Web広告の仕組みとは?広告種類と課金体系・メリットを総まとめで解説
インターネット回線の高速化やスマートフォンの普及、SNSの浸透などにより、さまざまな媒体でWeb広告が展開されるようになりました。多くの企業がWeb広告を運用する中、自社でも導入してみたいと考えるWeb担当者も多いでしょう。
とはいえ、Web広告には媒体や形式、仕組みなどさまざまな種類が存在します。そのため、広告担当やWeb担当になったばかりで「どのWeb広告に出稿すればいいのか分からない」という方も少なくありません。
「Web広告を始めたいが、どこから手をつけたらいいか分からない」
「Web広告にはどういった種類があるの?」
「効果的な運用につなげるためには何をすればいいの?」
と悩まれる方も多くいます。
Web広告を効果的に運用していくために、どういった種類があるのか、各Web広告の特徴や課金体系、メリットなどを正しく理解しておくことが重要です。そこで、この記事ではWeb広告の特徴や仕組みなどについて紹介します。
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目次
1.Web広告の仕組みとは
Web広告とは:
インターネット上のメディア(媒体)に掲載する広告のことを指す。インターネット広告やデジタル広告、オンライン広告とも呼ばれる。
Webで広告を掲載できるメディアは、Webサイトや検索エンジン、メール、SNSなど数多くあります。各メディアが提供するサービス・仕組みによって、掲載期間以外にPV数やクリック数などに応じて広告を掲載・配信できるシステムとなっています。
Web広告の概要を紹介する前に、3つの特徴について触れておきましょう。
1-1.Cookieによる最適化
Cookieとは:
Webサイトに訪れたユーザーを識別する仕組みを指す。
ユーザー情報は、Cookieをもとに各Webブラウザのファイルに格納され、Webサイト側はこのCookie情報をもとにユーザーにアクションすることが可能になります。
このように、Cookieをもとにユーザー情報を収集できることから、Web広告ではターゲティングを絞ったアプローチができるようになります。
1-2.ユーザーデータによるターゲティング
テレビ広告や新聞・雑誌広告でも、地域や年齢によるターゲティングは可能です。しかし、Web広告ではCookieのユニークデータをもとに、より正確でより詳細なターゲティングを行うことができます。
さらに、年齢や性別、地域だけでなく、ユーザーの投稿内容や交友関係などをもとに、趣味嗜好やこのページを見た人にはこういった広告を配信する、といったことも可能になります。
1-3.オークション制による価格変動
従来のWeb広告では、メディアの広告掲載枠を決められた価格で買い取る「純広告」が主でした。
その後、Googleがリスティング広告に導入したオークション制と呼ばれる仕組みが登場したことで、現在の料金体系はオークション制による価格変動がメインとなっています。
ただ、オークション制とは言うものの、単純に高い入札価格を提示すれば広告を掲載できるわけではありません。入札価格以外に訴求ページとの関連性や広告内容、推定クリック率などが加味され、最終的な広告枠や金額が決定する仕組みです。
オークション制のため、Web広告では出稿コストやクリックコストがタイミングによって異なります。
その分、予算の自動最適化や広告運用者のテクニカルな知見がより重視される。
2.Web広告のメリット
Web広告にはどのようなメリットがあるのでしょうか?テレビ・ラジオ広告や新聞・雑誌広告、看板・交通広告などと比べてどういった利点があるのか紹介していきます。
2-1.ターゲティング精度が高い
Web広告の一番のメリットは、ターゲティング精度の高さです。先ほどのCookieをもとに、広告を配信するターゲットを細分化して選ぶことが可能です。
例えば飲食店や美容院、クリニックなどエリアが限定される場合、テレビ・ラジオ広告で広くアプローチしても、実店舗から遠いユーザーに響く可能性は低いでしょう。
一方Web広告では、年齢や性別、地域以外にも趣味嗜好やよく見るWebサイトなどでターゲットを絞ることができます。
【例】
「20代後半の女性で新宿区在住、1ヵ月以内に美容院のポータルサイトを訪問した人」といった絞り込みが可能。
