Web広告はどう変わっていくか?新規顧客の獲得を目指す企業が知っておくべきこと
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目次
「最近、広告の効果が落ちている」
「新規獲得単価が、上がってしまった」
そんなお悩みを抱えている場合、自社の施策改善に取り組む前に、マクロな視点から広告を捉えておくことが、役立つかもしれません。
その理由は、広告効果が低下しやすい環境変化が見受けられるからです。
この記事では、広告(とくにWeb広告)の動向を踏まえたうえで、私たちがどう対峙していくべきか、考えていきたいと思います。
広告業界に起きている変化
まず、具体的にどんな変化が起きているのか、データや報道から紐解いてみましょう。
広告市場は伸長を続けてきたけれど…
総務省「令和4年版情報通信白書」では、以下のとおり解説されています。
世界の広告市場をみると、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機としたデジタル化の浸透により、2021年にはデジタル広告が39兆396億円(前年比 32.7%増)となり、広告市場全体の成長を大幅に牽引している(図表3-3-2-7)。
日本のデジタル広告市場も大幅に成長しており、2021年にはインターネット広告(2兆 7,052億円)がマスコミ4媒体*9 広告(2兆4,538億円)を初めて上回った(図表3-3-2-8)。
*9:テレビ、新聞、雑誌、ラジオ。
*11:2019年からは、日本の広告費に「物販系ECプラットフォーム広告費」と「イベント領域」を追加、広告市場の推定を行っている。2018年以前の遡及修正は行っていない。
*12:日本の広告費
〈日本のデジタル広告市場も大幅に成長しており、……〉と、伸長中の論調で説かれています。
ただ、今後も大きな成長が続くと捉えるのは、少々危険といえます。
2010年代後半より、広告市場の成長や広告効果に陰りが見え始めた一面があるためです。
2020年前後に目立った広告にネガティブな話題
具体例として、最近(2020年前後)の米国の報道から、広告にネガティブな話題をピックアップしてみます。
2018年1月:CNBC
「Procter & Gamble saves $750 million on advertising and cuts agencies by 50 percent」
(P&G社、広告費を7億5,000万ドル削減、広告代理店を50%カット)
2019年10月:ニューヨーク・タイムズ
「The Advertising Industry Has a Problem: People Hate Ads」
(広告業界は問題を抱えている:人々は広告を忌み嫌う)
2022年10月:CNBC
「Facebook and Google face skeptics on Wall Street this week amid digital ads collapse」
(FacebookとGoogleはデジタル広告の低迷により、今週ウォール街で懐疑論に直面)
広告のなかでも、Meta (旧称Facebook社)や、Alphabet(Googleの親会社)などが手がける、デジタル広告(Web広告)の低迷が指摘されています。
Web広告を取り巻く環境の変化
Web広告を取り巻く環境の変化として、次の3つのポイントが挙げられるでしょう。
- 競争の激化:
Web広告市場の急成長とともに、広告主が増え、ユーザーを多くの広告主が獲り合う環境となった。結果として、広告主にとっては新規顧客コスト増大の負荷が大きくなっている。- ユーザーの広告に対する態度の変化:
大量の広告投下が広告疲れを引き起こし、ユーザーは広告を忌み嫌うようになった。広告ブロッカーの利用や広告なしプランの購入など、物理的に広告を遠ざけるユーザーが増えている。- 広告よりも信用される情報の出現:
インターネットの発達により、ほかのユーザーの意見や評価を容易に入手できるようになった。ユーザーは、企業の広告よりも、ほかのユーザーの口コミやレビューを信用する傾向にある。
参考情報として、消費者庁の「近年の広告市場の動きについて」によれば、消費者が受け取る情報量が〈10年で約531倍〉と指摘されています。

広告主として、Web広告の活用を検討するうえでは、こういった背景を踏まえたうえでの戦略が重要となります。
これからのマーケティング戦略で重視したい3つの視点
では、具体的にどんなポイントを重視すべきかといえば、3つの視点があります。
- パーソナライゼーション
- 適切で一貫したオンラインコンテンツ
- カスタマーロイヤルティ
それぞれ見ていきましょう。
パーソナライゼーション
パーソナライゼーションとは:
製品、広告、コミュニケーションなどを、一人ひとりのユーザーに合わせて最適化すること。
広告が忌み嫌われる現代だからこそ、ユーザーの好み、興味関心、ニーズ、個性に基づいて、ユーザーにとって価値のある情報を届ける必要性が増しています。
一方、パーソナライゼーションと聞くと、
「有料の専用マーケティングツールを導入しないと、実施できないのでは?」
と思われる方が多いようです。
じつは、パーソナライゼーションを実現できる広告が、ごく身近にあります。
それは「リスティング広告」です。
検索エンジンのリスティング広告は、検索クエリや閲覧履歴など個々のユーザーに合わせて最適化されることが多いため、パーソナライゼーションの一形態と考えることができます。
まずは、自社のリスティング広告に磨きをかけることが、パーソナライゼーション力を鍛えるために有効です。
適切で一貫したオンラインコンテンツ
次に、オンライン上のあらゆるコンテンツに心を配る姿勢が、不可欠となります。
近年では「コンテンツマーケティング」と呼ばれる分野が台頭しています。
ユーザーの役に立つコンテンツを媒体として、ユーザーとの良好な関係構築を目指す手法です。
オウンドメディアやブログ、ホワイトペーパーなど、すでに取り組んでいる方も多いでしょう。
次の一歩として意識したいのが、自社制作のコンテンツアセットのみならず、ユーザー生成コンテンツ(UGC)まで、一貫したコンテンツをネット上に構築する試みです。
ユーザーが、広告よりも口コミやレビューを信用する現在、それらを放置しながら効果的な広告施策は、実現できません。
カスタマーロイヤルティ
最後に、3つめの視点が「カスタマーロイヤルティ」です。
直訳すれば「顧客の忠誠心」となりますが、顧客が企業やブランドに対して抱く、特別な愛着や信頼の感情を指します。
カスタマーロイヤルティは、顧客維持率に直結する指標です。
新規顧客の獲得が難しくなっていく時代だからこそ、カスタマーロイヤルティを大切にして、既存顧客と長く建設的な関係を築いていくことが、重要です。
カスタマーロイヤルティは、さまざまな要因から醸成されますが、たとえば以下が挙げられます。
- その企業・ブランドの価値観が、自分と共鳴すると感じること
- 商品・サービスの品質に、高く満足すること
- その企業・ブランドが、自分のことをよく理解してくれていると思うこと
- 誠実、正直で、信頼できる良心的な企業・ブランドだと感じること
まとめ
本記事では「これからのWeb広告」をテーマにお届けしました。
やるべきことは、一人ひとりのユーザーへの寄り添い、口コミ対策、共感性や愛着・信頼による絆づくりなど、ドライなデジタルツールとは、真逆のウェットさに回帰するともいえます。
もちろん、デジタルツールやデータ活用は必要ですが、人間の心の思いや思考、創造性で勝負が分かれるシーンも増えそうです。
人間力を高めながら、新しい時代のマーケティング活動に取り組んでいきたいと思います。
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アドフレックス編集部
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