コラム

成果を出すWebマーケティング戦略に必要な8つのフレームワーク

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今日のデジタル時代において、強力なWebマーケティング戦略を持つことは、あらゆる規模のビジネスにとって不可欠です。

Webマーケティング戦略がうまく機能すれば、自社認知度を拡大し、Webサイトへの流入を増やして、ビジネスの成長を加速できます。

しかし、そうは分かっていながらも「どのWebマーケティング施策を展開すればいいのか分からない」や「自社に適した戦略立案ができない」と悩む担当者の方も多いことでしょう。

そこで本記事では、成果を出すWebマーケティング戦略の立案に役立つフレームワークを、内部環境分析・外部環境分析・差別化の特定の順に解説します。

あなたがWebマーケティングの入門者であっても、成果に行き詰まるWebマーケティング担当者であっても、この記事はWebマーケティングの目標を達成するのに役立つことでしょう。

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1.Webマーケティングとは

Webマーケティングとは:
検索エンジンやSNS、メールなどのWeb上で行うマーケティング活動のこと。

具体的な施策は、SEOやリスティング広告、メールマーケティング、SNSマーケティングなど多岐にわたります。

多くの企業がWebマーケティングに取り組んでいるからこそ、自社に勝ち目のある市場を発見し、戦略的に施策を推進しなければいけません。

ここからは、Webマーケティングの戦略立案に使えるフレームワークを見ていきましょう。

BtoB企業向けのWebマーケティングとは?考え方や戦略、手順を徹底解説
Web広告とは?種類別に特徴とメリットを紹介

2.Webマーケティング戦略立案①:内部環境分析とフレームワーク


Webマーケティングにおける内部環境分析の目的は、Webマーケティング活動の成功に影響を与える自社の強み文化、価値観などの内部要因の特定です。

内部環境分析をすれば、競合優位性や自由に使えるリソースなどの強み、不足している分野の発見ができます。

これらの発見を参考にすることで、自社の強みを生かしながら弱みに対処するWebマーケティング戦略の立案が可能になるでしょう。

Webマーケティングの戦略を立案する際は、まずは内部環境分析をし、自社の強み/弱みや組織文化、リソースについての理解を深めましょう。

ここからは、内部環境分析に役立つフレームワークをご紹介します。

2-1.SWOT分析

SWOTとは:
Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)の頭文字をとった略語のこと。

組織や特定のプロジェクトにおける 「強み」「弱み」「機会」「脅威」を評価するために用いられる戦略フレームワークです。

SWOT分析は、組織やプロジェクトに影響を与える可能性のある内部要因と外部要因の両方を調査します。

環境 プラス要因 マイナス要因
内部環境 強み 弱み
外部環境 機会 脅威

SWOT分析の各要素の詳細は以下の通りです。

  • 強み:競合他社よりも優位に立つための内部要因。簡単に言えば、自社ならではの強み。企業文化や商材の特徴、評判、リソースなど成功に貢献する可能性の高いポジティブな要因
  • 弱み:組織やプロジェクトが目標を達成する上で障害となる内部要因。商材の弱みやスキルギャップなどの対処すべきマイナス面を洗い出す
  • 機会:組織やプロジェクトに利益をもたらす可能性のある外部要因。市場動向や新技術など、成長や進歩をもたらすために活用できる要素が含まれる
  • 脅威:組織やプロジェクトにとってリスクとなる外的要因。競争や市場、規制環境の変化など業績に悪影響をおよぼす可能性のある要因などが含まれる

SWOT分析を行えば、現在の状況や将来起こりうるシナリオ、実現性の高い行動指針を把握できます。

これらの情報をもとに、Webマーケティングを推進する重要領域を特定すれば 、既存の強みを生かしながら、潜在的な脅威の緩和や回避ができるわけです。

2-2.7Sモデル

7Sモデルとは:
マッキンゼー・アンド・カンパニーのトム・ピーターズとロバート・ウォーターマンが開発したマネジメントフレームワークのこと。

このモデルは、組織が成功するために整理しなければならない7つの重要な要素があるという考えに基づいています。

7つの要素(7S)は次の通りです。

  • 戦略(Strategy):目的を達成するための計画や行動方針
  • 構造(Structure):組織設計の方法や部門、仕組み階層
  • システム(System):コミュニケーションツールや意思決定プロセスなどのプロセスや手順
  • 共有された価値観(Shared Values):組織とその従業員を導く価値観と信念
  • スキル(Skills):組織で働く人々の能力
  • スタイル(Style):組織のリーダーシップ
  • スタッフ(Staff):組織やプロジェクトで働く人の数やスキルなど
    7Sモデルでは、これら7要素の整合性と一貫性が重要であるとされています。

