課題から考える!リスティング広告の改善ポイント4選【保存版】
RPAやDXなど、デジタル化が加速する中、広告代理店ではなくインハウス運用でWeb広告を出稿する企業が増えてきました。
広告代理店への手数料を削減でき、自社に運用ノウハウを蓄積できるインハウスは、メリットも非常に多いのですが、一方で以下のような課題もあります。
「リスティング広告のクリック単価が改善されない」
「リスティング広告における顧客単価を改善したい」
このように、インハウスで運用を開始してみたものの、思うように広告効果が出ずお悩みのWeb広告担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、リスティング広告に着目し、表示回数やクリック数、クリック率など各指標に基づいた改善方法についてご紹介します。自社で決定した目標数値と比較をして、どのように改善すれば良いのか、課題別に解説しますので、参考にしてみてください。
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目次
1.リスティング広告の各指標について
リスティング広告の改善ポイントをご紹介する前に、まずは共通認識として各指標を整理していきましょう。
リスティング広告を改善するには課題の把握が必要不可欠ですが、実際の数値に基づいて分析を進める必要があります。
主に使われる以下の指標から、数値を読み解きましょう。
指標 | 意味 |
---|---|
表示回数(Impression) | 広告の表示回数 |
クリック数 | 広告のクリック数 |
クリック率(CTR) | クリック率(CTR) |
クリック単価(CPC) | 1回のクリックで支払う費用 |
獲得件数(CV) | 問い合わせや販売数など、広告のゴール |
獲得率(CVR) | クリック数に対する獲得が発生した割合 |
獲得単価(CPA) | 1件獲得するにあたりかかる費用 |
費用 | 広告媒体に支払う費用 |
リスティング広告の運用では、このような指標をもとに、改善すべき数値を分析します。ただし、改善すべき数値を読み解くには、リスティング広告における目標設定が重要です。
なければ、どの数値を改善すれば良いのか定まりません。まずは、以下のPDCAサイクルを意識しつつ、目標を決めてみてください。
- Plan:リスティング広告の目標を決定
- Do:リスティング広告を配信
- Check:効果・検証
- Act:各指標から改善点を導き出す
2.リスティング広告における目標設定について
リスティング広告を運用するにあたり、指標の理解とともに運用目標を明確化する必要があります。では、リスティング広告における目標をどのように設定すれば良いのか、考えていきましょう。
なお、自社の目標値がすでに決まっている場合は、本項目は割愛していただいて構いません。リスティング広告における目標の決め方が分からないという場合には、以下を参考にしてみてください。
- コンバージョン1件にかけられる費用を算出する
- 1ヵ月の広告費を決定する
1つずつ見ていきましょう。
2-1.コンバージョン1件にかけられる費用を算出する
リスティング広告における目標が定まっていない場合は、コンバージョン1件にかけられる費用を算出するところからスタートします。
1件あたりのコンバージョンに対して、無限に費用を使えるわけではありませんから、あらかじめ目標とする獲得単価(CPA)を決めるという流れです。
それでは、獲得単価の算出方法を見ていきましょう。目標獲得単価が定まれば、1ヵ月の広告費がおおまかに算出できます。
すでに広告を出稿している場合には、以下の計算式で獲得単価を算出できます。
獲得単価(CPA) = 費用 ÷ 獲得件数(CV)
初めてリスティング広告を出稿する場合はデータがありませんから、以下の計算式で目標の獲得単価を決めましょう。
【例】
商品販売価格(20,000円)–原価(2,000円)–確保したい利益(10,000円)=コンバージョン1件に費やせる費用(8,000円)
あくまで一例ですが、目標CPAが8,000円に設定できました。これにより、CPAが8,000円を超えてしまうと確保したい利益が減少し、18,000円を超えると赤字に転じるということが理解できます。
