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「ユーザーインテント」とは?検索意図を“深く”読み解くヒント

この記事は3分で読むことができます

「ユーザーインテント」とは、Googleが公式文書で使用している用語であり、日本語訳では「検索意図」がよく使われます。

「ユーザーが検索するときの、意図のことでしょう?」と安易に解釈しがちですが、じつは奥深い概念です。

あらためて理解しておくと、リスティング出稿時はもちろん、商品・サービスの開発など、マーケティング全般に効いてきます。

“目に見えない、顧客の心を読み解くこと”に、つながるからです。

この記事では、そんな「ユーザーインテント」にフォーカスします。

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ユーザーインテント(検索意図)とは何か

まず、Googleによる定義から紐解いていきましょう。

Googleによる定義

Googleが公開している内部文書に、『検索品質評価ガイドライン』があります。

Googleの検索品質の評価を担う外部スタッフ向けの資料(英語版のみ)です。その中でユーザーインテントは、以下のとおり定義されています。

User Intent : When a person types or speaks a query, he or she is trying to accomplish something. We refer to this goal as the user intent.

〔訳〕
ユーザーインテント:人がクエリを入力したり話したりするとき、その人は何かを達成しようとしている。その目標のことを、ユーザーインテントという。

出所:Google『検索品質評価ガイドライン(Search quality evaluator guidelines, July 28, 2022)』p.74 ※筆者訳

 

補足として、上記文中に出てくる「クエリ」は、ユーザーが検索窓に入力するテキストや、音声検索でデバイスに向かって話す言葉を指しています。

検索ユーザーは達成したいタスクを持っている

ここで重要なのは、
「人はなぜ、インターネットを検索するのか?」
という問いです。

答えは、「何らかの、達成したいタスクを持っているから」です。

1ステップで完了するシンプルなタスクもあれば、多くのフローを必要とする複雑なタスクもあります。

ユーザーが検索行動を通して、何を達成したいのか、それが「ユーザーインテント」です。

ユーザーインv

検索品質評価ガイドラインでは、ユーザーインテントを理解しやすくする手助けとして、4つの基本パターンが紹介されています。

12.7 Understanding User Intent

It can be helpful to think of queries as having one or more of the following intents.

Know query, some of which are Know Simple queries
Do query, when the user is trying to accomplish a goal or engage in an activity
Website query, when the user is looking for a specific website or webpage
Visit-in-person query, some of which are looking for a specific business or organization, some of which are looking for a category of businesses

〔訳〕
12.7 ユーザーインテントの理解
クエリには、次のようなインテントがあると考えると便利です。

    • Know クエリ:そのうちのいくつかは Know Simple(シンプルに知る)クエリです。
        Doクエリ:ユーザーが目標を達成するため、または何らかの活動に参加するためのクエリ。

Websiteクエリ:ユーザーが特定のWebサイトまたはWebページを探している場合。
Visit-in-person クエリ:特定のビジネスや組織を探している場合と、ビジネスのカテゴリを探している場合があります。

出所:Google『検索品質評価ガイドライン(Search quality evaluator guidelines, July 28, 2022)』p.78※筆者訳

ちなみに、上記に対して「自分が知っているのとは違う」と感じた方もいるかもしれません。

一般的には「Go・Do・Buy・Knowクエリ」の区分が有名です。

検索品質評価ガイドラインは1〜2年に1回のペースで改訂されており、上記は「2022年7月28日版」からの引用となります。

「現代の検索ユーザーの実態に合うユーザーインテント」と捉えることもできますので、お役立てください。

ユーザーインテントを深掘りする2つの方法

続いて、ユーザーインテントを深掘りする方法を見ていきましょう。

よく知られているのは、サジェストワードや関連キーワードから推測する手法です。

ここでは、「ライバルと差を付けたい」という方のために、別のアプローチを2つ、ご紹介します。

  • 他の人はこちらも質問
  • 他の人はこちらも検索

それぞれ解説します。

1. 他の人はこちらも質問

「他の人はこちらも質問(PAA:People Also Ask)」は、検索クエリに関連したダイレクトな質問文を表示する、Googleの機能です。

たとえば、ユーザーが[コーヒー]と検索したとします。

このユーザーは、「コーヒーとは何か?」を知りたいのでしょうか。あるいは、コーヒーを飲みたいのか、コーヒー豆を買いたいのか——、さまざまなユーザーインテントが想定されます。