例えば、組織の構造は戦略をサポートし、システムはその構造に沿う、スタッフは組織の戦略を実行するために必要なスキルと能力を備えているべきです。

この7つの要素に焦点を当てることで、組織の現状と理想のギャップを診断でき、効果的にWebマーケティング企業を構築できます。

7Sモデルは、Webマーケティングの文化がない企業にもおすすめ。

3.Webマーケティング戦略立案②:外部環境分析とフレームワーク


外部環境には、競合他社だけではなく、経済や社会的な背景など自社でコントロールできない要因も含まれます。

Webマーケティングにおいては、テクノロジーの発展で市場や顧客ニーズなどが急速に変化しているため、定期的に外部環境分析をしなければなりません。

ここからは、外部環境分析に役立つフレームワークをご紹介します。

3-1.PEST分析

Webマーケティングにおいて外部環境分析に用いられる主なフレームワークは、PEST分析でしょう。

PESTとは:
Politics(政治的)・Economy(経済的)・Society(社会的)・Technology(技術的)の頭文字をとった略語。

PEST分析は、Webマーケティング担当者が自社のマーケティング戦略に影響を与える可能性のある主要な外部要因を特定し、分析するのに役立ちます。

各項目の詳細は以下の通りです。

Politics(政治的要因) 政府の政策や法律、規制、政治の安定性など。例えば、個人情報保護法の改正は、Webマーケティング担当者が顧客データを収集・利用する際に影響を与える
Economy(経済的要因) 経済成長やインフレ、金利、消費者信頼感など。経済的要因は、購買力や購買習慣など、消費者の行動に影響を与える可能性がある
Society(社会的) 人口統計やトレンド、ライフスタイルなど。社会的要因は、消費者の行動や製品・サービスに対する考え方に影響を与える可能性がある
Technology(技術的) 技術の発展やコミュニケーションチャネルの変化、新しいプラットフォームやデバイスの出現など。技術的な要因は、マーケティング担当者がターゲットとする消費者にリーチし、信頼関係の構築から購買意欲の醸成まで、新たな機会の創出に影響を与える

PESTフレームワークを用いて外部環境を分析すれば、自社のマーケティング戦略における主な機会と脅威を特定し、それに応じた施策展開ができます。

3-2.5フォース分析

5フォース分析とは:
業界や市場の競争力を分析するためのフレームワークのこと。

1970年代にハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・ポーター教授によって開発されて以来、戦略策定や競争戦略策定のツールとして広く使われています。

5フォースは、以下5つの要素を分析します。

新規参入の脅威 新しい競争相手が業界に参入し、既存の企業と競争できる度合い。新規参入の脅威を左右する要因としては、参入障壁(高い創業コストや規制など)や企業規模、流通チャネルへのアクセスなどが挙げられる
サプライヤーの交渉力 ここでいうサプライヤーとは、自社商材を作る際に必要な製品やサービスの提供会社のこと。サプライヤーの交渉力に影響を与える要因としては、業界内のサプライヤーの数や代替品の有無、サプライヤーの重要度などが挙げられる
バイヤー(顧客)の交渉力 顧客が商品やサービスの価格や購入条件にどの程度影響を与えることができるかということ。顧客の交渉力に影響を与える要因としては、市場における顧客の数や代替品の有無、顧客にとっての製品・サービスの重要度などが挙げられる
代替品やサービスの脅威 代替品や代替サービスが、その業界の製品やサービスと同じニーズを満たすことができる度合い。代替品の脅威に影響を与える要因としては、代替品の入手可能性や代替品の価格と品質などが挙げられる
既存の競合企業間の競争 業界における企業間の競争の度合い。競合に影響を与える要因としては、競合の数や規模、市場の成長率、製品やサービスの差別化などが挙げられる

これらの力をそれぞれ分析すれば、その業界の競争力をよりよく理解し、競争力と収益性を向上させられるでしょう 。

また、このフレームワークは、潜在的な脅威を特定し、その脅威を軽減するための戦略を策定するためにも活用可能です。

3-3.3C分析

3C分析とは:
Company(会社)・Customer(顧客)・Competitor(競争相手)の頭文字をとった戦略的なマーケティング分析のフレームワークのこと。

組織が事業を展開する市場や、競争環境を理解するために用いられます。

3C分析によって、組織の強みや弱み、勝ち目のある市場、脅威を把握できるため 効果的なマーケティング戦略の立案に役立てられるでしょう 。

ここでは、3C分析の3つの構成要素について説明します。

会社 会社の目標やマーケティングの目的・能力・資源・強みと弱みなどを調査します。自社分析によって、独自の強みや優位性の特定ができる
顧客 ターゲットとなる顧客のニーズや嗜好を分析する。顧客セグメントの特定や顧客の購買行動と心理の理解などを実施。顧客分析により、顧客のペインポイントや満たされていないニーズを特定すれば、その要求を満たす製品サービスの開発やマーケティング施策へとつなげられる
競合他社 競合状況を分析。主な競合他社やその強みと弱み、市場シェアなどを明らかにする。競合他社分析は、組織の競争優位性と、市場で優位に立つために改善すべき領域を特定するのに役立つ

