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「路上の伝説・朝倉未来」にケンカを売るためジムに入会したオッサンは、なぜ柔術の虜になったのか

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「きっかけは、朝倉未来くんのYouTubeでした」

トライフォース赤坂の会員である、とあるオジサンが語り始めた。

朝倉未来――総合格闘家でありながらもトップユーチューバー、さらには実業家の顔を持つ男。十代の頃はケンカに明け暮れ、いつしか「路上の伝説」と呼ばれるようになった。

「僕は空手の経験があるので、腕試しも兼ねて『朝倉未来に挑戦状を叩きつけてやろう』と思ったんですよ。五十歳過ぎのオッサンですが笑」

蹴り合いならば誰にも負けない、と自負するオジサンは、路上の伝説と一戦を交えるべく、トライフォース赤坂の門を叩いたのである。

入会後、さっそくプロの練習へ参加しようとしたところ、インストラクターから

「怪我をするから、やめておきましょう」

となだめられたのだそう。

それもそのはず。オジサン同様の意気込みで、いったい何人の挑戦者が散っていったことか。どれほど空手やキックボクシングの経験が豊富でも、総合格闘技のプロ相手に一泡吹かせられるほど甘い世界ではない。

だが、心のどこかで「やってやれないはずはない!」と思っていたオジサンは、とりあえず、アマチュア選手に混じって総合格闘技の練習を始めることにした。

誰がどう見ても「無謀な挑戦」であるにもかかわらず、なぜこのように往生際が悪いのかというと、実はちょっとした理由があるのだ。

それは彼が若かりし頃、空手の全国大会でベスト4に入ったり、プロのキックボクサーに蹴り方の指導をしたりと、立ち技にかなりの自信があったからなのだ。

そんな空手のキャリアのおかげで、

「ストリートファイトあがりの兄ちゃんに、負けるはずがない!」

という、妙なプライドに火がついたらしい。

ところが、総合格闘技の練習を始めて間もなく、彼は心の底からこう思ったのだそう。

僕がいま生きているのは、あのとき止めてくれたインストラクターさんのおかげです

遠い目をしながら、感謝を述べるオジサン。

そう、アマチュア選手どころか、小柄な一般会員にもコテンパンにされる始末で、まったくもって歯が立たなかったのだ。当たり前といえば当たり前だが、空手の技術でどうにかなると信じていたのだから仕方ない。

その中でも「寝技」で圧倒されることに、ある種の衝撃を受けたのだそう。

スパーリングが始まると、オジサンは一瞬にしてタックルで倒され、馬乗りになった男子にボコボコにされるのだ。

自慢の「蹴り」を披露する間もなく、マウントポジション地獄から抜け出せずに、もがき苦しむアラフィフ。――想像するだけでツライものがある。

朝倉未来の主戦場である総合格闘技は、パンチやキックなどの立ち技に加えて、寝技や関節技を含むオールラウンドの競技である。そのため、立ち技に関しては空手も通用するが、寝技の対応ができなければ「終了」となる。

そして寝技といえばブラジリアン柔術。つまり、総合格闘技の選手たちは、寝技の強化として柔術の練習を取り入れているのだ。

――こうしてオジサンは、「ブラジリアン柔術」の世界へ足を踏み入れることとなった。

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トライフォース赤坂のもう一つの「顔」

朝倉兄弟の所属ジムといえば、トライフォース赤坂である。よって、トライフォース赤坂は総合格闘技のジム、という認識が一般的だろう。

ところがトライフォース赤坂は、ブラジリアン柔術の道場として有名なのだ。

国内外におよそ40か所の支部を持つ「トライフォース柔術アカデミー」の一つとして、トライフォース赤坂は存在する。そのため、柔術に関する充実したカリキュラムと、指導レベルの高さがウリなのだ。

柔術は格闘技の一種で、寝技と関節技のみで戦う競技である。かつては「護身術」として知られていたが、実際には道衣を着用し、マットの上で相手と組み合って勝敗を競う。

とはいえ、打撃系の格闘技と比べてかなり安全性は高い。そのため、未就学児から70歳を超えるシニアまで、幅広い年齢層が取り組める競技といえる。

――話をオジサンに戻そう。

空手ひと筋30年。空手バカのプライドを見事ズタズタにしてくれた、憎き寝技。こうなったら、何が何でも寝技を身につけてやる!と、オジサンは躍起になって柔術の練習に励んだ。

