【基礎】Web広告の効果測定で最低限押さえておくべき指標と分析手順
Web広告の運用では、定期的に効果測定と改善を繰り返すことが重要です。しかし、初めてWeb広告を運用する場合は、見るべき指標の多さやデータ分析に慣れていないことが原因で、効果測定ができないと悩む担当者も多くいます。
入門者の場合は、集客・コンバージョン・費用対効果の3つの観点で効果測定をすれば十分です。
本記事では、入門者が押さえておくべき基本指標と分析手順、効果測定のポイントを解説します。
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目次
1.Web広告運用で効果測定が重要な理由
Web広告を出稿するメリットの一つとして、高速でPDCAを回せることが挙げられます。
PDCAとは:
以下の頭文字を組み合わせた略語であり、業務効率化を図る管理手法。
Plan:計画
Do:実行
Check:評価
Action:改善
リスティング広告やSNS広告などの運用型のWeb広告の場合、テレビや新聞などのオフラインの広告とは異なり、迅速にクリエイティブや入稿キーワード、ターゲット設定などの改善を行えるのです。
定期的にWeb広告の効果を確認し、改善と検証を繰り返すことで、安定した成果を出せるようになります。
2.入門者が最低限押さえておくべきWeb広告の効果指標
Web広告の効果指標の数は多々あります。運用入門者の場合、どの指標を見ればいいのかと迷うことでしょう。
そこでここからは、最低限チェックするべき指標を「集客」と「コンバージョン」、「費用対効果」の観点で分けて解説します。
2-1.集客の観点で見るべき指標
集客の観点における基本的な指標はクリック数です。
クリック数とは:
広告がクリックされた回数を示す指標であり、まずは高いクリック数を目指す必要がある。
それでは、クリック数を増やすにはどうすればいいのでしょうか。クリック数を増やすためには、インプレッション数(広告の表示回数)を増やさなければいけません。
クリック数とインプレッション数は確実に押さえたうえで、クリック率(CTR)と平均クリック単価(CPC)も合わせて確認しましょう。
クリック率とは:
広告の表示回数(インプレッション数)のうちユーザーがクリックした回数の割合であり、Web広告の流入に対する成果を測るときに用いられる。
平均クリック単価とは:
1件のクリックにかかるコストであり、広告費をクリック数で割ることで算出可能。
平均クリック単価が低いほど、低コストで多くの流入を得られているということです。
【例】
同額の予算を投下した広告キャンペーンが2つあったとしても、平均クリック単価の低い方がより多くの流入を見込めます。
2-2.コンバージョンの観点で見るべき指標
Web広告で大きな集客を達成できても、売り上げや問い合わせなどの行動に結びつかなければ、自社ビジネスは成長しません。
そこでコンバージョンの観点でも効果測定をしましょう。
コンバージョン数とは:
購入や問い合わせなどを目標とするユーザー行動を獲得した回数のこと。
しかし、単にコンバージョン数が多いだけでは、良い広告かどうかは分かりません。なぜなら、クリック数のわりにコンバージョン数が少ない可能性もあるためです。そこでコンバージョン率(CVR)も確認しましょう。
コンバージョン率とは:
コンバージョン数をクリック数で割った指標。
コンバージョン率が高いほど、効果的に集客できています。
【例】
コンバージョン率が高いLPの場合、さらなる予算を投下して流入数を増やす施策が有効。
一方、コンバージョン率が低い場合は、セッション数を増やす施策ではなく、コンバージョン率を向上させる施策が必要となります。
また、1件のコンバージョンにかかった単価を意味するコンバージョン単価(CPA)もチェックしましょう。
2-3.費用対効果の観点で見るべき指標
Web広告の効果測定において、最も重要な指標はROASと言っても過言ではありません。
ROAS(Return On Advertising Spend)とは:
「広告の費用対効果」のこと。
ROASは下記の計算式で算出可能です。
ROAS = 広告経由の売り上げ ÷ 広告費 × 100
ROASを測定すれば、どの広告が売り上げに貢献しているのか判明します。ROASの高い広告にはさらなる予算を投下し、低い広告には施策の改善を進めるなどROASをもとに施策を進めましょう。
3.Web広告の主な指標一覧
Web広告の効果測定で使われる指標一覧をまとめましたので、ぜひご参考にしてください。
指標 | 概要 | 計算式 |
---|---|---|
ROAS | 広告の費用対効果 | 広告経由の売り上げ ÷ 広告費 × 100 |