2-2.1ヵ月の広告費を決定する
コンバージョン1件あたりに費やせる費用(8,000円)が決定できれば、あとは1ヵ月の販売目標を定めることで、広告費を算出できます。
【例】
目標獲得単価(8,000円)×コンバージョン数(20件)=広告費(160,000円)
このような結果となり、目標とするコンバージョン数(20件)を達成できた場合には、「200,000円の利益」を確保できます。
もちろん、実際に運用すると160,000円の広告費をかけても、目標とするコンバージョン数に届かず、CPAが高騰してしまうという場合も考えられますよね。
そこで、CPAを最適化するためには、以下のような相関図を理解する必要があります。
例えば、図を参考にすると、リスティング広告の費用対効果を高めるためには、獲得単価(CPA)を下げるか、獲得件数を増やすことが重要であると理解できます。
リスティング広告における目標獲得単価、広告費、コンバージョン数の目標を設定した上で、運用を開始し、相関図を見ながら数値を改善してみてください。
3.課題から考える!リスティング広告の改善ポイント4選
ここまで、リスティング広告における目標値の決め方、各指標の相関図をご紹介しました。
ここからは、定めた目標値に従ってリスティング広告を運用した際、どのように数値を改善すれば良いのか、課題ごとの改善ポイントを解説します。
3-1.広告表示回数が伸びない
広告表示回数を伸ばす目的は、表示回数の増加によって獲得件数、つまり、コンバージョンを増やすことです。
見込み顧客にリスティング広告が表示されなければ、そもそも獲得件数も増えませんから、表示回数と獲得件数は比例して増加する傾向があります。
広告表示回数を伸ばすためには、以下2点の数値に着目してみてください。
- コンバージョン率(CVR)
- クリック率(CTR)
特に、コンバージョン率が低く、クリックにつながらないキーワードで広告表示回数を伸ばしても、効率が非常に悪いです。具体的には、以下の改善ポイントを意識してみてください。
- 類似キーワードを追加する
クリック率やコンバージョン率が良好なキーワードと類似しているキーワードを追加することも、広告表示回数を増やす手段の1つです。
実際に、検索クエリに基づいて対策を講じることができ、広告表示回数の最大化に貢献する。
必要に応じて「スマート自動入札」を活用すると、より効率良く運用ができます。
スマート自動入札とは:
自動入札の一種であり、デバイスやユーザー属性、所在地などさまざまなシグナルをもとに、自動入札を進める仕組み。
マッチタイプを変更する
広告表示回数を増やすには、類似キーワードの追加とともに、マッチタイプを変更することも視野に入れてみてください。
マッチタイプとは、キーワードの広告表示範囲を指定する条件のことであり、以下の4種類が存在します。
【4種類のマッチタイプ】
- 完全一致
- フレーズ一致
- 部分一致
- 絞り込み部分一致
例えば、キーワードに完全一致を指定していて、クリック率が良好な場合には、フレーズ一致や部分一致でも効果が出る可能性が高いです。
完全一致は、検索キーワードがすべて一致している場合に広告が表示されるマッチタイプですので、無駄なクリックを防げるというメリットがあります。
しかし、検索キーワードがすべて一致しない限り表示されないことから、広告表示回数自体は減少します。
そこで、検索キーワードが含まれ、語順が一致していれば表示されるフレーズ一致などを指定することで、意図的に広告表示回数を増やせます。
ただし、すべてのキーワードが万能というわけではないため、完全一致で効果が出ているものについて改善してみると良いでしょう。
3-2.クリック率が低い
クリック率が低いと広告表示回数やクリック数にも影響が生じるため、改善が必要です。
クリック率とは:
広告の表示回数に対して、クリックされた割合のこと。広告の善し悪しを判断する重要な指標となる。
特に、リスティング広告の品質スコアとも関連しますので、数値が低い場合には、早期に対応策を検討しましょう。
クリック率の改善ポイントは、以下の通りです。
- 魅力的な広告文に変更する
リスティング広告のクリック率を改善するポイントとして、広告文の見直しが挙げられます。
