

Google 広告でどのようなターゲティング設定をすべきか分からず、お困りの方がいらっしゃるのではないでしょうか。広告を出稿してみたものの、あまり効果が得られずターゲティングに挑戦したい方も多いはず。
ターゲティングをしたいと思っても、具体的にどんな設定をすれば良いのか、分かりづらいですよね。
本記事では、初めてGoogle 広告のターゲティングをする方向けに、ターゲティングの種類やモニタリングとの違い、注意点などを解説します。
広告の効果を高めるために、ぜひ参考にしてください。
1.オーディエンスターゲティング
Google 広告では、ユーザーの特徴や過去の行動に応じてターゲティングが可能です。こうした「オーディエンスターゲティング」について、具体的なターゲティング方法を4つご紹介します。
1-1.ユーザーの属性
ユーザーの属性をもとにターゲティングできます。選択できる項目は以下の5つです。
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これらの設定項目について、順番に解説します。
【子供の有無】
「子供あり」を選択すると、子供の年齢に応じて以下の選択肢から絞り込めます。
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【配偶者の有無】
以下から選択できます。
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【教育】
「現役の大学生」をターゲティングできることに加えて、最終学歴として以下が選択可能です。
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【住宅所有状況】
「住宅所有」あるいは「賃貸」を選択できます。
【就業状況】
「業種」と「社員数」をそれぞれ選択できます。選択項目は以下の通りです。
「業種」
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「社員数」
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1-2.ユーザーの興味や関心、習慣
ユーザーの興味や関心、習慣でターゲティングできます。以下の項目から選択可能です。
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1-3.ユーザーが積極的に調べている情報や立てている計画
積極的に情報を調べていたり、計画を立てていたりするユーザーは、購買意欲が強いと見込めます。ターゲティングする「購買意向の強いセグメント」として、以下の項目から選択できます。
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1-4.データセグメント
データセグメントの旧称は「リマーケティング」です。例えば以下の行動を取ったユーザーに対して、広告を配信できます。
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過去に自社の商品・サービスに興味を持ったユーザーであれば、コンバージョンしやすいと見込めるので、高い効果が期待できるでしょう。
また、既存の顧客リストに基づいて、同じような興味・関心を持つ「類似セグメント」を作成することも可能です。
「類似セグメント」を利用することで、過去に自社と関わりを持ったことのないユーザーの中から、コンバージョンにつながりやすいユーザーを抽出して広告を配信できます。顧客リストを保有している場合は、試してみるとよいでしょう。
2.コンテンツターゲティング
「広告をWeb上のどの場所に表示するか」に注目して、ターゲティングする方法もあります。こうした「コンテンツターゲティング」について、具体的な方法を3つご紹介しましょう。
2-1.トピック
「トピック」を設定することで、トピックに関するWebページを広告の掲載対象にできます。選択できるトピックは以下の通りです。
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2-2.プレースメント
「プレースメント」では、広告を掲載するWebサイトなどを具体的に指定できます。ターゲットが閲覧していると予想されるサイトにピンポイントで広告を掲載することで、効果を高められるでしょう。
具体的なURLなどを指定するか、自社に関連する単語やフレーズで検索し、以下の分類から掲載先を選びます。
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2-3.コンテンツキーワード
自社の商品やサービスと関連性の高い語句を「コンテンツキーワード」として設定することで、対象の語句で検索したユーザーに広告を表示できます。
【例】 自社がペット用品を扱っているのであれば「ペット」「キャットフード」といった語句を設定。 ↓ ユーザーが検索後にWebサイトを閲覧している際に、バナー広告などの自社広告が表示される。 |
指定したキーワードで検索したユーザーは、自社の商品・サービスに興味を持ちやすいと見込めるので、広告の効果が高まると期待できるのです。
3.その他のターゲティング


「オーディエンスターゲティング」と「コンテンツターゲティング」のどちらにも含まれないターゲティング方法を、3つご紹介します。
3-1.地域
特定の地域のみを指定して、広告を出稿できます。店舗を経営しているのであれば、自店舗の周辺地域をターゲティングすることで、効果を高められるでしょう。
例えば、以下の地域を選択してターゲティングできます。
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3-2.広告スケジュール
広告を配信する「曜日」と「時間帯」を指定できます。商品・サービスの見込み客が、広告を目にする可能性が高い時間帯に絞って広告を配信することで、無駄な広告出稿を減らせるでしょう。時間帯は15分刻みで指定できます。
【例】 自社が企業向けの事務機器を販売している場合、就業中のユーザーに広告を見てもらうことで、自社商品の販売につながりやすいと見込める。 ↓ 広告スケジュールとしては、多くの企業の就業時間である「月曜〜金曜」「9〜18時」を指定すれば、広告の効果を高められそうだと判断できる。 |
3-3.デバイス
どのデバイスに対して広告を出稿するかを指定できます。以下の3つのデバイスから選択可能です。
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デバイスによってディスプレイの大きさや利用される状況が異なるため、広告の成果に差が生じることが少なくありません。
【例】 「ある商品はスマートフォンからよく購入されているが、PC経由の購入は少ない」とデータから明らかになることがある。 ↓ その場合は、広告を出稿するデバイスを「モバイル」に限定することで、商品の購入率を高められるかもしれない。 |
4.ターゲティングとモニタリングの違い
管理画面でターゲティング設定をしていると、「ターゲティング」と「モニタリング」のどちらかを選択することを求められる場合があります。どちらを選ぶべきか迷わないように、違いを理解しておきましょう。
「ターゲティング」を選ぶと、広告の配信先が絞り込まれます。
【例】 「配偶者の有無」の設定項目で「独身」を選べば、「既婚」のユーザーには広告が表示されなくなる。 |
一方「モニタリング」を選んだ場合、広告の配信先は絞り込まれません。
【例】 「配偶者の有無」の設定項目で「独身」を選んだとしても、「既婚」のユーザーにも広告が表示される。 |
では「モニタリング」に何の意味があるかというと、設定した項目についてのレポートが確認できるようになるのです。先ほどの例であれば、「独身」の人についての「クリック数」や「コンバージョン率」などが確認できるようになります。
広告の配信先を絞りたいときは「ターゲティング」、レポートを確認したいときは「モニタリング」を選択しましょう。
5.Google 広告でターゲティングする際のポイント


