CDPとは?特徴や実践できること、選び方のポイントまで網羅的に解説!
ホームページやECサイト、スマホアプリ、実店舗などオンライン・オフライン問わず、今やさまざまな接点から見込み顧客が流入します。顧客情報の取り扱いも煩雑化し、別々のシステムやデータベースで管理することにより、サイロ化に直面している企業も少なくありません。
そこで注目を浴びているのが「CDP」です。
CDPとは、自社が持つ顧客一人ひとりの属性や行動データを収集・統合し、マーケティング分析に活用するプラットフォームのこと。サイロ化していた1st Partyデータの統合を容易にし、企業におけるさまざまなマーケティング活動の効率化に貢献します。
本記事では、CDPの概要から、導入が必要な理由、実践できることを詳しくご紹介します。また、記事後半ではCDPツール選びのポイントも解説しますので、導入を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
リスティング広告を世界標準のAIで改善させる
マーケティング活動で重要なリスティング広告。現状実績を改善し、さらに成果を伸ばすことに苦戦しているマーケティング担当者は多いです。弊社ではリスティングAIを活用した、まったく新しいご提案が可能です。
- リスティング広告のコンバージョン数を確実に改善させたい
- 人の手で実績を改善し続けるのが困難
- リスティング広告のプロフェッショナルに課題解決の相談をしたい
こちらから
目次
1.CDPとは
CDPとは「Customer Data Platform」の略であり、自社が蓄積した1st Partyデータなどを収集・統合し、分析するためのデータプラットフォームのこと。最大の特徴は、住所・氏名・メールアドレス・生年月日など、顧客個人の情報を収集できる点です。
ホームページやECサイト、スマホアプリなどオムニチャネル化が加速したことで、企業と顧客との接点は増えました。しかし、同時に取り扱う情報やデータも増え、その管理は容易ではありません。
CDPは、管理しづらい1st Partyデータを収集・統合するだけでなく、CRM、アドテクノロジーツールなど外部サービスと連携し、マーケティング施策に落とし込めます。
例えば、自社が保有する顧客の氏名・年齢・性別・購入履歴に加え、サイトへのアクセスログ、店舗へのチェックインなどの情報をすべて結びつけます。これにより、顧客情報の一元管理だけでなく、行動パターンの把握ができ、より詳細なマーケティング分析が可能。
使用するデバイスが増え、次々に登場する新たなサービスによって顧客ニーズも常に変動し、多様化しています。そのなかで、膨大なデータをマーケティング戦略に活用するためには、CDPのような個別のデータ収集・統合・分析のできるプラットフォームが必要不可欠です。
2.CDPの導入が必要な理由
CDPは、CRM・Web集客ツール・1st Partyデータなど部門の異なるさまざまなシステムと相互接続し、データの蓄積・統合・分析が可能です。
近年、企業は顧客のWebサイトへのアクセスログやオフラインの購買履歴、IoT製品から得られる情報など、さまざまなデジタルデータを収集できるようになりました。つまり、格段に顧客情報を活用したマーケティング戦略がしやすい時代に突入したわけです。
しかし、データを収集・分析、活用するためのDMP、CRMなど専用システムが登場したものの、部門や用途ごとに連携が取れず、必ずしも有用とは言えません。
特定個人に紐づいたデータを蓄積しても、連携が取れなければ意味がありませんよね。
CDPは、従来の課題であった異なるシステムへの相互接続を可能にし、データを収集・統合・分析できます。つまり、一元的なデータベースの役割を担うプラットフォームとして必要性が増しているわけです。
参考記事
3.CDPで実践できること
ここでは、CDPを導入することで実践できることを以下3つの観点からご紹介します。
- データの収集
- 蓄積・統合
- 分析
1つずつ見ていきましょう。
3-1.データの収集
CDPを導入することで、さまざまなシステムにまたがる顧客情報を効率良く収集できます。
具体的には、顧客の氏名・年齢・性別などの属性や嗜好、Webサイト上の問い合わせ・購入履歴などを収集することで、自社商品やサービスへの関心度を分析可能。さらに、Web上の顧客情報だけでなく、実店舗での購入履歴やアンケートの集計結果などを収集できるCDPもあります。
オンライン・オフラインを問わず、横断的な顧客情報をより多く収集できるのが、CDPの魅力です。複数のシステムにサイロ化していた情報を収集することで、マーケティング施策における踏み込んだ分析ができ、今後のアプローチを検討するうえでも役立ちます。