ある時は、ひ弱な女子のストレートアームロックで腕が折れそうになったり、またある時は、自分の息子くらいの男子にトライアングルチョークで首を絞められたりと、散々な思いをしながらも毎日練習に通った。

そしていつしか、オジサンは柔術にハマっていた。練習すればするほど、寝技の奥深さにどっぷりと浸かっていったのだ。

そういえば、柔術は「マット上のチェス」という異名を持つ。それ故に、理論派のオジサンにとってはドンピシャの競技だったのかもしれない。

さらに気付けば2年が過ぎており、もはや「朝倉未来への挑戦状」の話は跡形もなく消えていた。

「今はもう、柔術しか見えていませんね」

空手の情熱はどこへやら。だが何はともあれ、朝倉未来のおかげで五十歳にして「生涯の趣味」と出会えたわけだ。

「ちなみにさっき、僕の横で顔洗って着替えてましたよ、未来くん」

路上の伝説への無謀な腕試しは叶わなかったが、伝説の隣りに立つことは叶った、といったところか。

入会当時は「自慢の蹴りを見舞ってやろう」などと息巻いていたのに、今となってはずいぶんと丸くなったものである。

きっかけは何であれ・・・

実際のところ、朝倉兄弟のYouTubeを通じてトライフォース赤坂を知った、という会員は多い。

ある女性会員は、

「格闘技のジムを探していて、未来さんや海さんのYouTubeを見てここにしました」

と言っていた。

つまり、どうせ通うなら朝倉兄弟のいるジムにしよう、という程度の理由らしい。しかしながら、彼らと一緒に練習ができる機会はほぼ皆無である。そもそもプロはプロ同士で練習するため、一般会員と組むことはない。

偶然、彼らの練習風景を見かけることはあれど、指導を受けることもスパーリングをすることもないのだから。

それにもかかわらず、なぜ彼ら彼女らはジムを辞めないのか――。

理由は単純だ。前出のオジサン同様に、柔術やキックボクシングにハマっていくからである。

とくに、運動経験ゼロの人や格闘技初心者に多い傾向で、素人にも無理のないカリキュラムと指導が奏功しているのだろう。

さらにオジサンいわく、

「男女問わず、世代を超えて深い交流ができる。これはある種の財産ですよ」

とのこと。

「格闘技には怪我がつきもの。そんなリスクを乗り越えて、密度の濃い仲間が増えていくことは、たとえば草野球チームのそれとは比較にならない…と感じています」

なるほど、この言葉には説得力がある。直に相手に触れる競技だからこそ、相手を思いやる気持ちが生まれる。そして、大汗をかきながら誰かと組みあうことで、目に見えない一体感が生まれるのだ。

きっかけは何であれ、寝技や立ち技にハマる人は、そもそも本質的に格闘技が好きなのだろう。

そのため、彼ら彼女らの視線の先はお目当ての朝倉兄弟から、自分自身の成長へと変わっていくのである。

「未来くんのおかげで柔術と出会えて、僕の人生は変わりました。五十代の生き方の手本となれるよう、これからも精進します!」

そう高らかに宣言するオジサンだが、最初は「朝倉未来」という派手な広告に引っ掛かり、さらには大きな勘違いまでして、まさに地獄へ叩きつけられる思いをしたわけだ。

ところがなぜか、人生が変わるほどの大どんでん返しに至ったわけで、皮肉ではあるが素晴らしい結果を手に入れたことになる。

そしてこのサクセスストーリーの裏には、トライフォース赤坂の充実したコンテンツの存在があることを無視できない。

世の中には、豪華な広告に対して驚くほど薄っぺらい商品を販売する企業もある。だが、そんなせこいやり方はナンセンスだと気付くべし。

どうせ派手な広告を出すならば、名実一体であることが条件となるわけで、この辺りは「路上の伝説」を見習うといいだろう。

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