１．5Gとは

5Gとは：
第5世代移動通信システム（5th Generation）と呼ばれる新しい通信規格。

従来の4Gとは次のような違いがあります。

• 超高速、大容量
• 超低遅延
• 多数同時接続

１-１．超高速、大容量

4Gの通信速度は最大でも1Gbpsですが、5Gは最大10～20Gbpsと通信速度が飛躍的に向上しています。2時間の映画も数秒でダウンロードできるため、4Kや8Kといった高画質動画の視聴も手軽です。4Gでは難しかった高精細な動画広告の配信も実現します。

１-２．超低遅延

5Gの通信遅延は、4Gの約10分の1にまで減少します。リモートワークにおけるテレビ会議やライブ配信の時差もほとんど気になりません。クラウドゲームも通信の遅延を意識しないでプレーできます。

１-３．多数同時接続

5Gは、1平方kmあたり100万台の端末に接続することができます。この台数は4Gの約10倍であるため、大人数がアクセスしても回線がパンクしにくくなります。

インターネットと接続することのなかった家電やウェアラブルデバイスとネットワークをつなげる「IoT（Internet of Things）」の利用も本格化していくでしょう。

２．5Gが動画広告に与える影響

5Gによる大容量通信によって、ユーザーの興味を引きやすい高精度な動画広告を配信できるようになります。配信先はPCやスマホに限りません。例えば、サイネージや鏡など、従来では考えられなかった「物」にターゲティング広告をリアルタイム配信できる可能性もあります。

「VR（仮想現実）」や「AR（拡張現実）」を活用した動画広告も増えていくでしょう。VRに必要な通信量は1時間あたり5～15GB、高画質設定では30～50Mbps以上ですが、5Gの速度であれば余裕でまかなえるため、動画広告と組み合わせた新しいアプローチ方法も検討できます。

３．動画広告市場はどう変化する？

サイバーエージェントが行なった調査によると、2020年の動画広告市場は昨年対比114％の2,954億円と大幅な伸びを示しています。動画広告市場の拡大は今後も続き、2021年には3,889億円、2024年には6,856億円に達すると予測されています。

サイネージや鏡などを使った広告フォーマットが登場すれば配信先が増えるため、動画広告市場の拡大が一気に加速する可能性もあるでしょう。

４．5G時代に向けた動画広告の対策方法とは？

5G時代に動画広告の配信を成功させるポイントは、以下の3つです。

• • 動画広告の運用体制見直しを検討する
  • クリエイティブの量産と改善を繰り返す
  • 既存広告との併用を検討する

４-１．動画広告の運用体制見直しを検討する

5Gの普及によって、動画広告の制作プロセスは複雑化してきます。静止画では伝えられない動き、音声、時間という軸を考える必要があるため、制作工数や運用リソースも大幅に増加するでしょう。従来の運用体制では、業務の継続が困難になるかもしれません。

この課題を乗り越えるためには、クリエイティブを大量生産できる体制を構築しておく必要があります。

４-２．クリエイティブの量産と改善を繰り返す

動画広告を視聴する媒体はGDN・YDA・Facebook・Instagram・TikTokと多様化しています。視聴するデバイスもさまざまです。そのため、各媒体におけるユーザーの違いを把握し、それぞれに適したクリエイティブの制作が求められます。

ユーザーの価値観や利用媒体が目まぐるしく変わる現状では、多様なクリエイティブを配信してABテストを繰り返し、状況に応じた勝ちパターンを見つけていく必要もあるでしょう。

４-３．既存広告との併用を検討する

5G時代になっても、従来の広告手法が使えなくなるわけではありません。5Gの特性を活かした広告手法を検討しながら既存の広告手法と組み合わせたアプローチを考えて、柔軟な戦略を立案したいところです。

５．まとめ

5Gの技術を活かした動画広告が一般的になれば、大量のクリエイティブを作成してPDCAを回す必要性が生じます。従来よりも広告の制作コストや時間はかかりますが、新しいビジネスチャンスであることに違いありません。

動画広告が中心となる時代に備えておけば、大幅な業務の拡大も視野に入るでしょう。