Google 広告でターゲティングする際に、効果を高めるポイントを2つご紹介します。
5-1.複数の条件を組み合わせる
ターゲティングの条件は、複数を組み合わせることが可能です。さまざまな組み合わせを試して、最適なターゲティングを探しましょう。
Google 広告ではキャンペーンや広告グループごとに、年齢や性別でのターゲティングもできます。ターゲティングを組み合わせることで、以下のようにユーザーを絞り込めます。
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このようにターゲティングすることで、自社の商品・サービスの購入につながりそうな人に、より広告を届けやすくなるでしょう。
5-2.広告の結果を検証する
ターゲティングした際には、必ず広告の結果を検証しましょう。結果を検証しなければ、ターゲティングが効果的だったのかを判断できないからです。
検証する際には、ターゲティング設定の前後で、クリック数やコンバージョン率などを比較します。もしそれらが改善されていれば、ターゲティングは効果的だったといえます。
逆にもしそれらが悪化していれば、ターゲティングが失敗している可能性があるので、設定を元に戻すことも検討すべきです。
Google 広告は、検証可能なデータが取得できることが大きな特徴です。Google 広告の良さを生かすためにも、ターゲティングの前後で必ずデータを確認しましょう。
6.Google 広告でターゲティングする際の注意点
ターゲティングする際の注意点を3つご紹介します。
6-1.オーディエンスターゲティングはGoogleによる「推定」
オーディエンスターゲティングは、Googleによる「推定」であることを忘れないようにしましょう。実際のユーザーの特徴とは異なっている場合があります。
Googleがユーザーの属性などを特定する際に用いているのは、例えば以下の情報です。
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Web上での行動が少ないユーザーについてはデータが十分に集められないため、Googleによる推定は不正確になる傾向があります。オーディエンスターゲティングでは、精度には期待しすぎないようにしましょう。
6-2.機会損失になる可能性がある
ターゲティングをすることで、機会損失になる可能性があります。本来であれば広告が表示されているはずのユーザーに、表示されなくなるからです。
【例】 「地域」でターゲティングをして、自店舗がある大阪市内のみに広告を配信。 ↓ 一見すると設定に問題ないように思えるが、実際には近隣の市町村のユーザーにも広告を表示させることで、より多くの顧客を獲得できていたかもしれない。 |
このように、広告の効果を高めるために行ったターゲティングによって、むしろ顧客獲得の機会を逃すことがあります。そのため、むやみにターゲティングをすることは避けるべきです。
機会損失が大きくならないように、検証を重ねながら少しずつ配信対象を絞り込むとよいでしょう。
6-3.絞り込みすぎると予算が消化できない
ターゲティングで配信対象を絞り込みすぎると、広告予算が消化できないことがあります。一定の期間内に使うべき広告予算が決まっている場合は、注意しましょう。
【例】 社内の方針で「1日あたり1万円」の広告予算を使うことが決まっている。 ↓ 広告の効果を高めようとするあまり、いろいろとターゲティング設定すると、広告を配信可能なユーザーが少なくなってしまう。 ↓ すると「1日あたり2千円分の広告しか出稿できなかった」ということが起こりえる。 |
1日あたりに使うべき広告費が決まっているのであれば、最初からターゲティングを絞り込むのは危険です。
最初はあえてターゲティングをせずに広告を運用して、決められた予算分の広告を出稿できていることを確認するとよいでしょう。そのうえで少しずつターゲティングを行っていくことで、予算をしっかり消化しながら広告の効果を高めていけます。
7.まとめ
Google 広告では、オーディエンスターゲティングやコンテンツターゲティングなど、さまざまなターゲティング方法が用意されています。
自社の商品・サービスの購入につながりそうなユーザーに絞って広告を届けるために、最適なターゲティングの設定を探しましょう。
しかし、ターゲティングをすることで機会損失になり、むしろ広告の効果が悪化してしまう可能性もあります。検証を重ねながら、少しずつ改善していくことが大切です。