この詳細なターゲティングによって、自社の商材やサービスと親和性の高いユーザーに広告配信できます。
2-2.広告効果の計測をしやすい
Web広告は、比較的短期間で効果につなげやすい広告手法です。スマートフォンの普及やSNSの浸透もあり、ユーザーは1日に何度もさまざまなサイトを閲覧するようになりました。
このような背景もあり、広告配信後すぐにユーザーの反応を得やすいのもWeb広告のメリット。
また、Web広告は広告効果を表示回数やクリック数、再生回数、コンバージョン数といった要素で計測することもできます。
データを可視化し、費用対効果を分析しながら次の広告につなげるための改善サイクルを回しやすい点も、Web広告ならではのメリット。
2-3.コストを自社でコントロールできる
Web広告は、オークション制など媒体ごとに料金体系が用意されています。クリック課金やページビューに応じた課金など、成果に応じた料金体系も多くあることから、広告コストを自社でコントロールしやすいのもメリットとして挙げられます。
1クリックあたりの単価の上限や、支払金額の上限なども設定できます。そのため、テレビ広告や新聞・雑誌広告のように、事前に費用が発生することもなく、少額からスタートすることも可能です。
2-4.広告の出稿中でも改善できる
Web広告は出稿中に広告内容を変更・改善することも可能です。新聞・雑誌広告や看板・交通広告などは、一度出稿したものを変更するには手間もコストもかかります。
その点、Web広告は広告文の変更や画像の差し替えを比較的早く対応することができます。
結果が早く分かる分、次の施策も取りやすい点もWeb広告の魅力。
2-5.自動化の活用で運用も楽
昨今のWeb広告は、多くの媒体で広告出稿の自動化が進んでいます。ユーザーニーズの多様化や、プロダクトライフサイクルの短期化などもあり、出稿管理においても柔軟性のある展開が求められています。
AIなどによる自動化の動きは、費用対効果を高める意味でも効果的な運用手法となりつつあります。
3.Web広告の種類
Web広告の種類によって、狙うターゲットや費用対効果は異なります。そのため、自社のターゲットと親和性の高い広告手法を選定することが重要です。
ここでは、主なWeb広告の特徴を紹介していきます。
3-1.リスティング広告
リスティング広告とは:
GoogleやYahoo!といった検索エンジン上に表示させるテキスト広告のことを指す。
ユーザーが検索したキーワードに応じて広告を表示させることができるため、興味関心・購買意欲の高いユーザーにアプローチすることが可能です。
また、ユーザーが広告をクリックして初めて課金対象となり、クリック単価や上限コストも設定できるため、低コストで実施可能です。
予算管理がしやすく手軽に始められることから、多くの企業がリスティング広告からWeb広告を始める傾向にある。
一方、細かな設定や運用が必要なことから、運用に膨大な工数がかかることも多いため、注意が必要です。
3-2.ディスプレイ広告、DSP広告
ディスプレイ広告とは:
Webサイトの広告枠に掲載する画像や動画、テキストをもとにした広告のことを指す。
年齢や性別、地域以外に、サイトの閲覧履歴などに応じてターゲティングできるため、自社の商材やサービスを知らない潜在層向けに適した広告手法となります。
画像や動画を活用することで、視覚的なアプローチが可能。
また、DSP広告とはディスプレイ広告と同じような手法で、同時に複数の関連度の高いWebサイトに広告配信できる広告手法となります。
自社の商材やサービスに関連度の高いユーザーに対して広くアプローチできるため、費用対効果を落とさず訴求できる点が魅力。
3-3.リマーケティング、リターゲティング広告
リマーゲティング広告とは:
Web広告経由などで自社のWebサイトを訪問したことがあるユーザーに対し、再度Web広告を表示させる手法のことを指す。
Googleではリマーケティング、Yahoo!ではリターゲティングと呼ばれていますが、同様の手法となります。
より自社の商材やサービスに興味・関心のあるユーザーにターゲットを絞ってアプローチできるので、購入や申し込み、資料請求や問合せといったコンバージョンにつながりやすくなります。
