アトリビューションとは?基本モデルや活用方法を分かりやすく解説
インターネットの発展により、顧客はあらゆるチャネルで情報収集をするようになりました。従来のコンバージョンに近いチャネルの分析だけでは、最適な効果は得られません。そこで注目を集めているのが、アトリビューション分析です。
アトリビューション分析を実施すれば、複雑な購買プロセスにおいても、注力すべきチャネルの特定を行え、マーケティング戦略の最適化が行えます。本記事では、アトリビューション分析をよく理解していない方に向け、基礎知識や活用法を解説します。
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目次
1.アトリビューションとは
アトリビューションとは:
顧客がコンバージョンに至るまでに通過した様々なチャネルの貢献度を可視化する分析手法
様々なチャネルの貢献度を測れば、予算やマーケティング戦略の最適化を行えます。
1-1.アトリビューションが重要視される背景
従来のマーケティングの効果測定法では、コンバージョンに直接つながったチャネルのみを重視していました。しかし、コンバージョンに至るまでに、顧客はあらゆるチャネルで企業と接触しています。
例えば、従来の効果測定法では、顧客がコンバージョンしたリスティング広告だけを測定します。しかし、実際には展示会やオウンドメディアなどを通して、顧客は製品認知を行っています。
スマートフォンやソーシャルメディアの発展に伴い、顧客行動が多様化したり、購買プロセスが複雑化したりしています。購買プロセスの初期段階であるオウンドメディアやSNSなどもコンバージョンに影響を与えており、あらゆるチャネルの貢献度を評価しなければ、マーケティング戦略の最適化が難しい時代になっているのです。
2.アトリビューションを実施するメリット
アトリビューション分析を実施すると、チャネルの貢献度が可視化され、マーケティング戦略や予算配分の最適化を行えます。以下では、アトリビューション分析を実施するメリットをご紹介します。
2-1.予算配分の最適化
アトリビューション分析の目的は、顧客と接点を持ったチャネルの貢献度を可視化し、予算配分の最適化を行うことです。従来の評価手法では、コンバージョンに近いチャネルばかり重視してしまい、他のチャネルに適切な予算やリソースを割り当てるのは難しいです。
しかし、コンバージョンから遠いチャネルの貢献度が高い可能性は、十分にあります。アトリビューション分析を実施すれば、貢献度の高いチャネルに、最適な予算とリソースを分配できるのです。
2-2.マーケティング施策の最適化
コンバージョンに近いチャネルのみに注力した場合、実施できる施策が限られてしまいます。すぐに施策展開に限界を迎え、効果の頭打ちが起きるでしょう。アトリビューション分析で、各チャネルの貢献度を可視化すれば、コンバージョンから遠い位置の施策にも取り組めるようになります。
各チャネルで最適な施策を取れ、大きな効果改善を見込めます。
2-3.コンバージョン率の向上
コンバージョンに直接貢献する施策ばかり行えば、顧客のことを考えない一方的なコミュニケーションとなります。顧客は商品を売りつけられている印象を受け、コンバージョンの低下につながるリスクが生じます。
顧客が主体的に情報収集するようになった現代、コンテンツマーケティングやステップメール配信などで顧客の課題を解決しつつ、購買意欲も醸成する施策が有効です。貢献度の高いチャネルを特定し、最適な施策を推進すると、結果的にコンバージョン率のアップも期待できます。
3.アトリビューション5つの基本モデル
アトリビューション分析では、以下5つのモデルを使用して、チャネルの評価を行います。
- ラストクリック
- ファーストクリック
- 均等配分
- 接点ベース
- 減衰
3-1.ラストクリック
ラストクリックとは:
コンバージョンにつながった最後のチャネルに100の貢献度を割り当てるモデル
コンバージョンに直接貢献するチャネルのみ可視化するため、認知や情報収集の役割を担うチャネルが軽視されるリスクがあります。 顧客の検討期間が短い製品のコンバージョンを測定する際に有効です。
3-2.ファーストクリック
ファーストクリックとは:
最初のチャネルに100の貢献度を割り当てるモデル
新規顧客との接点を100%評価するため、認知を目的したキャンペーンの分析に有効です。
例えば、Instagram広告を介してWebサイトに訪れた顧客が製品購入をした場合、Instagram広告に100の貢献度が割り当てられます。一方ラストクリックでは、同じ顧客がWebサイトを離れたあと、メールをクリックして製品購入をすると、メールに100の貢献度が割り当てられるのです。
3-3.均等配分(線形)
均等配分(線形)とは:
顧客と接触した全てのチャネルに、均等に貢献度を割り当てるモデル
