コラム

マーケティングにAIを導入することでできるようになること。AIを搭載したMAツールもご紹介

AI 基礎知識
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急速に認知度を上げつつあるAI。かつては人間を上回るAIを創造していくことに主眼が置かれていましたが、現在では、AIを活用するフェーズへと移行しつつあります。AI活用の中でも、とりわけ注目されているのは、マーケティングの分野です。

本記事では、AIがマーケティングで注目されている理由やAIをマーケティングに利用するメリット、AIが搭載されたMA(マーケティングオートメーション)ツールの活用で、具体的にマーケティングがどのように効率化できるかについて解説します。

※掲載内容は記事執筆時点の情報をもとにしています。

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1.AIができること

AIとは:
「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略語であり、日本語では「人工知能」と呼ばれている。

このAIに対して膨大なデータを与えていくことで、マシンラーニング(機械学習)やディープラーニング(深層学習)で自律的に学習を行い、人間の能力を超えた認識や判断ができるようになります。

AIができることは、音声認識や画像認識、自然言語処理、異常検知、検索・探索、将来予測といった能力です。最近ではこれらのAI機能がスマートフォンやパソコン、企業や工場のシステムやツールなどに活用されており、私たちの暮らしに身近なものとなりつつあります。

2.AIがマーケティング分野で注目されているワケ

マーケティング分野でAIが注目されている背景には、世界規模でデータ量が急増していることや、パーソナライゼーションの高度化があります。

2-1.世界規模でのデータ量の急増

世界の市場調査会社300社以上と代理店契約をしている株式会社グローバルインフォメーションによると、マーケティング向けAIの世界市場規模は、2020年の120億4,446万ドルから2028年には1075億3,557万ドルへと拡大。2021年から2028年の間に年平均成長率が31.6%で推移すると予想されています。

このように、マーケティング分野でAIの活用が急拡大する背景には、データ通信量の増加があります。アメリカの市場調査会社IDC(International Data Corporation)が公表したデータでは、世界の総デジタルデータ量は2010年の約0.988ゼタバイト(約9,880億ギガバイト)から2020年には約59ゼタバイト(約59兆ギガバイト)へと拡大していると発表しています。

マーケティングの分野ではデータ分析が非常に重要となりますが、巨大なデータ群を分析する能力を持つのがAIとなります。大量のデータを機械学習で学習を進めるほど、AIの精度も高まっていきます。そのため、AIは今や欠かすことのできないものなのです。

2-2.パーソナライゼーションの高度化

現在のマーケットにおいては、企業が顧客の属性や行動履歴などのデータを基にして、一人ひとりのニーズにあわせて商品・サービスを選定し、提案していくパーソナライゼーションが主流となっています。パーソナライゼーションを行うには、データ分析が必要不可欠です。

AIを活用すれば、大量で複雑なデータから顧客それぞれの特徴を簡単に見つけ出すことができ、ハイレベルのパーソナライゼーションを実現できるようになります。

3.AIをマーケティングに活用するメリット

マーケティングの現場でAIを活用すると、具体的にどのようなメリットがあるのか、見ていきましょう。

3-1.データ分析・分類・管理を効率化する

データ量の急増が続くなかで、データ分析を素早く・正確に行えるAIの活用シーンはますます拡大しています。

今やどの企業でも、顧客属性や購買履歴、行動履歴といった膨大なデータを蓄積・保有しています。しかし、宝の山とも言えるこれらのデータを十分に活用できている企業は、まだ少ないです。AIを活用することで、データから顧客のニーズや嗜好に合わせた商品のレコメンドができるようになる以外に、見込み客に対して「受注確度が高い」「将来的に受注の可能性がある」「継続利用の可能性が低い」などの予測が行えるようになります。

振り分けられた顧客属性を元に、パーソナライズされたメルマガやDMを送信したり、嗜好性にフォーカスしたピンポイントなアプローチをしたり、といったことができるようになります。このように、AIの活用で顧客エンゲージメントをさらに高めていくことができます。

3-2.Web広告やコンテンツの表示を顧客ごとに最適化できる

これまでも、Webブラウザに保存されるクッキー(Cookie)から読み取った閲覧履歴や検索履歴から、関連するコンテンツを表示させる、といったことはされてきました。しかし、このような手法では、最新の顧客の興味に結びつかないコンテンツが表示されることもあります。また、近年では個人情報保護の観点でクッキーが問題視されており、規制に向けた動きが高まっています。

AIを活用すれば、リアルタイムで顧客が閲覧しているWebページの内容を解析して、顧客に最適な画像やテキストを組み合わせた、Web広告やコンテンツを表示可能。高度なパーソナライゼーションを実現できます。

3-3.ターゲティングを自動化・最適化できる

ターゲティングは、マーケティングの中でも重要な要素のひとつですが、そのターゲティング判断もAIで自動化・最適化することができます。

顧客の行動パターンや利用状況、購買状況などが含まれている大量のデータをAIが分析します。その分析結果によって「どのような顧客に対して、どのようなメッセージを提示すれば、最も有効で効率的になるか」を割り出し、顧客層ごとに勝ちのターゲティングパターンを導き出していきます。