一方、ユーザーを追従しながら何度も同じ広告を表示させることになります。そのため、ユーザーによってはしつこいと感じ、マイナスにつながる可能性もあるので注意が必要です。
3-4.ネイティブアド
ネイティブアドとは:
メディアの記事やコンテンツと同じ見た目で表示させる広告のことを指す。
自然な広告表示が可能なことから、ユーザーにストレスを与えないため、通常の広告よりも興味・関心を示してもらいやすいというメリットがあります。
一方で、対象のWebサイトと同化することで広告であることが分かりにくく、コンバージョンの低下やユーザーを混乱させてしまう怖れもあるので注意が必要です。
3-5.純広告・バナー広告
純広告とは:
Webサイトの広告枠を買い取って掲載する広告のことを指す。
画像や動画、テキストを用いて広告表示させることが可能で、主にバナーで表示させることからバナー広告とも呼ばれています。
1週間や1ヵ月など期間を指定した広告出稿が一般的ですが、掲載メディアによっては出稿単価が高くなることもあります。
3-6.記事広告
記事広告とは:
メディア内でPR用の記事を作成してもらい、特集記事として掲載する広告のこと指す。広告主と媒体が連携しながら制作する広告であることから、タイアップ広告とも呼ばれている。
メディアの持つブランド力を最大限利用することができるため、信ぴょう性も高まり記事として読んでもらいやすくなります。
コンバージョンも期待できる広告手法ですが、記事制作から掲載までに時間がかかる傾向にあります。
3-7.リワード広告
リワード広告とは:
コンバージョン設定した行動をユーザーがとった場合、そのユーザーに対して報酬を還元するWeb広告のことを指す。
具体的には、会員登録で数百円プレゼントしたり、アプリ登録でポイントをプレゼントしたりすることで広告展開するケースが多いです。
短期間でのブランディングや認知度拡大、ユーザー獲得に効果的な手法。
3-8.動画広告
動画広告とは:
テレビCMのようにWeb上で動画コンテンツを配信する広告のことを指す。
テキストや画像に比べてユーザーに伝えられる情報量の多さと視認性の高さが特徴で、認知度の向上と効果につながりやすい手法となります。
一方、動画制作には多くの時間とコストが必要になるので、その点を考慮しておく必要があります。
3-9.SNS広告
SNS広告とは:
FacebookやInstagram、TikTok、Twitter、LINEといった各SNSに掲載される広告のことを指す。
昨今は若年層を中心に多くのユーザーが日常的にSNSを活用しています。アクティブユーザーが多く、細かなターゲティングも可能なため、効果にもつながりやすくなります。
SNS広告は、媒体によって若干手法が異なります。以下に、それぞれの特徴を紹介します。
- Facebook広告 / Instagram広告
Facebook広告は他のSNSに比べてターゲティングの精度が高いため、自社の商材やサービスより適切なユーザーへのアプローチが可能です。Facebook傘下のInstagramもFacebook広告の管理画面で運用が可能。
TikTok広告
TikTok広告の最大の特徴は、アプリの全画面を使ってインパクトのある動画を配信できることです。
非常に高い訴求力を持ち、ユーザーが興味を持った広告は拡散されることもある。
また、TikTokのメインユーザーは25歳以下の若者が多く、利用時間も長いことから、他のSNSと比べて広告効果が得られやすいメリットもあります。
Twitter広告
Twitter広告は、Twitterのタイムラインや検索結果などに表示される広告のことを指します。
Twitterは10~20代の利用者が多く、TikTokと同じく若年層へのアプローチに適している。
また、他のSNSに比べて拡散力が非常に高く、2次拡散による高い費用対効果も期待できます。
- LINE広告
LINE広告は、LINE Ads Platform(ラインアズプラットフォーム)という専用プラットフォームを使って配信されます。LINEは日本国内で高いシェアを誇り、生活インフラとしても定着しているため、年齢問わず幅広い層にアプローチすることが可能です。
3-10.アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは:
