Facebook広告で成果を出すための運用ガイド|知っておくべき9つのポイント
Facebook広告の運用を成功させるには、押さえておくべきポイントがいくつかあります。基本的な知識だけではなく、ターゲティングの設定やクリエイティブの作成、広告グループの決め方など、それぞれにコツがあるので、項目別のチェックポイントをしっかりと押さえておきましょう。
本記事では、Facebook広告運用のポイントを詳しく解説していきます。成果が上がらず悩んでいるという方も、ぜひ参考にしてください。
参考記事
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目次
1.Facebook広告運用のポイント
Facebook広告の運用を効率化・最大化するためのポイントをご紹介していきます。
1-1.正しいアカウント構成を意識する
Facebook広告の最適化エンジンは「人」をベースにして機械学習を進めますが、統計的な優位性を確保して広告運用に活かすためには、正しいアカウント構成を意識して適切なデータを集める必要があります。
なお、Facebook広告のアカウントは、「キャンペーン」「広告セット」「広告」の三層構成となっています。
・キャンペーン
認知、検討、コンバージョンの3タイプから選択できる目的に対応した枠組みです。ひとつの目的に対してひとつのキャンペーンを作成できます。
・広告セット
予算や配信スケジュール、ターゲティングの設定などを行います。ひとつのキャンペーンに複数の広告セットを設定できます。
・広告
実際に配信される画像や動画などの広告クリエイティブです。複数の広告が設定できるため、デザイン違いで広告を配信して効果を比較することも可能です。
ターゲティング設定をするのは「広告セット」の段階になります。また、機械学習による最適化も広告セット単位で行われます。
精度の高い最適化を実現するには、まとまった数のデータ学習が必要なため、1週間あたり50コンバージョン以上の獲得が望ましい。
アカウント構成の典型的な失敗例を見てみましょう。
上図のようにターゲットを年代別に分けると、各広告セットのコンバージョンが少ないため、機械学習の質が高まらなくなる可能性があります。
年代別の広告配信効果はFacebookのレポート機能で確認できるため、アカウント構成を年代で分ける必要性はほとんどありません。
年代別のレポートは、広告マネージャから以下の手順で確認できます。
1. 管理画面の「キャンペーン」から、レポートを確認したいキャンペーンの [チャートを見る] を選択
2. 年齢と性別のデータが表示される
管理画面右側の [レポート] → [年齢と性別] から確認することも可能です。
定期的にレポートを確認するには、こちらの方法が簡単でしょう。
いずれにしても、年齢別の広告配信効果は、アカウント構成以外でも確認できます。そのため、年齢や性別で広告セットを分けるのは避けた方が効率的です。
年代別ではなく、下図のようなアカウント構成にすると、各広告セットのコンバージョン数向上が期待できます。
ただし、商材によっては各広告セットのコンバージョン数が増えないこともあります。そのような場合は、コンバージョンのひとつ手前であるマイクロコンバージョンの数を確保して、機械学習の最適化に役立てましょう。
マイクロコンバージョンからコンバージョンの流れとしては、下図のようなケースが考えられます。
この例では、マイクロコンバージョンとして「ランディングページの『注文する』をクリックしたとき」と「確認画面に到達したとき」などが考えられます。
マイクロコンバージョンがコンバージョンに結びつくとは限りませんが、コンバージョンに最も近いユーザー行動を把握することで、ターゲティングの精度を高めることができます。
1-2.自動配置を活用する
Facebook広告は、InstagramやAudience Network、Messengerにも配信できます。そのため、自社製品に適した配信先の検討は重要になりますが、最適な配信先を判断できるまでには時間と予算が必要です。
しかし、自動配置を選択すれば、Facebookのアルゴリズムによって広告配信が最適化されるため、多くのユーザーにリーチできるようになります。
複数の配信先に広告が表示されることで、ユーザーの記憶に残りやすくなるというメリットもある。
また、自動配置は予算をもっとも効率的に消化できるよう計算して配信されるため、コスト管理も容易になります。
1-3.適切なタグを設置する
