コラム

リスティング広告の部分一致の基礎|特徴や有効な活用ケースまで

基礎知識 リスティング広告
この記事は8分で読むことができます

リスティング広告の部分一致とは、登録したキーワードはもちろん、類義語や関連語句にまで広告を配信する設定のことです。

多くの検索語句に対して広告を配信できるため、新たな有望キーワードの発見や機会損失の防止などを見込めます。

ここまで見ると、良いとこづくしの部分一致ですが、下記のような失敗事例が頻出するため、扱いが難しい設定でもあります。

  • 「自社と関係性のない検索語句に広告が配信されてしまった…」
  • 「予想以上に早いスピードで広告予算がなくなった…」

実は、リスティング広告の運用歴が長い担当者でも、部分一致の扱いには迷うことが多々あります。

それでいて、Google 広告においては部分一致がデフォルト設定になっているため、注意しなければいけません。

本記事では、リスティング広告における部分一致の特徴やメリット・デメリット、他のマッチタイプとの違い、有効なケースを解説します。

リスティング広告を改善したい方へ

10年以上の業界経験から得られた知見をもとに、弊社アドフレックスが実践している「リスティング広告最適化の秘訣」を無料公開します。

  • 自社のリスティング広告を改善したい
  • どんな改善方法があるのか知りたい
  • 具体的な改善事例を知りたい
といったマーケティング担当者の方はぜひダウンロードのうえ、ご活用ください。 資料ダウンロードは
こちらから

1.リスティング広告における部分一致とは

リスティング広告における部分一致とは:

登録したキーワードと同じ意味の検索語句や類似検索語句に対して広告が表示される機能。

キーワードを含まない検索語句にも拡張して配信されるため、3つのマッチタイプのなかで最も配信範囲が広くなっています。

Google 広告においては、部分一致の配信に下記情報が考慮されるそうです。

  • ユーザーの最近の検索アクティビティ
  • ランディングページのコンテンツ
  • 広告グループ内の他のキーワード(キーワードの意図を詳しく把握するため)

また、Google 広告では部分一致がデフォルトの登録となっているため、単純にキーワードを入力すれば部分一致として配信されます。

参考:部分一致: 定義|Google 広告 ヘルプ

1-1.絞り込み部分一致は廃止

出典:フレーズ一致と絞り込み部分一致の変更について|Google 広告 ヘルプ

2021年7月以前、Google 広告には絞り込み部分一致というマッチタイプがありました。

絞り込み部分一致とは:

部分一致よりも広告の表示範囲を狭める設定。

しかし、絞り込み部分一致はフレーズ一致に統合され、廃止されました。

つまり、以前と比べてフレーズ一致の配信範囲が拡大されたのです。絞り込み部分一致を利用したい場合は、フレーズ一致を設定しましょう。

2.リスティング広告における部分一致と完全一致・フレーズ一致の違い

Google 広告とYahoo!広告ともにマッチタイプは、部分一致・フレーズ一致・完全一致の3種類があります。

各マッチタイプの特徴を理解したうえで、最適な種類を選択しましょう。ここからは、それぞれの種類について解説します。

下記は、3種類のマッチタイプの特徴をまとめた早見表です。

【キーワード:プロテイン 安い】

項目 部分一致 フレーズ一致 完全一致
プロテイン 安い
安いプロテイン
プロテイン 安い バニラ味 ×
プロテインバー 格安 × ×
設定方法 キーワード入力のみ
プロテイン 安い
二重引用符で囲む
“プロテイン 安い“
角かっこで囲む
[プロテイン 安い]

2-1.部分一致とフレーズ一致の違い

フレーズ一致とは:

キーワードが検索語句と同じフレーズ/検索意図を含む際に配信する設定のこと。

先にご紹介したように、絞り込み部分一致はフレーズ一致に統合されたため、以前よりも配信範囲が拡大しています。

部分一致はキーワードと関連性の高い類義語にも拡張配信されますが、フレーズ一致では類義語は配信対象外のため、部分一致よりも配信範囲は狭い。

以下は部分一致とフレーズ一致の配信例をまとめた表になります。

【キーワード:プロテイン 安い】

検索語句 部分一致 フレーズ一致
プロテイン 安い
安いプロテイン
プロテイン 安い バニラ味
プロテイン 安い Amazon
プロテインバー 格安 ×

フレーズ一致の場合、「プロテイン 安い バニラ味」のようなキーワードとフレーズが一致している検索語句には広告が配信されますが、「プロテインバー 格安」のように検索意図が異なる場合は表示されません。

フレーズ一致に関しては、下記記事で詳しく解説しているので、ぜひこちらも参考にしてください。

【最新版】リスティング広告フレーズ一致の基礎を分かりやすく解説

2-2.部分一致と完全一致の違い

完全一致とは:

キーワードと完全に同じ意図の検索語句に対して広告を配信する機能。

なお、完全一致ながらも検索意図がマッチしていれば、語順が異なっても広告は配信されます。

完全一致は、広告範囲を最も絞れるマッチング機能であり、特定のターゲットにピンポイントでの訴求が可能。

そのため、クリック率やコンバージョン率の最適化などの成果に期待できます。その一方、広告配信の機会損失の懸念があるのです。

以下が部分一致と完全一致の配信例をまとめた表となります。

【キーワード:プロテイン 安い】

検索語句 部分一致 完全一致
プロテイン 安い
安いプロテイン
プロテイン 安い バニラ味 ×
プロテイン 安い Amazon ×
プロテインバー 格安 ×

完全一致に関しては、下記記事で詳しく解説しているので、ぜひこちらも参考にしてください。

リスティング広告の完全一致の特徴やフレーズ一致との違い、活用法を解説

また、まずはリスティング広告のすべてのマッチタイプの概要を知りたいという方は、下記の記事からご覧ください。

概要をつかんだ段階で、それぞれのマッチタイプを深堀していただくと、効率よく理解ができます。

初心者でもわかる!リスティング広告のマッチタイプとは?選び方から設定まで詳しく解説

3.リスティング広告における部分一致のメリット・デメリット

リスティング広告の部分一致を使うメリットは、多くの検索語句に対して広告配信できるため、広告主が気づけていない有効なキーワードに出会えること。

自社と関連性の高いキーワードの取りこぼしや配信機会の損失を防止できます。

その一方、部分一致には予算コントロールが難しいデメリットがあります。

予算が少ない企業の場合、想定以上にキーワードが拡張配信されてしまい、すぐに予算を消化したというケースにつながりかねません。

また、部分一致では自社と関連性の低いキーワードにまで、広告が配信されます。

【例】

ゴルフのドライバー販売企業が「ドライバー」を部分一致登録

「ドライバー 求人」などの車の運転手の求人に関する検索語句で追加配信される可能性がある。

関連性の低いキーワードで配信されると、広告品質の低下や無駄な費用の発生などにつながります。

基本的には、検索ボリュームがそれほど多くなく、自社と関連性の高いキーワードに部分一致を指定する。

4.リスティング広告で部分一致が有効なケース

ここからは、部分一致が有効なケースをご紹介します。

4-1.月の広告予算が100万円以上

部分一致は、多くの検索語句に対して配信できるため、新たな有望キーワードを見つけられるのがメリットでした。

その一方、予算コントロールが難しいデメリットを踏まえると、月の広告予算が100万円以上の場合におすすめです。特に、自社やツールで発見できない新たな検索語句を見つけたい場合は、部分一致が向いています。

しかし、部分一致を中心に登録すると、どれだけ予算が多くても費用対効果は高くなりません。

あくまでも部分一致は、データ蓄積を目的に一時的に活用し、基本的にはフレーズ一致と完全一致の組み合わせがおすすめ。

4-2.キーワードと地名を組み合わせる

実店舗を所有している場合、「レンタカー 池袋」や「レンタカー 新宿」など一つずつキーワード登録するのは手間がかかります。

この場合、「レンタカー 東京」で部分一致登録をすれば、「レンタカー 池袋」や「レンタカー 渋谷」などで検索したユーザーにも広告が配信されます。

場所を限定して広告配信する場合には、部分検索がおすすめ。

4-3.スマート自動入札戦略と組み合わせる

機械学習の精度の向上とともに、リスティング広告の運用を機械学習に任せる運用方法が普及しました。

Googleのスマート自動入札戦略とは:

目的達成のために機械学習が自動的に入札単価を最適化する運用方法のこと。

機械学習の精度を高めるためには、さまざまな種類のデータを蓄積する必要があり、関連性の高い検索語句に広告配信する部分一致とスマート自動入札戦略の相性は良いです。

実際に、Googleも部分一致とスマート自動入札戦略の組み合わせを推奨しています。

ただし、フレーズ一致の配信範囲が拡大されている点を踏まえると、フレーズ一致と完全一致でスマート自動入札戦略を運用し、余計な費用を抑えながらアルゴリズムの精度を高めるのも有効な方法だと考えられます。

5.リスティング広告における部分一致の注意点

機械学習の精度が高まっていることもあり、部分一致で有力な検索語句にリーチできる確率が高まっています。

しかし、部分一致の依存には注意が必要です。広告パフォーマンスが良いときは、たまたまコンバージョンにつながる検索語句に多くリーチできている可能性があります。

ただし、最適な検索語句にリーチできなくなった途端、パフォーマンスが低下するでしょう。

リスク分散の意味でも、部分一致の活用と同時に、フレーズ一致と完全一致で有力な検索語句をストックすることも大切。

6.リスティング広告の部分一致の除外キーワードについて

除外キーワードとは:

特定の検索語句を広告配信の対象から外す設定のこと。

除外キーワードにも、部分一致・フレーズ一致・完全一致の3種類があります。

部分一致の除外キーワードは、除外キーワードのデフォルト設定であり、登録キーワードに含まれる「すべて」の語句が含まれた検索語句に対して、広告が表示されなくなります。

以下が、部分一致の除外キーワードの例です。

【キーワード:プロテイン 安い】

検索語句 配信有無
プロテイン 安い ×
プロテイン 安い バニラ味 ×
プロテイン バニラ味
プロテインバー

検索語句の部分一致とは異なり、除外キーワードでは配信対象外範囲が拡張されない点には注意しましょう。

7.まとめ

リスティング広告で部分一致登録をすれば、キーワードと同じ意味の検索語句および類似の検索語句に対して広告が配信されます。多くの検索語句に対して配信できるため、機会損失の防止や有望なキーワードを発見したい場合に向いています。

その一方、関連性の低い検索語句にも配信される性質上、無駄な予算が発生する可能性も高い傾向です。まずはフレーズ一致と完全一致の理解も深めたうえで、予算や広告運用のフェーズを考慮し、最適なマッチタイプを選定するようにしましょう。

【リスティング広告のお悩み解決ならこちら】

リスティング広告を改善したい方へ

10年以上の業界経験から得られた知見をもとに、弊社アドフレックスが実践している「リスティング広告最適化の秘訣」を無料公開します。

  • 自社のリスティング広告を改善したい
  • どんな改善方法があるのか知りたい
  • 具体的な改善事例を知りたい
といったマーケティング担当者の方はぜひダウンロードのうえ、ご活用ください。 資料ダウンロードは
こちらから
本記事の著者

アドフレックス編集部

アドフレックス・コミュニケーションズ公式アカウントです。

アドフレックス・コミュニケーションズ公式アカウントです。