アフィリエイトサイトに掲載している広告を通してユーザーが購入や申し込み、問い合わせといったアクションを起こした場合、広告の掲載媒体に報酬が支払われる手法。
費用が発生するのは先ほどのアクションのようにコンバージョンが生まれた場合のみとなるため、高い費用対効果が見込めます。
一方で、他のWeb広告と比べて効果が出るには時間がかかるため、留意する必要があります。
3-11.アドネットワーク広告
アドネットワーク広告とは:
アドネットワーク(Ad Network)と呼ばれる広告配信ネットワークを利用して、複数の広告媒体にまとめて出稿する手法のことを指す。
一度に多くのWebサイトやブログ、SNSやスマートフォンアプリなどに展開できるため、媒体ごとに掲載依頼を行う必要がありません。
一般的にクリック単価制で行われることが多いですが、効果測定などと併せてアドネットワーク側で調整することも可能です。
4.Web広告の課金方式
最後に、Web広告の課金方式について紹介していきます。リスティング広告のクリック課金型やアフィリエイト広告の成果報酬型など、Web広告には多くの料金体系が存在します。
それぞれの特性をふまえて予算管理していくことが重要です。
4-1.クリック課金型(CPC)
クリック課金型のCPCとは:
Click Per Costの略語で、ユーザーが広告を1回クリックするごとに料金が発生する課金方式のことを指す。
また、PPC広告(Pay Per Click広告)とも呼ばれます。リスティング広告やSNS広告などで採用されており、Web広告で最も一般的な課金方式となります。
4-2.インプレッション課金型(CPM)
インプレッション課金型のCPMとは:
Cost Per Milleの略語で、広告の表示回数に合わせて料金が発生する課金方式のことを指す。
メディア独自のバナー広告に多く、広告が閲覧された回数に応じて課金されるため、ブランディングや認知度向上という面では効果的な課金方式となります。
4-3.エンゲージメント課金型(CPE)
エンゲージメント課金型のCPEとは:
Cost Per Engagementの略語で、主にSNS上でユーザーに広告をシェアやフォロー、クリックなどをされた場合に料金が発生する課金方式のことを指す。
拡散力を高め、広くユーザーにアプローチすることを狙う場合に最適な課金方式となります。
4-4.成果報酬型(CPA/CPI)
成果報酬型のCPAとは:
Cost Per Actionの略語で、購入や資料請求、問い合せなどのコンバージョンが発生した場合のみ料金が発生する課金方式のことを指す。
主にアフィリエイト広告で展開されることが多く、確実に費用対効果を高める上で有効な手法となります。
コンバージョンの対象が、スマートフォンアプリなどのインストールの場合はCPI(Cost Per Install)と呼ばれることもある。
4-5.広告視聴単価型(CPV)
広告視聴単価型のCPVとは:
Cost Per Viewの略語で、ユーザーが一定時間動画広告を視聴した場合に料金が発生する課金方式のことを指す。
主にYouTube広告上で動画クリエイティブが視聴された回数などにおいて展開されることが多くなります。
動画広告は、ユーザーに視聴されなければ意味がありません。インプレッションとは異なり何秒以上視聴したかが重要となりますので、その意味で活用されるケースが多くなります。
4-6.ページビュー保証型
ページビュー保証型とは:
契約したページビュー(PV)数に達するまで広告が掲載される課金方式。
期間中に契約ページビュー(PV)数に満たない場合は、その後も広告掲載期間を延長し続けられるので、期間指定よりも費用対効果を高めることが期待できます。
5.まとめ
Web広告には数多くの種類があり、媒体や配信手法によってターゲット層や掲載の仕組みは異なります。課金方式も異なるため、自社の商材やサービスを踏まえ、目的に合ったWeb広告を実施することが重要です。
細かなターゲティングができるだけでなく、出稿結果もデータで細かく確認できるため、広告を最適化しながら展開できるのは大きな魅力です。
今回ご紹介した各Web広告の特徴をふまえ、効果的な広告運用を目指していきましょう。
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