Facebook広告では、設置したタグから情報を収集して機械学習に活かしています。しかし、タグの設置箇所が適切でなければ必要な情報が届かず、最適化も行えません。
タグ設置の失敗例としては、下図のようなケースが考えられます。
この例では、コンバージョンの情報だけしか取得できません。また、他のページにはすべてリターゲティングタグが設置されているため、サイト内におけるユーザーの行動を詳細に把握できません。
可能な限り多くの情報を取得するには、下図のようにタグを設置するのがおすすめです。
このように、階層に沿ってタグを設置すれば、コンバージョンに達しなかったユーザーのサイト内における行動も把握でき、リターゲティングの精度も高まります。
参考記事
1-4.オーディエンスは複数作成する
広告セットでは、広告を配信するオーディエンス(ターゲット)を細かく設定できますが、オーディエンスは複数作成してから広告を配信しましょう。
最低でも2~3パターンのオーディエンスを作成して広告を一斉配信すれば、成果の高いオーディエンスが見つかるまでの時間を短縮できます。
1つのオーディエンスを改善していくよりも、複数のオーディエンスを比較検討する方が早く成果を得られるようになる。
ただし、似たようなオーディエンスを作成すると、自社の広告同士が競合して成果が悪化します。設定内容に被りのないオーディエンスを複数作成して、運用効率を高めていきましょう。
1-5.目的に適した広告フォーマットを選択する
Facebook広告には数多くのフォーマットがあり、目的に合わせて選択することが大切です。訴求内容が同じでも、フォーマットによって効果が大きく変わることもあります。
主なフォーマットの特徴と、それぞれに適している配信目的を見ていきましょう。
・写真(静止画)広告
画像とテキストで構成される、比較的シンプルなフォーマットです。視覚的に製品を訴求できるため、製品の概要を伝えたいときや認知度の向上などに適しています。
出典:Facebook写真広告: 視覚的なマーケティング | Meta for Business
・動画広告
最長240分の動画を投稿できます。短時間で多くの情報を伝えられるだけではなく、ストーリー性を持たせることもできるため、ブランドの世界観を伝えたいときなどにも役立つでしょう。
ただし、長すぎると視聴率の低下につながるので、5秒~30秒程度の動画で訴求するのがベストです。
出典:目的に合ったFacebook広告形式 | Meta for Business
・カルーセル広告
最大10枚まで画像を掲載できる広告です。複数の商品を紹介するECサイトの宣伝や、ストーリー性を持たせたサービスの訴求などに向いています。
出典:Facebookカルーセル広告: 1つの広告に複数の画像とテキストを表示 | Meta for Business
・コレクション広告
画像または動画をメインビジュアルとして掲載し、その下に複数の商品画像を並べられるフォーマットです。モバイルデバイスでタップするとフルスクリーン表示になるという特徴もあります。複数の商品を取り扱う EC サイトや、複数のデザインを訴求したいときに適しているでしょう。
出典:Facebookのコレクション広告フォーマット | Meta for Business
・スライドショー
動きや音、テキストが使えるフォーマットです。軽量なので接続速度やデバイスを問わず、スムーズにストーリーを伝えられます。動画広告よりも低コストで作成できるのもメリットです。
出典:Facebookスライドショー広告のしくみ | Meta for Business
1-6.クリエイティブは適度に更新する
どんなに優れたクリエイティブでも、ユーザーに飽きられてしまうと効果が低下します。しかし、定期的に新しいクリエイティブを作成すれば、手間とコストがかかります。
このような問題を解消するには、以下のローテーションで広告を更新すると効果的です。
配信効果をテストする際には、配信先の特徴も考慮する必要があります。
【例】
- Facebookは他のユーザーやメディアが発信する記事を読みに来ているため、フォーマットや画像、広告文を変えてテストした方が効果的。
- 画像投稿が主体となるInstagramの場合は、フォーマットと画像を中心に更新する。
参考記事
1-7.顕在層へのアプローチはカスタムオーディエンスを利用する
すでに自社製品に対する興味関心があるユーザーに対しては、カスタムオーディエンス機能を活用してアプローチしましょう。
カスタムオーディエンスには、以下の4種類があります。
カスタムオーディエンスの種類 | 内容 |
---|---|