コンバージョンに至るまでのチャネルが4つなら、各チャネルに25の貢献度が割り当てられます。5つのモデルの中で、最も使用される頻度が高いです。
3-4.接点ベース
接点ベースとは:
最初と最後、中間部分のチャネルの割合を変えるモデル
一般的に、最初と最後に40の貢献度を割り当て、残りの貢献度は均等配分します。
- Facebook広告:40
- Webサイト:10
- SNS:10
- リスティング広告:40
認知のきっかけとコンバージョンにつながった要因を重視する場合は、接点ベースが向いています。
3-5.減衰(げんすい)
減衰(げんすい)とは:
コンバージョンに近いチャネルに多くの貢献度を割り当てるモデル
全てのチャネルを加味しつつ、コンバージョンに近づくほど多くの貢献度を割り当てるため、慎重な分析を可能とします。顧客の検討期間が短いビジネスモデルに最適です。
4.アトリビューションモデルの選び方
アトリビューションモデルは、自社の成長段階やマーケティング戦略と合わせて選ぶ必要があります。多くの企業は、一般的なレポート作成で使用されるラストクリックを活用しています。ラストクリックは、カスタマージャーニーの後半に位置する「比較検討」や「意思決定」など、顧客の購入意思が固まっている段階のマーケティング活動を重視します。そのため、メールマーケティングやリスティング広告、ランディングページなどの顧客を購入へ促す施策の評価が最適です。
SEO対策やSNSマーケティングなどの場合、自社認知度や購買意欲を高められても、顧客を購買へ促すのは難しいです。これは顧客の立場になるとよく分かります。SNSで認知していないブランド広告に興味を惹かれることがあっても、すぐに購入に移すことはほぼないでしょう。
一方、オウンドメディアからコンテンツをダウンロードし、メールのクリック率が高い場合は、顧客の購買意欲が高まっていると言えます。設定するアトリビューションモデルによって、結果に違いが生じます。自社の成長段階やマーケティング戦略、特にカスタマージャーニーにおける顧客の位置を考慮して、適切なモデルを選びましょう。
5.アトリビューション分析が向いているビジネス
アトリビューション分析が効果を発揮するのは、購買プロセスが複雑で検討期間が長いビジネスモデルです。BtoBビジネス全般、BtoCの場合は家電や車などの高額商品がアトリビューション分析に適しています。特にBtoB企業の場合、顧客が衝動的に製品購入を決めることはありません。
顧客は営業担当と会う前に、約6割の意思決定をしているとのデータがあるほど、様々なチャネルで情報収集をしているのです。また、複数の意思決定者がいることも考慮すると、コンバージョンへの大きな影響を与える要因の特定が必要となります。アトリビューション分析を使えば、購買プロセスが複雑なビジネスモデルでも、最適なマーケティング戦略の立案を行えます。
6.Googleが提供するアトリビューション分析
Google広告やGoogleアナリティクスなどにも、アトリビューション分析は搭載されています。以下では、Googleのアトリビューション分析についてご紹介します。
6-1.Google広告
Google広告では、検索キャンペーンやショッピングキャンペーンなどの検索広告を対象に、アトリビューション分析を実施できます。
Google広告で使えるアトリビューションモデルは6つです。
- ラストクリック
- ファーストクリック
- 線形
- 接点ベース
- 減衰
- データドリブン
データドリブンとは、アルゴリズムが過去のデータをもとに、各チャネルの貢献度を割り当てるモデルです。分析結果はレポートで確認でき、他のモデルとの比較も行えます。
6-2.Googleアナリティクス
Googleアナリティクスでは、自然検索などのGoogle広告以外の複数チャネルのアトリビューション分析が行えます。Googleアナリティクスで利用できるアトリビューションモデルは以下の通りです。
- 終点
- 最後の間接クリック
- Google広告のラストクリック
- 起点
- 線形
- 減衰
- 接点ベース
クロスチャネル分析ができるほか、複数モデルの比較も行えるため、多角的な評価が可能です
参考記事
7.まとめ
アトリビューション分析とは、顧客と接点を持った様々なチャネルの貢献度を可視化し、予算配分やマーケティング戦略の最適化を目指す評価手法です。インターネットの発展により、顧客はあらゆるチャネルで情報収集をして、購入意思を固めています。特にBtoB企業は、顧客の購買プロセスが複雑で、検討期間も長いです。そのため、アトリビューション分析を活用して、チャネルの貢献度に応じた最適な施策を取るようにしましょう。
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