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オーディエンスターゲティングで大切なこと — 従来手法では広告効果がでない時代

この記事は3分で読むことができます

広告運用の際には、かならず必要となる「オーディエンスターゲティング」。

広告を誰に届けるべきか?” を特定するプロセスのことですが、広告効果はオーディエンスターゲティング次第で決まるといっても、過言ではありません。

近年、注目したいのは、オーディエンスターゲティングのあり方が変わっていることです。背景には、Cookie規制やユーザー態度の変化などの要因があります。

この記事では、2023年現在の広告運用において何を重視すべきか、考えていきたいと思います。

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1.大きく変化する「ターゲティング」のあり方

端的にいえば、私たちが直面しているのは「従来のターゲティング手法の限界」です。

ポイントとして、4つ、挙げられます。

  1. 多様化
  2. ユーザー行動の複雑化
  3. Cookie規制をはじめとするプライバシー保護の強化
  4. パーソナライズド広告への意識変化

1-1.多様化

1つめのポイントは「多様化」です。

年齢・性別・学歴・収入……、といったデモグラフィック的な区分では、有益なグルーピングができなくなっています。

たとえば、「25歳・女性・都内在住・大卒・会社員」のAさんと、同じ属性のBさんとでは、関心や行動が大きく異なる場合がある、ということです。

デモグラフィックによるターゲティングではなく、より繊細でパーソナルなアプローチを検討する必要があります。

1-2.ユーザー行動の複雑化

2つめのポイントは「ユーザー行動の複雑化」です。

ユーザーの個性が多様化しているのみならず、行動パターンが複雑化していることも注目点です。

複数のデバイスの使用と、数多くのメディアやプラットフォームへの接触により、ユーザー行動のモデルケース作成が困難になっています。

行動が複雑化することは、別の視点から見れば、

ユーザーの興味関心や嗜好が、スピーディに移り変わること

でもあります。

行動の前後には、感情や心理的な変化を伴うことが多いためです。

1-3.Cookie規制をはじめとするプライバシー保護の強化

3つめのポイントは「Cookie規制をはじめとするプライバシー保護の強化」です。

ユーザー情報を従来のようにトラッキングできなくなっています。

Cookie(ユーザーのデバイスに保存され、ユーザー行動の追跡に使用されるテキストファイル)規制に代表されるように、プライバシー保護に対する意識が高まっているためです。

広告主としては、

「ユーザーの多様化や行動の複雑化によって、ターゲティングの難易度が上がっているにもかかわらず、利用できるデータは減っている

という難局です。

1-4.パーソナライズド広告への意識変化

4つめのポイントは「パーソナライズド広告への意識変化」です。

ここまでにお話した現状の打開策としてよくいわれるのが、ユーザー一人ひとりに合わせてメッセージを最適化する「パーソナライズ」です。

しかしながら、パーソナライズド広告に対して、嫌悪感を持つユーザーの存在にも、注意しなければなりません。

たとえば、

ミレニアル世代の66%は「的外れなパーソナライズド広告は非常に腹立たしい」と回答【サイトコア調査】(MarkeZine)

というレポートが出ています。

よかれと思って実施しているパーソナライズが、通常の広告以上に、ネガティブな影響を与えている可能性もあるのです。

2.2023年の現在地で重要な2つのこと

では、2023年の現在地で重要なことは、何でしょうか。

2つ、挙げられます。

  1. 顧客と対話する
  2. 新しいターゲティングの軸を考える

2-1.顧客と対話する

まず、「顧客と対話する」ことです。

顧客理解の重要性はもちろんですが、ただ調べて理解するだけでは、足りません。

顧客と話し、意見を聞き、フィードバックを交換することで見えてくる世界こそ、大切にしたいポイントです。

競合他社の多くが、テクニカル面を強化している現在です。だからこそ、アナログな「生身の声」を聞くことで、自社に強みが出るのではないでしょうか。

直接対話すると、数字とにらめっこしていても気づけなかった、とてつもないインサイトにたどり着くことが、本当によくあります。

2-2.新しいターゲティングの軸を考える

次に、「新しいターゲティングの軸を考える」ことです。

前述のとおり、デモグラフィックやトラッキングによるターゲティングには、限界があります。

新しいターゲティングの軸を考え、チャレンジすることが不可欠です。

続いて、具体的なアイデアをご紹介します。

3.オーディエンスターゲティングに有益な4つの軸

オーディエンスターゲティングに有益な4つの軸として、以下があります。

  1. UGC
  2. ファーストパーティデータ
  3. 検索クエリ
  4. フォロワー

3-1.UGC

1つめは「UGC」です。

UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)とは、ユーザーによる広告ではないオーガニックな投稿や動画のことです。

    ▼ UGCの例

  • SNSの投稿(Twitter、Instagram、TikTok、Facebookなど)
  • YouTube動画
  • カスタマーレビュー
  • ブログ記事

UGCは、「直接、ユーザーが発した言葉やメッセージ」という点に、大きな価値があります。

それが常に本音とは限りませんが、真実に近づく確実な手がかりとなるからです。

UGCに含まれる語句、ハッシュタグ、トピックによるターゲティングを、検討します。

3-2.ファーストパーティデータ

2つめは「ファーストパーティデータ」です。

ファーストパーティデータとは、企業・ブランドが、直接ユーザーから収集したデータを指します。

    ▼ ファーストパーティデータの例

  • アンケート調査によって収集した情報
  • 会員登録時の入力情報

Cookieによる情報収集が難しくなった分、ファーストパーティデータの重要性が増しています。

自社の顧客から収集するほか、「○○プレゼント応募キャンペーン」といったキャンペーンの応募要件としてアンケートを実施する手法があります。

3-3.検索クエリ

3つめは「検索クエリ」です。

検索クエリとは、Googleなどの検索エンジンでユーザーが入力した語句を指します。

検索クエリもまた、UGCと同様に、ユーザーが発した言葉という意味で真実です。

「その瞬間の思い」「いま抱えている悩みや課題」が反映された、インサイトの宝庫といえます。

検索クエリによってターゲティングするリスティング広告(検索広告)は、新しい手法ではありません。

しかし、現在の状況から鑑みれば、検索クエリほど確実にターゲティングできる軸はないともいえます。

あらためて、リスティング広告の価値を見直したいところです。

3-4.フォロワー

4つめは「フォロワー」です。

「誰をフォローしているか?」
「どんなアカウントをフォローしているか?」

という軸は、ユーザーの興味関心を捉える重要な手がかりとなります。

具体的なアプローチとしては、たとえば、Twitterにはフォロワーターゲティングの機能があります。

特定のアカウントのフォロワー(厳密には類似ユーザー)へ、広告配信が可能です。

参考:Twitter上でのフォロワーターゲティング

4.まとめ

本記事では「オーディエンスターゲティング」をテーマにお届けしました。

「最近、Web広告の効果が落ちた」

という声を聞く機会もありますが、ターゲティングのアップデートをするだけで打開できるケースは少なくありません。

本記事を、ターゲティングを見直すヒントとしていただければ幸いです。

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本記事の著者

アドフレックス編集部

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