3-2.蓄積・統合
CDPは、複数のシステムから収集した顧客データを蓄積することはもちろん、顧客一人ひとりにIDを割り振り、氏名やメールアドレスなどの情報を統合できます。つまり、蓄積したデータや情報が別々に格納されるのではなく、顧客IDと紐づいて管理されるため、顧客ごとの情報として整理できます。
顧客データが蓄積すればするほど属性値や潜在ニーズが明確化し、自社商品やサービスに効果的なマーケティング施策につながるでしょう。
また、自社システムに特定の顧客情報が不足している場合でも、3rd Partyデータを活用して、推測データを補完するCDPもあります。自社の事情に適したCDPを導入することで、より戦略的なマーケティング施策が可能です。
3-3.分析
CDPは、顧客情報の収集・蓄積・統合だけでなく、分析も効率的に行えます。
例えば、顧客IDと紐づいたデータや情報には以下のようなものがあります。
- 顧客番号
- 年齢
- 性別
- 生年月日
- 住所
- 氏名
- 購買履歴
- Webサイトの閲覧履歴
- 問い合わせ履歴
- アンケートの集計結果など
これらの情報が顧客IDと統合化されているため、個人に対してピンポイントでより効率的な分析が可能です。年齢や性別、居住エリアが同じ属性であっても、必ずしも同一商品やサービスに関心が高いとは限りません。
CDPに蓄積した情報を活用することで、個人の属性値に加えて、Webサイトへの訪問履歴、ECサイトでの購入履歴を分析すれば、顧客の関心度が見えてきます。このようにCDPを導入すれば、異なるシステムのさまざまなデータと紐づけたうえで、ターゲット分析が可能です。
4.CDPとDMPの違い
DMPとは「Data Management Platform」の略であり、インターネット上のユーザー行動履歴や属性データなどを収集し管理できるプラットフォームのこと。
ユーザー情報を収集して分析するツールとしては、CDPと混同しやすいですが「取得できるデータの種類」などに明確な違いがあります。ここでは、DMPの種類である「プライベートDMP」「パブリックDMP」に分けて、CDPとの違いをご紹介します。
種類 | 収集データの違い | 活用する施策の違い |
---|---|---|
CDP |
|
|
プライベートDMP |
|
|
パブリックDMP |
|
|
4-1.プライベートDMP
プライベートDMPとは、自社データを活用するためのDMPであり、CDPのように以下の顧客情報を一元管理しています。
- 自社で蓄積した顧客情報
- ECサイトで収集した購買履歴
- CRMやコールセンターログ
- 広告配信データ
- 営業顧客リスト
- アンケートの集計結果
例えるならば、自社データや情報の保管庫のようなイメージです。パブリックDMPとは違い、自社に限定したデータを取り扱うのが特徴。保管庫に一元的に格納された自社データをより深く分析することで、CRM施策やLTVの向上などに役立ちます。
プライベートDMPとCDPは、ほぼ同義の意味で使われることも覚えておきましょう。
4-2.パブリックDMP
一方、パブリックDMPは「オープンDMP」とも呼ばれ、社内データを一元的に管理するプライベートDMPやCDPとは異なり、外部データを中心に管理しています。つまり、顧客個人を識別した情報は保管せず、取得できるデータは、3rd Partyデータと言われる匿名の顧客情報です。
パブリックDMPで保管できる情報には、以下のようなものがあります。
- 年齢
- 性別
- 他社サイトの閲覧履歴
- 検索エンジンの検索履歴
これらの情報を、Cookieやデバイス、IPアドレスなどの匿名情報から取得しています。
パブリックDMPは、外部情報を収集するため、CDPのように個人を識別できる情報を収集、保管することはできません。そのため膨大な外部情報を活用した新規顧客開拓や、広告運用をはじめとするWebマーケティング集客施策におすすめです。
ここまでの内容で、CDPとプライベートDMPは同義ですが、パブリックDMPとは取り扱うデータそのものが異なるということが理解できました。また、それぞれで活用できるマーケティング施策にも違いがあるため、ぜひ参考にしてみてください。
5.最適なCDPツール選びのポイントとは
ここでは、自社に最適なCDPツール選びのポイントについて、詳しくご紹介します。
一口にCDPツールと言っても、導入する業界に合わせて、最適な分析方法や操作画面の使い勝手は異なり、事前の確認が必要です。1つずつ確認していきましょう。
5-1.業種に合わせた分析が可能か
さまざまなシステムにまたがる顧客情報を効率良く収集できるCDPツールですが、データを収集するだけでは意味がありません。収集・統合したデータをもとに、自社の業種に合わせた最適な分析が必要です。