CPA(コンバージョン単価) | 1件のCVにかかるコスト | 広告費 ÷ コンバージョン数 |
コンバージョン数 | 購入や資料請求などのゴールにつながった数 | - |
CVR(コンバージョン率) | コンバージョン数をクリック数で割った割合 | コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100 |
CTR(クリック率) | 広告の表示回数に対してクリックされた割合 | クリック数 ÷ 表示回数 × 100 |
CPC(平均クリック単価) | 1回のクリックでかかるコスト | 広告費 ÷ クリック数 |
インプレッション数 | 広告の表示回数 | - |
インプレッションシェア | 広告が表示可能だった回数のうち、実際に広告が配信された回数 | - |
品質スコア | 広告の品質を数値化した指標 | - |
フリークエンシー | 同一ユーザーに広告が表示された回数 | - |
4.Web広告の効果測定の基本的な手順
Web広告の効果測定方法は多々あり、絶対的な正解はありません。しかし、ここでは入門者の方に向けて、基本的な効果測定手順を解説します。
4-1.時系列分析
時系列分析とは:
時間の経過に沿ってデータを分析する手法のこと。
まずはインプレッション数やクリック数、コンバージョン数などを時系列に沿って確認しましょう。時系列分析をすることで、世の中のトレンドや季節などがWeb広告に与える影響を把握できます。
また、LPデザインの変更や広告設定の大幅な変更などが影響を及ぼすこともあるため、併せて確認が必要です。
4-2.ユーザー視点で分析
時系列分析で外的要因が及ぼす影響を確認したら、ユーザー視点で効果測定指標を見ていきます。具体的には、各項目を考えましょう。
- 誰が:ユーザー属性
- どこから来て:どの広告から?検索語句は?
- 何をした:離脱もしくはコンバージョン
ユーザー行動を分析すれば、Web広告効果の全体像を把握できます。
4-3.コンバージョンユーザーの分析
最後に、コンバージョンユーザーの分析をしてみましょう。主な分析項目は以下の通りです。
- ユーザー属性
- デバイス別の割合
- アクセスの多い時間帯や地域
- 検索したキーワード
- どの広告を見たのか?
- 直接コンバージョンした割合
コンバージョンユーザーに絞って、各広告効果の指標を確認すれば、コンバージョンするユーザーの特徴や有益な指標などが浮かび上がります。
5.Web広告の効果測定で成果を出すポイント
最後に、Web広告の効果測定で成果を出すポイントを解説します。
5-1.インプレッションシェアで機会損失を改善
インプレッションシェアとは:
本来広告が表示されるはずだった回数に対して実際に表示された割合のこと。
つまり、インプレッションシェアが100%なら配信機会の損失はおきていません。一方、インプレッションシェアが50%の場合は、全体の半分しか広告を配信できていないということです。
インプレッションシェアが悪い原因は、費用もしくは広告ランクとなります。インプレッションシェアを見て、広告の改善や予算の調節などをしましょう。
5-2.コンバージョンに近い部分から効果測定する
Web広告はコンバージョンに近い部分から効果測定し、改善に努めましょう。
【例】
先にクリック率を改善したとしても、コンバージョン率が悪ければ、目的達成にはつながらない。
コンバージョンに関する指標の改善は、成果に直結する可能性が高く、集客効果を最大化します。
5-3.数字からユーザーを想起する
Web広告の良い点は、ユーザー行動が数字で可視化されることです。しかし、数字からユーザーを想起できなければ、効果的な効果測定はできません。
Web広告の効果測定をする際は、「なぜユーザーはすぐに離脱したのだろう」や「ユーザーにとって広告は魅力的だろうか」などユーザーの視点に立って、各指標を見てみましょう。
6.まとめ
Web広告で成果を上げるためには、定期的に広告効果の測定をし、分析と改善を繰り返さなければいけません。Web広告の指標は多数ありますが、まずはコンバージョンに関する指標を改善しましょう。
コンバージョンに近い部分から改善することで、集客効果を最大化できる準備が整います。
Web広告の運用において、適切な効果測定と分析ができることは、大きな武器となるため、定期的に効果測定する習慣を身につけましょう。
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アドフレックス編集部
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