【Q&A形式で解説】電話番号表示オプションの最適な設定方法と活用法
電話番号表示オプションとは、リスティング広告にクリックできる電話番号を表示するオプションのことです。
ユーザーはリスティング広告を見て、すぐに問い合わせができるため、緊急性の高い商材をはじめ、問い合わせが売り上げに直結するビジネスに向いています。
しかし、「電話番号表示オプションって必要？」や「設定手順が分からない」と後回しにしている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、電話番号表示オプションの特徴やメリット・デメリット、設定方法などを広告担当者がQ&A形式で解説します。
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目次
１．Q１：そもそも電話番号表示オプションとは？
A：電話番号表示オプションとは、Google 広告のオプションの一つで、リスティング広告下にクリック可能な電話番号を表示する機能のこと。
Yahoo!広告では「電話番号オプション」と呼ばれています。ユーザーは電話番号をタップすると、通話できる仕組みです。
上記画像の赤枠部分は、スマートフォンで表示した際の電話番号表示オプションです。
ユーザーは見出しをクリックして、オフィシャルサイトで詳細を確認したのち、電話番号をタップして発信ができます。
もしくは、見出しと説明文だけを見て電話をかけるパターンもあるでしょう。
参考記事
２．Q２：電話番号表示オプションを設定すると、どのようなメリットがある？
A：電話番号表示オプションを設定する一番のメリットは、コンバージョン率の向上を見込める点。
広告内に電話番号が表示されると、ユーザーはオフィシャルサイトへの訪問や問い合わせフォームへの送信をすることなく、企業にすぐ電話をかけられます。
リスティング広告の運用目的が、問い合わせ数の増加ならば、電話番号表示オプションは有効でしょう。
なぜなら、リスティング広告内に電話番号というCTAボタンを設置できるからです。
そのほかにも、広告の占有率が増加してクリック率の向上が見込め、顧客の悩みに迅速に対応できるため顧客体験の向上に期待できます。
３．Q３：電話番号表示オプションにデメリットはある？
A：電話番号表示オプションに大きなデメリットはありません。
設定自体は無料で行え、費用が発生するのは電話番号がクリックされたときのみです。あえてデメリットを挙げるとするならば、必ず電話番号が表示される保証はありません。
電話番号表示オプションに限らず、広告表示オプションの掲載有無は機械学習によって決まります。
検索語句やユーザーの位置、端末、検索履歴などの要因を分析し、ユーザーの役に立つと判断した場合にのみ表示される仕組みです。
電話番号を表示するためにも、見出しと説明文の作成に注力して、広告ランクを高める必要があります。
また、数は多くありませんが誤タップによる電話発信やいたずら電話のリスクも考えられます。
４．Q４：電話番号表示オプションと相性が良い商材は？
A：緊急性の高い商材との相性が良い傾向。
具体的には、鍵の紛失サービスや水道修理、雨漏り対応などの検討時間が限られた商材です。
ユーザーはすぐに悩みを解決したいため、検索結果の上部に電話番号表示オプションを掲載することで、ユーザーにクリックしてもらえる可能性が高まります。
緊急性の高い商材は機能やサービスで競合他社と差別化しにくいため、いかにリスティング広告で集客できるかが事業成功の鍵となるでしょう。
また、飲食店も電話番号表示オプションと相性が良い傾向です。
例えば、仕事終わりに同僚と食事をする場合、多くの方は近くのレストランを検索し、電話をかけて席が空いているかどうかの確認をするでしょう。
電話番号表示オプションを設定すれば、ユーザーは円滑に問い合わせできます。
ここまでをまとめると、電話番号表示オプションは商材の品質や特徴で差をつけるのが難しいBtoC商材との相性が良い傾向です。
修理系や引っ越しサービス・飲食店・不動産・英会話・保険などは電話番号表示オプションを設定し、利便性や集客性で差別化を図りましょう。
５．Q５：電話番号表示オプションが向いていない企業は？
A：高額商品をはじめとする消費者がじっくりと検討する商材は、電話番号表示オプションには向いていません。
しかし、電話で資料の問い合わせのような訴求はできます。
ユーザーの検討段階が長い商材を取り扱う場合、サイトリンク表示オプションで事例ページや料金ページ、問い合わせフォームなどを設定し、Webサイトへの遷移を促すのがよいでしょう。
６．Q６：電話キャンペーンとの違いは？
A：電話キャンペーンとは、電話による問い合わせ数増加を目的にしたリスティング広告キャンペーン。
上記画像のように、電話マークと共に「○○に電話」という見出しが作成されます。
ユーザーは見出しをクリックすると、すぐに電話できる仕組みです。
電話番号表示オプションと電話キャンペーンの違いは、見出しの情報量にあります。
電話番号キャンペーンでは、3つの見出しのうち1つが電話番号に使われるため、2つの見出しでしか商材の訴求ができません。
表示内容によっては、電話番号と簡単な説明文のみしか配信されない可能性もあります。
一方、電話番号表示オプションは、見出しと説明文で丁寧に商材の魅力を訴求しながら、電話番号の表示もできるのです。
ただし、電話番号が確実に表示されるわけではありません。
確実に電話番号を表示したい場合は電話キャンペーン、そうでない場合は電話番号表示オプションがよいでしょう。
６-１．どちらのほうが成果を見込める？
結論から申し上げると、電話キャンペーンよりも電話広告表示オプションのほうが高い成果を見込めるかもしれません。