また、広告クリエイティブの改善やWebサイト内に表示するバナーのセグメント設定の提案に至るまで、AIが行うものもあります。

3-4.SEO対策に活用できる

Webマーケティングで重要となるのは、SEO(検索エンジン最適化)対策です。このSEO対策にも、AIが活用されるようになってきています。

内部対策として、Webサイトを24時間365日、AIが監視・解析するほか、コンテンツ更新の継続もAIで行うことができます。外部対策としては、Web集客の自動化や競合サイトの動向監視・解析などをAIが行います。
SEO対策にAIを導入することで、人件費を抑えられるだけでなく、GoogleやYahoo! JAPANによるペナルティのリスクを低減できるメリットも生じます。

3-5.顧客対応が向上する

Webやアプリで顧客が質問をしてチャット形式で回答をする場合、かつては人間のオペレーターが実際にテキストを打って対応していました。しかし2016年以降、このような問い合わせに対して、AIが人間に代わってやりとりしてくれるチャットボットがブームとなり、普及が進みました。

チャットボットには、「ルールベース型(シナリオ型)」と「自動学習機能型(機械学習型)」の2タイプがあります。ルールベース型の場合、顧客からの質問に対してシナリオに沿って回答していく形式のため、イレギュラーな質問や複雑な質問には回答できないというデメリットがあります。

ルールベース型を進化させたのが自動学習機能型です。質問と回答の会話履歴を自動で学習し、会話の精度や正答率を上げていきます。質問と回答のデータを学習させていく必要はありますが、膨大なデータを学習するほど、人間が対応するように自然なやりとりが行えるようになります。

チャットボットを導入することで、人的コストの削減につなげられます。また、余った人的リソースは、人間にしか成しえない別の領域に割けるようになります。

3-6.需要予測ができるようになる

販売実績や商品の詳細情報、気象情報、カレンダー情報などをAIが分析することで、将来的に見込まれる需要を予測できるようになります。

たとえば小売店や飲食店などであれば、過去の売上データ、天候などの気象データ、近隣にある店舗データなどを総合的に分析し、来店客数を予測。その日の人員配置やシフト作成に役立てることができます。さらに、需要予測を立てられるようになることで、最適な発注数を算出できるようになり、余剰在庫やロスをなくすといった効果も期待できます。

3-7.人流の分析ができる

屋外に設置したレーザセンサーによって人流を測定。それをAIで分析することにより、人流シミュレーションを算出できるようになります。

このような人流分析は実店舗の改善に役立つものです。たとえば、店舗外や店舗内の人の流れがどのようになっているかを知ることで、サイネージ広告の最適な配置を行ったり店舗レイアウトを調整したり、といったことに活用できます。

4.AI搭載のMAツールでマーケティングを効率化

マーケティング活動に大きなメリットをもたらすAIですが、日本において活用しているマーケティング担当者はまだ少ないと言えます。そこで、ぜひ試していただきたいのが、AIを搭載したMA(マーケティングオートメーション)ツールです。

4-1.AIを搭載したMAツールとは

マーケティング業務を自動化することで、業務効率化や生産性の向上を図るMAツール。リード(新規見込み顧客)の獲得や育成など、営業部門が主体となって推進するマーケティング施策を自動化・効率化することで生産性が向上し、本来の戦略立案や施策実行などの業務に注力できるようにもなります。

従来のMAツールでは、自動化と言ってもマーケティング行動を起こす条件と具体的な内容は手作業で設定していく必要がありました。あくまで施策を考えるのは人間であり、それを自動化して実行するのはMAツール、と分業されていました。

一方、AIを搭載したMAツールは、人間には不可能なレベルの細やかなデータ分析から施策の提案まで実施します。それらの結果を元に、最終判断は人間が行えるものもあり、安心です。このように、AIを搭載したMAツールを導入することで、さらなる業務の精度向上と業務の効率化が進められるようになっています。

AIを搭載したMAツールに、

  • アドビ社のMarketo Engage(マルケト エンゲージ)
  • SATORI社のSATORI(サトリ)
  • データX社のb→dash(ビーダッシュ)
  • セールスフォース社のSalesforce Pardot(セールスフォース・パードット)
  • 株式会社ブレインパッドのProbance(プロバンス)
  • Markefan社のMarkefan(マーケファン)

などがあります。

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4-2.コンバージョンや顧客単価の向上、リピーター顧客の獲得につなげる

顧客の属性・ニーズに合った施策を展開するにはデータ分析が重要であり、AIを搭載したMAツールを使うことで、容易に顧客データの分析ができるようになります。

閲覧履歴、購入履歴、販売データなどといった大量の顧客データを分析し、どこに注目すべきかを自律的に考えて、パーソナライズされたメッセージやコンテンツを表示。これらをAIで自動化することにより、コンバージョンや顧客単価の向上、リピーター顧客の獲得などにつなげていきます。

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4-3.集客施策を提案する

数値に基づく施策の提案は、AIの得意とするところです。過去の施策の成果をAIが分析し、集客のための施策・シナリオをAIが提案・実行していきます。

4-4.集客シナリオを改善する

AIであれば、集客シナリオの効果を分析し、成功・失敗原因を自動で学習していくことができます。数多く学習していくことで、集客シナリオをAIが改善し、ブラッシュアップしていくことができます。

5.まとめ

マーケティング活動において重要視されるのはデータ分析ですが、AIは大量のデータ分析を得意とします。AIを搭載しているMAツールを活用することで、マーケティング活動を自動化・効率化していくことが可能となります。

担当者が、さまざまなマーケティング業務をAIに任せることで、人間にしかできない戦略立案などのクリエイティブな業務に集中できるようになるでしょう。

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本記事の著者

アドフレックス編集部

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