ウェブサイトカスタムオーディエンス | 自社サイトにアクセスしたユーザーとFacebookユーザーを照合してターゲティングする |
アプリアクティビティカスタムオーディエンス | ユーザーのアプリ利用状況に基づいてターゲティングする |
顧客リストのカスタムオーディエンス | 自社で保有している顧客リストをソースにしてターゲティングする |
エンゲージメントカスタムオーディエンス | 動画の再生やリード獲得広告のフォーム表示など、自社コンテンツに対して何らかのアクションをしたユーザーをターゲットにする |
カスタムオーディエンスを活用すれば、新規見込み顧客の獲得や申込み数増加、カート落ちユーザーに対するリターゲティングなども実現します。
カスタムオーディエンスの作成手順は、以下のとおりです。
1. 広告マネージャから [オーディエンス] → [カスタムオーディエンスを作成] を選択
2. カスタムオーディエンスのソースを選択して [次へ] をクリック
3. 各項目を設定して [オーディエンスを作成] をクリック
ソースは自分のソースだけではなく、Facebookのさまざまなソースを活用することも可能です。
1-8.類似オーディエンスを積極的に活用する
類似オーディエンスとは:
既存顧客と似たユーザーをFacebookが特定し、ターゲットとする機能が類似オーディエンス。
カスタムオーディエンスの設定内容には限度がありますが、類似オーディエンスを活用すれば、従来の方法ではアプローチできなかったユーザーへのリーチも実現します。
実名登録を原則としているFacebookは、他のSNSよりもターゲットの精度が高いという特徴があるため、高精度な類似オーディエンスによるコンバージョン率の大幅な向上も期待できます。
なお、類似オーディエンスの作成は、広告マネージャから [オーディエンス] → [類似オーディエンスを作成] を選択します。
1-9.オーディエンスは広めに設定する
初めてオーディエンスを作成する際には、設定を広めに取って配信母数を増やしましょう。範囲は狭いほどアクションの確度も高くなりますが、コンバージョンにつながる可能性がある潜在客を取りこぼす可能性もあります。
広告配信後にパフォーマンスの悪いターゲット層が明白になってから、少しずつターゲットを絞っていくのが効果的です。
2.Facebook広告を効率的に運用するための予算
商品やサービス、業態によっても適切な予算は異なりますが、初めは最低予算1日1,000円以上、月間3万円前後から運用して、配信結果を見ながら調整していくといいでしょう。
ただし、商品単価が高い場合は競合の予算も高くなり、オークションに勝てない可能性も高くなるので、1日1万円前後から運用を開始してみてください。
なお、予算を考える際には、予算の設定方法や設定期間を考慮することも大切です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1.キャンペーン予算
キャンペーン全体の予算を設定する方法です。各広告セットに最適な予算が配分されるように、リアルタイムで予算比率が変わります。
広告セットごとに予算管理する必要がないため、設定を簡略化できるのが特徴です。広告運用当初は、キャンペーン予算を設定して全体的に管理した方がいいでしょう。
2-2.広告セット予算
広告セット内の予算を細かく設定できる方法です。入札戦略を複数組み合わせているときや、各広告セットのオーディエンスサイズに幅がある場合などに適しています。
運用に慣れてきたら、キャンペーン予算から広告セット予算に移行してみましょう。
2-3.予算の設定期間
予算の割り当ては、「1日の予算」と「通算予算」から選択できます。
1日の予算とは:
1日あたりに消化したい平均金額のこと。各日の予算上限ではないので注意が必要。
通算予算とは:
掲載期間全体で消化する予算の合計額。平均額ではなく、掲載期間全体の予算上限。予算が限られているときや、日によって予算を変えたいときなどに適している設定方法。
3.まとめ
今回の内容をまとめると、以下になります。
- Facebook広告の運用には正しいアカウント構成を意識することが大切である
- オーディエンスは複数作成する
- クリエイティブは定期的に更新する
Facebook広告はフォーマットの種類も多く、オーディエンスの設定も複雑ですが、押さえておくべきポイントを理解しておけば、効率的に運用できます。予算の設定方法も確認して、費用対効果の高い広告配信を実現させましょう。
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