Google 広告の運用に12年以上携わり、SUZUKIやSwisseなどのGoogle 広告運用を手掛けた経験のあるAaron Young氏の調査による電話番号表示オプションと電話キャンペーンの成果は以下の通りです。
| 項目 | 電話番号表示オプション | 電話キャンペーン |
|---|---|---|
| クリック数 | 1,452 | 209 |
| クリック率 | 7.31％ | 5.73％ |
| 平均クリック単価 | 3.52ドル | 5.91ドル |
| コンバージョン数 | 237 | 79 |
| 電話回数 | 242 | 114 |
電話番号表示オプションのほうが高い成果を見込める理由としては、見出しや説明文、他の広告表示オプションなどで商材の魅力を十分に訴求できることが考えられます。
７．Q７：電話番号表示オプションの設定手順は？
A：電話番号表示オプションについての理解を深めたところで、Google 広告とYahoo!広告での設定手順を見ていきましょう。
まずは基礎知識として、アカウント構造について解説します。
| アカウント | |||
| キャンペーン | キャンペーン | ||
| 広告グループ | 広告グループ | 広告グループ | 広告グループ |
| キーワード 広告文 | キーワード 広告文 | キーワード 広告文 | キーワード 広告文 |
リスティング広告のアカウント構造は上記表のとおり、上からアカウント＞キャンペーン＞広告グループの並びになっています。
アカウント単位で電話番号表示オプションを設定すると、アカウント内にあるすべての広告グループに設定が反映されるのが特徴です。
一方、広告グループ単位で設定すれば、特定の広告にのみ電話番号表示オプションを設定できます。
例えば、2つの事業を展開している場合は、キャンペーン単位で電話番号表示オプションを設定するとよいでしょう。
このアカウント構造を意識して、電話番号表示オプションを設定してみてください。
７-１．Google 広告での設定手順
Google 広告では下記手順で電話番号表示オプションを設定します。
１．広告管理画面にログイン
２． [広告とアセット] > [アセット] > [+] の順にクリック
３． [電話番号] を選択
４． [アカウント] ・ [キャンペーン] ・ [広告グループ] から追加先を選択
５．新しい電話番号を登録する場合は [新規作成] 、以前の電話番号を登録する際は [既存のものを使用] を選択
６．通話レポート、コンバージョンのカウントをオンにする
７-２．Yahoo!広告での設定手順
Yahoo!広告の電話番号オプションは下記手順で設定します。
１．広告管理ツールにログイン
２． [広告表示オプション] > [広告表示オプション作成] > [電話番号補足オプション] の順にクリック
３．電話番号や表示する日時などを入力
４． [作成] ボタンを押して完了
なお作成した電話番号表示オプションを広告へ表示するためには、キャンペーンまたは広告グループへの関連付けが必要となります。
関連付けについては「Yahoo!広告のオフィシャルサイト」を参考にしてみてください。
参考：広告表示オプションの作成（電話番号オプション）｜Yahoo!広告ヘルプ
８．Q８：電話番号が表示されない場合は、どうすればいい？
A：電話番号表示オプションを設定したにもかかわらず、電話番号が表示されない原因として、未確認の電話番号もしくは使用できない電話番号の登録が考えられる。
Googleが電話番号を確認できるよう、以下の対処法を実施してみてください。
- サイトに電話番号を記載する
- Google Search Console と Google 広告のアカウントを連携させる
- コンバージョントラッキングタグもしくはリマーケティングタグをWebサイトに設置する
詳しくは、下記のGoogle オフィシャルサイトより要件をご確認ください。
９．Q９：通話レポートってなに？
A：通話レポートとは、転送電話番号の表示回数や電話件数などの通話に関する広告パフォーマンスをまとめたレポート。
リスティング広告で発生した通話データを分析できるため、リスティング広告の運用やマーケティング、コールセンター業務などの改善へとつなげられます。
例えば、通話時間が90秒を超えるとコンバージョン率が高まると判明したら、このインサイトを営業やコールセンターなどと共有しましょう。
もしくは電話をかける確度の高い顧客が集まる地域が分かれば、その地域への入札額を増やすとよいでしょう。
このように通話レポートを分析すれば、さまざまなインサイトを発見できます。
１０．Q１０：電話番号表示オプションのおすすめの使い方は？
A：電話番号表示オプションは、住所表示オプションと併せて使うのがおすすめ。
住所表示オプションとは、リスティング広告の下に店舗住所を表示するオプション。
電話番号表示と住所表示オプションの組み合わせにより、特定の店舗住所と営業時間、それに関連した電話番号の表示ができるのです。
つまり、よりパーソナライズ化した広告を提供できるため、クリック率やコンバージョン率の向上を見込めます。
１１．まとめ
電話番号表示オプションを設定すれば、リスティング広告に電話番号を表示できるため、コンバージョン率の増加を見込めます。
特に緊急性の高い商材や飲食店、スペックで差別化できない商材を取り扱う場合は、電話番号表示オプションを設定しておくのがおすすめです。
ぜひ本記事を参考に、電話番号表示オプションを設定いただければと思います。
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