3C分析は、市場や競合、顧客を理解するのに役立つ強力なフレームワークです。

この分析から得られた洞察を活用すれば、効果的なWebマーケティング戦略を策定し、目標や目的の達成に役立てられるでしょう。

4.Webマーケティング戦略立案③:差別化の特定とフレームワーク


Webマーケティングを推進する際は、自社ならではの強みや価値を特定し、ターゲットユーザーに伝えなければいけません。

ここからは、自社の強みや競合優位性を見つけるのに役立つフレームワークをご紹介します。

4-1.ペルソナ

ペルソナとは:
自社の理想的もしくは典型的な顧客像のこと。

デモグラフィクスとサイコグラフィクスを詳細に設定し、一人の顧客をイメージできるまで具体性を高めます。

ペルソナ作成の目的は、顧客理解を深めることです。ペルソナの作成は、ユーザーインタビューやアンケート調査などに基づいて行われます。

信頼できる顧客情報の収集と分析をすれば、実在する顧客が抱えていた課題や悩み、自社を選んだ理由などが明らかになるのです。

Webマーケティング推進の前には、ペルソナ作成をし、ターゲットユーザーについての理解を深めましょう。

マーケティングにおけるペルソナの作成手順 | メリットや注意点も解説
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4-2.バリュープロポジションキャンバス

バリュープロポジションキャンバスとは:
自社の製品やサービスがどのように顧客のニーズを独自に満たすことができるかを特定し、理解するのに役立つフレームワーク。

バリュープロポジションキャンバスは、次の2つの要素で構成されます。

顧客プロファイル 顧客ニーズや課題などを理解することに重点を置いた要素。ターゲットユーザーのデモグラフィクスやサイコグラフィックス、ペインポイントなどに関する情報を記載する。顧客ニーズと購買動機を理解することで、競合他社との差別化を図れる
バリューアップ バリューマップは、自社がどのように顧客のために価値を創造できるかに焦点を当てる。バリューマップには、企業が提供する商材とその特徴、強み、それらがどのように顧客ニーズを満たすのかについての情報が含まれる

バリュープロポジションキャンバスを使用することで、顧客の最も重要なニーズとペインポイントを特定し、それらに応える自社ならではの価値や強みを発見できます。

バリュープロポジションキャンバスにより自社のユニークな強みを発見すれば、ターゲット顧客の共感を獲得し、競合他社と差別化できる強みを推進できるでしょう。

4-3.カスタマージャーニーマップ

ペルソナとバリュープロポジションキャンパスで、ターゲットユーザーの課題や悩み、自社が提供する価値を特定したら、カスタマージャーニーマップにまとめましょう。

カスタマージャーニーマップとは:
顧客が自社商材の認知から購買に至るまでの各段階における、行動・感情・接点・自社が提供する価値などをまとめたマップのこと。

カスタマージャーニーマップの作成により、Webマーケティング戦略を俯瞰できるようになるため、一貫性の高い施策の推進ができます。

カスタマージャーニーマップとは?重要な理由や作成手順を解説
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5.どのWebマーケティング戦略を推進するべきか?


どのWebマーケティング施策を展開するかは、ビジネスの目標や予算、競合状況などによって異なります。

下記はこれからWebマーケティング戦略を立案する方に、おすすめの主な施策です。

施策 内容
SEO Googleなどの検索エンジンでのランキングを向上させるために、Webサイトを最適化すること。ページ内最適化やキーワードリサーチ、被リンク獲得などの対応などを行い、Webサイトへのアクセスを向上させる
コンテンツマーケティング ブログや動画、インフォグラフィックスなど質の高いコンテンツを作成し、ターゲットユーザーに認知から購買までしてもらう施策
リスティング広告/SNS広告 検索エンジンやSNSに広告を掲載する手法。ユーザーが広告をクリックしたときにのみ、広告費が発生するため、費用対効果が高い傾向です。短期間で大きな成果を出せるため、これからWebマーケティングを始める企業におすすめ
SNSマーケティング FacebookやInstagram、Twitter、LinkedInなどのSNSで行うマーケティングです。アカウント作成自体は無料のため、取り組みやすい
メールマーケティング 購読者や顧客メッセージを送信し、製品やサービスのプロモーション、関係構築、販売促進を行う
コンバージョン率最適化(CRO) CRO(Conversion Rate Optimization)とは、Webサイトのデザインとコンテンツを最適化し、Webサイトから発生するリードや売り上げを増やすなどのコンバージョン率を向上させること

先にご紹介したフレームワークを活用し、どの施策が自社のビジネス目標やターゲット層に合致するかを検討し、それに応じて予算を配分しましょう。

また、結果を分析、必要に応じて戦略を調整することで、ROI(投資収益率)を最適化できます。

6.まとめ

Webマーケティングは、多くの企業が実施しているからこそ、戦略的に展開する必要があります。自社のターゲットや競合状況などに合致していない戦略を展開すれば、期待した成果は見込めません。

だからこそ、フレームワークを活用し、自社や競合、顧客理解を深めましょう。

基本的には、競合が少ない市場で、顧客の課題やニーズに応える価値あるメッセージを届ければ、成功確率は高まります。

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アドフレックス編集部

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