オーディエンスターゲティングで大切なこと — 従来手法では広告効果がでない時代
広告運用の際には、かならず必要となる「オーディエンスターゲティング」。
“広告を誰に届けるべきか?” を特定するプロセスのことですが、広告効果はオーディエンスターゲティング次第で決まるといっても、過言ではありません。
近年、注目したいのは、オーディエンスターゲティングのあり方が変わっていることです。背景には、Cookie規制やユーザー態度の変化などの要因があります。
この記事では、2023年現在の広告運用において何を重視すべきか、考えていきたいと思います。
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目次
1.大きく変化する「ターゲティング」のあり方
端的にいえば、私たちが直面しているのは「従来のターゲティング手法の限界」です。
ポイントとして、4つ、挙げられます。
- 多様化
- ユーザー行動の複雑化
- Cookie規制をはじめとするプライバシー保護の強化
- パーソナライズド広告への意識変化
1-1.多様化
1つめのポイントは「多様化」です。
年齢・性別・学歴・収入……、といったデモグラフィック的な区分では、有益なグルーピングができなくなっています。
たとえば、「25歳・女性・都内在住・大卒・会社員」のAさんと、同じ属性のBさんとでは、関心や行動が大きく異なる場合がある、ということです。
デモグラフィックによるターゲティングではなく、より繊細でパーソナルなアプローチを検討する必要があります。
1-2.ユーザー行動の複雑化
2つめのポイントは「ユーザー行動の複雑化」です。
ユーザーの個性が多様化しているのみならず、行動パターンが複雑化していることも注目点です。
複数のデバイスの使用と、数多くのメディアやプラットフォームへの接触により、ユーザー行動のモデルケース作成が困難になっています。
行動が複雑化することは、別の視点から見れば、
「ユーザーの興味関心や嗜好が、スピーディに移り変わること」
でもあります。
行動の前後には、感情や心理的な変化を伴うことが多いためです。
1-3.Cookie規制をはじめとするプライバシー保護の強化
3つめのポイントは「Cookie規制をはじめとするプライバシー保護の強化」です。
ユーザー情報を従来のようにトラッキングできなくなっています。
Cookie(ユーザーのデバイスに保存され、ユーザー行動の追跡に使用されるテキストファイル)規制に代表されるように、プライバシー保護に対する意識が高まっているためです。
広告主としては、
「ユーザーの多様化や行動の複雑化によって、ターゲティングの難易度が上がっているにもかかわらず、利用できるデータは減っている」
という難局です。
1-4.パーソナライズド広告への意識変化
4つめのポイントは「パーソナライズド広告への意識変化」です。
ここまでにお話した現状の打開策としてよくいわれるのが、ユーザー一人ひとりに合わせてメッセージを最適化する「パーソナライズ」です。
しかしながら、パーソナライズド広告に対して、嫌悪感を持つユーザーの存在にも、注意しなければなりません。
たとえば、
「ミレニアル世代の66%は「的外れなパーソナライズド広告は非常に腹立たしい」と回答【サイトコア調査】(MarkeZine)」
というレポートが出ています。
よかれと思って実施しているパーソナライズが、通常の広告以上に、ネガティブな影響を与えている可能性もあるのです。
2.2023年の現在地で重要な2つのこと
では、2023年の現在地で重要なことは、何でしょうか。
2つ、挙げられます。
- 顧客と対話する
- 新しいターゲティングの軸を考える
2-1.顧客と対話する
まず、「顧客と対話する」ことです。
顧客理解の重要性はもちろんですが、ただ調べて理解するだけでは、足りません。
顧客と話し、意見を聞き、フィードバックを交換することで見えてくる世界こそ、大切にしたいポイントです。
競合他社の多くが、テクニカル面を強化している現在です。だからこそ、アナログな「生身の声」を聞くことで、自社に強みが出るのではないでしょうか。
直接対話すると、数字とにらめっこしていても気づけなかった、とてつもないインサイトにたどり着くことが、本当によくあります。
2-2.新しいターゲティングの軸を考える
次に、「新しいターゲティングの軸を考える」ことです。
前述のとおり、デモグラフィックやトラッキングによるターゲティングには、限界があります。
新しいターゲティングの軸を考え、チャレンジすることが不可欠です。
続いて、具体的なアイデアをご紹介します。
3.オーディエンスターゲティングに有益な4つの軸
オーディエンスターゲティングに有益な4つの軸として、以下があります。
- UGC
- ファーストパーティデータ
- 検索クエリ
- フォロワー
3-1.UGC
1つめは「UGC」です。
UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)とは、ユーザーによる広告ではないオーガニックな投稿や動画のことです。
▼ UGCの例
- SNSの投稿(Twitter、Instagram、TikTok、Facebookなど)
- YouTube動画
- カスタマーレビュー
- ブログ記事
UGCは、「直接、ユーザーが発した言葉やメッセージ」という点に、大きな価値があります。
それが常に本音とは限りませんが、真実に近づく確実な手がかりとなるからです。
UGCに含まれる語句、ハッシュタグ、トピックによるターゲティングを、検討します。
3-2.ファーストパーティデータ
2つめは「ファーストパーティデータ」です。
ファーストパーティデータとは、企業・ブランドが、直接ユーザーから収集したデータを指します。
▼ ファーストパーティデータの例
- アンケート調査によって収集した情報
- 会員登録時の入力情報
Cookieによる情報収集が難しくなった分、ファーストパーティデータの重要性が増しています。
自社の顧客から収集するほか、「○○プレゼント応募キャンペーン」といったキャンペーンの応募要件としてアンケートを実施する手法があります。
3-3.検索クエリ
3つめは「検索クエリ」です。
検索クエリとは、Googleなどの検索エンジンでユーザーが入力した語句を指します。
検索クエリもまた、UGCと同様に、ユーザーが発した言葉という意味で真実です。
「その瞬間の思い」「いま抱えている悩みや課題」が反映された、インサイトの宝庫といえます。
検索クエリによってターゲティングするリスティング広告(検索広告)は、新しい手法ではありません。
しかし、現在の状況から鑑みれば、検索クエリほど確実にターゲティングできる軸はないともいえます。
あらためて、リスティング広告の価値を見直したいところです。
3-4.フォロワー
4つめは「フォロワー」です。
「誰をフォローしているか?」
「どんなアカウントをフォローしているか?」
という軸は、ユーザーの興味関心を捉える重要な手がかりとなります。
具体的なアプローチとしては、たとえば、Twitterにはフォロワーターゲティングの機能があります。
特定のアカウントのフォロワー(厳密には類似ユーザー)へ、広告配信が可能です。
4.まとめ
本記事では「オーディエンスターゲティング」をテーマにお届けしました。
「最近、Web広告の効果が落ちた」
という声を聞く機会もありますが、ターゲティングのアップデートをするだけで打開できるケースは少なくありません。
本記事を、ターゲティングを見直すヒントとしていただければ幸いです。
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アドフレックス編集部
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