広告文は、検索エンジンから流入する見込み顧客が初めに目にする部分であり、クリック率にも大きな影響を与えます。
広告文を閲覧した見込み顧客がついクリックしたくなるような、以下の項目を意識して改善してみてください。
- 顧客の潜在ニーズを汲み取っているか
- 顧客の悩みに寄り添っているか
- 悩みを解決する強みが記載されているか
- 限定や数字など絞り込みが記載されているか
例えば「初回体験30%オフ」など、思わずクリックしてしまいそうな広告文を意識して改善すると良いでしょう。
- キーワードそのものを見直す
出稿中のキーワードが、見込み顧客の潜在ニーズを汲み取れていなければ、クリック率にも影響を与えます。
その他のキーワードと比較し、広告表示回数は良好であるのにクリック率が低下している場合には、キーワード自体を見直すことも1つの方法です。
見込み顧客はどのような問題を解決したいのか、どのような商品・サービスを検討中なのか十分にリサーチした上で、再度キーワードを選定しましょう。
なお、図にもある通り、クリック率を高めるには、獲得率(CVR)が良好な広告グループに寄せていくと、相乗効果が高くなります。
3-3.コンバージョンにつながらない
クリック数は良好なのにコンバージョンにつながらない場合、クリック数が多いキーワードから優先的に対策を講じることで、獲得件数の改善に貢献します。
なお、クリック率が良好なのにコンバージョンにつながらない場合は、コンバージョン率を見直します。
獲得件数改善のための具体的な対策は、以下の通りです。
- 広告文とランディングページの親和性を意識する
クリック数が良好ということは、少なからず広告文は見込み顧客のニーズを捉えている、と判断できます。
しかし、URLからランディングページにアクセスした際に、広告文とコンテンツが合致していないとどうなるでしょうか。おそらく内容の不一致によって、見込み顧客の購買意欲が低下し、クリックはするけれど注文数は伸び悩みます。
いま一度、広告文とランディングページに親和性があるかを見直してみましょう。
- ランディングページの最適化
ランディングページのコンテンツを検索クエリや顧客ニーズに合わせて見直すことも、コンバージョンにつなげるポイントです。
例えば以下を確認してみてください。
- 広告文と関連性の高い画像が使われているか?
- 問い合わせボタンまでの導線は問題ないか?
- 使いやすく見やすいデザインか?
UI/UXデザインに注力しているWeb制作会社などは、LPO(ランディングページ最適化)に対応している場合が多いです。サイトの改修を依頼してみるのも良いでしょう。
3-4.広告費用の高騰
広告費用は、クリック単価やクリック数で決定します。広告掲載順位との兼ね合いから入札単価を高く設定しすぎている、成果につながりにくいキーワードが複数存在するなどの場合は、以下のポイントを意識しましょう。
- 入札単価を見直す
広告掲載順位を意識して、入札単価をあまりにも高く設定しすぎている場合は、見直しが必要です。
入札単価が高くなりすぎることで、広告費を圧迫し高騰につながりますので、引き下げを検討してみてください。
入札単価を下げることができればクリック単価も安くなり、広告費用の削減に繋がる。
- キーワードを絞り込む
1つのキャンペーンに複数の広告グループを集約してしまうと、検索量の多い広告グループ、キーワードに予算が消化されてしまい、広告費も高騰します。
配信量をコントロールするためにも、コンバージョン率が悪化しているグループやキーワードは出稿を停止するなど、広告費の削減に努めましょう。
クリック率やコンバージョン率が高いグループ、キーワードを中心に、優先的に予算を投下することが重要。
4.まとめ
本記事では、リスティング広告に関連する各指標と目標の決め方、さらには改善ポイントを課題別にご紹介しました。
今回ご紹介した内容は、基本的な改善項目ですが、リスティング広告の運用時には特に重視したいポイントです。
インハウス運用などでリスティング広告に関するリソースが不足している場合には、ぜひ参考にしてみてください。
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