例えば、以下のようにさまざまな分析方法を導入しているCDPツールがあるため、事前に確認してみましょう。
- 経営部門:決算時期や閑散期への対応を分析
- マーケティング:購買履歴や顧客要望に沿った商品やサービスの分析
- 製造:生産数増減のタイミングを購買履歴などに基づいて提案する分析
このように検討している業種や部門に応じて、CDPツールに必要な分析方法は異なります。ぜひ、事前に最適化したうえで検討してみてください。
5-2.管理画面は操作しやすいか
CDPツールは、顧客情報を自動で収集・分析でき非常に便利ですが、必要に応じて企業側がデータを編集する場合もあります。そのため、CDPツール管理画面の操作感については、事前に確認しておいた方が良いでしょう。
例えば、ユーザーの利用動向や属性情報をワンクリックでインポートできるなど、UIやUXを工夫しているCDPツールが理想です。多くのCDPツールでは、無料トライアルを設けていますから、ぜひ各ツールを比較検討してみてください。
またマルチデバイス対応のCDPツールがほとんどですので、スマートフォンやタブレットなどで使用感をチェックしましょう。
5-3.サポート体制は充実しているか
データ統合・分析・広告連携・スコアリング・外部ツールとのAPI連携など、CDPツールにはさまざまな機能があり、導入時には緻密な設計が必要不可欠です。自社にマーケティング人材のリソースが確保できる状況では、専任者を中心に設計を進めますが、そうでない場合には、ベンダーに設計からサポートを依頼します。CDPツール導入後のサポートやマーケティング全体の設計まで対応してもらえるか、各社のサポート内容を比較しましょう。
また、自社にCDPツールの活用ノウハウが不足している場合、ベンダーが運用ノウハウを提供してくれるケースもあります。事前にどのような支援を受けられるのかも、確認してみてください。
6.CDP導入で得られる効果について
最後にCDP導入で得られる効果について、改めて整理したいと思います。費用に対して、十分な効果が得られるのか確認しておきましょう。
6-1.顧客ごとの個別アプローチが可能
複数のシステムにサイロ化していた顧客情報を統合し、顧客IDごとに管理できるため、個別のアプローチが可能です。顧客ごとの興味や関心に基づいて、よりピンスポットの戦略的なマーケティング施策を進められるでしょう。
6-2.顧客データのサイロ化を防ぎ業務効率化へ
複数のシステムに顧客データを保管している場合、管理が不十分になり、課題の発見や改善スピードが遅れるケースがあります。
しかし、CDPツールを導入すれば、これまで複数のシステムにまたがっていた顧客データを統合できサイロ化を防止。
その結果、顧客の課題についてスピーディーに分析し、PDCAサイクルを高速化できます。顧客データの可視化、サイロ化防止、業務効率の向上にCDPツールを検討してみてください。
まとめ
CDPとは「Customer Data Platform」の略であり、自社が蓄積した1st Partyデータなどを収集・統合し、分析するためのデータプラットフォームのことでした。
サイロ化していた顧客データの統合を容易にし、最適化されたデータを分析することで、顧客属性に合わせたマーケティング戦略が可能です。
しかし、CDPでは膨大な顧客情報を収集できるものの、統合データの分析や個別シナリオの作成には多くのリソースが必要で、導入から運用に至るまで容易ではありません。そこで、アドフレックス・コミュニケーションズでは、AI搭載型CDPを提供するLytics(リティクス)とパートナー契約を締結。
AIがユーザーインサイトや行動を分析し、最適なセグメントの設計や発見をもたらし、精度の高いマーケティング施策をサポートいたします。アドフレックスは、デジタルマーケティング分野での、さまざまな課題解決に向けて、最適なAIソリューション・サービスを拡大し、新しい価値の提供に努めてまいります。
Lyticsについての詳細は、こちらよりお気軽に問い合わせください。
リスティング広告を世界標準のAIで改善させる
マーケティング活動で重要なリスティング広告。現状実績を改善し、さらに成果を伸ばすことに苦戦しているマーケティング担当者は多いです。弊社ではリスティングAIを活用した、まったく新しいご提案が可能です。
- リスティング広告のコンバージョン数を確実に改善させたい
- 人の手で実績を改善し続けるのが困難
- リスティング広告のプロフェッショナルに課題解決の相談をしたい
こちらから

アドフレックス編集部
アドフレックス・コミュニケーションズ公式アカウントです。
アドフレックス・コミュニケーションズ公式アカウントです。