引き上げてアフィリエイターの数を増やすなどの体制を築きましょう。

また、アフィリエイター向けのセミナーに参加し、訴求するのもひとつの方法です。手間とコストはかかりますが、直接的な協力体制が築けるため、利用を検討してみるのもありです。

１０-３．リスティング広告を運用する

リスティング広告とは：

検索エンジンでユーザーが入力したキーワードとの関連性が高い広告を検索結果画面の上位に表示させる手法。

例えば、「マンション　購入」と検索すると、不動産会社や物件紹介サイトの広告が上位表示されます。このように、ユーザーニーズと合致する広告を配信できることが魅力です。

自社に興味がありそうな人を狙い撃ちできるという意味で、アフィリエイト広告以上の効果を得られるかもしれません。ネット広告はアフィリエイトだけとは限らないため、複数の手段を兼用しながら効果を上げていくこともおすすめです。

参考記事

１１．まとめ

この記事では、アフィリエイト広告の仕組みや種類、メリットを解説してきました。アフィリエイト広告は、広告主とアフィリエイターどちらにもメリットの多い広告手法です。広告出稿を検討中の方は、メリット・デメリットを正しく学び、成功のコツを理解して始めることをおすすめします。

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