そこで役立つのが、「他の人はこちらも質問」をチェックすることです。

「他の人はこちらも質問」は、検索結果ページの途中に表示されます。

[コーヒー]の例では、以下のテキストが表示されました。

  • コーヒーは1日何杯まで飲んでいいのか?
  • コーヒーを飲みすぎるとどうなるのか?
  • コーヒーは何に効くか?
  • コーヒーはいつ飲むのが効果的?

頭の中で考えるだけでは気づかない、新しい発見を得られるでしょう。

2. 他の人はこちらも検索

2つめの「他の人はこちらも検索(PASF:People Also Search For)」 は、出現させるのに少々テクニックが必要です。

「検索結果ページのURLをクリックしたけれど、満足できなかったユーザー」の手助けをする機能となります。

具体的な挙動としては、ユーザーが検索結果ページのURLをクリックした後、すぐに検索結果ページに戻ってくると、「他の人はこちらも検索」ボックスが出現します。

満足できなかったユーザーが、語句を追加して再検索するのをサポートする機能ですから、これ自体が「深掘り語句」の宝庫となっています。

「他の人はこちらも検索」で検索した語句を、さらに「他の人はこちらも検索」して……という具合に繰り返していくと、非常に深いユーザー心理にたどり着くこともあり、おすすめしたい手法です。

Googleのテクノロジーとデータベースをマーケティングに活用する

本記事でご紹介したことは、リスティング広告やSEO対策はもちろん、マーケティング戦略全般に活用できる概念です。

マーケターの仕事とは?

そもそもマーケターの仕事とは何か?といえば、ひとつの答えは「目に見えないものを見ること」ではないでしょうか。

  • 表出している事象の「その先」を見つめる
  • ユーザーが「本当に望んでいること」に照準を合わせる
  • 自分たちの持つ智恵・技術・センスを最大化して「価値」を創り上げる

「ユーザーインテント」へ思いを巡らせることは、すなわち、マーケティングの仕事の原点である、といえます。

すばらしいツールでもあるGoogle

見えないものを見ようとするとき、Googleはすばらしいツールでもあります。

とくに、2019年に発表された『BERT』は、ユーザーインテントを理解するプロセスを、飛躍的に進化させました。

▼ BERTとは?
Bidirectional Encoder Representations from Transformers(BERT)は、Google が使用する AI システムであり、単語の組み合わせによって多様な意味や意図がどのように表現されるかを理解できるようにするものです。

出所:Google Developers「Google 検索ランキング システムのご紹介」

私たちは、Googleの検索結果ページや提供される機能を通じて、Googleのテクノロジーに触れることができます。

しかもGoogleは、検索エンジンの世界シェア90%以上を誇り、圧倒的なデータベースも保有している点も、見逃せません。

出所:Search Engine Market Share Worldwide

Googleから得られるユーザーインテントの洞察を、マーケティング活動にも活かしていきましょう。

まとめ

本記事では「ユーザーインテント」を取り上げました。

「相手が、本当に達成したいタスク(課題、望み、ゴール、etc.)は何か?」
と考える習慣は、あらゆるシーンで大切にしたいものです。

よりよい成果や顧客からの支持はもちろんのこと、人間関係、ひいては人生まで、「インテント」を正しく解そうと真摯に向き合う試みが、事態を好転させてくれるように思います。

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本記事の著者

アドフレックス編集部

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